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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(4)『ゴジラvs.自衛隊 アニメの「戦争論」』小泉悠・他(文春新書)

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今年の読書(4)『ゴジラvs....
<小泉悠>、<高橋杉雄>、<太田啓之>、<マライ・メントライン>が手がけた(文春新書)が『ゴジラvs.自衛隊 アニメの「戦争論」』です。
 
本書は、アニメや特撮の世界を軍事専門家らが語る構成になっています。
 
「『機動警察パトレイバー』首都防空通信は実際に自衛官の目にどう映ったのか」・「『新世紀エヴァンゲリオン』の世界ではソ連は崩壊していない」・「『風の谷のナウシカ』のバカガラスはナチスドイツで開発されたギガントと同様の運用がなされている」・「『宇宙戦艦ヤマト』の多層式航宙母艦の運用構想は、日本海軍の三段式時代の空母『赤城』と同じなのか」・「『シン・ゴジラ』で使用が検討される核兵器は、名前が違う?」といったトピックが語られています。
 
私たちがアニメや特撮や仮想戦記について語るときには、いつの間にかそこに仮託された何か別のものについて語っているという形がが多いようです。「ゴジラ」に投影された「戦後ニッポン像」というテーマは、本書に限らず繰りし語られてきたものですが、では「エヴァゲリオン」の中の日本ではどう扱われているのでしょうか。
 
本書は、アニメをきっかけとしたサブカル風時事評論集としても楽しめることができる一冊です。
#ブログ #新書 #読書

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今年の読書(3)『リドリー・スコットの全仕事』イアン・ネイサン(東京ニュース通信社)

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今年の読書(3)『リドリー・ス...
映画ファンとして、イギリス出身の映画ライターである<イアン・ネイサン>が執筆した気になる書籍『リドリー・スコットの全仕事』(3630円)です。
 
1937年11月30日生まれとして 87歳の現在でも第一線で活躍する映画監督<リドリー・スコット>です。2024年11月15日には、『グラディエーター』の24年ぶり続編となる監督作『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』が封切られました。
 
本書では、デビュー作品『デュエリスト/決闘者』(1977年)にはじまり、『エイリアン』(1979年)・『ブレードランナー』(1982年)・『テルマ&ルイーズ』(1991年)や、<高倉健>と<松田優作>が出演した『ブラック・レイン』(1989年)など、<リドリー・スコット>が手がけてきたすべての作品の制作秘話や背景を豊富なビジュアルともに紹介しています。
 
様々なジャンルに関わりながら、その根底にあるテーマやモチーフには共通点があり、長きにわたり積んできたキャリアの集大成こそが『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』である理由が見えてきます。
#ブログ #単行本 #映画 #読書

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今年の読書(2)『クリント・イーストウッド』イアン・ネイサン (フィルムアート社)

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今年の読書(2)『クリント・イ...
<イアン・ネイサン>による本書『クリント・イーストウッド 気高き〈アメリカ〉の放浪者』は、アカデミー賞を2度受賞し40本もの映画を監督してきた、映画界の重鎮のひとり、<クリント・イーストウッド>を掘り下げています。
 
<クリント・イーストウッド>は、2025年5月31日に95歳の誕生日を迎えるも、ハリウッドの常識など意に介さず、三四半世紀に近い時間を、ほとんど休むことなく映画業界で働き続けてきました。
 
本書では監督としての〈クリント・イーストウッド〉のみならず、初期の代表作『ローハイド』、セルジオ・レオーネ「ドル箱三部作」(『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』・『続・夕陽のガンマン』)、師と仰ぐ<ドン・シーゲル>とタッグを組んだ『ダーティハリー』『アルカトラズからの脱出』以来の、自身の監督作でも継続している俳優〈クリント・イーストウッド〉のあり方についても深く見つめ直しています。
 
