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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(55)『県警の守護神』水村舟(小学館)

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今年の読書(55)『県警の守護...
本書、<水村舟>の『県警の守護神 警務部監察課訟務係』は、第2回警察小説新人賞受賞作品です。
 
警察小説は、捜査一課を中心とする殺人事件が主体ですが、本署は訟務係を舞台としています。警察が訴えられたときに事件を処理する部署です。
 
新人警察官の「桐嶋」が、ショウネンオウンテンスルバイクを追跡していると、少年は自損事故を起こし、助けようとした「桐嶋」はひき逃げに合います。病院で目を覚ますと少年は死亡しており、その責任を負うべく民事訴訟を起こされていました。
 
そんな彼女に元に現れたのが、監察課訟務係の「荒城巡査部長」でした。裁判では敗け知らずの「県警の守護神」と呼ばれている男は、元裁判官で弁護士資格を持つ異色の警察官でした。
 
警察小説と法廷小説の趣向もたっぷりで、勝利のためには汚い手も使う、ゆがんだ正義感の「荒城」の個性が印象的で、「桐嶋」と「荒城」の対立と連帯感を、原告代理人の辣腕女性弁護士との闘いの中で、スリリングに描いています。
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今年の読書(54)『泣ける映画大全』大友しゅうま(KADOKAWA)

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今年の読書(54)『泣ける映画...
本書は、2021年に『ジャンプ+』にて『ゴリラ女子高生』を連載の漫画家<大友しゅうま>(30)のXやInstagramで投稿された映画紹介8コマ漫画のなかから、「泣ける映画」に限定し、映画のあたらしい見方を提案しています。
 
「泣ける」とひと言でいっても、感動で泣くこともあれば爆笑で笑い泣きをするなど、さまざまです。本書では、映画のジャンルを6章に細かく分けて72作品を紹介していますので、今後映画をみるときの参考になります。
 
SNSで投稿された作品に加え、本書限定の描き下ろし作品も多数収録されています。
 
さらに、収録された72作品にまつわるエッセイ、番外編のコラムマンガなど、全240ページにみっちりと情報の詰まった読み応え十分の楽しい映画案内書です。
 
また、表紙イラストも、『タイタニック』『ライフ・イズ・ビューティフル』『トゥルーマン・ショー』『ミッドサマー』などの1シーンが散りばめられていて、作品名を探すのも楽しめる趣向になっています。
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今年の読書(53)『降格刑事』松嶋智左(幻冬舎文庫)

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今年の読書(53)『降格刑事』...
著者<松嶋智左>は、1961年生まれ。元警察官で女性白バイ隊員でした。退職後小説を書きはじめ、2005年に北日本文学賞、2006年に織田作之助賞を受賞。2017年、『虚の聖域 梓凪子の調査報告書』で島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞しています。文庫本として発売されています『女副署長』以降の作品は全部読んでいると思います、お気に入りの作家です。
 
本書『降格刑事』は、文庫書下ろし作品として2024年8月10日に発売されています。
 
元警視の「司馬礼二」は48歳、業者との不祥事で降格し、自主的に退職すると思われましたが、辞職することなく日野中央署刑事総務課に左遷されてしまいます。勤務態度は、やる気はゼロ。無責任で、捜査中でも定時で帰りたがります。
 
警視の出世株から警部補に転落し、離婚したダメ刑事として過ごしていました。ある日、新米刑事の「犬川椋」と組み女子大生失踪案件を追うことになります。当初は事件性も不明でしたが、強盗事件の犯人と思われる男が河川敷で遺体で発見され、事件との繫がりが判明し状況は一変していきます。
 
表題から読む前には、降格された刑事が、抜群の行動力と推理力で、事件を解決に導くという筋書きを予測していましたが、新米刑事の「犬川椋」との捜査段階で、ポツリポツリと事件の核心をついてゆく流れでした。刑事捜査の実務がない「司馬礼二」ですが、刑事の心理と矜持を描く警察小説として面白く読み終えました。
 
