網戸に止まっているのは、ハエ目(双翅目)ハエ亜目(短角亜目)アブ科の総称としての<アブ(虻)>です。 形態から<アブ>だとはすぐに同定できるのですが、〈115種類〉ある中で、資料も少なく種の特定までは至りませんでした。 以前にも同定に悩んだ末、翅に黒い斑紋があることのより「ホシキアブ」としたことがありますが、この種もそうかもしれませんが、記録として残しておきたいと思います。
この時期よく見かけますカワゲラ目カワゲラ科【オナシカワゲラ】が網戸に止まっていました。 カワゲラ目の仲間は世界で約2000種、日本では9科150種以上が知られていますが、この仲間はあまり研究されていないためか、和名・学名が不明なものも多く、幼虫と成虫の関係も分かっているものは大変少ないようです。 カワゲラ目はキタカワゲラ亜目とミナミカワゲラ亜目に分けられますが、国内にはキタカワゲラ亜目のみが生息しています。 山地の渓流域から平地の川沿いまで広く見られ、特に春に見ることが多く、幼虫は川の中で育ちます。
日差しが射す中で、細長い葉の上で休憩しています体長10ミリほどのハチ目(膜翅目)ミフシハバチ科【アカスジチュウレンジ(赤条鐫花娘子)】と遭遇しました。 幼虫はバラの害虫として知られ、別名〈バラチュウレンジ〉とも呼ばれています。 成虫の頭部と脚は黒色、翅は半透明で黒っぽい。胸部と腹部は黄色~橙色を帯び、胸部の背面には黒色と橙色のこぶがあります。胸部の色彩には葉変異があり、オレンジ色と黒色が混ざる個体のほか、全体がオレンジ色、全体が黒色の個体もいるようです。 触角は3節あり、第1節と第2節は短く、第3節が長くて大部分を占めています。科名のミフシハバチは、この特徴に由来するといいます。
白い壁にとまっていましたので目立ちました、体長12ミリほどのハエ目(双翅目)ケバエ科の【メスアカケバエ】の《雄》です。 ケバエ科に含まれる種は世界に約7属700種、日本には5属36種ほどが知られ、(794)【ハグロケバエ】や(978)【ウスイロアシブトケバエ】などがいます。 【メスアカケバエ(雌赤毛蠅)】の名前の通り、《雌》のみが胸部・腹部が淡赤褐色です。《雄》の体色は全体光沢がある黒色です。翅はやや濃い褐色で後方は淡い。翅脈はすべて褐色をしています。 生息場所は主に屋外で、雑木林の周辺でよく見られます。成虫の発生時期は3~6月である。幼虫は主に落ち葉などを食べて育ちます。成虫の餌は花の蜜などで、特に実害はなく、不快害虫ですが、成虫の発生は春季に限られており、この時期を過ぎるといなくなります。
今年の冬は、気候の変化のためなのか好きな<フユシャクガ>の観察ができませんでした。 昨日の神戸は最高気温が「21.6度」で、今年初めての《蛾》として、【マダラトガリホソガ】を捉えることができました。 体長12ミリ程度の小型のカザリバの一種で、白色から淡褐色の模様をしており、色の濃淡には、かなりの変異があるようです。 幼虫は、害虫が寄生する植物の内部で生活するという変わった習性をしています。 和名の「トガリホソガ」は、昔にトガリホソガ科に分類されていた名残です。
黒くて細長い体形が特徴的なハチ目(膜翅目)クキバチ科の仲間で間違いがないとおもうのですが、触覚の色が黒か茶褐色化の見分けがつかず、【クロバキクバチ】か【ツノキクロハバチ】かで、悩んでしまいました。 <クキバチ>の雌成虫は,産卵に先立ち新梢のまわりにらせん状に深い傷痕をつけるため,産卵部より先端のほうはしおれてしまいます。孵化した幼虫は,まずしおれた部位へ食入し,次いで反転してしおれていない基部のほうへ食入し,茎内で老熟し繭をつくります。これはクキバチ科の昆虫に共通した習性のようです。 興味を持たれる分野の昆虫ではないようで、判断する資料も少なく、総称名の記録として残しておきます。