初監督長編『恐怖のメロディ』、アカデミー賞(作品・監督)を受賞した『許されざる者』・『ミリオンダラー・ベイビー』、硫黄島の戦いを日米双方の視点から描いた『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』、劇場公開が望まれていますテレビドラマ最新作『Juror #2』(原題)に至るまでの全キャリアを、すなわち俳優や監督として、〈アメリカ〉の象徴になるまでの人生の軌跡を、豊富なスチール写真やオフショットとともにふりかえっています。
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今年の読書(1)『熔果』黒川博行(新潮文庫)

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今年の読書(1)『熔果』黒川博...
「武本・潮崎」や「新垣・上坂」などバディーモノのエンターティメント小説シリーズが楽しめる<黒川博行>ですが、本作は「堀内・伊達」シリーズの4作目として、2021年11月に単行本(2090円)が刊行され、2024年12月1日に文庫本(1100円)が発売されています。
 
主人公となる「堀内・伊達」のふたりは、元大阪府警の刑事でしたが、品行不漁の悪徳刑事で、府警を辞めたあと、競売専門の不動産会社「平山総業」の調査員となった「伊達誠一」と、それを手伝う「堀内信也」とが織りなす裏家業のクライムサスペンスです。
 
五億円相当の金塊強奪事件が博多駅付近で発生します。「堀内信也」は、狂言強盗だと見抜き金の匂いを嗅ぎ取った競売屋・ヒラヤマ総業調査員の「伊達誠一」に誘われ、金塊の行方を追うことになります。二人は大阪府警の元刑事で現在も仲の良い仕事仲間としてバディを組んでいます。主犯と見極めた男を、大阪、由布院、博多、名古屋、岐阜を、購入したばかりのBMW「A4」で駆け抜けながら、「堀内」と「伊達」は、ヤクザ、半グレ、愛人、ブローカー、汚職警官らと対決しながら、金塊を追い求めます。筋読みと暴力の〈調査〉から無事に金塊に辿りつけるでしょうか。
 
小気味よいテンポで読み進める625ページで、イリーガルな裏社会に浸りながら、面白く読み終えた一冊です。
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今年の読書(69)『花散る里の病棟』帚木蓬生(新潮文庫)

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今年の読書(69)『花散る里の...
前回(69)での<柚月裕子>の『ミカエルの鼓動』は、二人の心臓外科医を中心とする物語で、医療現場と医者のあるべき姿を見事に描いていました。
 
本書『花散る里の病棟』は、2022年4月に刊行され、2024年11月1日に文庫本が発売されています。
 
九州で四代100年続く「野北家」を1936年から、2021年までを、全10章の構成で、日本の近代史を織り交ぜながら、医者としての視線で、医療現場を眺めながら、医療と医学に対して、精神科医でもある著者の視線を織り込みながら、医療の現場を見事に描いています
 
大正時代、蛔虫退治で評判を取った初代「野北保造」にはじまり、第二次世界大戦に軍医としてフィリピン戦線を彷徨った二代目「野北宏一」。高齢者たちの面倒を見る三代目「野北伸二」。そして肥満治療を手がけてきた四代目の「野北健」はコロナ禍に巻き込まれ、恋人の「理奈」共々奔走します。
 
医者でありながら、フィリピン戦線での、命を助ける医者でありながら消毒液で、命を終えさす命令に従う立場の『兵站病院』の章は、戦争の実態を克明に描いています。隠された歴史の『胎を堕ろす』の章など、九州大学医学部卒業ならではの背景が見て取れ、最後の章として記憶に新しい新型コロナウイルス関連の『パンデミック』の実情が詳しく描かれ、この先地域に生きる町医者としての期待と五代目の医者へとその思いをつなげてほしいと思わせる感動作でした。
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今年の読書(69)『ヒストリー・オブ・マッドマックス 映画の超暴力』メルビン・ゼッド(K&Bパブリッシャーズ)

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今年の読書(69)『ヒストリー...
映画『マッドマックス』は、監督の<ジョージ・ミラー>と「マックス・ロカタンスキー」役の主演を務めた<メル・ギブソン>の出世作品であり、後にシリーズ化〈『マッドマックス2』(1981年)・『マッドマックス/サンダードーム』(1985年)・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)・『マッドマックス:フュリオサ』(2024)〉されています。特殊撮影や舞台設定など、国内外の多くの作品に影響を与えました。
 
