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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(52)『イマジン?』有川ひろ(幻冬舎文庫)

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2019年2月、<有川浩>から読み方は同じ<有川ひろ>に筆名を変えられた最初の作品『イマジン?』(2020年1月・幻冬舎)がようやく文庫本として2022年8月5日に発売されています。

有川ファンとして498ページ、ワクワクしながら一気読みできる内容の面白さでした。

主人公「良井(いい)良助」は、大分県出身の27歳。子供の頃ゴジラ映画を見て地元の大分の町が舞台となっている場面に感動して映画の世界に憧れ、東京の映像専門学校に入り、各社の面接を受けますが、唯一受かった会社は計画倒産で業界から消えてしまい、歌舞伎町で客引きのアルバイトをしていました。

そんな中、先輩の「佐々」から、映画製作会社「殿浦イマジン」のアルバイト話が持ち込まれます。

憧れの映像の世界に飛び込んだ、「良井良助」で、映画作成の現場でのトラブルを乗り越えていくお仕事小説と、ちょっびりロマンスを交えながらの奮闘する姿が、映画業界の裏側を描きながら、映画ファンとしても<有川>ファンとしても楽しめた5篇の世界でした。

<有川ファン>にとっては、特に自衛隊三部作に続く『空飛ぶ広報室』『図書館戦争』シリーズ(6冊)や『植物図鑑』を連想させる場面が散りばめられており、映画化された作品も多い著者ですので映画関係の描写も写実的で、まさに<有川ワールド>が詰まったおすすめの一冊です。
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今年の読書(51)『死神さん 嫌われる刑事』大倉崇裕(幻冬舎文庫)

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刑事小説好きとして、タイトルに惹かれて手にしました『死神さん 嫌われる刑事』は、文庫本書下ろしとして2022年7月10日に発売されています。

本書には、無罪判決の出た事件の再捜査を専門とし、相棒となった警察官の未来を奪うというところから「死神さん」と呼ばれている警部補「儀藤堅忍」を主人公とする4篇が収められています。

第1話『死神対天使』では、筋弛緩剤を患者に投与した安楽死事件の看護師が無罪となり、「死神」が当時の事件を検視した「川代翔子」と組み、本当の犯人を追い詰めていきます。
第2話『死神対亡霊』では、周りから疎まれている刑事「宇佐見一成」ですが、強盗犯が家主を殴打したと思われた事件の解決に挑みます。
第3話『死神対英雄』では、二人組が金欲しさにスーパーの店長を刺した事件を、警察を辞め現在そのスーパーで働いている元交通課の婦人警官「冨藤歩」を相棒として、事件の真相を探り出します。
第4話『死神対死神』では、一家三人が殺された事件で男が逆恨みから一家三人を襲ったと警察が結論付けた殺人版が明日死刑が執行されるという段階で、最高裁判事の一人が、あれは冤罪ではないかと「死神」に持ち掛けてきます。

相棒と2人で再捜査で未解決事件の真相を突きとめることができるのか。死神と疎まれる警視庁の一匹狼「儀藤堅忍」が証拠を一から洗い直す執念と比類なき推理力で事件を紐解き解決する警察小説でした。

非常にテンポよく読み進められる文章で、飽きることなく最後まで面白く読め、続編を期待したいなと感じたのですが、今秋Huluにて<田中圭>主演で連続ドラマ化されるようで、さもありなんです。
#Hulu #ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(50)『神奈川県警「ヲタク担当」細川春奈3』鳴神響一(幻冬舎文庫)

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<鳴神響一>の『神奈川県警「ヲタク担当」細川春奈』シリーズとして第1作『神奈川県警「ヲタク担当」細川春奈』・第2作『神奈川県警「ヲタク担当」細川春奈2湯煙の蹉跌』に続く第3作目『神奈川県警「ヲタク担当」細川春奈3夕映えの殺意』として、2022年7月10日に文庫本書下ろしとして発売されています。