この『降格刑事』も続編に期待し、「司馬礼二」の新たな局面と新米刑事の「犬川椋」の成長する姿を読みたいものです。
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今年の読書(52)『残照の頂 続・山女日記』湊かなえ(幻冬舎文庫)

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今年の読書(52)『残照の頂 ...
ミステリー作品主体の作家<湊かなえ>ですが、本書『残照の頂 続・山女日記』は、『山女日記』に続く、登山を主体とした4篇が収められ、2021年11月に刊行され、2024年8月10日に文庫本が発売されています。
 
それぞれに日々の悩みを抱えて山を訪れる女性たちが、それでも次の一歩を踏み出す姿を描いています。
 
巻頭の一篇『後立山連峰』で、大手食品メーカーに勤める42歳の「麻実子」は、仕事ひとすじに打ち込んできましたが、主人を亡くした営業先の65歳の喫茶店主の「綾子」に付き合い、20年ぶりにザックを背負います。その道中で偶然、写真家の夢をかなえたかつての登山仲間の「山根岳人」と再会します。
 
二編目『北アルプス表銀座』は、三角関係のもつれもあり、失踪した仲間「岩田勇太郎」を想いながらとともに登る「前田美咲」と「野上結衣」は、それぞれに特別な思いを胸に秘めて、再生の場所の〈山〉を目指します。
 
三篇目『立山・剱岳』は、娘の登山ガイドになるという夢を応援できない母親と、母を説得したい山岳部の女子大生が、ははをつれて〈山〉にのぼりますが、祖父に意外な過去と向き合うことになります。
 
そして四篇目『武奈ヶ岳・安達太良山』は、結婚した勝手の登山仲間「飯田(イ~ちゃん)」に対して、京都の伝統和菓子店を継いだ「桜井久美」が、コロナ禍を乗り越え、30年ぶりの登山報告を手紙にしたためて、自分の歩んできた道を振り返ります。
 
それぞれの登場人物たちは、日々の思いを噛み締めながら、一歩一歩、山に挑んでいきます。頂から見える景色は、過去の自分を肯定し、明日へつながる景色です。
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今年の読書(51)『晩酌の流儀3』(東京ニュース通信社)

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今年の読書(51)『晩酌の流儀...
<栗山千明>が主演を務めるテレビ東京系(テレビ東京、テレビ⼤阪、テレビ愛知、テレビ北海道、テレビせとうち、TVQ九州放送)の2024年6月28日から放送の連続ドラマ『晩酌の流儀3』の最終回が、2024年9月20日(金)<24:42~>に放送されます。
 
『晩酌の流儀3』の最終回を記念して、そのオフィシャルブックが、『晩酌の流儀3』として(東京ニュース通信社)から発売されています。
 
『晩酌の流儀3』は、〈1日の最後のお酒をいかにおいしく飲めるか〉を、追求する不動産会社社員「伊澤美幸」の姿を描くシリーズの最新作になります。<栗山千明>が最高の晩酌のためだけにヨガ、サウナ、スポーツ、登山などに勤しむ「伊澤美幸」を演じています。
 
オフィシャルブックには、<栗山千明>と共演者の「島村直⼈」役の<武田航平>、「富川葵」役の<辻凪子>、「海野⼆郎」役の<おかやまはじめ>による座談会や、「珍⼭」役の<ミスターちん>と「⽜場」役の<馬場裕之>(ロバート)の対談、「魚子」役の<友近>、「肉山」役の<土屋伸之>(ナイツ)、「中久保八百子」役の<大久保佳代子>(オアシズ)のスペシャルインタビューが収められています。
 
企画・プロデュース・演出を手がけた<松本拓>と、フードコーディネーターの<藤代太一>、フードアシスタントとして参加した俳優<森田甘路>の座談会も掲載されています。
 
さらに番組に登場したおつまみレシピも一挙紹介されています。「ししゃものアヒージョ」「うなぎの蒲焼~高級うなぎにブラッシュアップ~」「切り干し大根ペペロンチーノ」など40品がラインナップに並んでいます。
#テレビドラマ #ブログ #ムック本 #読書

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今年の読書(50)『境界線』中山七里(宝島社文庫)

