プランターの「パンジー」に潜り込むようにしていたチョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科ドクチョウ亜科ヒョウモンチョウ族に分類される【ツマグロヒョウモン】のメスを見つけました。 おそらく幼虫の食草である「パンジー」ということで産卵行為だと思いますが、産卵を終えた後なのか、休憩なのかはわかりませんが、「メス」の特徴である白い線のある表翅の模様がわかる瞬間をとらえることができました。 「パンジー」にとっては迷惑なことですが、今後独特な姿の「幼虫」が確認できるのか、楽しみです。
2008年6月21日にファルコン昆虫記として(1)「クロアゲハ」の幼虫ではじまり、これまたちょうど15年目にようやく(1000)番に達しましたが、珍しい昆虫「ヤマトイシノミ」で飾ることができました。 【ヤマトイシノミ(大和石蚤)】は、イシノミ目(古顎目)イシノミ科に属する体長12~15ミリの昆虫の一種です。イシノミ目には世界に2科約450種が生息しています。 この仲間はデボン紀の化石が見つかるほど太古から生息している無翅昆虫で、「翅」がなく、長い触角と、中央が特に長い3本の尾をもったエビのような姿で、体の色や模様が保護色となっています。幼虫と成虫の姿がほとんどかわらず、成虫になっても脱皮をする習性があり、脱皮時に失われた脚や触角が再生するという昆虫としては珍しい能力を持っています。更に寿命も成虫になってからも2~3年と長く、高温低温にも極めて強い実に興味深い昆虫です。水分は口から取らず、夜露などを腹部から摂取しています。 長い触覚と3本の尾があり、体は鱗粉に覆われています。発達した複眼があります。しめった林の岩や樹皮などに住み、緑藻や落ち葉などを食べています。驚くと腹部を叩いてジャンプします。この跳ねる行動と岩場に見られることからイシノミと名付けられてようです。
神戸大学のチーム(前藤薫名誉教授)は20日までに、六甲台キャンパス(神戸市灘区)で新種のハチを発見して、【コウベアメバチ】と命名しています。 チームによりますと、他の生物に寄生する「寄生性ハチ類」の一種で、2015年4月に、夜行性の昆虫を調査していた当時の学生が、六甲台第2キャンパス(神戸市灘区)の外灯の周辺で採集しました。ガの幼虫などに卵を産み付ける夜行性の寄生バチ「アメバチ」の仲間とみられていましが、知られている種とは色や羽の模様が異なっていました。DNA分析で世界中のハチと比較するなどした結果、新種と判明し、発見地にちなんで命名されています。 「アメバチ」の仲間はあめ色が多いにですが、【コウベアメバチ】は黄色と黒色で体長は1・5センチほど。<前藤名誉教授>らは国内各地でアメバチの調査を行っており、和歌山県紀の川市でも【コウベアメバチ】を確認しています。DNA配列の解析などで新種と判明、2023年5月27日付で国際専門誌『Zoological Studies』に掲載されています。 夜行性の昆虫の観察は難しく、似た種類のハチの進化解明につながるといいます。
翅と胴の模様が印象に残るチョウ目(鱗翅目)ヒトリガ科カノコガ亜科の【カノコガ】です。 体に比べて翅はやや大きく、「フタオビドロバチ」に擬態しているとされています。成虫の姿は可憐ですが、幼虫の姿はいわゆる毛虫です。黒い体に節ごとにたっぷり毛を生やした見た目は毒々しいにですが、毒針は持たないとされています。 黒い翅にやや大きめの白斑をつけ、全体的に黒い体の腹節の一部は黄色くなります。仲間には、胴の部分が黄色くて黒帯が入る【キハダカノコガ】がいます。また触角が細く、擬態とされていますハチのような姿ですが、「ガ」なので刺すことはありません。 名前の由来は、翅の鹿の子模様から名づけられています。食草は「シロツメクサ」、「タンポポ」などですが、新鮮な葉は好まないようです。本種は腹部が大きいので、メスかもしれません。
