力強い飛翔で止まりましたハエ目(双翅目)ミズアブ科の【コウカアブ(後架虻)】です。
大形種で、体長20ミリメートルほどありました。体は黒色で、はねは全体が黒褐色、腹部の基部が白色、前脚と中脚の脛節基部と跗節は黄白色。触角第2節の内側は先端が前方に突出しています。
成虫は便所、畜舎、ごみため周辺に5~9月ごろ普通にみられます。腹部の基部が細く、姿や飛び方もハチに似ていて、「後架」すなわち便所の周りを飛ぶので「ベンジョバチ(便所蜂)」の呼び名がありますが、ヒトを刺すことはありません。
戦後、この種に似て触角が長く、腹部第2節に1対の白か黄色の紋がある【アメリカミズアブ】が侵入、同じような場所に発生するので【コウカアブ】が駆逐され、姿が少なくなってきているようです。
近づきますと逃げられてしまいますので、壁に留まっているのを見つけた位置からなんとかズームで画面に収めることに間に合いましたトンボ目トンボ科シオカラトンボ属の【シオカラトンボ】です。
昨日の神戸の最高気温は「34.9度」、本日は「35.5度」の猛暑の予想で、トンボさんも暑いのか、日差しを避け休憩のようです。
【シオカラトンボ】はオスの個体の胴体部分がまるで塩のような白い粉で覆われてように見えるトンボで、この特徴から【シオカラトンボ(塩辛蜻蛉)】という和名が付けられました。
メスはオスとは異なり、胴体が麦わら色をしている為、「ムギワラトンボ(麦藁蜻蛉)」と呼ばれる事もあります。また、未熟なオスは胸部が黄褐色に近い色をしているのでメスと同じように「ムギワラトンボ」と呼ばれる事もあるようです。
メスは複眼の色もオスとは異なり、メスの複眼は美しいハッキリとした緑色をしており、オスの複眼は青色ですので、体色にかかわらず区別ができます。
いつもながら悩ましい体長15ミリほどの昆虫と出会いました。
コウチュウ目のようにかたい殻で覆われることなく、薄い<翅>をもっていますので、「ハエ目(双翅目)」か「ハチ目(膜翅目)」に絞られますが、触覚が長いので、「ハチ目(膜翅目)」のようです。
全体的に黒いので、「ハバチ亜目」の「クビナガキバチ科」・「クキバチ科」あたりだとにらんでいますが、同定できませんでした。
翅に白班が1対あるのですが、同定に至る根拠にはなりませんでした。
日本で一番大きなバッタが、バッタ目・バッタ科の【ショウリョウバッタ(精霊蝗虫)】 です。
昆虫記の登場も10回目となるようで常連さんの部類ですが、(9)以来ほぼ5年ぶりの対面となりました。
尖った頭部が大変印象的なバッタです。【オンブバッタ】に似ていますが、体長は遥かに大型で間違えることはありません。かなり大型になり、メスは80mmを超える体長を持ち、触覚部分を入れますと、かなり大型で迫力がある姿です。
体色は「緑色型」と「褐色型」がおり、更に本種のように筋と点線の模様の入る個体も見られます。
オスはメスより体が小さくて40~50ミリ程度です、叢ではキチキチと音を立ててよく飛びます。そのため、「キチキチバッタ」という別名があります。
バッタ目は不完全変態ですので、成虫の一歩手前の段階のようで同定に少し悩みましたが、バッタ目(直翅目)コオロギ科の【アオマツムシ(青松虫)】です。
日本では本州、四国、九州に分布。明治期に中国大陸から日本に入り帰化した外来種という説が一般的ですが、原産地ははっきりせず、日本での初記録年月日も1898年(明治31年)という説と1908年(明治41年)ごろという説があるようです。
【アオマツムシ】は現在では秋に鳴く昆虫の代表的なもののひとつで分類上はコオロギ科に属しています。鳴く虫の代表的なものとしては「スズムシ」、「コオロギ」、「マツムシ」、「キリギリス」などが有名ですが、都会で一番多く声を聞く機会が多いのはこのアオマツムシだと言われています。
アオマツムシの体は羽と胸が緑色、後ろ足が短く、その鳴き声はチリチリチリまたはリーリーなどと例えられます。
