体長20ミリほどの幼虫ですが、触覚の長さと背筋の黒褐色のいろで、バッタ目キリギリス科の【ヤブキリ(藪螽蟖)】とわかります。名の由来は、薮に棲むキリギリスの意味です。主に日本の本州(中西部の平地)、四国、九州に分布しています。
成虫の【ヤブキリ】は、体長(頭部より羽の先まで)45-55みり前後。体色は緑が普通ですが、まれに全身が黒褐色になるものもいます。羽は腹端より僅かに出る。頭頂から羽の先まで背面を貫くように褐色の筋があります。
産卵管が見えていますので、本種はメスの幼虫です。「キリギリス」と異なりまっすぐに産卵管伸びています。
若齢幼虫は、主に花粉や花弁を食べています。しかし成長とともに樹上や薮など草丈の高い方へ移り住むようになります。脱皮回数は通常6回。回数を重ねるごとに肉食性が強くなります。体のつくりもだんだん肉食に適するようになり大顎が徐々に伸び、脚の棘も長くなってゆきます。若齢幼虫は丸みを帯びた顔なのに対し、終齢になる頃には顔の半分近くを大顎が占めるようになります。
(画像:沖縄科学技術大学院大学より)
12日、環境省は強い毒性を持つ特定外来生物「コカミアリ」が、岡山県倉敷市の水島港で陸揚げされた国際貨物コンテナなどから、約30匹確認されたと発表しています。国内への侵入の確認は初めてです。このコンテナは神戸港を経由しており、神戸市が調査しましたが経由地で「コカミアリ」は確認されていません。
環境省によりますと、コンテナを積んだ船はフィリピンの港から6月23日、同市東灘区の六甲アイランドに到着。内航船に積み替えた後、同27日に水島港に陸揚げされています。岡山県の定期調査で疑わしい個体が見つかり、専門家が特定したのち、「コカミアリ」は処分されています。
神戸市は今月6日、環境省から連絡を受けて現地調査を実施。コンテナが置かれた周辺を調べましたが、個体や巣は見つかりませんでした。神戸港でコンテナの開封はなかったといいます。神戸市自然環境課は「動きが早いアリではなく、短期間でコンテナヤードから離れた場所に巣をつくることは考えにくい」とし、神戸での侵入はないとみています。
「コカミアリ」は体長1~2ミリと小さく、刺されると毒で激しい痛みを感じます。繁殖能力が高く、定着すると根絶は非常に困難とされています。中南米で生息し、アフリカやニューカレドニアなどの太平洋諸島に侵入しています。
今年はすでに(1004)で登場していますトンボ目トンボ科の【オオシオカラトンボ】ですが、上面や側面からの撮影写真は多いのですが、運よく裏側からの撮影ができました。
【シオカラトンボ】との違い、複眼が褐色なのと、翅の付け根が黒色という特徴がよくわかる撮影ができました。
植物の葉が害されていますと、昆虫の幼虫か成虫の存在があり、注意深く観察してしまいますが、写真の【ウリハムシ】や【クロウリハムシ】などのウリハムシ属の昆虫や「トホシテントウ」は、<トレンチ行動>をとります。
<トレンチ行動>は、植物を餌にする植食性昆虫が葉を摂食する際に、葉にかみ傷で切れ目を入れて半円状や円形の切れ込みを作り、しばらくしてからしおれた内部や円形の内側を削り取るように食べる行為です。
摂食前に葉に切れ込みを入れる行動を昆虫の<トレンチ行動>といい、これによって葉に含まれる有害成分や粘性のある摂食防御物質が摂食部分へ流入することを防いで葉を食べやすくしています。切れ込みをトレンチというので、「摂食前に葉に円形のトレンチを作る」などと表現します。
植物が生産している昆虫の摂食防御用の化学物質には、マメ科のシアン配糖体、セリ科のクマリン、アブラナ科のグルコシノレート、ウリ科のククルビタシン、トウワタの強心配糖体などがあります。
先だっては、(1005)【ウリハムシ】を見つけましたが、今回は同じ甲虫目ハムシ科ウリハムシ属の仲間【クロウリハムシ(黒瓜金花虫)】をかぼちゃ(ウリ科カボチャ属)の葉の上で見つけました。
体長6~7ミリメートルの小さな昆虫です。上翅が黒く、頭部、前胸部、腹部が黄色いで、触角は体長の半分程度の長さを持っています。
成虫は4月下旬から11月中旬まで見られ、成虫で越冬し、越冬成虫は5~6月に産卵します。産卵から蛹化までは1箇月かかり、11月には成虫が集団越冬に入り、年1化性です。
様々の植物の葉を食べますが、特にウリ類の害虫として知られ、中でもヘチマの花をよく食害しますが、【ウリハムシ】ほどには数が多くなく、害虫としての重要性はずっと低いようです。
