ファルコン植物記(2182)<スミレ>
6月
9日
道端の野草にまぎれて、スミレ科スミレ属の<スミレ>が顔を出していました。類似種や近縁種も多く、一般にはそれらを区別せずに<スミレ>と総称していることが多いようです。
<スミレ>の名はその花の形状が墨入れ(墨壺)を思わせることによる、という説を<牧野富太郎>が唱え、彼の著名さもあって広く一般に流布しているようですが、定説とは言えないようです。
<スミレ>は、葉よりも高く伸び出た花柄の先に、濃い紫色の花が1個咲かせます。花は蝶形をした独特の形で、ラッパのような形の花を横向きかやや斜め下向きにつけています。
5枚の花びらは大きさが同じではなく、下側の1枚が大きいので、花の形は左右対称になります。後方の突起物であるラッパの管に当たる部分は、大きい花弁の奥が隆起したもので〈距〉と呼ばれ、その中に花蜜を貯めています。