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- 今年の読書(79)『ゴースト 二係捜査3』本城雅人(角川文庫)
「二係捜査」シリーズとして『宿罪 二係捜査1』・『逆転 二係捜査2』と続き3ケ月連続刊行として本書『ゴースト 二係捜査3』が、2023年11月25日に文庫本書下ろしとして発売されています。
新大久保の路地裏で、喧嘩の仲裁に入った医師「柿沢孝洋」が殴られ、反撃して相手に重傷を負わせる過剰防衛事件が起きます。医師の「柿沢」は傷害容疑で逮捕されてしまいます。二係捜査担当の「森内洸」は、昨年行方不明となった3歳男児「飛翔」の母親「小深田亜里」が、「柿沢」と大阪で小中学の同級生であり、事件当時に病院を休んでいる事件としての〈端緒〉を見つけ出します。
その母親「亜里」との関係を取り調べで追及された「柿沢」は、突然、「飛翔」を殺したのは自分だと自供を始めるのでした。部屋長「信楽」たちは「二係捜査」の職務としての「遺体なき殺人事件」の真相を追い求めていきます。
物語としての構成は素晴らしく、中央新聞の警視庁クラブ担当の記者「藤瀬佑里」に代わる「向田瑠璃」のキャラクターも良かったのですが、事件の背景となる母親「亜里」のデリヘル問題に登場する男たちの記述が長く、誘拐犯に結び付く背景描写が物足りなくどうかなぁと感じてしまいましたが、作品的には「優」のレベルです。
巻末に「二係捜査4」は2024年秋に発売予定ということで、「藤瀬佑里」の再登場を期待して、楽しみに待ちたいと思います。
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