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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(59)『四号警備』安田依央(集英社文庫)

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正式タイトルは長いので表題では笑楽させていただきました<安田依央>の『四号警備新人ボディーガード久遠航太の受難』(2022年6月)の続編となる『四号警備新人ボディーガード久遠航太と隠れ鬼』は、「集英社文庫公式note」にて2023ねん3がつから7がつにかけてはいしんされたものを加筆・修正されて2023年7月1日に文庫本オリジナルとして発売されています。

主人公「久遠航太」は、警察官を志していましたが採用試験に落ち続け、民間警備会社でガードマンとして働いていましたが、ある日美形揃いの身辺警護会社「United4」で働くことになります。

本書では冒頭に女子中学生「絵理沙」の身辺警備の話ではじまりまり、「久遠航太」の身辺警備会社の立ち位置と仕事の内容の導入部となっています。

中学生の身辺警備が終わり、〈素顔を隠すカリスマ歌手「香」の「声」を護る〉という風変わりな依頼を担当することになった「航太」たちでした。宣伝用の話題作りがメインの目的かと思われましたが、「香」には子供の頃に忌まわしい秘密がありました。主人公「久遠航太」にも、中学2年生の時に事故で父を亡くしており、その後の2年間の記憶がありません。文中ではこの事故のために警察官の採用が見送られㇼことを匂わせています。

「香」のライブコンサートに合わせるように5歳の女の子が行方不明になり、公園内のトイレで発見されますが、この事件の犯人は「香」の忌まわしい事件の犯人でもあったのですが、突然に冒頭で登場した人物が犯人として出てきます。

伏線も何もない犯人の突然の登場に、《呆れた結末》でした。よくこれで作品として発行できるものだとかんじました。主人公「航太」の父が絡む事件も明かされていませんので、シリーズ作品として続くようですが、次回作を読むことはなさそうです。
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今年の読書(58)『怖い患者』久坂部羊(集英社文庫)

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現役医師としての<久坂部羊>の作品として、小気味よく読めました『MRエムアール(上・下)』に続いての『怖い患者』ですが、2020年4月に刊行され、2023年7月30日に文庫本が発売されています。

医者・患者にまつわる5篇の短編が収められています。帯カバーには落語家の<桂南光>氏が「お薦めできませんが、ハマリますわ。」の言葉を寄せていました。現役医師の作家・久坂部羊が描く、強烈にブラックなイヤミスな短編集です。

第1篇の『天罰あげる』は、区役所に勤務する「愛子」は、同僚女子の陰口を聞いたことがきっかけで、たびたび「発作」を起こすようになります。この世の終わりに直面したような、とてつもない恐怖に襲われ、心療内科で受けた「パニック障害」という診断に納得できず、いくつもの病院を渡り歩く〈ドクターショッピング〉が始まります。

また4篇目の『老人の園』は老人施設の現場の縮図として、介護施設を併設する高齢者向けのクリニックには、毎日多くのお年寄りが集まってきます。脳梗塞で麻痺のある人、100歳近い超高齢者、150㎏近い体重で車椅子生活を送る人など、さまざまな症状の利用者みなに快適に過ごしてほしいと医師の施設長は願いますが、老人たちにはもめごとが絶えません。

強烈なブラックユーモアで医療現場を切り取った短篇が並び、「親ガチャ」ならぬ〈患者ガチャ〉の恐怖が現役医師だけにジワリと伝わる一冊でした。
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今年の読書(57)『三田ビール検定』田辺真人監修(三田市)

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ご当地検定も全国各地でいろいろとあるとおもいますが、兵庫県三田市(さんだし)では、《三田ビール検定》が行われており、今年も2023年11月3日に第6回目が実施されます。