昨日の神戸の最高気温は「19.9度」とあがり、そろそろ昆虫たちの活動に期待し外回りをしてみました。 いました、成虫で越冬するカメムシ目(半翅目)ヘリカメムシ科の【キバラヘリカメムシ】を見つけました。 【キバラヘリカメムシ】は体長15ミリほど、名称通り腹部が黄色いヘリカメムシ科の仲間です。上から見ると黒い体色で地味ですが、腹部周辺のはみ出した部分が黄色と黒の縞模様となって見えています。横から見ると腹部の黄色が目立ちます。 脚は黒色で腿節の両端以外は白~淡黄色。腿節基部は黒色~赤色まで変異するようです。触角は黒色で先端節のみ赤色。 ニシキギ科(マユミ,コマユミ,マサキ、ニシキギ,ツルウメモドキ)の葉上や実などに成虫・幼虫共に多数集まっています。
最高気温が20度近くなりそうで、黄砂予報が出ている神戸のお天気ですが、カーテン生地に体長2ミリほどのコウチュウ目(鞘翅目)カツオブシムシ科マルカツオブシムシ属の【ヒメマルカツオブシムシ】を見つけました。 小さな昆虫ですので、撮影に苦労しましたが、特徴はとらえられていると思います。成虫は、短い楕円形で体はやや腹背に扁平ながらも厚みがあります。背面は細かな鱗状の毛が全体を覆っていて、全体に灰黄色に見え、やや褐色と黒っぽい幅の広い横帯があります。触角は短くて先端は棍棒状です。 ごく普通種で幼虫は乾物や毛織物などの害虫ですのであまり室内で見つけたくない昆虫の一種です。 成虫は花を訪れ、花粉などを餌とします。特に白い花に集まり、マーガレットなどにはよく集まります。 マルカツオブシムシ属には国内にも他に数種があり、外見ではよく似ていますが、人家に出現するのは本種のみです。
ここ二・三日気温が全国的に高く、昨日の神戸は「16.0度」でしたが、朝6時の気温が「11.0ド」と高く本日も同程度の気温になりそうで、早くもカメムシ目(半翅目) カメムシ亜目 カメムシ科 ツヤアオカメムシ属に属する【ツヤアオカメムシ】が、冬越しからお目覚めのようで活動を始めたようです。ちなみに国内に生息するツヤアオカメムシ属は本種のみです。 冬越しをしてから、これから繁殖地となる山に飛んでいき、交尾・産卵をしてから寿命をむかえます。幼虫期ではスギ・ヒノキの球果を餌とし、夏頃にはなくなってしまいますで、エサを求めて今度はミカン、カキ、モモ、ビワなどの汁を吸い始めるので害虫とされています。 集合フェロモンを出して群れる性質がありますので、昨年は、大量発生した「カメムシ」が多く目撃されたようですが、今年も大量発生しそうな兆しでしょうか。
昨日の神戸の最高気温は「17.7度」でした。一昨日には、サトイモ科の「カラー」の葉の上で(1066)【ツマグロオオヨコバイ】や(1067)【マルカメムシ】を12月に入って観察できましたが、まだ、バッタ目キリギリス科ツユムシ亜科の【セスジツユムシ(背条露虫・背筋露虫)】の「メス」が活動していました。 体長(頭部より羽先まで)は30~40ミリ程度。全身鮮やかな緑または淡褐色から褐色。【ツユムシ】よりも幾分頑丈な体つきで、脚はやや太く、短い。特に「メス」で顕著です。雌雄で体型・色彩が若干異なり、一見では別種のように見えます。 「オス」は頭部、前胸に褐色に縁取りのある橙色の筋、羽には褐色の筋、「メス」では頭頂から羽の先まで乳白色の筋が入ります。普通「メス」の方が羽は短いのですが、稀に長翅型が現れこの場合のみ「オス」の体長を超えます。 特に「メス」の産卵管は、(1028)【ヤブキリ】の「メス」の産卵管のようにまっすぐ伸びておらず、非常に短く腹部の半分ほどで、《小鎌の刃のような形》をしているのが、見て取れると思います。