本書『ヒストリー・オブ・マッドマックス 映画の超暴力』(1万2500円)は、フランスの「マッドマックス」研究家<メルビン・ゼッド>が手がけ、翻訳は<品川亮>、監修は<白石知聖>と<ギンティ小林>が担当しています。
 
本書は、シリーズの原点である1979年公開の『マッドマックス』のすべてを解き明かすメイキングブックです。著者<メルビン・ゼッド>が聖地オーストラリアに幾度も赴いて関係者たちに話を聞いて回り、彼らの言葉や物証にもとづく事実のみを集めてまとめ上げています。本書のみの写真資料も豊富に掲載されています。
 
なお、『マッドマックス』のメイキングブックとしては、<イアン・ネイサン>(監修:神武 団四郎・ 翻訳:富原 まさ江 )による『レジェン ド・ オブ ・ マッドマックス ー完全メイキングブック「マッドマックス」 から「 マッドマックス: フュリオサ」 までー』が2024年5月31日に(3960円・玄光社)より発売されています。
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今年の読書(68)『ミカエルの鼓動』柚月裕子(文春文庫)

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今年は、著者<柚月裕子>の『朽ちないサクラ』を原作とする映画『朽ちないサクラ』が、2024年6月21日より公開されていますが、好きな作家のひとりとして手に取りました、文庫本最新作としての『ミカエルの鼓動』は、2021年10月に単行本が刊行され、2024年10月10日に文庫本が発売されています。
 
北中大学病院に勤務する「西條泰己」は、手術支援ロボット「ミカエル」による心臓外科手術の最先端医療の第一人者です。
そうした彼の前に、病院長「曽我部」が、ドイツのミュンヘンハートメディカルセンターから同じ心臓外科医として「真木一義」を引き抜き、彼の目の前で「ミカエル」を用いない完璧な手術を行います。
 
そうした対立の中、心臓に難病を抱える12歳の少年「白石航」が転院してきますが、「西條」の「ミカエル」での弁置換手術の提案に体して、「真木」は従来の開胸手術を提案しますが、その手術方針をめぐり、二人は激しく対立します。
 
「ミカエル」を用いた手術が決まりますが、「西條」の周りで、フリーライター「黒澤」の取材に対して、病院側の対応に不信を抱く最中、「ミカエル」を用いた手術のミスで、仲間の医師が自死、「西條」は「黒澤」から、「ミカエル」には欠陥があると教えられます。
 
万が一のことを考え「西條」は手術の助手に「真木」を指名、万が一「ミカエル」の不具合に対して、開胸手術の準備をしておぺをすすめますが、やはり「ミカエル」に誤作動が生じます。
 
病院という組織の運営と経営を背景に勤務医としての矜持を持つ「西條」と「真木」の医者としての生き方を絡み合わせて医学界の現状と未来に斬り込んだ540ページの長編、面白く読み終え、この作品も映画化にならないかなと思わせる、医療の在り方、命の意味を問う感動作でした。
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今年の読書(67)『ルート29』 黒住 光(リトル・モア)

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今年の読書(67)『ルート29...
本書は、<綾瀬はるか>が「のり子」、<大沢一菜>が「ハル」を演じた2024年11月8日より公開の映画『ルート29』のノベライズとして、2024年11月26日に発売されています。
 
『ルート29』は、『こちらあみ子』で注目されました監督の<森井勇佑>が、<中尾太一>の詩集『ルート29、解放』にインスパイアされて脚本を書いた映画が『ルート29』です。清掃員の主人公「のり子」が風変わりな女の子「ハル」を見つけ出し、奇妙な人たちと出会いながら、姫路と鳥取を結ぶ国道29号線を進んでいくロードムービーとなっています。
 
