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今年の読書(35)『帰る家もなく』与那原恵(小学館文庫)

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今年の読書(35)『帰る家もな...
ここの所『ハンニバル・レクター博士の優雅なお料理教室』『小津映画の音―物音・言葉・音楽』など、映画関係の濃い内容の書籍を読んでいましたので、気分転換に軽めの〈エッセイ〉ということで、初めて手にしました<与那原恵>の2023年3月単行本が刊行され、加筆・修正のうえ2025年6月11日に文庫本として発売されています『帰る家もなく』です。
 
〈珠玉のエッセイ集〉と帯に表記されていましたので、初めての作家ということで、気楽に読み始めましたが、予想外に重たい内容で驚き、新しい発見が多々ありました。
 
著者の両親が沖縄出身ということで、ルーツを求めて沖縄から紀行文が始まり、両親・祖父たちのつながりとして実に多くの登場人物たちが、台湾、韓国、ハワイ、アメリカを舞台に、第二次世界大戦から近代にいたる歴史的流れを背景に、登場人物たちの生きざまを見事に描いています。
 
台湾での記述は、<乃南アサ>の『美麗島紀行 つながる台湾』『美麗島プリズム紀行』を読んでいますので、思わぬところでつながる個所などがあり、よく理解できました。
 
ノンフィクションを書くために、ゆかりのある人や土地をたずねて旅を続けるなかで呼び起こされる過去の記憶や懐かしい人びと。沖縄にルーツをもつ自身の家族の物語から、近現代史にまつわる論考、台湾・韓国の芸術家をめぐる紀行や、取材・執筆の日常を綴った掌編などで楽しめた、掘り出しモノの一冊でした。
#文庫本 #読書

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