白い壁に、写真では大きく見えますが、体長12、3ミリ程度の昆虫を見つけました。
直感的に、頭部の大きな複眼と前翅の模様から、コウチュウ目(鞘翅目)オサムシ科ハンミョウ亜科の「ハンミョウ」の一種かなとおもえたのですが、同定できませんでした。
前翅に見られる縦筋ではなく斜めに入る特徴ある筋模様と先端にある斑入り模様、肢や触角の黒褐色と薄茶黄色の二色の形から同定材料としては十分かなと考えていたのですが、難しい作業になりました。
次に探したのは、前翅に模様を持つ特徴からして同じオサムシ科ゴモクムシ亜科の「ゴミムシ」ですが、これまた辿り着くことが出来ませんでした。一般的に 「ゴミムシ」 は体形が卵形系が多いようで、本種のように細長くはない体形のようです。
オサムシ科は全世界に約2万種,日本にも1300以上の多くの種があるようですので、手持ちの資料での同定は無理なようで、どうやら希少種には違いなさそうです。
久しぶりに翅の模様が特徴的なチョウ目(鱗翅目)ヒトリガ科カノコガ亜科の 【カノコガ】 と遭遇しました。腹部が太めですのでメスのようです。「蛾」は「蝶」のように翅を立てて止まらず開いて止まりますので、全体の姿を観察しやすいです。
【カノコガ】は「鹿子蛾」と表記される、「蛾」の一種で、成虫の翅が黒く、半透明の斑紋があります。それが鹿の子供の背中の模様に似ていることに由来しています。
幼虫は、体長25ミリほどの毛虫で、全体が黒っぽい。頭部は黒く光沢があり、胸部~腹部は紫褐色を帯び短いブラシ状の刺毛があります。腹部の裏面は赤紫色を帯びています。胸部に爪状の脚が、腹部には体節ごとに1対のいぼ状の脚があり、多食性で草本の生きた葉や枯れた葉を食べる。枯葉だけでも飼育できることから、枯葉食が本来の食性である可能性が高いとの研究もあるようです。
成虫は、翅を開いたときの大きさが30~37ミリで、頭部、胸部、腹部は黒く、腹部に2つの黄色の帯がはいっています。
2化性で6月と8月に現れ、昼行性の蛾として昼間に草むらなどを飛びまわり、花にも集まり吸蜜する姿が見られます。
小枝の木切れかと見間違いそうな、擬態の細長い50ミリほどの長さの「ミノムシ」と遭遇しました。自然環境の中では、もはや見る機会が少なくなりました「ミノムシ」です。
「ミノムシ」とは、チョウ目(麟翅目)ミノガ科というグループに属する蛾の幼虫の総称で、日本では40~50種類ほどが知られているようです。
その中でもよく見かけるのが、「オオミノガ」 と 「チャミノガ」 の2種類だとおもいますが、どちらも形状的に太く、このような細長い姿ではありません。
蓑を剥いたとしても、「ミノガ」の同定ができるわけでもありませんので、今後のために記録としておきます。図鑑の写真では、「Taleporia tubulosa」によく似ていましたが、日本語表記での種は見つかりませんでした。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて休館していた兵庫県佐用町船越の「佐用町昆虫館」(佐用郡佐用町船越617)が6日、例年より2カ月遅れで開館しています。
1971年に県立の昆虫館としてオープンし、2008年に廃止になりましたが翌2009年からNPO法人「こどもとむしの会」が指定管理者として運営にあたっています。
船越山の麓に位置し、約900平方メートルの敷地にはイモリやカエル、チョウ、トンボなど多彩な生き物が生息しています。入場料無料で売店もなく、自由に虫捕りができるのが特長です。昆虫をはじめ、各種生物の標本展示や、全国名水100選に選ばれています播磨五川のひとつ「千種川」の自然の紹介、子どもたちを対象とした体験プログラムなどを行っています
利用は、毎年4月~10月までの土日祝日のみ開館。午前10時~午後4時。今年は、新型コロナウイルス感染予防のため、混雑する場合は整理券を渡して常時滞在者20人までとなります。
「蛾」とは思えぬ白色の翅をもち 、白地に2対の灰褐色線があり、後翅に小さな赤小紋を持つチョウモク(麟翅目)シャクガ科エダシャク亜科の【コガタツバメエダシャク】です。後翅の斜め線は後角付近に入るように曲がる特徴がみられます。
幼虫はヤナギ科、カバノキ科、ブナ科、クスノキ科、アワブキ科、マタタビ科、ツバキ科、ツツジ科、エゴノキ科、スイカズラ科、カエデ科の葉を食べます。成虫は花の蜜を食べます。