28歳にしては童顔で小柄。女子大生か、時には女子高生に見間違えられる神奈川県警江の島署の「細川春菜」に異動の辞令が出たのが新シリーズの始ま紙です。新たな部署は本部刑事部の事件を解決するための専門家の協力を依頼する窓口「捜査指揮・支援センター」でしたが、期待と不安を胸に新天地に赴いた彼女を待っていたのは、一癖も二癖もあるその道の「ヲタク」の同僚たちでした。

第1作目は「鉄道ヲタク」、第2作は「温泉ヲタク」が絡む事件を解決していきますが、第3作はいまや日本の文化ともいえる「アニメヲタク」が絡んできます。

捜査一課の「浅野」主任が美貌の新米刑事を伴って専門捜査支援班にやってきます。捜査が難航している二件の事案への協力を「春菜」に要請で、その打ち合わせの最中、聞き耳を立てていた「春菜」の同僚の「葛西」が、二つの殺人現場はいずれも人気アニメ『ラブライブ!』の「聖地」で関連性があると言い出します。そのひと言で軌道修正された捜査は思わぬ方向へと進展してゆきます。

本来「理・医・薬学専門」の「葛西」でしたが、「アニメヲタク」でもありました。捜査の過程で人気アニメの情報や劇場映画版の話題も豊富に登場してきますので、事件とは関係なく楽しめる構成で、面白く読み終えました。
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今年の読書(49)『焦眉』今野敏(幻冬舎文庫)

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今年の読書(49)『焦眉』今野...
多くの楽しみなシリーズを持つ<今野敏>ですが、この「警視庁京後半係・樋口顕」もそのひとつです。本書『焦眉』は、2020年4月16日にシリーズ6冊目として単行本が刊行されており、文庫本として2022年7月10日に発売されています。今年3月16日にシリーズ7冊目の『無明』が刊行されていますので、文庫本発売まで、また2年ほど待たなければいけません。

東京都世田谷区の高級マンションの駐車場で投資ファンド会社を経営する<相沢和史>が刺殺され、捜査一課の「樋口顕」班が現場に急行します。

警視庁が所轄の北沢署に特別捜本部を設置すると、東京地検特捜部の検事<灰谷卓也>が、二課の係長と同行して現れます。
<灰谷卓也>は与党の大物議員を破り当選した野党の衆議院議員<秋葉康一>を政治資金規正法違反容疑で内偵中でした。

市民運動家の<秋葉康一>は殺された<相沢和史>と大学時代から親しかったらしく、過去に選挙資金規正法に関わる関係を疑われた経歴があり、殺害現場付近の防犯カメラには<秋葉康一>の秘書<亀田至>が映っており、それらの事実だけを理由に<灰谷卓也>は、<樋口顕>が証拠不充分を主張するも秘書を逮捕してしまいます。

選挙と警察組織、地検と警察との対峙などを縦軸に、自己評価が低く、上司の顔色を窺い、部下を気遣い、一人娘「照美」を気遣う等身大の刑事の生き様を照らし出す「樋口顕」の人間性を横糸として織り込みながら、骨太の警察小説が楽しめました。
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今年の読書(48)『人格者』佐藤青南(中公文庫)

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今年の読書(48)『人格者』佐...
<佐藤青南>行動心理捜査官「楯岡絵麻シリーズ」として第1作の『サイレント・ヴォイス 』(2012年11月 宝島社文庫)から第8作の『ツインソウル』 (2020年3月 宝島社文庫)を読み進めていますが、新シリーズとして『連弾』(2021年7月 中公文庫)に続く刑事「音喜多弦」と「鳴海桜子」のコンビが再登場、文庫書下ろしとして2022年7月25日に刊行されています『人格者』です。

