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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(6)『告発者(下)』ジョン・グリシャム(新潮文庫)

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『告発者(上巻)』では、「マクドゥーヴァー判事」と結託しているマフィアのボス「デュボーズ」の悪事の告発者の真意を確かめようと調査を始めました「レイシー」と「ヒューゴ」でした。
 
自動車事故と見せかけ、二人を消そうとした「デュボーズ」の企みで、「ヒューゴ」がなくなりました。重症の「レイシー」も。おせっかいな兄「ガンサー」の看病もあり、無事に復帰となり、今度はFBIと組み、調査を進めます。
 
「デュボーズ」は先住民のカジノから上納金を巻き上げ、金と暴力で部下を支配していました。邪魔者は躊躇なく始末し、海外企業を使って身を隠しているため、正体は誰にも知られていません。
 
FBIは、「アリー・パチェコ」を中心として、自動車事故の関連を調べ、実行犯を逮捕、司法取引で「デュボーズ」たちの犯罪を暴いていきます。
 
上巻での伏線を踏まえながら、小気味よいテンポで下巻は進み、捜査の顛末は、前代未聞の大規模な逮捕となり、マフィアの幹部たちは収監されて「ヒューゴー」の仇は一応取れ、死刑の冤罪の人物は助け出され、魂を売った悪徳判事「マクドゥーヴァー」も裁かれて、悪人は全て報いを受ける理想的な幕切れでした。
 
解説によりますと続巻があるようで、捜査協力した「アリー・パチェコ」と「レイシー」の関係が進展しそうで、シリーズとして楽しめそうです。
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今年の読書(5)『告発者(上)』ジョン・グリシャム(新潮文庫)

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弁護士でもある著者<ジョン・グリシャム>ですが、『評決のとき』・『ザ・ファーム法律時事務所』『ペリカン文書』『依頼人』・『レインメーカー』など多くの著作が映画化されています。
 
本書『告発者』は、単行本としての刊行はなく、いきなり文庫本として2024年11月1日に(上・下)2冊の文庫本として発売されています。文庫本(上下)で1980円、おそらく単行本では、4000円近くになり、売れないと判断されたんだと思います。
 
物語は、判事の不正を調べる「司法審査会」が舞台です。フロリダ州司法審査会に、「マクドーヴァー」という女性判事が、コーストマフィアと組んで、無実の人間に死刑判決を下したという情報が寄せられます。不当判決はほかにもあり、見返りに多額の賄賂を毎月受け取っているといいます。この告発は真実なのか、独身の女性調査官の「レイシー」と5人の父親である「ヒューゴ」が捜査を進めていくと、先住民が経営するカジノとの関係が浮き彫りになってきます。
 
文中に「マクドーヴァー判事」が、現金を受け取る場面や、裏金旅行の詳細が語られていますので、読者は「マクドーヴァー判事」が黒だと分かった上で読み進むことになりますので、痛快に解決する結末に期待がかかりますが、上巻の終わりで、調査を中止させるために「レイシー」と「ヒューゴ」の車に自動車事故が起こり、「レイシー」は重傷を負いますが、「ヒューゴ」が亡くなってしまいます。読者としては、思わぬ展開で進み驚くと共に、下巻へ引き継ぎことになります。
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今年の読書(4)『ゴジラvs.自衛隊 アニメの「戦争論」』小泉悠・他(文春新書)

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今年の読書(4)『ゴジラvs....
<小泉悠>、<高橋杉雄>、<太田啓之>、<マライ・メントライン>が手がけた(文春新書)が『ゴジラvs.自衛隊 アニメの「戦争論」』です。
 
本書は、アニメや特撮の世界を軍事専門家らが語る構成になっています。
 
「『機動警察パトレイバー』首都防空通信は実際に自衛官の目にどう映ったのか」・「『新世紀エヴァンゲリオン』の世界ではソ連は崩壊していない」・「『風の谷のナウシカ』のバカガラスはナチスドイツで開発されたギガントと同様の運用がなされている」・「『宇宙戦艦ヤマト』の多層式航宙母艦の運用構想は、日本海軍の三段式時代の空母『赤城』と同じなのか」・「『シン・ゴジラ』で使用が検討される核兵器は、名前が違う?」といったトピックが語られています。
 
