今年の読書(78)『逆転 二係捜査2』本城雅人(角川文庫)
12月
5日
10年前、日野市の女児殺害の容疑で逮捕された「野村栄慈」 は、二審で逆転無罪となっていますが、その「野村」が、再び逮捕されます。茨城で殺害された女児の発見現場付近で、彼の車と姿が防犯カメラに映っていました。
日野市の事件を担当した警視庁の「信楽」と「森内」は、「野村」の余罪を洗うべく捜査を開始します。一方、10年前に「野村」の無罪を勝ち取った人権派弁護士の「岸」は、今回の事件でも弁護人を引き受けます。
二係の「信楽」と「岸」は10年前の事件でトラブルを起こした経緯があり、今回は捜査の表舞台に出ることはなく、部下の「森内」が主人公的な動きで事件の解決に取り組み、衝撃の結末が待ち受ける展開となります。
法廷物でよく使用されます刑事事件での「一時不再理」を芯に据え、「野村」を追い詰めていく筋書きに目が離せませんでした。