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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(37)『新任警視(上)』古野まほろ(新潮社文庫)

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著者<古野真帆路>による新潮文庫『新任巡査(上・下)』・『新任刑事(上・下)』に続き、警察組織としての階級が上がり『新任警視(上・下)』ですが、シリーズとしての連続性はなく、それぞれ独立した小説として構成されています。この『新任警視(上)』は、2020年5月に単行本が刊行され、2023年4月1日に文庫本が(上・下)分冊として発売されています。

(上巻)として495ページありますが、ほぼ9割は警察組織の説明で、これはお仕事小説かと思いながら、読み進めるのに疲れました。

筋だけでいえば、東大法学部卒のいわゆる警察キャリアであり、わずか二五歳という若さで警視に昇進した主人公である「司馬達」は、警視としてのキャリアの出発点として、東京を離れ、愛予県警の公安課長として赴任しますが、赴任の前夜に東京出張の愛人「本栖充香」と最後の逢瀬を楽しみ、いざ赴任する前に、前公安課長「宇喜田」が、カルト集団の毒薬「キューピッド」にて警察庁舎内で殺害されるという事件が起こり(上巻)は終わります。

瀬戸内海に面した、レトロな温泉街が有名な愛予県にはカルト集団〈まもなくかなたの〉の総本山があります。また、愛人の「本栖」が憲法学者として務める愛予大学があります。

公安課長として、カルト集団滅亡のため、67人の直属の部下たちを動かし無事に前任者の殺人事件を解決するとともにカルト集団の滅亡の手柄を立てることができるのかが、(下巻)となるようですが、こちらも解説文を含めて542ページあります。
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今年の読書(36)『殺し屋商会』柴田哲孝(双葉文庫)

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『小説推理』に掲載されました4篇と書下ろし1篇を加えた短編小説集として、2023年5月13日に文庫本として発売されています。

面白そうなタイトルで、著者<柴田哲孝>の作品は、『中国毒』を面白く読み終えていますので、手にしてみました。

主人公は、「殺し屋商会 復讐代行相談所」を名乗る「水島亜沙美」と、父「クズリ」譲りのリボルバー「S&W・M36」を使用して殺しを実行する「ロンホワン」です。

前半4篇は、法律でさばききれない事件の犯人への恨みを殺人という代行で復讐を果たす事件が続きます。

元通産相の官僚が、ブレーキとアクセルを間違えて車を暴走させた事件の遺族、歌手の娘が恋人からDVを受けて自殺した俳優の父親、児童虐待で子供を死に追いやった母親とその若い愛人、外道プロダクションに摂取され続けるAV嬢の事件など、どこかで見聞きしたような事件を主軸に、「ロンホワン」の銃が決して許される正義ではありませんが、復讐の代行をしていきます。

最後の一篇は、「ロンホワン」の出自に関して短編でした。意外な週末を迎えますが、自作が読めるのかは今後の期待になりそうです。
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今年の読書(35)『MRエムアール(下)』久坂部羊(幻冬舎文庫)

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(34)『MRエムアール(上)』に続く『MRエムアール(下)』です。

追いつめられた天保薬品酒井営業所長の「紀尾中」とその部下たちは、韓国に出向きライバル社タウロス・ジャパンの新薬「グリンガ」への反転攻勢のため死力を尽くします。

ようやくガイドラインの行方に決着が見えたころ、かねてより「紀尾中」が大学と共同で進めていたがんワクチンの「安富ワクチン」研究を邪魔する新たな敵が今度は社内に現れます。出世欲に燃える上司の妨害に過去の醜聞まで調べられ絶体絶命の「紀尾中」でした。さらに「万代社長」までが、会社利益優先の行動を見せます。常に「患者ファスト」の信念で仕事をこなしてきた「紀尾中」と会社組織との対立を頂点に、医療分野の影の存在の〈MR〉の世界が楽しめ読み応えのある経済小説でした。
#MR #ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(34)『MRエムアール(上)』久坂部羊(幻冬舎文庫)

