黄緑色の体と水滴型で透明な二対の翅もつアミメカゲロウ目(脈翅目)クサカゲロウ科 の【アミメクサカゲロウ】です。
「クサカゲロウ」の名は、その草色の体色や、臭いためである(「くさ(い)」カゲロウ)とする説がありますが、成虫がくさい匂いを出すのは、日本ではクサカゲロウ属やプレシオクサカゲロウ属、キントキクサカゲロウ属などの一部の種であり、多くの種は悪臭を出しません。
クサカゲロウ科は世界に87属1300種ほどが分類されています。大きく3亜科に分けられ、その中でも一般的なグループであるクサカゲロウ亜科はさらに4族に分けられています。このうち日本に分布するのは2亜科(クサカゲロウ亜科では4族のうち3族45種と種とされています。
【アミメクサカゲロウ】の体長は30ミリほどで、触角は糸状で体は前後に細長い。翅は水滴型で、翅脈が細かい網目状に走っており、斑紋はなく透明です。前翅より後翅のほうが小さく、主に夜行性で、成虫は、花粉や花蜜、半翅目昆虫の排出する甘露などを食べています。
このクサカゲロウ科の卵は、俗に「憂曇華」または「優曇華」(いずれも『うどんげ』と読む)の花と呼ばれているようです。
保護色的な色合いの枝の間にいました、カメムシ目(半翅目)ヨコバイ亜目(同翅亜目)セミ科に分類されるセミの一種【アブラゼミ(油蟬・鳴蜩)】は、褐色の不透明な翅をもつ大型のセミです。
体長は60ミリ程度 で、「クマゼミ」より少し小さく「ミンミンゼミ」と同程度です。頭部は胸部より幅が狭く、上から見ると頭部は丸っこい。体は黒褐色から紺色で、前胸の背中には大きな褐色の斑点が2つ並んでいます。セミの多くは透明の翅をもちますが、【アブラゼミ】の翅は前後とも不透明の褐色をしていて、世界でも珍しい翅全体が不透明のセミです。
鳴き声は「ジー…」と鳴き始めたあと「ジジジジジ…」とも「ジリジリジリ…」とも聞こえる大声が15~20秒ほど続き「ジジジジジー…」と尻すぼみで鳴き終わります。単調で、抑揚のある「ニイニイゼミ」と識別出来ます。「ジジジジジ…」というのが「油で揚げるような」という形容を使われることが多く、【アブラゼミ】という和名はこれに由来しています。
「ヤマトシジミ」の飛翔を見つけ、見守っていましたら、プランターに咲く白い花(左手前)に留まった瞬間をとらえることができました。黒い斑点模様の翅の側面を移す余裕はなく飛び立ちましたが、白い多弁の花も気になりました。
花姿や葉や蕾の形状から、キク科ロダンテ属の【ハナカンザシ】だと同定しました。花径は20ミリほど。花弁は八重咲きですが、花弁に見えるのは「総苞片」であり、中央に見える黄色い部分が「筒状花」です。
原産地はオーストラリア西南部、乾燥を好むので、砂地ではよく成長します。雨に当たると茎が細く倒れやすいです。本来は毎年花を咲かせる多年草ですが、気温と湿度の高い環境が苦手なことから、日本では一年草として育てられます。
ベゴニアの葉を食事中の幼虫を見つけました。一般的に「シャクトリムシ(尺取虫)」と呼ばれ、体を折り曲げながら、ヒョコヒョコと歩く姿が特徴的な、シャクガ科というグループのガ(蛾)の幼虫です。
シャクガ科の幼虫には体の前方に3対の本物の脚がありますが、それとは別に腹脚が「2対」しかありません。そのため、体を輪のように曲げた歩幅が大きくなるような歩き方になります。
シャクガ科はチョウ目(鱗翅目)の中ではヤガ科に次ぐ二番目に大きい科です。世界では24000種近くが知られ、日本では900種近くが報告されていますので900種の幼虫がいるということで、(419)「シロトゲエダシャク」や(422)「トビネオオエダシャク」・(425)「アトジロエダシャク」・(426)「チャノウンモンエダシャク」などのように形態や色彩に特徴がある幼虫の同定はしやすいのですが、この「尺取虫」の種の同定までには至りませんでした。
麻痺側側で動かせない左足の靴に【ヒメウラナミジャノメ】が運良く留まりました。森林淵や植物の周辺を歩いていますので、好みの植物の匂いがするのか、はたまた昆虫好きのフェロモンが出ているのでしょうか、スニーカーを履いていた時には(601)【ウシカメムシ】の訪問を受けていますし、(740)【オオカマキリ】が足に飛びついてきたこともありました。