私たちがアニメや特撮や仮想戦記について語るときには、いつの間にかそこに仮託された何か別のものについて語っているという形がが多いようです。「ゴジラ」に投影された「戦後ニッポン像」というテーマは、本書に限らず繰りし語られてきたものですが、では「エヴァゲリオン」の中の日本ではどう扱われているのでしょうか。
 
本書は、アニメをきっかけとしたサブカル風時事評論集としても楽しめることができる一冊です。
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今年の読書(3)『リドリー・スコットの全仕事』イアン・ネイサン(東京ニュース通信社)

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今年の読書(3)『リドリー・ス...
映画ファンとして、イギリス出身の映画ライターである<イアン・ネイサン>が執筆した気になる書籍『リドリー・スコットの全仕事』(3630円)です。
 
1937年11月30日生まれとして 87歳の現在でも第一線で活躍する映画監督<リドリー・スコット>です。2024年11月15日には、『グラディエーター』の24年ぶり続編となる監督作『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』が封切られました。
 
本書では、デビュー作品『デュエリスト/決闘者』(1977年)にはじまり、『エイリアン』(1979年)・『ブレードランナー』(1982年)・『テルマ&ルイーズ』(1991年)や、<高倉健>と<松田優作>が出演した『ブラック・レイン』(1989年)など、<リドリー・スコット>が手がけてきたすべての作品の制作秘話や背景を豊富なビジュアルともに紹介しています。
 
様々なジャンルに関わりながら、その根底にあるテーマやモチーフには共通点があり、長きにわたり積んできたキャリアの集大成こそが『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』である理由が見えてきます。
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今年の読書(2)『クリント・イーストウッド』イアン・ネイサン (フィルムアート社)

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<イアン・ネイサン>による本書『クリント・イーストウッド 気高き〈アメリカ〉の放浪者』は、アカデミー賞を2度受賞し40本もの映画を監督してきた、映画界の重鎮のひとり、<クリント・イーストウッド>を掘り下げています。
 
<クリント・イーストウッド>は、2025年5月31日に95歳の誕生日を迎えるも、ハリウッドの常識など意に介さず、三四半世紀に近い時間を、ほとんど休むことなく映画業界で働き続けてきました。
 
本書では監督としての〈クリント・イーストウッド〉のみならず、初期の代表作『ローハイド』、セルジオ・レオーネ「ドル箱三部作」(『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』・『続・夕陽のガンマン』)、師と仰ぐ<ドン・シーゲル>とタッグを組んだ『ダーティハリー』『アルカトラズからの脱出』以来の、自身の監督作でも継続している俳優〈クリント・イーストウッド〉のあり方についても深く見つめ直しています。
 
初監督長編『恐怖のメロディ』、アカデミー賞(作品・監督)を受賞した『許されざる者』・『ミリオンダラー・ベイビー』、硫黄島の戦いを日米双方の視点から描いた『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』、劇場公開が望まれていますテレビドラマ最新作『Juror #2』(原題)に至るまでの全キャリアを、すなわち俳優や監督として、〈アメリカ〉の象徴になるまでの人生の軌跡を、豊富なスチール写真やオフショットとともにふりかえっています。
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今年の読書(1)『熔果』黒川博行(新潮文庫)

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今年の読書(1)『熔果』黒川博...
「武本・潮崎」や「新垣・上坂」などバディーモノのエンターティメント小説シリーズが楽しめる<黒川博行>ですが、本作は「堀内・伊達」シリーズの4作目として、2021年11月に単行本(2090円)が刊行され、2024年12月1日に文庫本(1100円)が発売されています。
 