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医者で作家は数多くいますが、<久坂部羊>もデビュー作品『廃用身』・神戸を舞台とした『無痛』で強烈な印象を持った作家のひとりで、『嗤う名医』以来久しぶりに手にした本書『MRエムアール(上・下)』は、2021年4月に単行本が刊行され、2023年4月10日に文庫本2冊として発売されています。

上巻の書き出しからなかばにかけては、舞台となる大阪に本社を置く中堅製薬会社・天保薬品酒井営業所の社員たちが〈MR〉としての経歴や仕事としての理不尽な体験談の記述が続き、読者に〈MR〉(メディカル・リプレゼンタティブ:医薬情報担当者)という個性ある登場人物たちを顔見世的に描いています。

天保薬品、その堺営業所所長であり、〈MR〉の「紀尾中正樹」は、自社の画期的新薬「バスター5」が高脂血症の「診療ガイドライン」第一選択Aグレードに決定するべく奔走していました。決まれば年間売上が1000億円を超えるブロックバスター(=メガヒット商品)化が現実化します。ところが、難攻不落で〈MR〉泣かせの大御所医科大学学長からようやく内定を得た矢先、治験の論文発表の場で外資のライバル社タウロス・ジャパンの「鮫島淳」による苛烈な妨害工作によって、一転「バスター5」はコンプライアンス違反に問われてしまいます。

窮地に追い込まれた「紀尾中」以下、堺営業所MRチームの社員はタウロス・ジャパンの新薬「グリンガ」の治験データーに疑問を持ち、調べ始めます。息を持つかせぬ文章力で、医薬業界の表と裏を描いたビジネス小説が楽しめた上巻でした。
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今年の読書(33)『輪舞曲(ロンド)』朝井まかて(新潮文庫)

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<朝井まかて>の『輪舞曲(ロンド)』は、2020年4月17日に単行本が刊行され、2023年4月1日に文庫本が発売されています。シーボルトを描いた『先生のお庭番』や植木屋稼業の『ちゃんちゃら』など植物好きとして《植物系小説》として読み始めましたが、小気味よい文体で読みやすく、江戸時代の介護問題を扱った『銀の猫』、江戸随一の遊郭・吉原を舞台とした『落花狼藉』 など、史実に沿った歴史的な主題作品を楽しんできましたが、ついに大正時代の近代に入ってきました。

本書の主人公は「伊澤蘭奢」、「私、女優になるの。どうでも、決めているの」。「松井須磨子」の舞台に胸を貫かれ、27歳で津和野から夫と子を捨て出奔した<三浦繁>は、東京で女優「伊澤蘭奢」へと変身しました。「私、四十になったら死ぬの」とうそぶき、キャリア絶頂で言葉通りに世を去った女の劇的な人生を、愛人の「内藤民治」、恋人の「徳川夢声」、作家「福田清人」ら三人の愛人と息子「伊藤佐喜雄」の目から、その万華鏡のような人生を描いています。

「私、四十になったら死ぬの。」松井須磨子の後を継ぐと目された女優、伊澤蘭奢が口癖の通り早逝します。そして集まった四人の男。愛人兼パトロンである実業家の「内藤民治」、蘭奢が人妻だった頃からの恋人「徳川夢声」、サロンに出入りする帝大生の「福田清人」、そして生き別れの息子「伊藤佐喜雄」は、「伊澤蘭奢」の遺稿集を発行する話し合いのために集う場面から物語は幕開けです。その後、彼らそれぞれが見た「蘭奢」の姿が、一人ひとりの語りで紡がれていき、〈輪舞曲〉のように男たちを幻惑しながらもひとすじに生きた一人の女の姿を浮かび上がらせていきます。

大正期から昭和にかけてが舞台で、当時の世情や演劇業界や映画史の実情がよくわかり、別の意味でも著者の取材力の綿密さに感心しながら面白く読み終えました。やはり目が離せない作家の一人です。
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今年の読書(32)『お探し物は図書室まで』青山美智子(ポプラ文庫)