脚周りへの飛来は少ないのですが、左手には多くの昆虫が訪れてくれています。(40)【クヌギゾウムシ】に始まり、(76)【ヨコズナサシガメ】、(239)【マダラカツオブシムシ】、(300)【ノコギリカメムシ】、(315)【ヒゲコガネムシ】、(402)【アルファルファタコゾウムシ】、(613)【ウスグロツヅリガ】などがいました。
次はどの昆虫がご挨拶に出向いてくれるのか、楽しみな昆虫観察です。
地表面を徘徊している場合が多い、カメムシ目(半翅目)ヒョウタンナガカメムシ科 オオモンシロナガカメムシ属の【オオモンシロナガカメムシ】ですが、網戸に留まっていました。
体色は黒褐色で前翅革質部先端付近に大きな黄白色の紋が1対あります。前胸背は前葉は細いが後葉は太く、全国的にごく普通に見られる普通種で、地面を歩き回り、ヤツデの実や地下茎の汁を吸います。
海外では台湾,朝鮮半島,中国に分布しています。国内に生息しているオオモンシロナガカメムシ属は、【オオモンシロナガカメムシ】と【オオモンクロナガカメムシ】の2種が生息しています。
カメムシ目(半翅目)の昆虫は、様々な体形と色合いが楽しめますので、好きな分類の一つです。
今回はホソヘリカメムシの一種【ニセヒメクモヘリカメムシ(偽姫蜘蛛縁亀虫)】と遭遇しました。体長15ミリ、全身褐色。頭部と胸部の長さが同じです。同属の「ヒメクモヘリカメムシ」に良く似た形態ですので、和名に「ニセ」を冠しています。
両者は頭部の側葉と中葉の長さが異なり、側葉と中葉がほぼ同じ長さなのが「ヒメクモヘリカメムシ」で、【ニセヒメクモヘリカメムシ】は頭部側葉の先端が中葉よりも大きく突き出しています。
国内に生息しているヒメクモヘリカメムシ属は、【ヒメクモヘリカメムシ】と【ニセヒメクモヘリカメムシ】の2種です。
「ヒメクモヘリカメムシ」はより標高の高い環境に生息し、クマザサやスズタケに寄生します。一般にはあまり馴染みでない種ですから、クマザサやスズタケの生育しない低地で見かけたら、【ニセヒメクモヘリカメムシ】と思って頭部の側葉と中葉の長さを良く観察した方が確実です。
小さな昆虫の更に細部の少しの違いで、種が全く異なるのですから、昆虫の同定は実にややこしいものです。
鮮やかな赤色のクワガタのような昆虫【ヒラズゲンセイ】が、兵庫県稲美町内で確認されています。
【ヒラズゲンセイ】は、ツチハンミョウの一種で体長約3センチ。真っ赤な体とクワガタのような大あごが特徴で、6、7月に成虫になります。体液「カンタリジン」が有毒で、皮膚につくとかぶれや水ぶくれを引き起こすことがあります。
「クマバチ」の巣に寄生し、幼虫はクマバチが集めた花粉団子を食べて成長するといいます。クマバチが好むサクラや巣を作る古い木造家屋など、多様な場所で見られるといいます。
高知や徳島県などの温暖な地域で見られた種ですが、京都や滋賀で生息域を広げ、兵庫県内でも発見例が増えているようです。生息域が年々北上してきているようです。
ベゴニアの葉に留まっています、チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科の【ヒメウラナミジャノメ】を捉えることができました。
裏翅のきれいな金環模様を写し取りたかったのですが、吸蜜行為ですと割ととどまっていますが、距離があり、葉の上ということでこちらが移動中に飛び立たれることは経験上判っていますので、何とかズーム撮影で、おぼろげながら翅の模様も確認できました。
この一枚撮影後、二枚目撮影の余裕はなく、元気に飛び立ってしまいました。
前翅に4本の黒と黄いろの帯が横に並行に並んでいますコウチュウ目(鞘翅目)カマキリかの【ヨスジハナカミキリ】です。遠目に観たときには、姿から【ヨスジハナカミキリ】かなと直感したのですが、前羽の模様が並行ではなく〈まだら模様〉に入っています。
翅形状から、コウチュウ目(鞘翅目)とカメムシ目(半翅目)の昆虫を再度確認しましたが、本種に近い昆虫を探すことはできませんでした。
調べていく上で、【ヨスジハナカミキリ】では、〈前翅には4本の黄褐色の横帯がある。体下面はビロードのように金色に輝いて見える。 ただし地方変異がかなりあり、西日本のものではより細長くて黒色部が濃いなどの違いが見られる。〉との記述を見つけました。
採集しておれば、もう少し詳しく観察ができたかもしれませんが、自然の中での一期一会を基本としていますので、次回遭遇時には角度を変えての撮影ができればと思っています。
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