主人公となる「堀内・伊達」のふたりは、元大阪府警の刑事でしたが、品行不漁の悪徳刑事で、府警を辞めたあと、競売専門の不動産会社「平山総業」の調査員となった「伊達誠一」と、それを手伝う「堀内信也」とが織りなす裏家業のクライムサスペンスです。
 
五億円相当の金塊強奪事件が博多駅付近で発生します。「堀内信也」は、狂言強盗だと見抜き金の匂いを嗅ぎ取った競売屋・ヒラヤマ総業調査員の「伊達誠一」に誘われ、金塊の行方を追うことになります。二人は大阪府警の元刑事で現在も仲の良い仕事仲間としてバディを組んでいます。主犯と見極めた男を、大阪、由布院、博多、名古屋、岐阜を、購入したばかりのBMW「A4」で駆け抜けながら、「堀内」と「伊達」は、ヤクザ、半グレ、愛人、ブローカー、汚職警官らと対決しながら、金塊を追い求めます。筋読みと暴力の〈調査〉から無事に金塊に辿りつけるでしょうか。
 
小気味よいテンポで読み進める625ページで、イリーガルな裏社会に浸りながら、面白く読み終えた一冊です。
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今年の読書(69)『花散る里の病棟』帚木蓬生(新潮文庫)

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前回(69)での<柚月裕子>の『ミカエルの鼓動』は、二人の心臓外科医を中心とする物語で、医療現場と医者のあるべき姿を見事に描いていました。
 
本書『花散る里の病棟』は、2022年4月に刊行され、2024年11月1日に文庫本が発売されています。
 
九州で四代100年続く「野北家」を1936年から、2021年までを、全10章の構成で、日本の近代史を織り交ぜながら、医者としての視線で、医療現場を眺めながら、医療と医学に対して、精神科医でもある著者の視線を織り込みながら、医療の現場を見事に描いています
 
大正時代、蛔虫退治で評判を取った初代「野北保造」にはじまり、第二次世界大戦に軍医としてフィリピン戦線を彷徨った二代目「野北宏一」。高齢者たちの面倒を見る三代目「野北伸二」。そして肥満治療を手がけてきた四代目の「野北健」はコロナ禍に巻き込まれ、恋人の「理奈」共々奔走します。
 
医者でありながら、フィリピン戦線での、命を助ける医者でありながら消毒液で、命を終えさす命令に従う立場の『兵站病院』の章は、戦争の実態を克明に描いています。隠された歴史の『胎を堕ろす』の章など、九州大学医学部卒業ならではの背景が見て取れ、最後の章として記憶に新しい新型コロナウイルス関連の『パンデミック』の実情が詳しく描かれ、この先地域に生きる町医者としての期待と五代目の医者へとその思いをつなげてほしいと思わせる感動作でした。
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今年の読書(69)『ヒストリー・オブ・マッドマックス 映画の超暴力』メルビン・ゼッド(K&Bパブリッシャーズ)

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映画『マッドマックス』は、監督の<ジョージ・ミラー>と「マックス・ロカタンスキー」役の主演を務めた<メル・ギブソン>の出世作品であり、後にシリーズ化〈『マッドマックス2』(1981年)・『マッドマックス/サンダードーム』(1985年)・『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)・『マッドマックス:フュリオサ』(2024)〉されています。特殊撮影や舞台設定など、国内外の多くの作品に影響を与えました。
 
本書『ヒストリー・オブ・マッドマックス 映画の超暴力』(1万2500円)は、フランスの「マッドマックス」研究家<メルビン・ゼッド>が手がけ、翻訳は<品川亮>、監修は<白石知聖>と<ギンティ小林>が担当しています。
 
本書は、シリーズの原点である1979年公開の『マッドマックス』のすべてを解き明かすメイキングブックです。著者<メルビン・ゼッド>が聖地オーストラリアに幾度も赴いて関係者たちに話を聞いて回り、彼らの言葉や物証にもとづく事実のみを集めてまとめ上げています。本書のみの写真資料も豊富に掲載されています。
 
