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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(8)『神様の定食屋3』麻嘉村颯希(双葉文庫)

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今年の読書(8)『神様の定食屋...
妹「志穂」と共に。事故で亡くなった両親の遺した定食屋を継ぐことになった「高坂哲史」でしたが、料理は全くダメで、妹に怒られてばかりでした。ふと立ち寄った近所の神社で「料理を教えてほしいと愚痴をこぼしたばかりに酒好きの神様が現れ、この世に未練を残した人物たちが「哲史」に憑依してこの世の未練を断ち切るという大筋で『神様の定食屋』が2017年6月に発売され、『神様の定食屋2ごちそうさま、めしあがれ』を経て、本書『神様の定食屋3』が2023年1月15日に発売されています。

「高坂哲史」が両親の遺した定食屋を継いで一年。定食屋をやっていくことにも、神様に魂を憑依させられることにもすっかり慣れてきた「哲史」は、今日も未練を抱えた魂の料理作りを手伝っていく。①肉じゃがになりたいカレー、②おばさんののり弁、③出世を匂わす鰤しゃぶ、④ちょっぴり苦い焼き秋刀魚。⑤母の「粕漬け」の心温まる5篇が収められています。

ところがそんな「哲史」のもとに、母方の祖父が「将来性のない定食屋なんてやめろ」と一周忌を前に九州から乗り込んできます。「哲史」と「志穂」の祖父に対する答えは・・・。

どの料理にも大切な人への想いと人生の物語が隠れており、思わずほろっとする感涙の物語が詰まっています。
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今年の読書(7)『夢の終幕』堂場瞬一(集英社文庫)

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今年の読書(7)『夢の終幕』堂...
才能と個性豊かな5人の刑事チーム〈SCU(警視庁特殊事件対策班)〉の活躍を描いた『ボーダーズ』に続く、第2弾が本書『夢の終幕ボーダーズ2』です。文庫本書下ろしとして2022年12月25日に発売されています。

松本のライブ終了後の帰り道、人気急上昇中の
4人バンド「FOT」のメンバーと、マネージャー「池沢」と運転手「三島」との6人が、ツアーバスごと行方不明になります。事故か、誘拐なのか、所属事務所は密かに警察に相談。警視庁〈SCU〉の「最上功太」たちが担当を任されます。Nシステムの解析でバスは八王子で高速を降りたことが判明し、付近の捜索が始まりますが見つかりません。やがてマネージャー「池沢」の遺体が発見されます。その後運転手の「三島」が監禁を逃れて発見され、メンバー4人も無事に保護されます。

誘拐事件も解決に向かうと思われ多段階で、〈SCU〉メンバーは
捜査から手が離れますが、キャップの「結城」が、政治家二世の脅迫事件を持ち込み、「最上」たちは身辺調査を進めていきますが、別件の事件かなと読者に思わせますが、意外な展開でバンド「FOT」と関連し始めていきます。

最高の音を求めて響き合ってきたバンドマンが目指した夢の実現とは何だったのか、 特殊能力を持つ刑事たちが、事件の深い闇に迫り、芸能世界の残酷な罪を暴き出していきます。

ロックやギターに造詣が深い<堂場瞬一>らしく、『夏の雷音』『絶望の歌を唄え』の延長線ともいえる一冊でした。
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気になる単行本『隠蔽捜査』シリーズ

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気になる単行本『隠蔽捜査』シリ...
今朝の讀賣新聞の朝刊広告に、好きな作家<今野敏>の新刊本『隠蔽捜査9.5審議官』が紹介されていました。娯楽としての読書が主体ということもあり、かさばる単行本の購入は控えています。

読書日記としては、スピンオフ作品2作を含む10巻目として現在『隠蔽捜査8清明』まで読んでいますが、現在『隠蔽捜査9探花』が単行本で刊行されていますが、いまだ文庫化されていません。そして今回スピンオフ作品3冊目として短編集の広告でした。

文庫本になるまでまだ年数がかかりそうですが、主人公「竜崎伸也」の活躍として、「9」と「9.5」とまだ2冊の文庫本発売がありそうで、楽しみに待ちたいと思います。
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今年の読書(6)『白い闇の獣』伊岡瞬(文春文庫)

