最初遠目に観たときはお尻の突起で、ハサミムシ目(革翅目)の「ハサミムシ」かなと思いましたが、はさみの部分が細い感じがしてよく観ますと、昆虫記初めての登場となります甲虫目ハネカクシ上科ハネカクシ科コガシラハネカクシ属 に属する昆虫で【コガシラハネカクシ】でした。
「ハネカクシ」は、大部分の種で頭部・胸部の下あたりにある上翅(鞘翅)が非常に小さく、後翅はその下に小さく巧みに折りたたまれているため、腹部の大部分が露出しており、一見すると短翅型の「ハサミムシ」や「アリ」のような翅のない昆虫に見えます。しかし実際にはほとんどの種類が機能的な後翅をもっていて、必要に応じてそれを伸ばしよく飛翔します。着地後は再び後翅をたたみ隠し、もとの翅の無いかのような姿に戻ります。これが「翅隠し」とよばれる由来です。
非常に種類が多いことで有名で、1科に含まれる種数の多さでは動物界全体から見てゾウムシ科(種名のあるものだけで日本で1000種以上、全世界では約6万種)に次ぐと言われています。世界には数千属に属する5万8000種以上が知られていますが、実際には10万種以上あるとも言われ、日本国内だけでも数百種の未記載種がいる可能性が高いとのことです。
甲虫目コメツキムシ科の【クロツヤクシコメツキ(黒艶櫛米搗)】と遭遇しました。名称は、オスの触覚がクシ状になっていることから付けられています。体長は12mm~18mmになります。体色は黒色で、強い光沢を持ちます。
幼虫は、うじ虫形です。鋭い大顎を持っています。幼虫期間は長く、3年~6年ですが、中には10年になるものもいます。食べ物は、幼虫では、朽ち木内で昆虫などの小動物を食べます。成虫では、植物の花を食べます。雑木林周辺の葉の上などに、止まっていることが多いです。
天敵に見つかると足をすくめて偽死行動をとります(俗に言う「死んだふり」)。ひっくり返すと、パチンという音とともに、はじき飛んで起き上ります。
「コメツキムシ」という名称の昆虫はいませんが、世界中で約1万種、日本国内で約700種が分類されています。
日本では約700種ですが、ファルコン昆虫記では、【フタモンウバタマコメツキ】・【アカヒゲヒラタコメツキ】・【アカアシクロコメツキ】などが登場していますが、数百種の確認は程遠い数字です。
プランターに植えられた花の周りをせわしく飛びまわる様子と、黄色い体色で「ホソヒメヒラタアブ」かなと思いましたが、「アリッサム」の葉に留まったところを見ますと、体長8~ミリほどのハチ目ハバチ科【ニホンカブラハバチ】でした。
「カブラハバチ」は、世界に7種類が確認され、その中でも日本で見られるのは「カブラハバチ」、「ニホンカブラハバチ」、「セグロカブラハバチ」の3種類がいます。
「カブラハバチ」の幼虫は真っ黒い芋虫さんで、少し体表に突起物を持ち、「アリッサム」・「アブラナ」・「ナズナ」 などアブラナ科を食草としており、<菜の黒虫>と呼ばれています。
網戸で休憩しています「ガガンボ」と遭遇です。日差しの加減で影と重なり合い本体が鮮明ではありませんが、ハエ目(双翅目)糸角亜目ガガンボ科ガガンボ亜科の【キリウジガガンボ】です。
「ガガンボ」は世界中に分布する昆虫であり、成虫の形態はカ(蚊)を一回り大きくしたような感じの種類が多く、その種類数は15000種類以上とも言われています。日本でもかなりの数の種類を目にすることができます。
いままでに種まで同定できたのは、(270) 【キイロホソガガンボ】 と(840)【マダラガガンボ】 の2種だけで、何匹か昆虫記に登場していますが、極端に長い肢の特徴からすぐ判断できる「ガガンボ」に終わり同定できないのも多々ありました。
【キリウジガガンボ】は、灰褐色で、翅の前縁の色が濃い「ガガンボ」です。都市周辺でも普通に見られ、水田や畑の周辺に多いようです。
幼虫は、新鮮な植物だけでなく腐った植物や、植物の芽・若い根などを食べるので、イネ・ムギの害虫とされています。成虫は主に花の蜜を主食とし、寿命は10日ほどです。
幼虫が腹部の途中で切ったような形をしていることから「切りウジ」の名がついています。
