『武士道』の著者として知られる教育者・思想家の<新渡戸稲造>が創設した「遠友夜学校」の精神を受け継ぐ人々を取材したドキュメンタリー『新渡戸の夢 学ぶことは生きる証』が、2024年11月2日より公開されます。
1894年、札幌農学校で教授を務めていた当時32歳の<新渡戸稲造>と妻<メリー>が、貧しくて学校に通えない人々のために始めた「遠友夜学校」です。「新渡戸」が生涯で唯一創設した学校で、授業料無料・男女共学で年齢制限もなしという当時としては画期的な教育機関でした。
「学問より実行」という教育方針をもとに、富や名誉より人格形成を重んじる教育が行われ、1944年に閉校するまでの50年間で約1170人が卒業しました。
本作では<新渡戸>が「遠友夜学校」に込めた思いが現在どのように継承されているのかを探るべく、卒業生の子どもたちのもとを訪れ、彼らが父母から聞かされていた同校の生活について聞いています。
さらに、北海道大学にボランティアサークルとして開設された市民講座「平成遠友夜学校」や、1990年に創設されました「札幌遠友塾自主夜間中学」、東京の「こども武士道」の教室など、現在に受け継がれる<新渡戸>の精神を映しだします。監督は『認知症と生きる希望の処方箋』の<野澤和之>が務めています。