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今年の読書(6)『白い闇の獣』...
本書『白い闇の獣』は、文庫本書下ろしとして2022年12月10日に発売されています。

2022年4月1日より改正少年法が施行されていますが、その問題点を考える上で、かなり参考になりそうな内容で、見事な伏線と全体の構成力に読み終えて改めて<伊岡瞬>の力量に感心しました。

2000年の東京・立川市郊外の団地で、小学校を卒業したばかりの少女「滝沢朋美」が誘拐され、暴行されたあと殺されてしまいます。犯人として捕まったのは少年3人。しかし彼らは少年法に守られ、わずかな期間の少年院入院や保護観察処分を経て、再び社会に戻り、また犯罪に手を染めて暮らしていました。

4年後の2004年、犯人の1人「小杉川祐一」がマンションから転落死します。続けて仲間の「柴村悟」が仕事現場の屋上から転落死で亡くなります。朋美事件後に妻「由紀子」と離婚して失踪した朋美の父「俊彦」が復讐しているのか。 

朋美の元小学校の担任教師「北原香織」はある秘密を胸に「小杉川祐一」の転落現場に向かい、そこで少年事件を追い求めているフリーライター「秋山満」と出会い、二人して事件の関係者に当たりながら行方不明の「俊彦」の所在を追い求めますが、警察と同様に分かりません。

少年法に守られ、反省もない殺人者たちへの関心が、なぜ教師を辞めた「北原香織」を強く引き付けるのか、フリーライター「秋山満」はなぜ必要に「俊彦」を探し出そうとするのか、見事な伏線を文書中に散りばめ、最後は少し心穏やかになる着地点で締めくくられている、おすすめの一冊です。
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今年の読書(5)『社長たちの映画史 映画に賭けた経営者の攻防と興亡』中川右介( 日本実業出版社)

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今年の読書(5)『社長たちの映...
映画ファンとしては、興味あるタイトルの<中川右介>による書籍『社長たちの映画史 映画に賭けた経営者の攻防と興亡』です。

日本映画史をテーマにした同書では、映画伝来から120年にわたる歴史が〈経営者の視点〉から描き出され、第一部 群雄割拠から三社統合 ①897-1945、第二部 再興と新興 ①945-1955、第三部 見えない脅威 ①956-1964、第四部 五社体制崩壊 ①965-1971、長い後日譚という構成になっています。

社長としては、<永田雅一>(大映・二代社長)、<堀久作>(日活・十代社長)、<岡田茂>(東映・二代社長)、<城戸四郎>(松竹・四代、七代社長)、<黒澤明>(黒澤プロダクション・社長)、<三船敏郎>(三船プロダクション・社長)、<石原裕次郎>(石原プロモーション・社長)、<長谷川一夫>(新演技座・社長、旧名・林長二郎)、<勝新太郎>(勝プロダクション・社長)、<中村錦之助>(中村プロダクション・社長)、<白井松次郎>(松竹・創業者、二代社長)、<小林冨佐雄>(東宝・五代・七代社長、小林一三の長男)、<五島慶太>(東横映画、東映・創業者、東急総帥)、<五島昇>(東急・社長、会長)、<円谷英二>(円谷プロダクション・社長)、<大谷竹次郎>(松竹・創業者、初代、三代、六代社長)、<小林一三>(東宝・創業者、六代社長、阪急・創業者)など他が登場しています。

乗っ取り、引き抜き、分裂、独立などスクリーン外で壮絶なバトルが繰り広げられた日本映画業界です。その群像劇の主役となるのは、すさまじい個性とバイタリティあふれる名物社長たちです。

経営者として、大スターの<三船敏郎>、<石原裕次郎>、<勝新太郎>、<中村錦之助>たちも名を連ねています。
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今年の読書(4)『妖の掟』誉田哲也(文春文庫)

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今年の読書(4)『妖の掟』誉田...
警察小説に新潮流を作り出した『ストロベリーナイト』に始まる「姫川玲子」シリーズや〈ジウ〉サーガシリーズなどのベストセラーを送り出してきた<誉田哲也>ですが、日本の農業問題を扱った『幸せの条件』や青春小説など幅広いジャンルの作家です。