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単行本としては2020年11月に刊行、文庫本として2023年3月5日に発売されています、<青山美智子>の『お探し物は図書室まで』の文庫本の帯には「2021年本屋大賞第2位!」の文字、タイトルに「図書室」とくれば、気になる一冊として手に取りました。

それぞれ独立した5つの短篇が収められています。最後は各短篇の登場人物たちが見事に関連してくるという構成力の高さに感心して読み終えました。

自分の生き方や転職、ニート生活・退職後のすごしかたなど、それぞれの人生に悩む人々が、ふとしたきっかけで小学校に併設されたコミュニティーハウス内にある小さな図書室を訪れたところから物語は始まります。

図書室には司書見習の「森永のぞみ」とレファレンス担当の司書「小町さゆり」がいます。不愛想なのにどうしてだか聞き上手で、彼らの探している本だけでなく、関係ないと思われる本をセレクトして一冊追加して教えてくれます。そして羊毛フェルトでつくられたその人専ならではの可愛い付録のキーホルダーと共にてわたしてくれます。

各登場人物たちは、「小町さゆり」が特別に選んでくれた一冊を通して、自分自身が本当に「探している物」に気がつき、人生の新しい一歩を踏み出していく明日への活力が満ちていく心温まる物語でした。

「森永のぞみ」と司書の「小町さゆり」との関係も一つの物語が隠されていてこちらも心温まる伏線となっています、
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今年の読書(31)『SWITCH Vol.41 No.6』(スイッチ・パブリッシング)

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俳優<安藤サクラ>(37)が表紙と巻頭を飾る月刊誌『SWITCH Vol.41 No.6』(スイッチ・パブリッシング)が、5月20日に発売されています。

 同号では「特集『怪物』が描くもの」と題し、<是枝裕和>が監督、<坂元裕二>が脚本、故<坂本龍一>さんが音楽を担った映画『怪物』が特集されています。巻頭には、同作に主要キャストとして出演した<安藤サクラ>の撮り下ろしフォトストーリーのほか、彼女が出演に至った過程や撮影現場について語るインタビューが収録されています。

 また、<是枝裕和>へのロングインタビューでは、初タッグを組んだ<坂元裕二>が過去に手がけたドラマから好きな5作品を挙げて魅力を伝える記事も掲載されています。

また<永山瑛太>が<是枝裕和>と<坂元裕二>の〈すごみ〉を語るインタビューや、物語の軸となる2人の青年を演じた<黒川想矢>と<柊木陽太>、同作の企画・プロデュースを務めた<川村元気>と<山田兼司>のインタビューも収められています。

2023年6月2日より全国で公開される『怪物』では、ある郊外の学校で起きた子供同士の喧嘩が、大人や社会、メディアを巻き込んで大事になり、嵐の朝、子供たちが忽然と姿を消す様子が描かれています。シングルマザーの「早織」を<安藤サクラ>、教師「保利」を<永山瑛太>、早織の息子「湊」を<黒川想矢>、湊の同級生「依里」を<柊木陽太>が演じています。
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今年の読書(30)『映画 水は海に向かって流れる×広瀬すず』

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映画『水は海に向かって流れる』が、2023年6月9日より公開されますが、公式フォトブック『映画 水は海に向かって流れる×広瀬すず』(講談社)が、5月10日に発売されています。

 <田島列島>の同名マンガをもとにした『水は海に向かって流れる』は、過去の出来事から心を閉ざしたワケありOL「榊千紗」と、彼女が暮らすシェアハウスに入居してきた高校生「熊沢直達」の物語です。

<広瀬すず>が「榊千紗」、<大西利空>が「熊沢直達」を演じ、<高良健吾>、<戸塚純貴>、<當真あみ>、<生瀬勝久>がキャストに名を連ねています。『ロストケア』(2023年)の<前田哲>が監督を務めています。