都内で殺人放火事件が発生します。被害者は著名な楽団のコンマスをも務める男性ヴァイオリニスト<久米充>でした。

捜査一課の「音喜多弦」は、音楽隊志望の声楽科出身の玉堤署の変わり者刑事「鳴海桜子」と、再びペアを組んで捜査を開始します。

怨恨が犯行動機と睨んだ捜査本部ですが、関係者は皆、<久米充>への敬愛追慕を語るのみでした。誰からも愛された音楽家としても人間的にも〈人格者〉としての姿しか見えない彼の行動を確認していく過程で、楽団という音楽業界の裏側の世界を面白く取り込んでいます。

楽団員のオーディションにまつわる話題から、事件の糸口を見つけようと奮闘する二人でしたが、思わぬ人物が自首してきたことで、(推理小説ファンは誰も考えない展開ですが)事件は一気に解決なのかなと思える中、その裏側で〈人格者〉とは思われぬ要因が潜んでいました。
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今年の読書(47)『希望の糸』東野圭吾(講談社文庫)

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加賀(恭一郎)シリーズ最新作ということで手にしました<東野圭吾>の『希望の糸』です。2019年7月に単行本として刊行され、2022年7月15日に文庫本として発売されています。

刑事「加賀恭一郎」シリーズは『卒業」(1989年5月8日刊行)に始まり第8作目『新参者』(2009年9月18日刊行)で「練馬署」から「日本橋署」に移動になり、第10作『祈りの幕が下りる時』(2013年5月13日刊行)に続く第11作目となりますが、「加賀恭一郎」も脇役的に登場しますが甥の「松宮修平」が主人公として扱われています。


大きな伏線として冒頭は「汐見行伸・怜子」夫婦の話で始まりますが、急転して小さな喫茶店を営む女性経営者が店舗内で刺殺体で発見されます。「加賀」と「松宮」が捜査しても彼女に関する手がかりは善人というだけで男関係もなく不審者は浮かんできません。ただ、彼女のジム通いなど不可解な行動を調べるとある少女の存在が浮上してきます。

刺殺事件の捜査中に、「松宮」に金沢の料亭の女将「芳原亜矢子」〈自分の父があなたの父親です〉と、金沢で息を引き取ろうとしていた料亭の主人の遺言書に「松宮」の名前があるということで連絡が入ります。

ひとつの刺殺事件を通して、夫婦関係、親と子、家族という主題でまとめ上げた、見えないつながりの<糸>を掘り下げた内容でした。
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今年の読書(46)『金春屋ゴメス』西條奈加(新潮文庫)

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今年の読書(46)『金春屋ゴメ...
<西條奈加>の『金春屋ゴメス』は、2005年11月に単行本が刊行、2008年(平成20年)10月に新潮文庫に収録され、2022年7月1日(ということで「しおり紐(スピン」)はありません)に文庫本として発売されています。

なんとも奇想天外な構想の物語でしたが、エンターティナメントとしては面白く楽しめ「第17回日本ファンタジーノベル大賞受賞」というのも納得できる内容でした。

近未来の「日本」に江戸時代そのものの環境の鎖国状態の「江戸国」を舞台としています。「江戸国」に入国するためには競争率三百倍の難関を潜り抜け入国を許可されなければいけません。大学二年生の「辰次郎」は、5歳の時に父「辰衛」と共に「江戸国」から「日本」に「辰次郎」の流行病を治すために来ました。

「辰次郎」は、父がなぜ「日本」出国してきたのかを知りたくて「江戸国」へ出向きますが、その請け人は身の丈六尺六寸、目方四十六貫、極悪非道で鳴らし大盗賊も思わずビビる「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守でした。「江戸国」では15年前と同じ流行病の「鬼赤痢」が突如として出現しており、病気が治った「辰次郎」の経歴に目を付けた「ゴメス」が手を回し難関の「江戸国」入国させ、致死率百パーセントのの正体を突き止めるよう「辰次郎」は命じられます。

なんとも不思議な感覚で「江戸国」の浮世事情を感じながら違和感なく、ミステリーの要素も含めた展開で楽しめた著者の〈デビュー作品〉でした。
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しおり紐(スピン)廃止@新潮文庫