ノベライズは『花束みたいな恋をした』の小説版も手がけた<黒住光>が脚本を翻案する形で執筆されています。『北極百貨店のコンシェルジュさん』などで知られるマンガ家<西村ツチカ>が装画のイラストレーションを担当し、グラフィックデザイナーの<名久井直子>が装丁を手がけています。表紙は「のり子」と「ハル」がたどる道のりを、1枚に落とし込んでいます。
 
映画は、公開3日間の動員数は1万5999人、興行収入は2191万420円でした。ミニシアター系の作品を多く手掛けるリトルモアが制作。小規模シアター中心の公開ですが、<綾瀬はるか>さん主演ということもあり172館で公開されているにも関わらず、寂しい結果となっています。
 
これまで超大作や話題作への出演が続いていた<綾瀬はるか>だけに、ファンの多くは〈ミニシアター系の作品〉を見慣れていないようで、観客に解釈を委ねる作風が受けなかったようで、俳優人気や話題性だけの映画が人気なのが残念です。
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今年の読書(67)『伏蛇の闇網』濱嘉之(文春文庫)

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今年の読書(67)『伏蛇の闇網...
<濱嘉之>の<片野坂彰>を主人公とする「警視庁公安部・片野坂彰」シリーズも、『国境の銃弾』に始まり『天空の魔手』に続く第6作目として本書『伏蛇の闇網』が、2024年10月10日に、文庫本書下ろしとして発売されています。
 
〈今〉の世界情勢を背景としている本シリーズは、単行本の刊行から2年後目途の文庫本化では、世界情勢が〈過去のもの〉となり面白さが半減してしまいますので、書下ろし文庫本体制は、ファンとしては嬉しい限りです。
 
「片野坂彰」は、中国公安が京都に置く「海外派出所」が在日同胞を脅迫、またマフィアと連携して大規模詐欺に関与しているという情報を得て、単独捜査を開始します。一方、「片野坂」率いる精鋭チーム4人は、激変する国際情勢の中、日本に迫る危機を防ぐべく、今回も、欧州・ロシア・中国・インド・中東で情報収集に奔走、プーチン・習近平・金正恩など注目の人物の描写も面白く絡め、日本の防諜体制に大活躍で、いつも通り一気読み必至の内容でした。
 
このシリーズは、高校生の世界史の教科書代わりにしてほしいなと、いつも読み終えては感じる、フィクションを超えた〈生〉の世界史としていかせる充実度満点の一冊だと思います。
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今年の読書(66)『スクリーンのなかの障害』塙幸枝(フィルムアート社)

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今年の読書(66)『スクリーン...
映画の中で障害がどのように扱われてきたのかを考察した<塙幸枝>による書籍『スクリーンのなかの障害』が、2024年11月26日に刊行されています。
 
著者は成城大学文芸学部の准教授で、『障害者と笑い:障害をめぐるコミュニケーションを拓く』などの著作がある<塙幸枝(ばん・ゆきえ)>が執筆しています。
 
まえがき・あとがきの間に、全5章からなる構成で、各章で各種の障害が取り上げられ、また本書にも登場する『ケイコ 目を澄ませて』の監督<三宅唱>と、キュレーター・プロデューサーの<田中みゆき>が推薦コメントを寄せています。
 
ろう者の家族を持つ子供を主人公にした『コーダ あいのうた』が第94回アカデミー賞で作品賞を含む3部門に輝いた洋画作品をはじめ、日本の気鋭の監督たちの『ドライブ・マイ・カー』『LOVE LIFE』といった障害者が登場する邦画作品が登場しています。
 
本書では、『フリークス』・『ノートルダムのせむし男』・『エレファント・マン』・『秋のソナタ』・『ポーリーヌ』・『レインマン』『靴ひも』『フォレスト・ガンプ/一期一会』・『カッコーの巣の上で』・『ドリーム・チーム』・『アイ・アム・サム』・『ワンダー 君は太陽』・『リンガー! 替え玉★選手権』・『岬の兄妹』『最強のふたり』・『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』・『パーセント』などを取り上げ、歴史、物語のパターン、当事者性などさまざまな角度から映画と障害のつながりを読み解いていきます。
 
#ブログ #単行本 #映画 #読書 #障碍者

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