本書『白鳥とコウモリ』は、2021年4月に刊行され、文庫本として2024年4月6日に(上・下)2分冊として発売されています。
2017年、東京竹芝の河川敷で善良な弁護士「白石健介」の刺殺体が発見されます。
本庁捜査一課の刑事「五代努」は、所轄若手の「中町」巡査と組み捜査を始めます。自首してきた「倉木達郎」は、1984年に愛知県で起き時効が成立している金融業者殺害事件の犯人だという人物で、倉木が二つの事件の犯人だと自供。事件は解決したかに思えましたが、被害者の娘「美令」と加害者の息子「和真」は、互いの父の言動に違和感を抱きます。
被害者「美怜」側はは被害者参加制度で臨むということで元検事の「佐久間梓」弁護士が付き、加害者「和真」側には国選弁護し「堀部」が付きますが、双方ともに事件の違和感が伝わりません。
「美令」も「和真」も違和感を持ちながら独自で動いていく中、殺人現場に寄った際にたまたま二人は遭遇するところで、(上巻)は終わります。