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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(83)『哀しみの余部鉄橋』西村京太郎(小学館文庫)

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最新刊の手持ちの文庫本がなくなり、デイケア施設の 「ミニ図書館」には、<西村京太郎>の「十津川警部」シリーズが多々ありましたが、兵庫県にある「余部鉄橋」ということもあり『哀しみの余部鉄橋』(2007年7月11日刊)を選びました。

1973年(昭和48年)『赤い帆船(クルーザー)』(登場当時は警部補)で初めて登場した主人公「十津川省三」警部は、いつも40歳。日本各地を走る列車を舞台にした作品が多いのですが、本書には表題作を含む4篇の事件が納められています。

表題作の『哀しみの余部鉄橋』は、余部出身の「十津川」と同期の「高橋警部」がホステス殺しに絡む事件が扱われ、辺鄙な田舎町の象徴として、兵庫県美方郡香美町余部が登場しています。

「余部鉄橋」といえば、1986年(昭和61年)12月28日午後1時25分ごろ、風速33メートルを超える突風で回送列車「みやび」の7両が転落。 約40メートル下にあった水産加工場の女性従業員5人と車掌が亡くなった事故が思い出されますが、事故がうまく題材として用いられていました。

初代の「余部鉄橋」は、1912年(明治45年)3月1日に開通し、2010年(平成22年)7月16日夜に運用を終了しています。2代目の現橋梁はエクストラドーズドPC橋で、2007年3月からの架け替え工事を経て、2010年8月12日に供用が始まり、表紙写真のような鉄橋は今は見られません。また、2017年11月26日には、 「余部クリスタルタワー」 が完成しています。
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今年の読書(82)『4ページミステリー』蒼井上鷹(双葉文庫)

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本書『4ページミステリー』の文庫本は、2010年12月に発行され、シリーズとして、『4ページミステリー 60の奇妙な事件』が、2015年3月に同じく 双葉文庫から刊行されています。

本書の収録されている作品は、『小説推理』(双葉社・2005年9月~2011年1月)に連載された原稿用紙5枚分の「2000字ミステリー」として掲載された短篇が60本収録されています。

1作品文庫本で4ページという長さですので、ウイットとブラックユーモアにとんだ短篇が、テンポよく、また切りよく読み切れました。

『2009年6月ある日』という短篇では、新型インフルエンザの流行で、マスクが品切れとなり、マスク狩りが行われ、殺人事件が起こるという内容には、現在のコロナ禍を先取りしている内容で驚きました。
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今年の読書(81)『火車』宮部みゆき(新潮文庫)

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本書『火車』は、1992年(平成4年)7月に「双葉社」から刊行されていますが、1998年(平成10年)2月に(新潮文庫〉として発行されています。

第108回直木賞候補作であり、第6回山本周五郎賞受賞という作品です。ほぼ30年前の作品ですが、時代を感じさせる部分も当然ありますが、現代でも全く本質は変わらずに読めるのは、著者<宮部みゆき>の本質を見抜く力量のなせる技だと感じました。

事件捜査中の銃撃による負傷のため、休職中の刑事<本間俊介>でしたが、亡くなった妻の親戚で銀行員の<栗坂和也>が訪れてきて、婚約者の<関根彰子>が突然失踪してしまったので、探してくれないかと相談され、調査に乗り出します。

<彰子>の勤務先などを調べてゆく過程で、<本間>は<俊介>の婚約者は、クレジットカードローンで破産した<彰子>ではなく、別人物ではないかとの疑問を持ち始めます。

<彰子>と称するカード会社での犠牲者の凄惨な人生を抉り出し、一人の女性の人生の足跡を突き詰めてゆく<本間>でしたが、事件の全容が見えたときに、なるほどという余韻を残す場面で、物語は終わりを告げます。
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今年の読書(80)『五十鈴川の鴨』竹西寛子(岩波現代文庫)

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目新しい新聞広告の文庫本もなく、リハビりに出向いていますデイケアの 「ミニ図書館」 から見つけました<竹西寛子>(91)の『五十鈴川の鴨』(2011年8月幻戯書房刊のち岩波現代文庫)です。

