リハビリに出向いています施設の中庭で 「マイマイガ」の幼虫 をよく見かけますので、繭が見つからないかと観察しているのですが、探し出すことが出来ませんでしたが、「イラガ」の繭を見つけました。
すでに成虫として旅立っているようで、樹幹に作られた繭の抜け殻が2個ありました。
「イラガ」は、チョウ目(麟翅目)イラガ科の総称としていますが、幼虫が庭木や果樹などの樹木の葉を食害します。成虫は「ガ」で、葉に産卵し、ふ化した幼虫は周辺の葉を食べて成長します。幼虫はとげの生えた突起が体中にあり、独特の形をしています。成熟した幼虫は秋に繭(まゆ)をつくり、その中で越冬して春に蛹になります。そして、初夏に成虫となって繭から出ます。
繭の形や模様は、「イラガ」の種類によってやや異なり、卵形や扁平な楕円形などをしていて、樹木の幹や枝の分かれ目などに作られます。「ヒロヘリアオイラガ(広縁青毒棘蛾)」の繭ではないかなとみています。
咲き出しています花径2センチばかりの「スイカ」の花を撮影しようとしていましたら、ハエ目(双翅目)ハエ亜目(短角亜目)ハナアブ科マメヒラタアブ属の【キアシマメヒラタアブ】が、ホバリングしながら近づいてきましたので、驚かさないように注意を払いながらの撮影です。
花の大きさから比べても判りますように、焦点を合わせにくい体長4ミリ程度の大きさで、全身に光沢があり、名称通り肢は黄色をしています。
和名に「アブ」とありますが、いわゆる 「アブ」 (直縫短角群)の仲間ではなく、ハエ(環縫短角群)の仲間で、マメヒラタアブ属には、似た様な黒くて小さいアブが何種かいます。本来は交尾器を顕微鏡で見ないと種の同定判別は難しい類ですが、肢が黄色ということで同定できました。複眼が離れていますので、メスのようです。
昨日、(855)「ガガンボ(大蚊)」 を取り上げたばかりですが、弱肉強食の生物界のおきて通り、また「華奢な感じで実際にもあまり強い虫ではない」との記述した通り、「ムシヒキアブ」のメスに捕食されていました。細長い肢がなんとも哀れです。
「ムシヒキアブ(虫引虻)」は、ハエ目(双翅目)ムシヒキアブ科に属する昆虫の総称で、広義のアブ(直縫短角群)に含まれます。
幼虫は土中や朽木中に棲み、甲虫の幼虫などほかの昆虫を捕食して育ち、成虫は他の昆虫を捕え、その体液を吸いますが、まさに「ガガンボ」の胸部に口吻を突き刺しての食事中でした。同じムシヒキアブ科に属する 「シオヤアブ」 等は、家畜やヒトなど脊椎動物に向かうこともあるようです。
網戸に止まっている「ガガンボ(大蚊)」です。「ガガンボ」は、映え目(双翅目)糸角亜目ガガンボ科 に属する昆虫の1分類群の総称です。 世界中に分布する昆虫であり、日本でもかなりの数の種類を目にすることができるようです。
いままでに種まで同定できたのは、(270) 【キイロホソガガンボ】 と(840)【マダラガガンボ】 の2種だけで、何匹か昆虫記に登場していますが、極端に長い肢の特徴からすぐ判断できる「ガガンボ」までに終わっています。
成虫の形態はカ(蚊)をひと回り大きくしたような感じの種類が多いのですが、ただし 蚊と違い人を刺したり吸血したりすることはありません。また体も貧弱で死骸もつつけばすぐバラバラになってしまいます。華奢な感じで実際にもあまり強い虫ではないようです。
日本各地で様々な地方名があり、成虫に対してはカトンボ、アシナガトンボ、カゲロウ、ショウジハリ、カノウバなどと呼ばれているようで、成虫は主に花の蜜を主食とし、寿命は10日ほどです。
せわしく飛び回る蝶のうえ、逆光もあり、きれいに撮れませんでしたチョウ目(麟翅目)タテハチョウ科 テングチョウ亜科 に分類される【テングチョウ】です。
撮影状態がよくありませんので、ボツにしようかなとも考えましたが、生態状況の確認記録という意味もあり、また、2枚目の写真では、名の由来となっている尖がった「パピルス」と蝶独特の吸収管ともいうべき「口吻」を丸めたところが確認できますので、登場させました。
昆虫好きとしては、気になる何ともなやましいチョウ目(麟翅目)タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科ジャノメチョウ属に分類される「ジャノメチョウ」と遭遇しました。
羽模様の黒点一つの位置がずれるだけで、「ヤマトシジミ」 とは違う種類になる 「シルビアシジミ」 がいるだけに、蝶の同定にも気を遣います。
写真の「ジャノメチョウ」の後ろ翅の蛇の目紋は4つです。【ウラナミジャノメ】は、後翅の裏面には紋が3個、よくみかけます 【ヒメウラナミジャノメ】 は後翅の裏面には紋が5個(まれに「6つ」から「8つ」)あります。
写真の「ジャノメチョウ」の後ろ翅の裏面には「4個」の蛇の目紋ということで、【ウラナミジャノメ】が1つ多いのか、【ヒメウラナミジャノメ】が1つ少ないのか。じっくりとよく見ますと2個と2個の間にうっすらと小さな黒点があるように見え、【ヒメウラナミジャノメ】ではないかなと、傾きかけています。