また、【アオマツムシ】は、「ヨコヅナサシガメ」の幼虫が天敵で、捕らえられた後、体液を吸われてしまいます。
体長15ミリ程度で特徴ある体形と経験則からコウチュウ目(鞘翅目)・ゾウムシ上科に分類される昆虫である「ゾウムシ」の一種だとすぐにわかりました。
「ゾウムシ」の名称は、【クヌギシギゾウムシ】のように口部が伸びた形をゾウの鼻に見立てての名称ですが、口部が長くない【ハリゲカシワクチブトゾウムシ】のような種も多く分類されており、残念ながら手持ちの資料では種の同定まではいきませんでした。
種名のあるものだけで日本で1000種以上、全世界では約6万種ともいわれ、多種多様な甲虫類の中でも特に大きなグループを形成しています。
背筋に黄色の帯が入る特徴とお尻に赤斑点があるチョウ目(鱗翅目)ヤガ科アオイガ亜科に分類されている【フタトガリコヤガ】の幼虫です。
食草となりそうな「オクラ」や「フヨウ」・「ムクゲ」・「ハイビスカス」・「タチアオイ」などが回りに見当たらない場所で発見、どこで大きく終齢幼虫まで成長したのか、不思議に思い眺めておりました。
成虫の姿は、昆虫記として撮影できていませんので、成虫として再会できるかなとささやかな期待をしています。
【クマゼミ】の鳴き声も静かになり、【ツクツクボウシ】の鳴き声が目立つようになってきました。【ツクツクボウシ(つくつく法師)】は、カメムシ目(半翅目)ヨコバイ亜目セミ科に分類されるセミの一種です。晩夏から初秋に発生するセミで、名称の由来だとわかる特徴的な鳴き声を聴かせてくれます。
体長は30mm前後と小さな蝉で、頭部と前胸部は緑色で、後胸部の中央にもW字型の緑の模様がありますが、他の後胸部と腹部は黒色が多く、また、オスの腹側の腹弁は大きく、縦長の三角形をしています。メスは産卵管が非常に長く、産卵管を収納する鞘のような部分がはみ出ています。ということで写真は「メス」になります。外見は「ヒメハルゼミ」や「ヒグラシ」にていますが、頭部の横幅が広く、腹弁が大きいことで区別がつきます。
小さいセミの抜け殻として、「ニイニイゼミ」は抜け殻に泥が付いていますので、これまたすぐに見分けられると思います。「ヒグラシ」は背中が盛り上がり殻に艶があります。「ツクツクボウシ」は、前後に細長く背中が平らで、殻は光沢がない淡褐色をしています。
「蜂」に擬態しているのでしょうか、黄色と黒の模様を持つ鱗翅目(チョウ目)ヒトリガ科カノコガ亜科に属する「蛾」の一種【キハダカノコガ】です。単なる【カノコガ】は黒い胴体に黄色の横じまが2本ですので、腹部の模様が大きく違います。
「カノコガ」の名前の由来は、黒い翅に白斑の模様が鹿の子模様に似ているところからつけられています。年2回発生。初夏から夏にかけて見られ、昼行性で吸蜜などを行っています。本種は腹部が大きいので雌かもしれません。
幼虫は、スイカズラ科の「ハコネウツギ」の花やつぼみ,その他キク科の「シロタエギク」などの植物などを食べるといわれています。
昆虫の世界の幼虫や成虫の擬態にはいつも驚かせられます。網戸にへばりついたような枯れ葉の切れ端のような「トガリメイガ」も運よく観察できましたが、今回は残念なことに死んだナナフシ目トビナナフシ科エダナナフシ亜科の【ナナフシモドキ】を見つけました。
まるで木の枝に6本の脚がはえたような体型をしています。茶褐色、灰褐色、緑色と、体色は様々あるようです。「ナナフシ」に似ていますが、「ナナフシ」は触角が長いので、見分けられます。
日当たりの良い雑木林や、林縁の葉上、下草上で見られ、サクラ、ノイバラ、カシ、コナラなど、いろいろな植物の葉を食べます。あまりにも小枝にそっくりなので目にとまりにくいので、生きている姿を観察したかったです。
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