検定そのものに興味はありませんが、三田市は、日本人で初めてビール醸造に取り組んだとされる、幕末の蘭学者<川本幸民>の出身地です。<川本幸民>は、文化7年(1810)年、三田藩医<川本周安>の三男として生まれました。蕃書調所で洋書を翻訳し、「化学」という言葉を初めて使用し、「日本近代化学の祖」といわれています。
 また、幕末の嘉永6年(1853)年頃、日本人で初めてビール醸造実験を成功させたといわれており、その他にもマッチの製作や写真撮影に成功するなどの功績を残しています。

《三田ビール検定》は、ビールの歴史や醸造学を学び、三田の歴史・文化・風土、そして豊かな食に親しむためのユニークな検定ということで、公式テキストを読んでみました。

検定試験対策のテキストですが、イラストや写真も多く、幅広い雑学知識が楽しめました。
#テキスト本 #ビール #ブログ #三田市 #読書

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今年の読書(55)『流警 傘見警部交番事件ファイル』松嶋智左(集英社文庫)

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今年の読書(55)『流警 傘見...
警察小説は、数ある作家が書いている人気分野だと思いますが、著者<松嶋智左>は元女性白バイ隊員だった経歴をいかした『女副署長』でお気に入りに入り、この「女副署長」シリーズが、まさか3作目の『女副署長 祭礼』で殉職して終わるとは予想していませんでした。

その後『開署準備室 巡査長・野路明良』『バタフライ・エフェクト』などが刊行され、続編を楽しみにしていましたら、今回7月21日に文庫本『流警』が〈傘見警部交番事件ファイル〉の副題がついて発売され、これまた新シリーズが始まりそうです。

元本庁捜査一課に所属していた27歳の「南優月」巡査長は、運転をして被疑者を護送中に起こした事故が理由で「傘見交番」に左遷になりました。過疎化で警察署が不要となり格下げされた〈警部交番〉で、警務係として禊の日々を過ごしていました。

そんな辺境の地に突然、料理が得意な東大出身のキャリア「警視正榎木孔泉」が赴任してきます。時を同じくして、地元の名士の妻「佐倉実阿子」が殺害され、「傘見交番」に捜査本部が設置され、「優月」はともに犯人を追うことになります。外国人技能実習生や警察官の不倫事件などを絡めながら、二転三転しながら謎が謎を呼ぶ捜査は難航していきます。

地元住民の「地区の祭り」や「台風」などの場面設定が、『女副署長』シリーズを連想させますが、あとがきでも触れていましたが、著者自身の経験が反映されているようです。

今後のキャリア「警視正榎木孔泉」や、「南優月」巡査長と被疑者を護送していた恋人だった「隈」刑事との関わりの進展が楽しみな〈事件ファイル〉シリーズになりそうです。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(55)『黙示』今野敏(双葉文庫)

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今年の読書(55)『黙示』今野...
著者<今野敏>の「萩尾警部補」ディリーズとして『確証』(2012年7月)・『真贋』(2016年6月)に続く第3弾が本書『黙示』で、単行本は(2020年6月)に刊行され、2023年7月15日に文庫本が発売されています。

渋谷区の高級住宅街松濤で窃盗事件が発生します。 警視庁捜査三課第5係の「萩尾警部補」は、相棒の女性刑事「武田秋穂」と現場に向かいます。被害者はIT長者の「館脇智久」で、盗まれたのは4億かけて入手したイスラエル王国三代目が持っていた伝説の「ソロモンの指輪」だといいます。

盗難事件にはイスラムの「暗殺教団」らが関わっており、「館脇」は命を狙われているという状況で、「萩尾警部補」は事件の真相を追い求めていきます。

アトランティスも古代史を絡めた「謎の指輪」を巡る捜査でしたが、<今野敏>の著作としては珍しく、テンポよく読み進むという感じにはなりませんでした。

非現実的なテーマでリアリティー感を出すのは、難しいようです。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(54)『オムニバス』誉田哲也(光文社文庫)

