白黒模様のように見えフラフラと飛翔する姿は、「ヤマトシジミ」かなとおもいましたが、それならそれで 「シルビアシジミ」の可能性もあり、止まるのを待っていました。
よく見ますと透明の翅に黒い斑紋をもつシリアゲムシ目シリアゲムシ科の 【ホソマダラシリアゲ】 でした。遠目には翅が白黒模様に見えたわけです。
小型のシリアゲムシですので、一見、「ミヤケシリアゲ」や「キアシシリアゲ」に似ますが、本種には、前翅の前縁に黒く長いスジが不明瞭であること、吻や腹部末端が黒くならないことから区別できます。また、これら他の2種や 「プライアシリアゲ」 に比べ、翅の黒い模様が細く、小斑紋が多い印象があります。
・出現時期としては5月から6月にかけて見られますが、本州中部以西に分布しており、あまり多く見られる種ではありません。
「シリアゲ」の仲間かと間違うよく似た名称の昆虫に 「キイロシリアゲアリ」 がいます。
< 前蛹になってから約29時間後に雌だけが持つ遺伝子を働かなくし、角が生えた雌(右端)。
左側は通常の雄と雌(画像:基礎生物学研究所提供)
カブトムシの角ができ始める詳しい時期を特定したと、基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)などの研究チームが10日付の米オンライン科学誌に発表しています。
幼虫がさなぎになる直前の「前蛹」という状態になってから約29時間後で、この時期に雌だけが持つ遺伝子を働かなくすると、雌に角が生えたという。
同研究所は「角を持つ他の昆虫でも同じように遺伝子を調べることで、角ができる仕組みや、角を獲得した進化の過程の解明につながる」と期待しています。
< 左上の蜂は、「西洋ミツバチ」 >
インドネシアの北モルッカ諸島でこのほど、世界最大とされるオオハキリバチの一種の「ウォレスズ・ジャイアント・ビー」が発見されています。このハチは1981年を最後に目撃例が途絶えており、人目に付きやすい大きさにもかかわらず、野生では一度も確認されておらず、科学者の間では絶滅が危惧されていました。
研究グループが「ウォレスズ・ジャイアント・ビー」を「再発見」したのは1月25日。生きた個体の写真と動画の撮影に初めて成功しています。このハチの翼幅は2.5インチ(約6.4センチ)で、体は人間の親指ほどの大きさがあります。
自然写真家の<クレイ・ボルト>氏ら4人で構成されるチームは長年このハチの研究を続けており、今回インドネシアの森を数日にわたり探索した末、ようやく遭遇できたとか。
再発見を受け、一帯に他にも生息地の森が存在するのではないかとの期待が再び高まっています。国際自然保護連合(IUCN)はこのハチを「危急種」に分類しています。
過去に「ウォレスズ・ジャイアント・ビー」を目撃した記録があるのは2人だけです。1人目は米自然保護団体「グローバル・ワイルドライフ・コンサベーション」によると、19世紀の英国の博物学者<アルフレッド・ラッセル・ウォレス>で、1858年にインドネシアのバカン島でこのハチを発見し、、「空飛ぶブルドッグ」の異名を持ち「ウォレスの巨大蜂」とも呼ばれています。1981年には昆虫学者の<アダム・メッサー>氏が2人目でした。
この「ウォレスズ・ジャイアント・ビー」は、シロアリ塚の内部に巣を作ります。大きな牙のような大顎を使って粘着性のある松やにを集め、自身の巣をシロアリから守るのに利用しています。
< 皇居で発見された新種「コウキョアケハダニ」の雌成虫(画像:後藤哲雄教授) >
国立科学博物館は14日、2009~13年度に皇居内で実施した生物調査で、採集されたダニの中に新種が含まれていたことが分かったと発表しています。
新種は「コウキョアケハダニ」と名付けられ、12日付のニュージーランドのマグノリア・プレスから発刊・オンライン公開される国際学術誌「ズータクサ」に掲載されました。
発見した流通経済大の<後藤哲雄>教授によりますと、この新種は植物に寄生する体長0.5ミリ未満のダニで、皇居内の生物学研究所近くに生えたヤマグワの葉から見つかっています。日本でアケハダニ属の新種が発見されたのは10年ぶりといいます。
