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「アイアンクラッド・ビートル」

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「アイアンクラッド・ビートル」... 「アイアンクラッド・ビートル」(画像:米カリフォルニア大学)
足で踏まれても、車にひかれてもつぶれずに生きている頑丈な甲虫の外骨格の謎を東京農工大や米カリフォルニア大学などの日米研究チームが解明し、23日までに英科学誌『ネイチャー』に発表しています。この北米西海岸に生息する甲虫の一種は飛ぶ能力を失っており、英語で「アイアンクラッド・ビートル(鉄の装甲の甲虫)」と呼ばれています。研究成果は航空機や自動車を強く、軽く造る技術に応用できる可能性があるといいます。

カブトムシやコガネムシは外側に硬い羽、内側に軟らかい羽がありますが、体長約3センチの「アイアンクラッド・ビートル」は内側の羽がありません。外側の左右2枚はがっちり接合して開かず、一体化した外骨格となっています。

カブトムシなどの外側の羽の接合部は、一方が凹形、他方は凸形をしており、飛ばない時ははめ込んで閉じています。「アイアンクラッド・ビートル」はこの凹凸のはめ込みが二つあり、踏まれても開かないことが分かっています。背中側と腹側の外骨格を接合する部分も外れにくい形状です。

外骨格は多糖類のキチンとたんぱく質が主成分ですが、「アイアンクラッド・ビートル」は日本のカブトムシに比べ、たんぱく質の割合が1割多く、種類も違うことが判明。外骨格の断面を高性能な顕微鏡で観察すると、この物質から成る薄い層が多数積み重なった構造をしていました。実験では体重の約3万9000倍に相当する荷重に耐えることができています。

「アイアンクラッド・ビートル」は樹皮に隠れ、キノコ類などを食べており、鳥にくちばしでつつかれたり、トカゲなどにかまれたりしても身を守れるよう進化したと考えられています。
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