『挨拶』や『松風』など全10篇が納められています短編集ですので、切りよく切り上げられるかなと手にしてみましたが、思わぬ収穫の一遍と出会いました。

収録された10篇は、日常での何気ない驚きと人の不思議な縁を実感させる短篇です。磨き抜かれた言葉が、人のあわいをしばしつなぎとめていく魅力を醸し出しています。

表題作の『五十鈴川の鴨』は、熟年の男性同士が織りなす長年に渡る交友関係とその行方を斬新な設定で描き、静謐な原爆文学とでも言わざるを得ない悲しみが心に残りました。登場人物の二人の職業が、私と同じ建築関係ということもありも、違う会社に勤務しながら、たまに出席するセミナーでの交遊を通しての男の付き合いかたの矜持ともいえる流れが丁寧に描かれ、最後に登場する彼を愛してきた女性から、知らされる彼の悲報と共に、登場する伊勢神宮での思い出の場面に五十鈴川の鴨の親子が象徴的に登場してきます。 

直接表現してしまうと非常に重たい原爆の後遺症という問題を、文学的に見事に結実させた感動の一遍でした。 
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今年の読書(79)『マスカレード・ナイト』東野圭吾(集英社文庫)

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本書は<東野圭吾>の累計400万部を突破した<マスカレード>シリーズとして 『マスカレードホテル』 ・ 『マスカレード・イブ』 ・ 『マスカレード・ナイト』の第三作目になります。単行本としては、2017年9月に刊行され、文庫本としては、2020年9月25日に発行されています。

一流ホテルである「ホテル・コルテシア東京」を舞台として、捜査一課の若手刑事「新田浩介」と女性フロントクラーク「山岸尚美」の活躍を描いたシリーズとして、2011年に刊行された『マスカレード・ホテル』から3年後が描かれています。

都内のマンションで、ペットトリマーの28歳の「和泉春奈」の部屋を調べろと密告の通報があり、死体として発見されます。その後、密告者から「ホテル・コルテシア東京」の大晦日に行われるカウントダウンパーティー「マスカレード・ナイト」に犯人が参加するという情報があり、「新田」ら捜査一課のメンバーはクリスマス前からホテルに潜入捜査体制として従業員になりすまし警戒態勢を敷きます。

3年前の『マスカレードホテル』と同様に、「新田」はフロント業務につきますが、堅物なフロントマン「氏原」に閉口しながらも、コンシェルジェに格上げされている「山岸」と共に大晦日を迎えるのでした。

文中の主人公たちのセリフを読んでいますと、映画 『マスカレードホテル』 での「新田浩介」役の<木村拓哉>や「山岸尚美」役の<長澤まさみ>のイメージが同調してしまいました。

ホテル利用者たちの側面を伏線に使いながらの構成でしたが、最後の段にて突然少年「曽根英太」の名前と事件背後の供述が始まるのには驚きました。推理小説(ミステリー)の鍵はどんな形であれ、読者にすべて提出しておかなければならないという大基本形から逸脱した流れで、これはどうかなぁと感心しませんが、<東野>ファンの方には全体的に見て楽しめる一冊で、これまた映画化が期待できそうな内容でした。

コンシェルジェの「山岸尚美」も事件解決後、「ホテル・コルテシアロサンジェルス」へ栄転するようで、シリーズ第4作目は日本に戻ってきての、また数年後の事件となりそうです。
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今年の読書(78)『13・67(下)』陳浩基(文春文庫)

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今年の読書(78)『13・67...
<陳浩基>の 『13・67(上)』 に続く『13・67(下)』です。

(下巻)には、4.泰美斯的天秤 The Balance of Themis (テミスの天秤 5.Borrowed Place (借りた場所に) 6.Borrowed Time (借りた時間に) の3篇が納められています。

それぞれの物語は、香港返還前後の社会状況を背景としていますので、香港を数回訪れた経験上、九龍や香港島の通り名や地名を懐かしく思い出しながら、読み進められますので、行間からの意味合い以上に一層の現実感をもって各事件が楽しめました。

特に最終章となる、6.Borrowed Time (借りた時間に)は、主人公「クワン」の警官としての原点ともいうべき物語で、信念ともなる「警察の真の任務は市民を守ること」という使命感が強く心に印象付けられる一遍でした。