世界の全昆虫種の半数近くが急速な減少傾向にあり、その3分の1ほどが地球上から姿を消す恐れがあるとの研究結果が、このほど発表されました。これにより、食物連鎖や農作物の受粉において悲惨な結果がもたらされると、研究は警告しています。
今回の研究をまとめた査読済みの論文は「人類が食物生産の方法を変えなければ、数十年後には全ての昆虫が絶滅の道をたどることになる」と結論付けています。この論文は4月に学術誌「バイオロジカル・コンサベーション(Biological Conservation)」に掲載される予定です。
減少傾向は、静水域に生息するさまざまな昆虫種にみられ、こうした傾向について論文は、過去5億年間で6回目となる「大量絶滅」の一環だと指摘しています。「われわれは、ペルム紀末期や白亜紀末期以降の地球上で最大規模の絶滅事象を目の当たりにしている」とのこと。2億5200万年前に起きたペルム紀末期の大量絶滅では、地球の生物種の9割以上が死滅した一方、6600万年前の白亜紀末期に突如として発生した大量絶滅では陸生恐竜が姿を消しています。
オーストラリア・シドニー大学の<フランシスコ・サンチェス・バヨ>氏と豪クイーンズランド大学の<クリス・ウィクホイス>氏の研究チームは、「減少傾向にある種の現在の割合は昆虫種全体の41%で、脊椎動物(背骨を持つ動物)のそれに比べて2倍高いと推定される」と報告。また、「現時点で、昆虫種全体の3分の1が絶滅の危機にさらされている」としています。
研究者らは、毎年1%が新たに絶滅危惧種の仲間入りをすると推定していますが、昆虫のバイオマス(生物量、生物体の総重量)は全世界で年間約2.5%の割合で減少しています。
研究結果について論文の執筆者らは、「生態系の壊滅的崩壊を回避できるのは、断固たる行動だけだ」と警告し、原野の回復と、農薬および化学肥料の大幅な使用料削減が、昆虫の減少ペースを減速させるための最善の方法であることが考えられると述べています。
昆虫の減少と絶滅危機の理由については、森林破壊、都市化、農地への転換など、生息域の変化が最大の要因としてあげられています。その次に大きかったのは、商業的農業における農薬の広範な使用と汚染でした。
< 「クサギカメムシ」の一斉孵化(画像:京都大学) >
豆や果樹の害虫として知られる 「クサギカメムシ」 は、振動がきっかけで一斉に孵化するという、京都大などのチームがそんな研究結果をまとめ、米科学誌カレント・バイオロジー電子版に論文を発表しています。
「クサギカメムシ」は全長1・5センチ前後。針葉樹などに産み付けられた複数の卵が、わずかな時間差で孵化することが知られています。
実験では、密集している卵を引き離して配置した。すると、一斉に孵化する割合が低下した。一方、離した卵同士を硬いシャープペンシルの芯で橋渡しし、振動を伝わりやすくすると、孵化の割合が上がった。
次に、レーザーを使って卵が割れる瞬間の振動を計測。振動がない場合、最初の孵化が起きてから15分以内に孵化する卵は数%だったが、機械で再現した振動を与えると60~70%が孵化した。
これらの結果から、一つ目の卵が割れるときの振動が周囲の卵に伝わると孵化が進むと考えられるという。京都大の<沼田英治>教授は「先に孵化した幼虫に共食いされないために、一斉に孵化するのではないか」と推測しています。
< 琥珀の中の昆虫(画像:中峰空) >
岩手県久慈市で掘り出された琥珀(こはく)から見つかり、「日本で唯一」とされてきたカマキリの化石が、実は別の昆虫だったことが箕面公園昆虫館(大阪府箕面市)の<中峰空>館長と<山本周平>(フィールド自然史博物館・米国シカゴ)らの研究チームが改めて詳細に調査した結果、現在はアフリカ南部のみに分布する昆虫だとわかりました。12月4日付で動物分類学の国際専門誌(Zookeys:電子版)に発表されています。
久慈市は国内最大の琥珀産地として知られ、国内では唯一の琥珀専門博物館があります。当初カマキリとされたこの化石は2006年に白亜紀後期(約8600万年前)の地層から掘り出された琥珀の中に閉じ込められていました。当時は十分な時間がなく、詳細な鑑定が行えませんでした。