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今年の読書(54)『オムニバス...
著者<本田哲也>の大人気「姫川玲子」シリーズとして『ストロベリーナイト』(2006年2月刊)に始まり、本書『オムニバス』(2021年2月刊)まで10冊が刊行されていますが、『シンメトリー』(2008年2月刊)・『インデックス』(2014年11月刊)に続く3冊目の短編集となります。

文庫本としては、2023年7月20日に発売され、各誌で掲載されました7篇が収められています。

主人公は「姫川玲子」は、 警視庁刑事部捜査一課殺人犯捜査第十一係姫川班を率いる警部補の立場で、事件がなければ休日も待機もシフトどおりに取れるのだが、そううまくはいかない。各署に立てられた特捜本部に入ることもあれば、人手が足りない所轄の応援に回ることもある。激務の中、事件に挑み続ける彼女の集中力と行動・観察力でもって、被疑者に迫り、事件の真相を暴いていきます。

各短篇は独立していますが、『赤い靴』と『青い腕』は連作短編の構成となっています。

冒頭で、因縁の天敵刑事「勝俣健作」が登場してきますので、楽しみにしていたのですが、さわりだけでした。また、警視庁練馬署強行犯係の42歳の女性刑事「魚住久江」が登場する『ドルチェ』などの主人公となる「魚住久江」の名前が姫川班の新規メンバー名として登場、<誉田哲也>ファンとしては、ニヤリとするサービスも楽しめました。

なお、9月10日(日)<18:55~21:00>「BSテレ」にて『ドルチェ』の続編となります、<檀れい>主演の『誉田哲也サスペンス〈ドンナビアンカ〉~刑事魚住久江~』の放送があります。
#テレビ番組 #ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(53)『十三階の母』吉川英梨(双葉文庫)

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本書『十三階の母(マリア)』は、著者<吉川英梨>の「警視庁公安部特別諜報員・黒江律子/十三階」シリーズとして『十三階の女』に始まり、第2作『十三階の神』、第3作『十三階の血』に続く第4作目として、20218月に刊行されていますが、2023年7月15日に文庫本が発売されています。

待ちに待ちました第4作ですが、圧巻の読み応えで読み終えました。シリーズ物としては、前作を読まなくても文中で大体の流れが把握できる小説が多いとおもいますが、このシリーズだけは、第1作目からの読書をお勧めします。

前作で結ばれ公安諜報員同士夫婦となった「黒江律子」と上司の「古池慎一」は、首相の娘「天方美月」の恋人「儀間祐樹」を殺害したことにより、狙われてアメリカに逃亡し、長男「慎太郎」と共に束の間の平和な生活をいとなんでいました。

そんな時、十三階のトップ「藤本乃里子」のもとに時限爆弾が届き、事態は急変、急遽「慎太郎」を元諜報員〈アオジ〉に預け、日本に帰国します。

「十三階」(=公安部)を潰そうとする黒幕を追い求め、過去の新幹線爆破のテロリストが再活動という情報で、「黒江律子」は新幹線爆破の被害者「鵜飼真奈」を潜入捜査員として活動を始めますが、おもわぬ方向に展開していきます。

乳飲み子の我が子と切り離された「黒江律子」は、母として、女として、妻としての葛藤の中で、黒幕を追い求めていきます。

将来の総理大臣を狙い「十三階」つぶしに執念を燃やす「天方美月」との対立、それを操る「佐倉隆二」たちとの決着もついておらず、その後の<慎太郎>との関係も気になりますが、すでに第5作目の『十三階の仇』が2022年5月19日に刊行されていますが、文庫本発売まで待ちたいと思います。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(52)『スーツアクター高岩成二』高岩成二(イースト・プレス)

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本書『スーツアクター高岩成二』は、〈仮面ライダーアギト〉から〈仮面ライダージオウ〉までで18人の主役ライダーのスーツアクターを担当した<高岩成二>(54)が、これまでの人生や今後の展望を語っています。