単行本(2035円・税込)、文庫本(各870円・税抜)の2冊ですが、香港に興味ある推理小説ファンには、ぜひ読んでいただきたいおすすめの一冊です。
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今年の読書(77)『13・67(上)』陳浩基(文春文庫)

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今年の読書(77)『13・67...
文庫本の帯に大きく第1位>の文字が入り、週刊文春「ミステリーベスト10」など各種ランキングで絶賛されています台湾の推理作家<陳浩基>の『13・67』は、文藝春秋社から2017年9月に単行本が刊行されていますが、ようやく2020年9月10日に文庫本(上・下)に分冊されて発行されています。

タイトルの『13・67』は、現在(2013年)から1967年へ、1人の名刑事の警察人生を遡りながら、香港社会の変化(アイデンティティ、生活・風景、警察=権力)を、時系列ではなく反対に過去に辿る逆年代記(リバース・クロノロジー)形式の本格ミステリーとなっています。どの作品も結末に意外性があり、犯人との論戦やアクションもスピーディで迫力満点でした。

上巻には、1.黑與白之間的真實 (黒と白のあいだの真実 2.囚徒道義 (任侠のジレンマ) 3.最長的一日 The Longest Day (クワンのいちばん長い日)の中編が3篇収録されていますが、第1篇で、主人公の「クワン警視」が肝臓がんのために寝たきりの描写で始まり、おもわぬ筋書きで息を引き取ることになりますので、この先の展開があやぶまれたのですが、それさえも全体構成の伏線となっているのに読み終わってから驚愕しました。

本格ミステリーとしても傑作ですが、雨傘革命(2014年)を経た現在の香港、1967年の左派勢力(中国側)による反英暴動から中国返還など、香港社会の節目ごとに物語を配する構成により、市民と権力のあいだで揺れ動く香港警察のアイデンティティを問う社会派ミステリーとしても読み応え十分でした。

2015年の台北国際ブックフェア大賞など複数の文学賞を受賞。世界12カ国から翻訳オファーを受け、各国で刊行中。映画化権は、<ウォン・カーウァイ>が取得しています。著者<陳浩基>は第2回島田荘司推理小説賞を受賞。本書は島田荘司賞受賞第1作です。

「クワン」の香港警察の「名探偵」と呼ばれた伝説の刑事の情報分析力と捜査手腕に感動する(上巻)でした。
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今年の読書(76)『秋吉久美子 調書』秋吉久美子・樋口尚文(筑摩書房)

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今年の読書(76)『秋吉久美子...
女優<秋吉久美子>の女優人生に迫る書籍『秋吉久美子 調書』です。本の帯には、「これは『調書』だからセンチメンタルではいけない。読み物だからつまらなくてはいけない。45年余の女優人生。私は見た。私は挑んだ。そして私は語った。ウソはない。調書だから」と、秋吉自身のコメントが語られています

映画斜陽の時代といわれた1970年代、松竹映画『旅の重さ』の主役オーディションで、<高橋洋子>についで次点となり、自殺する文学少女に扮して本名(小野寺 久美子)で映画初出以降、演圧倒的な魅力を放って銀幕に登場した<秋吉久美子>は、『赤ちょうちん』(1974年・監督: 藤田 敏八) ・ 『妹』(1974年・監督: 藤田 敏八) ・ 『さらば夏の光よ』(1976年・監督: 山根成之) ・ 『あにいもうと』「1976年・監督: 今井 正) ・ 『ひとひらの雪』(1985年・監督: 根岸 吉太郎) ・ 『異人たちとの夏』(1988年・監督:大林宣彦) ・ 『深い河』(1995年・監督: 熊井 啓)など、数多くの傑作に出演していますが、意外にもこれまで彼女が辿ってきた軌跡ともいうべき作品歴を、批評とデータまで完備して総覧できる資料はありませんでした。

本書は、<秋吉久美子>と映画評論家・映画監督の<樋口尚文>の共著となっています。<樋口尚文>の初監督作 『インターミッション』 (2013年)に<秋吉久美子>は主演しています。