なお、『マッドマックス』のメイキングブックとしては、<イアン・ネイサン>(監修:神武 団四郎・ 翻訳:富原 まさ江 )による『レジェン ド・ オブ ・ マッドマックス ー完全メイキングブック「マッドマックス」 から「 マッドマックス: フュリオサ」 までー』が2024年5月31日に(3960円・玄光社)より発売されています。
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今年の読書(68)『ミカエルの鼓動』柚月裕子(文春文庫)

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今年は、著者<柚月裕子>の『朽ちないサクラ』を原作とする映画『朽ちないサクラ』が、2024年6月21日より公開されていますが、好きな作家のひとりとして手に取りました、文庫本最新作としての『ミカエルの鼓動』は、2021年10月に単行本が刊行され、2024年10月10日に文庫本が発売されています。
 
北中大学病院に勤務する「西條泰己」は、手術支援ロボット「ミカエル」による心臓外科手術の最先端医療の第一人者です。
そうした彼の前に、病院長「曽我部」が、ドイツのミュンヘンハートメディカルセンターから同じ心臓外科医として「真木一義」を引き抜き、彼の目の前で「ミカエル」を用いない完璧な手術を行います。
 
そうした対立の中、心臓に難病を抱える12歳の少年「白石航」が転院してきますが、「西條」の「ミカエル」での弁置換手術の提案に体して、「真木」は従来の開胸手術を提案しますが、その手術方針をめぐり、二人は激しく対立します。
 
「ミカエル」を用いた手術が決まりますが、「西條」の周りで、フリーライター「黒澤」の取材に対して、病院側の対応に不信を抱く最中、「ミカエル」を用いた手術のミスで、仲間の医師が自死、「西條」は「黒澤」から、「ミカエル」には欠陥があると教えられます。
 
万が一のことを考え「西條」は手術の助手に「真木」を指名、万が一「ミカエル」の不具合に対して、開胸手術の準備をしておぺをすすめますが、やはり「ミカエル」に誤作動が生じます。
 
病院という組織の運営と経営を背景に勤務医としての矜持を持つ「西條」と「真木」の医者としての生き方を絡み合わせて医学界の現状と未来に斬り込んだ540ページの長編、面白く読み終え、この作品も映画化にならないかなと思わせる、医療の在り方、命の意味を問う感動作でした。
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今年の読書(67)『ルート29』 黒住 光(リトル・モア)

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今年の読書(67)『ルート29...
本書は、<綾瀬はるか>が「のり子」、<大沢一菜>が「ハル」を演じた2024年11月8日より公開の映画『ルート29』のノベライズとして、2024年11月26日に発売されています。
 
『ルート29』は、『こちらあみ子』で注目されました監督の<森井勇佑>が、<中尾太一>の詩集『ルート29、解放』にインスパイアされて脚本を書いた映画が『ルート29』です。清掃員の主人公「のり子」が風変わりな女の子「ハル」を見つけ出し、奇妙な人たちと出会いながら、姫路と鳥取を結ぶ国道29号線を進んでいくロードムービーとなっています。
 
ノベライズは『花束みたいな恋をした』の小説版も手がけた<黒住光>が脚本を翻案する形で執筆されています。『北極百貨店のコンシェルジュさん』などで知られるマンガ家<西村ツチカ>が装画のイラストレーションを担当し、グラフィックデザイナーの<名久井直子>が装丁を手がけています。表紙は「のり子」と「ハル」がたどる道のりを、1枚に落とし込んでいます。
 
映画は、公開3日間の動員数は1万5999人、興行収入は2191万420円でした。ミニシアター系の作品を多く手掛けるリトルモアが制作。小規模シアター中心の公開ですが、<綾瀬はるか>さん主演ということもあり172館で公開されているにも関わらず、寂しい結果となっています。
 
これまで超大作や話題作への出演が続いていた<綾瀬はるか>だけに、ファンの多くは〈ミニシアター系の作品〉を見慣れていないようで、観客に解釈を委ねる作風が受けなかったようで、俳優人気や話題性だけの映画が人気なのが残念です。
#ブログ #単行本 #映画 #読書

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