なかでも伝奇ロマンと位置づけられるデビュー作『妖の華』(2001年3月刊行)は第二回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞作品として異彩を放っています。『妖の掟』は、2020年5月に刊行された17年ぶりとなる続編になります。2022年12月10日に文庫本として発売されています。 

「吸血鬼」のごとく生き血を吸いながら時代を越えて生きる一族、闇神(やがみ)として400歳の「紅鈴」と200歳の「欣治」は、ある夜、暴行されていた情報屋の「辰巳圭一」を助けたことから親しくななり、彼の部屋の同居人として住み込みます。ヤクザの盗聴を仕事とする「圭一」の仕事を手伝ううち、大和会系組長3人殺しに関わることになります。一方、本家筋の闇神の刺客が「紅鈴」と「欣治」を抹殺すべく出向いてきます。闇夜にヤクザと警察とこの世ならぬ闇神が入り乱れる怪奇ロマンの世界が展開します。

エンターティメント満開のノワール小説として楽しめた作品で、また『妖の華』を読み返したくなる内容でした。
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今年の読書(3)『罪の轍』奥田英朗(新潮社文庫)

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今年の読書(3)『罪の轍』奥田...
本書『罪の轍』は、2019年8月に単行本が刊行され、2022年12月1日に文庫本が発行されていますが、文庫本とはいえ、総ページ数835ページという文庫本2冊分の厚みがある価格1210円という一冊ですが、十分に楽しめた刑事事件物でした。

東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年の北海道〜東京です。冒頭では、北海道礼文島で廻りから「莫迦」と呼ばれる20歳の「宇野寛治」が、空き巣を繰り返し、礼文島を去る事件までの経過が描かれています。

放火窃盗事件を起こし、礼文島からオリンピックで賑わう東京に逃げてきた「寛治」でしたが、東京でも空き巣を繰り返しますが、山谷で町井旅館を営む娘「町井ミキ子」の弟「明男」と知り合い、ストリップの踊り子「喜名里子」と同棲生活を始めます。

南千住署管内で、空き巣強盗の上撲殺された「山田金次郎」の所持品だった〈金貨〉がもとで、「寛治」の名が浮かび、大学卒業の警視庁捜査一課の「落合昌夫」が捜査本部に加わります。

撲殺事件の捜査中に、浅草で男児誘拐事件が発生します。日本中を恐怖と怒りの渦に巻き込んだ事件を担当する捜査一課の「落合昌夫」は、子供達から「莫迦」と呼ばれる北国訛りの男の噂を調べ出します。世間から置き去りにされた人間の孤独を、緊迫感あふれる描写と圧倒的リアリティで描き、コンピューターも携帯も、新幹線やDNA鑑定すらない高度成長期の警察の緻密な捜査を刑事の心情を克明に描き出しています。

脇役の「町井ミキ子」や暴力団信和会の若頭補佐の「立木」など面白みのある登場人物も多く、捜査一課配属の29歳の刑事「落合昌夫」のその後が気になり、シリーズ化に期待したい面白さでした。
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今年の読書(2)『美麗島プリズム紀行』乃南アサ(新潮社)

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今年の読書(2)『美麗島プリズ...
昨年読みました<乃南アサ>の新潮文庫『美麗島紀行 つながる台湾』の続編〈台湾を舞台としては、文春文庫・『六月の雪』があります〉になります『美麗島プリズム紀行 きらめく台湾』は、2020年11月(集英社)より刊行され、2022年12月1日新潮文庫として発売されています。

近くて遠い、台湾の本当の姿を求めて歴史と人に寄り添う台湾紀行として、台湾各地を歩いて歴史を紐解き、さまざまな人と出会いながら、旅の途上で湧き上がる心情を綴っています。

前作『美麗島紀行』から5年、台湾への興味と愛は尽きることなく、著者自身が撮影した数々の写真とともに、台湾の多彩な側面に迫る25篇のエッセイ集です。

対得餡総督府の歴史的建造物をはじめ、台北の<ヴィンセント・カレボー>設計の豪華マンション「陶朱隠園」(表紙左中)など、建築設計者の立場として興味深く読め、また、映画好きとして、台湾映画『非情城市』(1989年・監督:侯孝賢)や『海角7号 君想う国境の南』(監督:ウェイ・ダーション)などが登場、著者の台湾全体に対する思い入れが感じ取れる一冊でした。
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今年の読書(1)『映画よさようなら』佐々木敦(フィルムアート社)

