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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(11)『火山のふもとで』松家仁之(新潮文庫)

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今年の読書(11)『火山のふも...
<松家仁之>の『火山のふもとで』は、2012年9月に単行本が刊行され、かなり遅れていますが、2025年2月1日に文庫本が発売されています。
 
建築設計を生業としていましたので、〈若き建築家の成長とひと夏の恋〉というキャッチフレーズと、第64回「読売文学賞」受賞作品ということで、気になっていました。
 
主人公「坂西徹」は、敬愛する建築家「村井俊輔」の主催する「村井設計事務所」に、国立現代図書館の設計コンペ対策要員として就職します。「村井設計事務所」は、毎年7月末になると、北浅間の「夏の家」に仕事場を移動します。静かな情熱を秘めた先生とともに働く喜び、社内恋愛禁止の中、所長の姪「麻里子」との密やかに進行してゆく恋。浅間山のふもとでのかけがえのない日々と、建築設計者としての成長が、ち密な建築業界の取材を背景として描かれている一冊でした。
 
終章のコンペの成り行きや結末は、少し単調さを感じましたが、主人公「坂西徹」の視線ということでは、無難な終わり方なんだと思います。
 
わたしも学生時代、恩師と共に漁村の古民家を2年がかりで改修、夏休みには、研究室の学生たちの合宿所として過ごした経験があります。またイランのパーレビ国王時代の国立国会図書館のコンペに参加していますので、本署は、平行定規の製図板に向かい合っていた自分の青春時代をトレースしているようで、残念ながら〈恋〉はありませんでしたが、思い出させてくれる一冊でした。
#ブログ #文庫本 #読書

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