警視庁捜査一課の敏腕刑事だった<江波淳史>警部補は、取り調べ中に容疑者が自殺したことにより、青海警察署の水根駐在所へと左遷されてきます。奥多摩での駐在所生活を描いたのが、第一作目の 『駐在刑事』 でした。
奥多摩で、旅館の跡取り息子<孝夫>や図書館の司書<遼子>との交際を通じて、穏やかな環境で、自分自身を取り戻していました。
そんな折、御膳山でいなくなったペットの犬の探索中、何者かが仕掛けた罠を発見。隣県では、殺人事件が発生しており、怪しい人物も目撃されており<江波>は、相棒犬<プール>と調査に乗り出します。
今年は、「山ガール」を主題にした<湊かなえ>の 『山女日記』 を読みましたが、
著者には、『未踏峰』 や 『偽りの血』 など骨太の山岳小説の素地があるだけに、山の描写は、安心して読めます。
南町奉行<根岸肥前守>を主人公とする<耳袋秘話>シリーズとして、 『両国大相撲殺人事件』 に次ぐ、第七弾目が本書です。
<根岸>と仲のいい芸者<力丸>がやくざの<千蔵>の相手をしているときに、同じやくざの<岩吉>が殺される場面をみてしまいます。宿場町内藤新宿では、やくざの抗争がはげしく、その関連かと思われましたが、その後、老人の<昌三>や蕎麦屋の<万作>が同じ手口で殺されてしまいます。
<根岸?は、家来の<坂巻>を使い、15年前に伊豆山中で起こった一家5人殺しの事件とを関連づけていきます。隠し金山を守ってきた「風魔一族」の生き残り姉弟の悲しみ溢れる仇討事件を解決していきます。
巻末には、<根岸>の佐渡金山の佐渡奉行時代のエピソードを綴った短篇が収録されており、<根岸>の名采配が楽しめました。
医師である著者らしく、天才女医<天久鷹央>を主人公とした、<天久鷹央の事件カルテ>シリーズがあり、『幻影の手術室』を読みましたが、ミステリーとしては内容が軽く評価は低めでした。
今回も帯に書かれた「究極のどんでん返し!」のキャッチフレーズが気になり手にしてみました。
臓器移植の違法行為で廃院になった病院で、「脱出ゲーム作家でもあるいしが、転落死するじこがあり、自殺か事故か不明のままに終わっていました。その病院に医師と関係する5人尾男女が監禁されている場面から物語ははじまります。
監禁者からのメッセージを、6時間内に解いていかないと爆発で死んでしまう状況の中、病院内での密室のサスペンスの開始です。
エンディングの終り方が、少々期待外れでした。やはりこの作家は2冊しか読んでいませんが、わたしには楽しめないようです。
見ま美馬c時奉行<根岸肥前守>を主人公とする<耳袋秘話>の「殺人事件シリーズ」として、 『谷中黒猫殺人事件』 に次ぐ第六弾目が本書です。
江戸時代の有名な力士<雷電>を登場させて、江戸文化の片鱗を垣間見せてくれました。
<雷電>を目の敵にしていた、若手有望力士の<伊佐二>が、<雷電>の得意手を用いて殺されているのがみつかります。裏側では、大名同士のタニマチ問題、浪人の帰藩を願う陰謀が隠されていましたが、家来<坂巻>と同心<栗田>を中心として調べを進める<根岸>でした。
若い頃の<根岸>と<五郎蔵>の短篇がちゅいかされており、見世物小屋の「ろくろくび」にかんして、面白いエピソードも楽しめました。
評論の怖さは、書かれたモノが残りますので、あとから検証されるということです。
本書は2008年7月に刊行されていますが、当時はきっと驚愕のまなざしで迎えられたのではないかなと思いながら読み切りました。
1990年代までのサブカルチャーと2001年の「9・11」以後、すなわちゼロ年代のサブカルチャーの比較を、文学や映画、テwレビドラマなどを通して、縦横無尽に、時代背景を描き出します。
本書の登場するデーター量の多さに圧倒されながらよむさぎょうは、なかなか疲れる内容でした。
南町奉行<根岸肥前守>を主人公に据えた<耳袋秘帖>シリーズの「殺人事件シリーズ」として、第五作目が本書です。
本シリーズでは、妻<おたか>は既に亡くなっていますが、<根岸>の夢枕に登場してきます。犬派の<根岸>が猫を飼いだした<おたか>とのエピソードが楽しめる短篇が書き下ろしとして収録されています。
美人姉妹が住む谷中にある屋敷は猫屋敷と呼ばれ、近隣の不評を買っています。<根岸>自ら申立人の話をきき、その姉妹は、5年前に押し込み強盗に遭った、大店の生き残りだと知り、店から消えた一万両が絡んでいる事件だと調査に乗り出します。
あいかわらず、質屋の主人が殺された事件の謎を解決しながら、猫屋敷の事件をも見事に解決する<根岸>でした。
南町奉行<根岸肥前守>を主人公に据えた、<耳袋秘帖>シリーズとして、『赤鼻奉行根岸肥前』 を第一作とする「殺人事件シリーズの第十三作目に当たります。
日本橋本石町にあr旅籠「長崎屋」にて、腹を竹槍でつかれた<酉右衛門>の死体が発見されます。殺人現場の横には、江戸市中に時を知らせる「トキの鐘」があり、その鐘を撞く<孫六>が妹<おみつ>の件で、<酉右衛門>を憎んでいたことがわかり、<根岸>の家来<坂巻>や同心<栗田>が調査に乗り出します。
いつもどおり、メインの殺人事件と並行して、今回も2年前におこった、押し込み強盗を解決する<根岸>ですが、市井の怪異な出来事に目を光らせている余禄も楽しみなシリーズです。
第一作目の 『蝕罪』 で始まった<警視庁失踪課>シリーズも、第十作目の本書で最終巻です。
本書で、幼い娘<綾奈>が殺された事件が解明、犯人がわかります。
作中、<追跡調査係>シリーズの<西川>や<沖田>たちが登場、警察組織の一体化を感じさせてくれました。
一区切りついた、<高城賢吾>の今後の新たな刑事としての活躍も期待したいです。
未解決事件を捜査する<警視庁追跡捜査係>シリーズとして『刑事の絆』に次ぐ第6冊目になるのが本書です。
猛暑の8月、東京で謎の死体事件が露見しました。連続強盗事件で逮捕された<相澤直樹>が、「桧原村に死体を埋めた」と自供、供述通り死体は発見されますが、その近くから、死亡時期の異なるもう一つの死体が発見されます。
強盗事件を手伝った縁で現場に駆り出された追跡捜査係の<西川大和>は、取り調べを任されます。
恋人の親に長崎まで出向いていた同僚<沖田大輝>も急きょ呼び戻され、名コンビがいがみ合いながらも事件の真相に辿りついていきます。
著者の作品として、神戸を舞台とした、『無痛』では、強烈な印象を持ちました。
本書『嗤う名医』には、天才的心臓外科医の隠された顔、最高の治療の為には誰にも妥協を許さない名医、患者の嘘を見抜いてしまう医者など、現役の医師が皮肉を交えて医療に携わる人間を描く、ブラックユーモア十分の短篇が6篇納められており、どの作品もにんまりとできました。
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