ヒラヒラと元気に飛んでいましたチョウ目(鱗翅目)シジミチョウ科ヒメシジミ亜科ヒメシジミ族の【ヤマトシジミ】です。昆虫記の中でも(36)回目と数多く登場しています。開帳3センチほどの小さな蝶ですが、都市部においても、公園や民家に普通に生息していて、人間社会の中に上手く入り込んでいる蝶です。幼虫は路傍などに咲いています野草の「カタバミ」を食草としています。平地では普通に見られますが、山地ではあまり見られません。
北海道には生息しませんが、東北地方から沖縄まで広く分布しています。成虫は年に5~6回程度発生し、4月から11月頃と長い期間成虫が観察できます。
日本には、【オガサワラシジミ】のように絶滅したであろう種などを含めて80種類を超える「シジミチョウ」が分類されていますが、普段の生活の中でよく見る「シジミチョウ」はそれほど多くなく、本州での身近な「シジミチョウ」としては、写真の【ヤマトシジミ】、【ツバメシジミ】、【ルリシジミ】、【ベニシジミ】、【ウラナミシジミ】、【ウラギンシジミ】などがいます。
小さな蝶だけに飛翔状態だけでは見分けられず、おのずと近づいての観察が増えることになり、裏翅の黒点模様に注目となる楽しみがあるだけに、見つければできうる限り撮影に力を注いでいますので、登場回数も多くなります。
「テントウムシ」かなと飛行の様子を見ていましたら、胡瓜の葉にとまりました甲虫目ハムシ科ウリハムシ属の【ウリハムシ】との久しぶりの対面でした。
【ウリハムシ】の成虫は体長5~8ミリ程の黄褐色で、飛行の様子は「テントウムシ」に似ており、パッと見はとてもかわいらしいサイズで、悪いことをしそうにない姿をしていますが、春から夏にかけて、キュウリやメロンなどウリ科植物に出現します。実は幼虫は根を食い荒らし、成虫は葉を食い荒らすので害虫となっています。
幼虫は約3~5週間かけて3齢を経たのち、土中で繭を作って蛹になり、1~2週間後に羽化します。新成虫が発生するのは7~8月で、葉や果実への成虫による被害は、越冬を終えた成虫が活動を始める5月頃と8月頃が最盛期です。
なお、本州のほとんどの地域では、【ウリハムシ】の発生は年に1回で、9月下旬には成虫が越冬場所に移動します。ただし、温暖な地域では9~10月に2世代目の成虫が発生することもあるようです。
6月末、チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科ドクチョウ亜科ヒョウモンチョウ族ツマグロヒョウモン属の【ツマグロヒョウモン】のメスの産卵らしき行為と遭遇しました。
その後気になり、幼虫の食草となるであろう「パンジー」を注意深く観察、茎の間にいましたいました独特の形態を持つ【ツマグロヒョウモン】の幼虫です。
葉の影となり、色彩の鮮やかさが半減していますが、それなりのインパクトを持つ幼虫の形態で、棘があり赤と黒の危険な色をしていますが、いかにも毒々しいトゲトゲは鳥たちなどの天敵から身を守るための擬態で刺されることはありません。ちなみに、トゲは各節ごと6本ずつ本ずつ生えています。
もう終齢幼虫のようですので、無事に「蛹」になってくれることを期待しています。
竿の先ではありませんが、棒の先に留まっていますトンボ目トンボ科シオカラ属の【オオシオカラトンボ】のオスです。
側面からの撮影になりましたが、時間との勝負ですし、背面に回りますと逃げてしまいますので、昆虫との撮影は見つけた瞬間が一期一会の機会です。
【オオシオカラトンボ】は、体長6センチ程度で「シオカラトンボ」を立派にしたような姿をしています。「シオカラトンボ」は、腰から下が急に細くなっていますが、本種は尾の先までほぼ同じ太さです。オスは濃いめの水色で、メスはくすんだ黄色の体色をしています。
よく似た【オオシオカラトンボ】と「シオカラトンボ」ですが、よくわかる違いは、「シオカラトンボ」の複眼はグリーンカラーなのですが、【オオシオカラトンボ】は黒っぽい複眼をしています。
なんとも悩ましいチョウ目(鱗翅目)の「ガ」と遭遇しました。経験値からシャクガ科エダシャク亜科の【キバラエダシャク(黄腹枝尺蠖)】と同定しています。
開帳30ミリほどの大きさです。写真の模様通りの「ガ」を資料では確認できませんでしたが、全体的に黄褐色で、外横線以下はやや暗色。前翅と後翅の中央付近に半透明の斑紋が並んでいますが、数は個体差があり、まったく無い個体もあるということで、色彩に関しては個体差が大きいということで【キバラエダシャク】と同定してみました。
お手上げで、同定できない〈迷宮の蛾〉も20種を超えていますが、チョウ目として日本には約5000種分類され、「蝶」は約250種で残りが「蛾」の世界だけに、難しい同定作業になりますが、楽しみも多い世界です。
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