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今年の読書(50)『境界線』中...
主演<佐藤健>主演で映画化されました『護られなかった者たちへ』(監督:瀬々敬久)に続く、「宮城県警シリーズ」第2弾が本書『境界線』で、2020年12月に刊行され、2024年8月19日に文庫本が発売されています
 
2018年に刊行されました『護られなかった者たちへ』と同じく宮城県警捜査一課を舞台に、東日本大震災による行方不明者と個人情報ビジネスという復興の闇を暴き出していきます。震災によって引かれてしまった〈境界線〉に翻弄される人々の人生の行く末は、果たしてどのような結末を迎えるのでしょうか。

2018年5月某日、気仙沼市南町の海岸で、女性の変死体が発見されました。女性の遺留品の身分証から、遺体は宮城県警捜査一課警部「笘篠誠一郎」の妻「奈緒美」だったことがわかります。「笘篠」の妻は7年前の東日本大震災で津波によって流され、息子「健一」共々行方不明のままでした。
 
遺体の様子から、妻と思われる女性はその前夜まで生きており自殺でした。なぜ妻は自分のもとへ戻ってこなかったのかと「笘篠」はさまざまな疑問を胸に身元確認のため現場へ急行しますが、そこで目にしたのはまったくの別人の女性の遺体でした。
 
妻の身元が騙られ、戸籍が誰かの手によって流出していたのです。やり場のない怒りを抱えながら捜査を続ける「笘篠」でしたが、その女性の足取りをたどり続けるもなかなか進展がありません。そんな中、宮城県警に新たな男性の他殺体発見の一報が入ります。この男の身分も偽りでした、果たしてこのふたつの身分偽造事件の関連性はあるのかの「笘篠」の捜査は続きます。
 
東日本大震災を背景として、物語は進みますが、途中から核心となる登場人物の「五代」と「鵠沼」も高校時代の描写が始まるのには、違和感がありましたが、東日本大震災がそれぞれの人間に及ぼした人生の哀しみが良く伝わり、よくできた構成でした。
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今年の読書(49)『群像2024年10月号』(講談社)

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今年の読書(49)『群像202...
映画監督<濱口竜介>を特集した文芸誌『群像 10月号』が発売されています。同誌の特集は<濱口竜介>が著した仙台・神戸・鎌倉・ソウルなどで開かれたレクチャーが初めて活字化された『他なる映画と 1「映画講座」編』・作品レビューや映画をめぐる論考・エッセイ、日本語未発表原稿を収録した『他なる映画と 2「映画批評」編』(各2750円・インスクリプト刊)の刊行記念として組まれています。
 
 <濱口竜介>は監督作『ドライブ・マイ・カー』で第94回アカデミー賞国際長編映画賞を受賞。同作で第74回カンヌ国際映画祭、『偶然と想像』で第71回ベルリン国際映画祭、『悪は存在しない』で第80回ヴェネツィア国際映画祭にて賞を獲得しています。
 
同号の「特集・濱口竜介」では、<濱口竜介>が鳥取の映画館「jig theater」で行ないました「ミツバチのささやき」をめぐる映画講座を収録しているほか、<木下千花>による作家論、<伊藤亜紗>と<藤井仁子>が『悪は存在しない』をテーマに執筆した作品論、<三浦哲哉>による「他なる映画と」のロング書評が掲載されています。
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今年の読書(48)『ゴジラ✕市川崑 1977~2006年の現場』手塚昌明(ホビージャパン)

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今年の読書(48)『ゴジラ✕市...
本書『ゴジラ✕市川崑 1977~2006年の現場』は、映画監督<手塚昌明>(1955年〈昭和30年〉1月24日生まれ)の自伝です。
 
<山口百恵>主演作品『霧の旗』(1977年・監督:西河克己)で映画業界入りした<手塚昌明>は、<市川崑>の監督作『古都』(1980年)に助監督として参加。その後も15本以上の作品で<市川崑>監督に仕え、映画を学びます。
 