同属の【ウスキツバメエダシャク】や【ツバメエダシャク】などに似ていますが一回り小さく、大きさは、開張 30~40mm 前翅長 20mm程度。北海道,本州,四国,九州に分布、出現月(羽化する月)は、5~10月平地~山地にかけてみかけます。
リハビリに出向いています施設の中庭で 「マイマイガ」の幼虫 をよく見かけますので、繭が見つからないかと観察しているのですが、探し出すことが出来ませんでしたが、「イラガ」の繭を見つけました。
すでに成虫として旅立っているようで、樹幹に作られた繭の抜け殻が2個ありました。
「イラガ」は、チョウ目(麟翅目)イラガ科の総称としていますが、幼虫が庭木や果樹などの樹木の葉を食害します。成虫は「ガ」で、葉に産卵し、ふ化した幼虫は周辺の葉を食べて成長します。幼虫はとげの生えた突起が体中にあり、独特の形をしています。成熟した幼虫は秋に繭(まゆ)をつくり、その中で越冬して春に蛹になります。そして、初夏に成虫となって繭から出ます。
繭の形や模様は、「イラガ」の種類によってやや異なり、卵形や扁平な楕円形などをしていて、樹木の幹や枝の分かれ目などに作られます。「ヒロヘリアオイラガ(広縁青毒棘蛾)」の繭ではないかなとみています。
咲き出しています花径2センチばかりの「スイカ」の花を撮影しようとしていましたら、ハエ目(双翅目)ハエ亜目(短角亜目)ハナアブ科マメヒラタアブ属の【キアシマメヒラタアブ】が、ホバリングしながら近づいてきましたので、驚かさないように注意を払いながらの撮影です。
花の大きさから比べても判りますように、焦点を合わせにくい体長4ミリ程度の大きさで、全身に光沢があり、名称通り肢は黄色をしています。
和名に「アブ」とありますが、いわゆる 「アブ」 (直縫短角群)の仲間ではなく、ハエ(環縫短角群)の仲間で、マメヒラタアブ属には、似た様な黒くて小さいアブが何種かいます。本来は交尾器を顕微鏡で見ないと種の同定判別は難しい類ですが、肢が黄色ということで同定できました。複眼が離れていますので、メスのようです。
昨日、(855)「ガガンボ(大蚊)」 を取り上げたばかりですが、弱肉強食の生物界のおきて通り、また「華奢な感じで実際にもあまり強い虫ではない」との記述した通り、「ムシヒキアブ」のメスに捕食されていました。細長い肢がなんとも哀れです。
「ムシヒキアブ(虫引虻)」は、ハエ目(双翅目)ムシヒキアブ科に属する昆虫の総称で、広義のアブ(直縫短角群)に含まれます。
幼虫は土中や朽木中に棲み、甲虫の幼虫などほかの昆虫を捕食して育ち、成虫は他の昆虫を捕え、その体液を吸いますが、まさに「ガガンボ」の胸部に口吻を突き刺しての食事中でした。同じムシヒキアブ科に属する 「シオヤアブ」 等は、家畜やヒトなど脊椎動物に向かうこともあるようです。
網戸に止まっている「ガガンボ(大蚊)」です。「ガガンボ」は、映え目(双翅目)糸角亜目ガガンボ科 に属する昆虫の1分類群の総称です。 世界中に分布する昆虫であり、日本でもかなりの数の種類を目にすることができるようです。
いままでに種まで同定できたのは、(270) 【キイロホソガガンボ】 と(840)【マダラガガンボ】 の2種だけで、何匹か昆虫記に登場していますが、極端に長い肢の特徴からすぐ判断できる「ガガンボ」までに終わっています。
成虫の形態はカ(蚊)をひと回り大きくしたような感じの種類が多いのですが、ただし 蚊と違い人を刺したり吸血したりすることはありません。また体も貧弱で死骸もつつけばすぐバラバラになってしまいます。華奢な感じで実際にもあまり強い虫ではないようです。
日本各地で様々な地方名があり、成虫に対してはカトンボ、アシナガトンボ、カゲロウ、ショウジハリ、カノウバなどと呼ばれているようで、成虫は主に花の蜜を主食とし、寿命は10日ほどです。
せわしく飛び回る蝶のうえ、逆光もあり、きれいに撮れませんでしたチョウ目(麟翅目)タテハチョウ科 テングチョウ亜科 に分類される【テングチョウ】です。
撮影状態がよくありませんので、ボツにしようかなとも考えましたが、生態状況の確認記録という意味もあり、また、2枚目の写真では、名の由来となっている尖がった「パピルス」と蝶独特の吸収管ともいうべき「口吻」を丸めたところが確認できますので、登場させました。
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