今年の読書(59)『四号警備』安田依央(集英社文庫)
9月
23日
主人公「久遠航太」は、警察官を志していましたが採用試験に落ち続け、民間警備会社でガードマンとして働いていましたが、ある日美形揃いの身辺警護会社「United4」で働くことになります。
本書では冒頭に女子中学生「絵理沙」の身辺警備の話ではじまりまり、「久遠航太」の身辺警備会社の立ち位置と仕事の内容の導入部となっています。
中学生の身辺警備が終わり、〈素顔を隠すカリスマ歌手「香」の「声」を護る〉という風変わりな依頼を担当することになった「航太」たちでした。宣伝用の話題作りがメインの目的かと思われましたが、「香」には子供の頃に忌まわしい秘密がありました。主人公「久遠航太」にも、中学2年生の時に事故で父を亡くしており、その後の2年間の記憶がありません。文中ではこの事故のために警察官の採用が見送られㇼことを匂わせています。
「香」のライブコンサートに合わせるように5歳の女の子が行方不明になり、公園内のトイレで発見されますが、この事件の犯人は「香」の忌まわしい事件の犯人でもあったのですが、突然に冒頭で登場した人物が犯人として出てきます。
伏線も何もない犯人の突然の登場に、《呆れた結末》でした。よくこれで作品として発行できるものだとかんじました。主人公「航太」の父が絡む事件も明かされていませんので、シリーズ作品として続くようですが、次回作を読むことはなさそうです。