<中峰>さんらが今年4月から改めて調べたところ、触角や前脚の形状や羽の模様がカマキリとは異なれい、文献を調べ、アミメカゲロウ目トガマムシ科の新種の昆虫と判明しました。現在はサハラ砂漠以南に13種が分布しているだけの小さな分類群です。一方、本科の絶滅種は中生代白亜紀から新生代第三紀の世界各地の琥珀から17種が記録されており、久慈産琥珀からの発見は日本のみならず東アジア初の記録です。
研究チームは、和名を「クジコハクトガマムシ」と命名。学名は、昆虫好きとして知られる俳優の<香川照之>さんに敬意を表し、本人の了解を得て「クジベローサ テルユキイ」と命名しています。
ひらひらと飛翔したあと、目の前に止まったチョウ目ツトガ科ノメイガ亜科に分類される翅開張20ミリほどの小さな【シロオビノメイガ】です。
人が近づくと敏感に反応します小さな蛾ですので、近づいてアップの撮影はやめました。
濃褐色に白い帯紋をもつ小型の蛾で、昼間は葉裏にかくれ、夜間に活動します。年に5~6回の発生で、成虫は6月ごろから現れ、7~8月に多く、11月まで発生します。葉裏の葉脈に沿って1~5粒産卵します。
若令幼虫は葉脈にそって粗く糸をはいて葉肉のみを食害する。成長につれて葉をつつりあわせて生息する。さわると糸をはいて落下する。浅い土中でさなぎとなり、うすいマユをつくります。
「コキア」 なとのアカザ料の花や、「ホウレンソウ」、「フダンソウ」などにも加害します。花を食害すると体色は赤花では淡赤色となり、保護色を呈します。
中国新聞社は2日、四川省内の青城山で2017年に採集された蚊が、ギネス世界記録に「世界で最も大きな蚊」として認定されたと伝えています。前肢の先端から後肢の先端までの長さは25.8センチメートルあるようです。
四川省の成都華希昆虫博物館が2017年8月に青城山で採集しています。現在も同博物館が保管しています。同館は、これまでの記録にはない大きさと気づき、今年(2018年)5月にギネス側に資料を提出して世界記録認定を申請しました。
6月になり、ギネス側の指定にもとづき、前肢先端から後肢先端までの長さを改めて測定して25.8センチメートルだったとの結果を報告。最近になり、ギネス側の専門家が来訪して、蚊の標本として世界最大と確認したという。ギネスによるこれまでの記録は前肢先端から後肢先端までの長さが23センチメートルでした。
記事によると、全世界で「大型の蚊」として知られているのは1万5000種以上。うち、中国では800種余りの存在が知られています。
人や動物の血を吸う昆虫として知らる蚊ですが、「血を吸うのは産卵前のメスの蚊だけ」という知識も一般的になっていますが、実際には、産卵前のメスの場合でも動物の血を吸う蚊の種類は少なく、花の蜜などだけに頼って生きているとか。
四川省青城山で採取された「世界最大の蚊」が属する種類は口の部分が退化しており、花の蜜を摂取することもない。幼虫期に蓄えた栄養だけで生き、短い期間に交尾と産卵により子孫を残すとのこと。
「ごきぶりホイホイ」などを製造するアース製薬坂越工場(兵庫県赤穂市坂越)内の研究所で生物研究課長を務める<有吉立>さんが初の著書「きらいになれない害虫図鑑」(幻冬舎1200円・税込)を出しています。ゴキブリ100万匹、ダニ1億匹、ハエと蚊で計10万匹、アリ5千匹などがいる世界最大級の「ゴキブリ研究所」で20年間、飼育を担当した経験から、身近な害虫の素顔を分かりやすく紹介しています。
<有吉>さんは、害虫を中心とする約100種類の生物を同じ課の5人で飼育してきました。殺虫剤や防虫剤の開発、実験のために飼われて犠牲になる害虫に興味を持ってほしいという思いが募り、今回、本にまとめられています。
飼って分かった害虫たちの意外な素顔を面白カワイイイラストにて分かりやすく紹介されています。
ハチやムカデ、シロアリなどで21章(ゴキブリと貯穀害虫は2章ずつ)に分けて生態や飼育・捕獲のエピソードなどを紹介。6本のコラムで、かつて虫が大の苦手だったことや、ドラマ制作会社の依頼で飼育したうじ虫がテレビに登場したことなどユニークなエピソードを盛りこみ、一冊にまとめられています。
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