赤いクワガタと間違えられやすい形態をしています 「ヒラズゲンセイ」 ですが、その正体はクワガタとは似て非なる「ツチハンミョウ」の仲間「ヒラズゲンセイ」です。鮮やかな赤色の体色とクワガタのような大あごが特徴です。体長約2~3センチで、6~7月に成虫になり、人家周辺や林のある公園で目にすることができます。
刺激を与えると足や体の関節からにじみ出す体液には「カンタリジン」という有毒な成分が含まれており、触ると皮膚がかぶれたり水ぶくれを引き起こしたりする恐れがあるので、むやみに手で捕まえるのは避けた方がいいようです。
これまで四国などで生息が確認されてきましたが、近年は滋賀県付近まで分布が拡大。理由は判然としませんが、都市部の温暖化の影響も指摘されているようです。
「ヒラズゲンセイ」と同じ毒を持つ昆虫は他にもおり、カミキリと形がよく似た別種の「アオカミキリモドキ」がそれで、全国の平地から山地まで広く分布。体長1・5センチ程度で、成虫は夏に多くみられます。ハネが光沢のある緑色で頭から首にかけてはオレンジ色。鮮やかな色彩なので、きれいな昆虫だと思って触りたくなりますが、お勧めできません。
一方、本家のカミキリムシの仲間で、毒こそないものの人間の生活に重大な悪影響を及ぼしているのが「クビアカツヤカミキリ」です。もともとは中国や台湾に生息し、光沢のある黒色の体に首の赤色、お香のようなにおいを放つのが特徴。体長3~4センチでバラ科の樹木に産卵し、幼虫は樹木の内部を食い荒らしながら2~3年で成虫になる。モモやウメが食害を受けると、木が枯れたり実が大きくならなかったりする。
日本では2012年に愛知県で初めて見つかり、2018年に特定外来生物に指定されています。大阪府など7都府県(栃木県・群馬県・埼玉県・東京都・愛知県・大阪府・徳島県)に分布が拡大しています。
サクラに深刻な被害が出ている群馬県館林市では今年5~8月、成虫を捕殺して市の窓口に提出すれば、400匹を上限に1匹につき50円を交付する奨励金制度を創設しています。すでに5千匹以上が持ち込まれているそうです。
2015年に初めて確認された大阪では、府内11自治体でモモなどに被害が出ていますが、「風評被害が怖いので具体的な産地は公表していない」といいます。
珍しい昆虫なので捕まえる人もいると思いますが、「特定外来生物」なので法律で移動や飼育は禁じられています。繁殖力が強く、農産物に大きな被害が出ているので、見つけたら捕殺してほしい」と協力を呼び掛けています。
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