「クワゴマダラヒトリ」 などの幼虫と同じく毛の状態だけを見ますといかにも毒がありそうなドクガ科マイマイガ属に分類されているマイマイガ】の幼虫です。毒性に関しては危険はありません。頭部(写真右側)には目のような1対の黒筋があり、頭部から5対の青い突起があるのが特徴で、成長すると体長 60mmに達します。
成虫は、性的二形が顕著で、オスは茶褐色、メスは白い色をしています。大きさも異なりオスは体長20mmから50mm程度、メスは50mmから大きな個体では100mmほどにもなります。
7月から8月にかけ 蛹から羽化して成虫 になります。オスの成虫は活動的で、日中は森の中を活発に飛び回ります。和名の【マイマイガ】はオスのこの性質に由来していると言われます。対照的に、メスは木の幹などに止まってじっとしており、ほとんど飛ぶことはないようです。
メスはフェロモンを放出してオスをおびき寄せ、交尾後にメスはお腹の卵を一つの塊で産み、卵をお腹の鱗毛で覆い、産卵後は飛ばなくなります。産卵を終えると成虫は死に、卵で越冬します。越冬した卵は,北海道では4~5月,本州・四国・九州では3~4月に孵化します。孵化後,幼虫は糸を吐いて枝等からぶら下がり,分散していきます。この生態により「ブランコケムシ」とも呼ばれています。極めて食性が広く、「サクラ」、「ウメ」、「クヌギ」、「クリ」、「ニレ」など100種以上の樹木の葉を食草としますので、いたるところに分布、見かける機会が多い蛾の一種です
我が家の玄関わきに植えてあるいい香りが漂うモクセイ科の 「イボタノキ」 の花に、黒地に青白い筋が一本入ったスポーティなアゲハチョウ科アオスジアゲハ属に分類される【アオスジアゲハ】が吸い蜜に訪れていました。
【アオスジアゲハ】は飛翔力が高く、早いスピードで、樹木や花のまわりをめまぐるしく飛び回りますので、撮影にてこずる蝶です。オスは、湿った地面で吸水することもあり、川辺や水たまりで見かけます。
幼虫は。緑色で、胸部に黄色い細帯があり、その両端に小さな眼状紋があります。「クスノキ」、「タブノキ」、「ニッケイ」などの葉を食べて育ち、都会の真ん中でも普通に見ることができる蝶の一種です。食樹の葉表に糸で座をつくって静止していることが多く、保護色になって見つけにくいようで、いまだ幼虫と遭遇する機会がありません。
南方系のチョウで、西南日本では極めて普通に観察できますが、本州中部以北ではあまり多くなく、秋田県あたりが北限となるようです。
< 画像:ファルコン昆虫記(569) >
日本および、インドから東南アジア、東アジアにかけて広く分布する世界最大のハチが米国で初めて発見されています。見つかったのは「殺人スズメバチ」の異名を持ち、毒針で刺された人が死ぬこともある「オオスズメバチ」です。攻撃的な性格で在来種の「ミツバチ」を襲うことから、生態系や農業への影響が懸念されています。
「オオスズメバチ」の体長は 働き蜂で3~4センチ、女王蜂で5センチ の大きさになります。針の長さは6ミリと、通常の養蜂用の防護服を簡単に貫通することができます。
昨年12月に米西部ワシントン州で2匹の個体が発見され、隣接するカナダのブリティッシュコロンビア州でも昨年秋に確認されています。経緯は不明ですが、専門家は貨物船のコンテナなどに紛れ込んだ可能性が高いとみています。
「オオスズメバチ」と長年戦ってきた「日本のミツバチ」は、巣に侵入した天敵に対し、数百匹が一斉に群がって体や羽を動かすことで発生する熱により殺す防衛手段を持ちます。「オオスズメバチ」の致死温度(44-46℃)より高い46℃になり。一方、「オオスズメバチ」と対峙(たいじ)したことがない「西洋のミツバチ」は、対抗手段を持たず無防備で、短期間に駆逐されてしまう可能性が指摘されています。
凶暴な「オオスズメバチ」ですが、<百田尚樹>氏の 『風の中のマリア』 は、たった三十日の命でしかない彼女たちの生態を知る上でも貴重な昆虫学の本としても、楽しめる一冊でお勧めします。
以前に紹介しました「リハビリ共同制作(27)の 「カーネーション」の花束 に、折り紙で作成された「ナナホシテントウ」が付け足されていました。
昆虫好きとしては、気になり翅の星の数を確認してみますと、なんと「8個」あるのに驚きました。
昆虫は一応「左右対称の形態ですので、4個ずつ何気なく書かれたようで、東部に近いひとつめの黒模様は左右の翅に渡る模様だとは、考えられなかったようです。
ちなみに、「テントウムシ」は、日本国内に約160種ほど分類されていますが、黒紋の星の数で呼ばれているのは、「ナナホシテントウ」 と、 「ニジュウヤホシテントウ」 だけです。
「テントウムシ」の多くは、<二紋型・四紋型・紅型・斑型> の範疇に収まる 【ナミテントウ】 という名称に一括されて呼ばれています。
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