日本映画史に造詣の深い<樋口尚文>ならではの切り口で分析する「秋吉久美子」論、女優としてのこれまで、そしてこれからを秋吉が語り尽くすロングインタビュー、映画だけでなくドラマ作品も網羅した全作品データベースがまとめられています。
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今年の読書(75)『夕映え天使』浅田次郎(新潮文庫)

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今年の読書(75)『夕映え天使...
本書『夕映え天使』は、2008年12月に新潮社より単行本が刊行され、2011年7月に文庫本が発売され、表題作『夕映え天使』を始めとする人生の喜怒哀楽が、心に沁みいる6編からなる短編小説集です。

東京の片隅で、中年店主が老いた父親を抱えながらほそぼそとやっている中華料理屋「昭和軒」。そこへ、住み込みで働きたいと、わけありげな女性「鈴木純子」が現れますが、半年ほどで突然姿を消してしまいます。そんなある日、長野県の軽井沢署から、身元不明の女性の遺体から、「昭和軒」のマッチ箱が発見され、連絡が入ります。なぜうらびれた中華料理店に住み込みで働かなければならなかったのかの『夕映え天使』。

親の離婚で祖父の家で暮らすことになった少年が幼くして「さよなら」ばかりの「わかれ」を経験する『切符』

昭和39年の高度成長期から37年を務めた会社を定年退職する日の「高橋部長」の会社での「特別な日」を描いた回想録かと読者に思わせながら、実に壮大なSF作品の導入部だった『特別な一日』

女房・子供に逃げられ、大きな手柄もなく定年前の休暇として東北地方へ一人旅に出た老警官「米田」は、ふと入った喫茶店で、妻を殺した時効1週間前の指名手配犯のマスターと遭遇、大手柄を夢見る『琥珀』

高台に建つ大豪邸の少女と、下町に住む男子高校生二人の人生の交錯を描いた『丘の上の白い家』

著者自らの自衛隊時代の富士山麓の樹海での演習を元に描いた『樹海の人』など、人生の不可解な出会い・すれ違いを切り取り、「もののあわれ・せつなさ」を味あわせてくれる短編集でした。
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今年の読書(74)『小暮写真館(下)』宮部みゆき(講談社文庫)

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今年の読書(74)『小暮写真館...
第一話・第二話が納められた(435ページ)の 『小暮写真館(上)』 に続き(551ページ)の『小暮写真館(下)』です。

(下巻)の第三話では、「英一」も高校2年生になります、
「英一」は、通学の途中で、ST不動産の事務員「垣本順子」が電車飛込みかと思わせる事故を電車の中から目撃してしまうのですが、読後これが大きな伏線を持つことになります。

心霊探偵「英一」の元へ今回は、フリースクールのメンバーを集めたお誕生日会の写真になぜか「黄色いカモメのぬいぐるみ」が移っている写真が持ち込まれます。

また、花菱家に強盗が侵入、「英一」が急いで帰宅すると強盗犯は老人の幽霊に取り押さえられたといいます。「英一」は幽霊の正体を小暮写眞館の経営者であった「小暮泰治郎」であると確信し弟「光」と共に、「泰治郎」の娘「石川信子」の家へと出向きます。「信子」から「泰治郎」の生い立ちや思い出話をきかされ、「小暮写真館」の歴史が読者にも知らされます。

「カモメ」の写真の意図も手間がかかりましたが、或る映画のオマージュとして作製されたものであることが判明、最後の第四話に続くのですが、読み手としては、キャッチコピーの「最高の恋愛小説」はどうなるのか心配なまま読み進めましたが、愛想のないST不動産の事務員「垣本順子」が突然重要な登場人物に変わります。

ことあるごとに不動産屋に出向き恋心を抱いている23歳の「垣本順子」に相談していた「英一」でしたが、「順子」の元に決別していた母親が現れたことにより、「順子」は薬の過剰摂取で意識不明の状態で「英一」に発見されるのでした。最終ページに向かって、「順子」の数々の伏線が浮かび上がり、「最高の恋愛小説」という意味が最後に来て理解でき、納得の読後感をあたえてくれました。文庫本の(上・下)の表紙も、読後として眺めますとは胸に迫るせつなさをもってじんわりと重い意味合いが響いてきます。
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