翅の部分に一対の黒い点があり、また、翅よりの幅広い縞模様の部分を持っていますので覚えやすい名称のカメムシ目(半翅目)ヘリカメムシ科の【ホシハラビロヘリカメムシ】です。 体長15ミリ程度の昆虫で、体は全体に黄褐色で、小さな褐色の点刻を密につけています。頭部は小さく、頭頂部には不明確ながら暗色の縦の条紋が2本あります。触角は赤褐色で、先端の節は暗い色となっています。 マメ科植物を宿主とし、「フジ」、「クズ」、「ヌスビトハギ」などについているのが見られ、特に【マルカメムシ】と同様に「クズ」の葉で見かけることが多いカメムシです。
一区切りの昆虫記(1000)番を目の前にして、昆虫がいそうな場所を観察していますが、(989)黄金虫と呼ばれるのにぴったりな色合いの【セマダラコガネ】(5)に続いて今年2度目の登場となりました甲虫目(鞘翅目)コガネムシ科【セマダラコガネ】です。 個体変異色が多い【セマダラコガネ】ですので、体長も1cmと小さく遠目で緑色一色で同じコガネムシ科の「コアオハナムグリ」と思いましたが、特徴的な触覚の形態で、【セマダラコガネ】とすぐに同定できました。 【セマダラコガネ】の背には斑模様がいくつもあり、これがそのまま「背斑(セマダラ)コガネ」と名前の由来となっているのですが、本種では「斑模様が無い」個体のようです。
ファルコン昆虫記(993)に登場していますカメムシ目(半翅目)サシガメ科アカサシガメ属【アカサシガメ】が卵を抱えていましたが、そのまま壁面に産卵したのでしょうか。 連続的に観察していませんので詳細は不明です。 大きさ1.5ミリほどの卵が10個、産みつけられてているのを見つけました。昆虫に興味ない人には気にもならない存在だと思いますが、卵は上部に白い蓋の付いた先細りの形状をしています。 生まれた幼虫は不完全変態ですので、成虫に似た形まで脱皮を繰り返すことになります。卵を採集すれば、幼虫の観察ができると思いますが、人為的な撮影は好みませんし、餌の手配も出来かねます。
不快害虫として嫌われ者の ハエ目 (双翅目 ハエ亜目 (短角亜目)環縫短角群 ハエ下目 に属する 「ハエ」ですが、日本 だけで60 科ほど あり、3000種近い種が分類されています。 プランターの花の周囲を飛んでいましたので一応「ハナバエ」の仲間としましたが、正確な同定には、翅の模様などを見比べる必要があります。 「カメムシ目」や「チョウ目(蛾)」と同様に特徴的な容姿が楽しみな分野だと思っています。種類が多いだけあって、名称に色名が付いた【ミドリバエ】・【キンバエ】・【ツマグロキンバエ】などがあり、特徴的な【ケブカクロバエ】・【ハリバエ】・【ギンガクヤドリニクバエ】・【アシナガバエ】・【シマバエ】・【クロモモフトホソバエ】などと遭遇してきています。 敏捷な「ハエ」だけに目にすると観察よりも素早く撮影しないと逃げられてしまうのが難点な昆虫です。
チョウ目(鱗翅目)には、「チョウ」と「ガ」の仲間が属しており、127科、165,000種からなり、「ガ」の種類数は「チョウ」の20~30倍で、「ガ」の方が圧倒的に種類数が多く存在しています。 開張15ミリほどの今回の小さな「ガ」も、その特徴的な形態から、メイガ科の「トガリメイガ」の仲間だと見当をつけて調べたのですが、よく似た種にカスリもしませんでした。 <迷宮の蛾>の(20)種類を数え、経験上これ以上の資料は手元にありませんので、後日の判明を期待して、これまた記録として残しておくことになりました。
体色が赤色の昆虫は〈ベニカマキリ〉など少ないのですが、カメムシ目(半翅目)サシガメ科アカサシガメ属の尾部に卵を抱えた「メス」の【アカサシガメ(赤刺亀)】です。通常は葉の裏側などに産卵すると思うのですが、少し奇異な光景でした。 アカサシガメ属は旧北区東部、東洋区からオーストラリア区にかけて18種が知られていますが、日本では本種一種のみです。 体長15~16mm程度で、全体にやや暗い朱色をしています。頭部は小さく、色は朱色、複眼は暗褐色をしています。単眼の部分は隆起しており、触角の基部には小さいながら顕著な棘状突起があり、触角は長くて黒色です。