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今年の読書(1)『映画よさよう...
今年最初の読書記は、批評家<佐々木敦>の映画論集『映画よさようなら』を選びました。2020年以降に執筆したテキストを集めたポストメディア時代の映画批評集です。

第1部の「歴史/映画史」では、<ペドロ・コスタ><アピチャッポン・ウィーラセタクン>の作品に目だけでなく耳でも対峙。<タル・ベーラ>や<ヴィム・ヴェンダース>、<マルグリット・デュラス>らの歩みを振り返っています。
第2部の「受容/メディア」には、アーカイブ映像を編集することで「物語」を生み出す<セルゲイ・ロズニツァ>や特異な「ホームムービー」を生み出した<原將人>に向けたテクスト、小説家<円城塔>が脚本を手がけたテレビアニメ『ゴジラ S.P(シンギュラポイント)』(2021年・監督:高橋敦史)についての論考を収録。
第3部の「倫理/ポリティカル・コレクトネス」ではともに新作でろう者を描いた<濱口竜介>と<深田晃司>(『LOVE LIFE』)を取り上げるほか、<小森はるか>・<今泉力哉>といった若き日本の映画作家たちに注目しています。

「映画はもうほんとうはとっくに「映画」ではなくなっており、ただ私たちは「かつて映画であったもの」の記憶(?)をそこに見出(そうと)しているだけなのだ」と語る著者が、「歴史」「受容」「倫理」という3つの問題系から「映画なるもの」と向き合い、「目の前の「映画」に対峙し、そして先へと進」むための思考を展開させています。

そのほか、映画を取り巻く状況を整理したプロローグ、<濱口竜介>が『ハッピーアワー』(2015年)以前に制作した監督作『親密さ』に対する書き下ろし論考も収録されています。その死( 1930年12月3日~2022年9月13日)を受けて大幅に加筆した<ジャン=リュック・ゴダール>論も収められ、「映画」の現在地を示す映画批評集となっています。
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今年の読書(80)『バタフライ・エフェクト』松嶋智左(小学館文庫)

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今年の読書(80)『バタフライ...
気に入っておりました<松嶋智左>の「女副署長」シリーズが、3作目の『女副署長 祭礼』で突然終わり、ガッカリしていました。

これからは、『開署準備室 巡査長・野路明良』シリーズが始まるのかなとみていましたら、本書『バタフライ・エフェクト~T県警警務部事件簿』が、2022年11月9日に文庫本書下ろしで発売されています。本書の副題「T県警警務部事件簿」から判断しますとシリーズになりそうな予感です。

T県警大貫警察署のトイレ内で、地域課の巡査「静谷永人」が首を吊っているのが発見されます。警官となり3年の若手の自殺の調査にあたるのは県警本部に新設されたばかりの警務部事件課のメンバーでした。キャリア部長が実績を残そうと作ったお飾り部署に寄せ集められたのは〈明堂薫・阿波野千夜・塙香菜子・道下映美・垣花太郎・田中開〉の6人でした。その責任者となった「明堂薫警部補」は奉職34年のベテランで、世代ギャップを感じる個性豊かな捜査員たちの取りまとめに苦労をしつつ、調べを進めていきます。

その頃、九久見警察署管轄内で起きた連続窃盗事件で、犯人の女二人組が逮捕されますが、そのうちの一件について、犯行時刻に別の場所で二人が目撃されていたという情報が入ります。誤認逮捕となれば、県警を巻き込む大問題となるだけに、「明堂薫」たちは、九久見署敏腕刑事課長として名をはせる「藤堂一雄」と対峙することになります。

若手警官を自死に追いやったものはなんだったのか。さらに、連続窃盗事件に絡む所内の不穏な動きが気になる「明堂薫」たちでした。

不規則な女性警察官たちの就業に伴う、夫や息子たちとの妻や主婦としての悩み、警察官の使命とを描き人生への懊悩もリアルな筆致で描き出しています。元白バイ隊んだった著者ならではの目線が随所に反映されているいっさつで、今後の「明堂薫」班の活動が楽しみになりそうな幕開けでした。
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