『ゴジラ✕メガギラス G消滅作戦』(2000年)で監督デビューした彼は、『ゴジラ✕メカゴジラ』(2002年)・『ゴジラ✕モスラ✕メカゴジラ/東京SOS』(2003年)といったゴジラ映画や、『戦国自衛隊1549』(2005年)といった作品で自身も大作監督と呼ばれるようになりますが、2006年に<市川崑>監督が『犬神家の一族』(2006年)を監督した際には、監督補として支えています。
 
 自伝では市川組の緊張感あふれるエピソードや、ゴジラ映画の裏側をたっぷりとつづっているほか、貴重な写真や画コンテも収録されています。<市川崑>ファン、ゴジラファン、双方必見の内容です。
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今年の読書(47)『警察医の戒律(コード)』直島翔(ハルキ文庫)

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今年の読書(47)『警察医の戒...
司法解剖の世界を描いた、<小松亜由美>の『イシュタムの手』(小学館文庫)がありましたが、本書『警察医の戒律(コード)』も司法解剖の法医学者が主人公の物語が3篇収録されており、2022年9月に刊行、2924年8月18日に文庫本が発売されています。
 
主人公「幕旗治郎」は、犯罪都市ニューヨークの検視局で 11年間キャリアを積んだ法医学者がですが、神奈川県警と警察医契約を結び、 横浜に戻り開業医だった父の診療所を法医学研究所として仕事を始めます。 医師が最期を確認する病死以外は〈異状死〉と呼ばれ、欧米では異状死の5割 を解剖していますが、 国内に法医学者の絶対数が少ないうえ、犯罪捜査のための解剖を行う公的機関が 常設されていないために、日本の解剖率は2割に届いていません。
 
重大犯罪が見逃されていないか?死者と語り、どこまでも真実に執着する警察医である法医学者として「幕旗」は新人助手の「小池一樹」と〈異常死〉事件を解明していきます。
 
護岸に流れ着いたミイラ化された女性の事件、トランスジェンダーの殺人事件、娘の殺人事件に取りつかれた大学教授の横浜スタジアムにての落下事故死など、多様化する性を取り巻く犯罪に立ち向かう横浜警察署の新部門の「ジェンダー班」の刑事たちと協力して、 死に隠れた謎を解き明かしていきます。
 
同じ司法解剖の世界を描いていますが、『イシュタムの手』よりも事件性が高いミステリー仕立ての構成で、こちらも面白く読み終えました。
#ブログ #文庫本 #法医学者 #読書

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今年の読書(46)『人生の道しるべ』宮本輝・吉本ばなな(集英社文庫)

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今年の読書(46)『人生の道し...
本書『人生の道しるべ』は、<宮本輝>と<吉本ばなな>の対談集で、2015年10月に刊行されていますが、2024年8月30日付けで文庫本が発売されています。
 
<宮本輝>が単行本・文庫本共に〈まえがき〉、<吉本ばなな>が単行本・文庫本共に〈あとがき〉を書いており、ふたりの作家が20年ぶりに出会い、そして語った文芸WEBサイト『RENZABURO』での3年の対話をまとめた全7章からの対談で構成されています。
 
世代も作風も異なるふたりの作家の共通点は、人間の「生」を力強く肯定する作品を書き続けていること。「ぼくは、小説の世界では、心根のきれいな人々を書きたい」(宮本輝)。「読んだ人に『自分と同じだ』と感じてもらえたら、ちょっとした治癒が起きるんじゃないか」(吉本ばなな)。創作の作法、家族、健康、死生観など、小説が問いかける「幸せ」のかたちなど、 知恵と思索が詰まった内容になっています。
 
<宮本輝>の「僕は若いときに書いたものを否定する気にはならないんです。若くなければ絶対に書けなかった小説もある」という部分が印象に残りました。私の建築設計の分野で、建築家と呼ばれるある高名なひとが、若いころの作品を、「これ先生の設計ですよね」と問われ、「違う」と答えたことがありました。未熟なのは当然でしょうが、その時に全力で取り組んでいた自負があれば、<宮本輝>が言うように肯定すべきだったのだと改めて思いださせてくれました。
#ブログ #対談集 #文庫本 #読書

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