幼少期から仮面ライダーが好きだった<高岩成二>が<真田広之>に憧れてジャパン・アクション・クラブ(現ジャパン・アクション・エンタープライズ)に16期生として入門し、ヒーローショーやスーパー戦隊シリーズのスーツアクターを経て〈ミスター平成仮面ライダー〉と呼ばれるようになるまでの人生を、撮影裏話などを交えながら振り返っています。

序章と終章に挟まれた全5章の構成で、第2章「特撮ヒーローとスーツアクターの歴史」、第3章「スーツアクターになるには」といった章や、<高岩成二>が演じた29人のヒーローのポーズを写真付きで解説する第4章「基本ポージング&アクション解説」が組み込まれています。

書籍の帯には『仮面ライダー電王』(2007年1月28日から2008年1月20日・テレビ朝日系列)の<佐藤健>(34)が登場。同作で<高岩成二>が扮した仮面ライダー電王の変身前「野上良太郎」を演じた<佐藤健>は「『電王』は、ほぼゼロから全てを教えていただいた、僕の原点です」とコメントしています。
#ブログ #単行本 #読書

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今年の読書(51)『のっけから失礼します』三浦しをん(集英社文庫)

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今年の読書(51)『のっけから...
<原田マハ>の重厚な『リボルバー』を詠んだ後だけに、気分転換に軽い読み物がいいかなと<三浦しをん>のエッセイ集『のっけから失礼します』を選びました。

本書は、『BAIRA』誌に2014年6月号から2019年5月号に連載されたエッセイをまとめ、2019年8月に単行本として刊行され、2023年6月25日に文庫本として発売されています。

5年間の掲載エッセイが、4章に分けられ、新規の〈おまけ〉の追加分もあり約60篇が収録されています。

一篇ずつ起承転結で小気味よくまとめられ、当時を回想しての〈後記〉が面白く、私小説的に母・父・弟の関係もよくわかり、また当時の〈映画〉や〈漫画〉なども登場、違った目線での分析もあり、楽しめました。
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(50)『リボルバー』原田マハ(幻冬舎文庫)

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今年の読書(50)『リボルバー...
多くの美術史関連の著作があり、ペンネームは<フランシスコ・ゴヤ>の「着衣のマハ」「裸のマハ」に由来する<原田マハ>の『リボルバー』は、<フィンセント・ファン・ゴッホ>の死にまつわるアート史上最大の謎に迫るミステリとして2021年5月に単行本が刊行され、2023年7月10日に文庫本が発売されています。

パリ大学で美術史の修士号を取得した「高遠冴」は、小さなオークション会社CDC(キャビネ・ド・キュリオジテ)に勤務しています。CDCでは週一回のオークションが開催されていますが、ごく普通の商品ばかりで、高額の絵画取引に携わりたいと願っていた「冴」の元にある日、「サラ・ジラール」と名乗る婦人が、オークションに出品したいと錆びついた一丁のリボルバーを持ち込んできます。それは<フィンセント・ファン・ゴッホ>の自殺に使われたものだといいます。

19世紀の「タブロー」を研究している「冴」は興味を持ち、「ファン・ゴッホは、ほんとうにピストル自殺をしたのか? 」、 「あのリボルバーで、撃ち抜かれて殺されたんじゃないのか? 」の推測を元に、<ゴッホ>の足跡を、弟の<テオ>や当時の<ゴーギャン>の素行を検証しながら、錆び付いたリボルバーの真実を求めて調査を始めていきます。

<ゴッホ>と<ゴーギャン>の関係を主軸に、生前顧みられることのなかった孤高の画家たちの隠された物語が、ノンフィクションさながらに展開していきます。

原田マハさんは、『ゴッホのあしあと』など、<ゴッホ>に関する小説を数多く執筆されていて、そこにどれだけの愛情と情熱が秘められているのかがよく分かる一冊でした。

『美しき愚か者のタブロー』でも、表紙に<ゴッホ>のアルルですごした自室の絵『アルルの寝室』が使用されていますが、本作品でも、この部屋がある建物が重要な舞台として登場しています。
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