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しおり紐(スピン)廃止@新潮文...
文庫本愛好家として、「新潮文庫」には(スピン)と呼ばれる「しおり紐」が付いていて重宝していましたが、『次の電車が来る前に』(2022年7月1日発行)では、(スピン)が無くなっています。ついに作業工程の簡略化や製本のコスト削減となったようで、残念です。

現在使われる意味での「文庫本」を生み出した岩波文庫〈1927年(昭和2年)発刊〉は、しおり紐つきの造本を行ない、多くの他社もそれにならいましたが、1914年(大正3年)創刊の「新潮文庫」は1933年から終戦直後の物資不足の時代を除き、現在まで一貫してこの(スピン)が付いていました。

コストダウンなどの理由で(スピン)を取りやめる文庫が増え、いつのまにか、「新潮文庫」にだけ(スピン)がついているという状況でした。一目で「新潮文庫」だとわかる「隠れたシンボル」とも言える存在だっただけに、残念に感じている本好きさんが多いのではないでしょうか。
#しおり #ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(45)『次の電車が来る前に』越谷オサム(新潮文庫)

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今年の読書(45)『次の電車が...
『陽だまりの彼女』『いとみち』の著者の2019年11月に刊行されています『四角い光の連なりが』が改題され、2022年7月1日に『次の電車が来る前に』として文庫版が発売されています。

本書には、共に「鉄道・電車」にまつわる5篇が収められています。

『やまびこ』は、三代目の写真館を継ぐことなく東京へ飛び出した息子が、父の葬儀のために故郷へ戻る新幹線の中での出来事をとおして人生を振り返るともに父への思いが描かれています。
『タイガースはとっても強いんだ』は、タイガースファンには「わかる・わかる」とうなづくこと必至の内容で、大阪の地下鉄や阪神電車の様子がよくわかる関西を舞台としていますのでぜひ読んでいただきたい一篇でした。
『二十歳のおばあちゃん』は、若いころに乗っていた路面電車に乗りたいという祖母のために、その電車が譲渡されまだ走行しているという豊橋まで東京から連れて行く孫の「美羽」との道中が描かれ、「路面電車に乗りたい」という祖母の秘められた思いを、ファンタジー的な構成で描いています。登場する鉄道オタクが、いい味を出していました。
『名島橋貨物列車クラブ』は、貨物列車をめぐる小学六年生の友情と小さな冒険を、作文調の構成で、ほのぼのと綴っています。
『海を渡れば』は、真打になった落語家「匂梅亭一六」の四国愛媛県から師匠に弟子入りした人生記を落語調でまとめています。

人生の縮図の例えとして鉄道や駅はよく使われますが、まさに出会いと別れの人生の機微や心のつながりを描く全5話、鉄道ファンでなくとも十分に楽しめる一冊だと思います。
#ブログ #文庫本 #読書 #鉄道

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今年の読書(44)『昆虫学者はやめられない』小松貴(新潮文庫)

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今年の読書(44)『昆虫学者は...
本書は、2018年4月に『昆虫学者はやめられない 裏山の奇人 徘徊の記』に加筆・さい編集され、2022年7月1日に文庫本として発売されています。

ファーブル昆虫記ならぬ「ファルコン昆虫記(933)」を記録している昆虫好きとしては、素通りできない一冊です。

著者は、「アイヅカコオロギ」を研究されていますが、昆虫のみならず、リスやヘビ、カラスの分野まで、幅広く生物に対しての興味が綴られています。

本書は、「研究者でない、一般の人々に身近な生物の魅力を伝えるのが目的」とされていますので、自己の体験記を通しての記述が楽しめました。

また口絵のカラー写真のこんちゅうたちや、文中にも白黒写真が添付されていますので、飽きることなく楽しめる一冊だと思います。
#ブログ #文庫本 #昆虫 #生物 #読書

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