フォトブック『映画 水は海に向かって流れる×広瀬すず』には、メイキング写真やオフショット、<広瀬すず>のインタビューを収録。<田島列島>と<広瀬すず>の対談も掲載されています。また<前田哲>とプロデューサー<近藤あゆみ>の対談、脚本を手がけた<大島里美>のインタビュー、シェアハウスの美術セットに関する裏話も収録されています。
#フォトブック #ブログ #読書

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今年の読書(29)『クスノキの番人』東野圭吾(実業之日本社文庫)

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本書『クスノキの番人』は、著者<東野圭吾>の作家生活35周年でかつ書下ろしという注目の作品として、2020年3月17日に単行本が刊行されていますが、2023年4月15日に文庫本が発売されています。

幼いころに母を亡くし、祖母に育てられた「直井玲斗」は、早く独立すべく機械工場に就職しますが、不当な理由で職場を解雇され、その腹いせに工場に盗みに入り逮捕されてしまいます。

工場経営者の素行の悪さを並べ立て同情を買おうと取調官に訴えますが、その甲斐もなく送検、起訴を待つ身となってしまいます。そんな時、依頼人の命令を聞くなら釈放するという弁護士が現れます。依頼人に心当たりはないのですが、このままでは刑務所生活は間違いがなく、「玲斗」は釈放条件に従うことにします。

依頼人の待つ場所へ向かいますと、底には年配の女性「柳澤千舟」が待っていました。「千舟」と名乗るその女性は驚くことに母「美千惠」の姉だといいます。そして、あまり褒められた生き方をせず、将来の展望もないと言う「玲斗」に対する彼女の命令は、「月郷神社の境内にあるクスノキの番人」をすることでした。

願いを叶えてくれると評判のパワースポットとして名高い場所のようで、「玲斗」は、単なる祈願の聖地だとしか知らされておらず、そのクスノキには思わぬ力がそなわっていることを、日々の業務の中で、わかり始めます。

クスノキの本当の姿、あわせて、母にまつわる人生、「千舟」の人生が巧みに組み込まれ、なるほど<東野>作品だと思わせる(483ページ)の長編ながら、一気に最後まで引き込まれる内容でした、
#ブログ #文庫本 #読書

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今年の読書(28)『禁断領域イックンジュッキの棲む森』美原さつき(宝島社文庫)

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今年の読書(28)『禁断領域イ...
<美原さつき>の『禁断領域イックンジュッキの棲む森』は、第21回「このミステリーがすごい!」大賞・文庫グランプリ受賞作で、2023年3月21日に文庫本として発売されています。

大学院で霊長類学を研究する大学院生「父堂季華」が所属する霊長類研究室に、米国企業「ゴールドフロンティア」から密林のコンゴでの道路建設に関するアセスメントへの協力依頼が舞い込みます。
調査対象である「ボノボ」の生息地を目指してコンゴの大地を進む調査隊でした。彼らは森の中から、「モノキ」に村を全滅させられたと逃げてきた少年「ビーリャ」に出会います。その矢先、調査地付近の、休憩地の村で人々が何者かに惨殺される場面に遭遇します。

学会から干されている霊長類研究者「広瀬」の唱えていた幻の類人猿の「ライオンイーター」と思える残虐的な殺戮場面や、反面に「父堂季華」が研究目的とする「ボノボ」への敬愛など、猿やオラウータンといった霊長類に関する学術的記述や関西弁の指導教官「黒澤教授」、米国企業の「ヴィクター・リオス」といった個性ある登場人物たちが交差する構成で、話の展開に引き込まれ、一気呵成に読ませる内容でした。

何より密林に潜む「幻の類人猿・ライオンイーター」なのか「モノキ」なのか、新種の霊長類なのかと、謎の生物の正体が気になりコンゴの密林にくぎ付けでした。

アフリカの開発問題、自然界の動物の環境等、考えさせられる問題を定義している面もあり、終末は<マイケル・クライトン>張りの冒険アクション場面になりますが、身長150センチしかない勝気な「父堂季華」と〈イックンジュッキ〉のメスたちと少年「ビーリャ」の対立の顛末は、意外でした。
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