今朝がたアップしましたファルコン植物記(2097)の<マーガレット>【バービー】に吸蜜に訪れていました(写真右奥にいます)チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科に分類されています【ヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)】です。
【ヒメウラナミジャノメ】は、金環の付いた、ひときわ目立つ蛇の目紋を翅に持っている前翅長20~25ミリほどの茶色の小さな蝶ですが、この蛇の目紋は後翅裏に5つありますが、まれに6つから8つほど持つ個体も見受けられますので、「ヤマトシジミ」と「シルビアシジミ」の黒点と共に蛇の目紋の数が楽しみな蝶として、登場回数も多くなっています。
昆虫好きとしては、飛翔体が止まりますとすかさずカメラを向ける習性になっています。種によってはすぐに危険を察してすぐに飛び立つ敏捷な昆虫も多いので、緊張感が楽しみでもあります。
一時とまった時の瞬時でしたが、運よく1枚が撮影できました。多くの昆虫写真は、図鑑をはじめとして翅のある上側からの撮影になりますが、今回は横側からの撮影で、昆虫の特徴がよくわかる構図で気にいっています。
複眼と口吻の顔つきや脚の特徴から「ハエ目(双翅目)」のアブの雰囲気が感じられ、この角度からの図鑑写真はなく、獲物を狙う雰囲気がよくわかります。
「スイトピー」(マメ科)の大きく伸びたツルに絡まるようにいたチョウ目(鱗翅目)ヤガ科ヨトウガ亜科の【キバラモクメキリガ】の幼虫です。
体長55ミリ程度、葉の色と保護色の薄黄緑色の体色ですので、頭から肛門に向かって,白い線がくっきりと走っている模様がなければ見過ごしていたかもしれません。
幼虫は広食性で、バラ科・マメ科・ケシ科・タデ科・キク科・ナス科・ブナ科・モクレン科などの葉を食べるようです。
体長10ミリほどの【オナシカワゲラ】です。カワゲラ目(襀翅目)オナシカワゲラ科オナシカワゲラ属には国内で30種以上が分類されていますが、一種を見つけました。3~5月ごろの早春に出現します。成虫は、苔や花の蜜などを餌とするようです。
「カワゲラ」は、幼虫の期間を水中で過ごし、成虫になると水中から飛びたちます。水生昆虫の多くは春に羽化しますが、「カワゲラ」の中には、冬に成虫になって、雪の上を歩き回る変わりものも知られています。
和名の由来は「カワゲラ」の特徴である腹部の先に生える1対の尾が大変短く、前翅に隠れて見えないことから名付けられています。
1年に1回程度の割合でシリアゲムシ目 (長翅目)シリアゲムシ科【ホソマダラシリアゲ】と遭遇するようです。(4)回目の登場になりますが、観察できた生態記録として留めたいと思っています。
5月から6月にかけて見られる前翅長12~15ミリ程度ですが、本州中部以西に分布しており、あまり多く、見られる種ではないとのことですが、1年に1回でも観察できるのは喜ばしい記録です。
「ヤマトシリアゲ(ベッコウシリアゲ)」などと比べて、全体に小型で華奢な姿で、「プライアシリアゲ」 に比べ、翅の黒い模様が細く、小斑紋が多い印象があります。
また、「ヤマトシリアゲ」が翅を平らにたたむのに対して、【ホソマダラシリアゲ】は脈翅目(カゲロウなど)のように屋根形にたたみますので、実際には名称の由来となっています「お尻を上げている」状態は翅が邪魔して確認できません。
暖かくなってきますと、昆虫との遭遇が楽しみになります。以前(844)同定に手こずりましたハエ目シギアブ科の【ヤマトシギアブ(大和鷸虻)】と遭遇です。「シギアブ科」の昆虫は、約22属720種が世界中に分布しています。
【ヤマトシギアブ】は、体長13~15mm程度。胸部は黒色で灰黄粉に覆われ、胸背では中央と両側に黒色部を残し、オスの複眼は接し,口吻、小顎鬚、触角は淡黄褐色。翅は広大で光沢があり,縁紋と脈は暗褐、脚は黄褐色です。5~8月に山地に出現します。
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