「ハネカクシ」の新種【ラトロビウム ヒバゴン】@比婆山
7月
27日
「ハネカクシ」はコウチュウ目ハネカクシ科に分類されており。体長1センチ未満と小さく、森林の落ち葉の下などに生息して目立たないため、研究が遅れている分野です。後羽が退化して失われた種群「ヒメコバネナガハネカクシ」の一種で、島根県の隠岐諸島や四国ではこの種群が確認されていますが、本州での新種の確認は初となりました。
愛媛大農学部と同大大学院で昆虫学を学んだ<千田>さんは支所の隣にある比和自然科学博物館(庄原市比和町比和1119−1)の客員研究員も務めています、2016~2019年に比婆山山系の昆虫の分布調査に参加。2019年春に採取した個体の標本を同年夏に整理していて新種と直感したといいます。羽がないため移動能力が乏しく、地域ごとに固有種ができやすい特徴があります。解剖して調べてみますと、腹部の先端内部にある交尾器の形状が、隠岐や四国に生息する種と異なっていました。これが決め手となり、日本昆虫分類学会誌に論文を投稿。今年6月に受理されています。
比和自然科学博物館は、新種発見に関するポスター展示発表を、ヒバゴン初出現の記念日とされる7月20日から9月末まで開催されています。