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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(19)『オイアウエ漂流記』荻原浩(新潮文庫)

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今年の読書(19)『オイアウエ...
トンガ王国にゴルフ場開発のため、スポンサーである「泰宝グループ」会長の長男<野々村>を現地視察させるために「パラダイス土地開発」の社員4名が、ウララ航空で別の島にゴルフに出かけた際、悪天候のために遭難、無人島に流されるところから物語は始まります。

無人島を舞台にした小説には、 『東京島』 <桐野夏生>が印象的でしたが、これまたどのような結末になるのかと、期待して読み始めました。

小さなプロペラ機には、新婚旅行中の二人、戦友の慰霊の旅に出た元日本兵の84歳の老人とその孫の小学生<仁太>、自然環境を守ろうとするテロリスト「マリガーディアン」の<サイモン>、そして犬<カーゴ>が同乗していました。

10人と一匹の犬が、文明的なモノが何もない中、「生きて帰りたい」という気持ちを持ち続けながらの共同生活が始まります。

無人島においても会社組織の上下関係をあからさまに誇示する上司のもと、平社員の<塚本賢司>は走り回されますが、それぞれの登場人物たちの性格付けがよく表されており、最後の一ページ迄どうなるのかと、ワクワクしながらサバイバル小説が楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(18)『嫌な女』桂望実(光文社文庫)

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今年の読書(18)『嫌な女』桂...
読み始めはのめり込むような内容ではないかなと感じたのですが、最後のページを読み終えたとき、「これはとてもいい一冊に当たった」というのが、正直な感想です。

主人公<石田徹子>は弁護士で、遠戚にあたる<小谷夏子>は7歳の時に嫌な思い出を持つ相手で、弁護士になりたての頃、結婚詐欺師としての<夏子>のトラブルに関与し無事に解決します。

第1章から第8章まで、この<夏子>のトラブルを扱っており、結婚詐欺師・絵画の取引・旅館の仲居・ペット産業・お見合いサークル等、様々なトラブルを起こしながら日本各地を転々としていきますが、<夏子>自身は登場することなく、あくまで<夏子>と接したことのある人物たちの人物評でしか語られません。

<夏子>の男に取りいるしたたかな性格と正反対の<徹子>ですが、いつしか読み手は弁護士としての<徹子>の歩んできた姿勢に共感を覚え、ラストは涙してしまう感動場面で終わります。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(17)『報復連鎖』濱嘉之(文春文庫)

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今年の読書(17)『報復連鎖』...
<警視庁公安部・青山望>シリーズとして、 『完全黙秘』 ・ 『政界汚染』 に次いで三巻目になる『報復連鎖』です。

青森県大間から築地市場に届いたマグロの木箱の中のひとつに、氷詰めされた死体が発見されます。
麻布署の警備課長に移動した<青山>は、同期の築地署刑事課長の<龍>と協力して情報を集めますが、元暴走族グループの二つが浮かび上がり、チャイニーズマフイアとの抗争が原因だと分かり始めます。

主人公<青山>のするどい観察眼と情報分析を主軸に、中国の社会状況を絡み合わせ、暴対法の盲点である「半グレ」と呼ばれる暴走族上がりの現状を横線として、大きなスケール展開が楽しめました。

今回は同期の4人中、<大和田>が出てきませんでしたが、皆管理職警部となり、六ヶ月後には警視に昇進しています。
職責の肩書きが上がると共に、重要なポストに付きますので、新たなる事件の展開が期待できるシリーズになりそうです。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(16)『闇の警視 乱射』阿木慎太郎(祥伝社文庫)

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今年の読書(16)『闇の警視 ...
関東を中心とした暴力団「新和平連合」の会長<新田>暗殺に絡み、東京駅構内で、報復の乱射事件が起こり多くの市民が巻き添えの犠牲になりました。

<新田>亡きあと、直系の二次団体「形勝会」の会長<武田真>側に多くの傘下団体が結集し始めたのを、会長暗殺の指示した「新和平連合」の会長代理<品田>や、暗殺を画索した「玉城組」の<杉田>組長たちは、<武田>の暗殺のためにロシアマフィアの暗殺者を雇い入れます。

暴力団せん滅のため、警視庁の<青山>は、元警察官の<神木剛>をリーダーとする超法規的処置の極秘グループを結成、「新和平連合」解体に向けて動き出します。

暴力団体が数多く登場しますが、裏社会としての縦・横の古い体質の中での抗争が楽しめた一冊でした。
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今年の読書(15)『証し』矢口敦子(幻冬舎文庫)

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今年の読書(15)『証し』矢口...
著者の前作 『償い』 に次ぐ(幻冬舎文庫)として2冊目です。

アメリカに渡り生活苦のために自分の卵子を売った<朝倉木綿子>は、自分が癌に罹り子供の産めない体になったとき、16歳になろうかという子供を探偵により見つけ出します。

おりしも見つけ出した<柏木恵哉>は、一家4人殺害事件の容疑者として警察が出向いたときに窓から逃げ出し、マンションの屋上から飛び降り自殺をしてしまいます。
<木綿子>は<恵哉>が真犯人とは思えず、育ての親<絹恵>から交友関係の情報を聞きだし、同じく探偵を雇い自らも事件の真相を探り始めます。

現代医学のもたらす卵子や精子の提供者と、「氏より育ち」といわれる育ての親の問題を、ミステリー仕立てでの問題提議だと感じさせる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(14)『隻眼の少女』麻耶雄崇(文春文庫)

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今年の読書(14)『隻眼の少女...
母親を父親に殺され、その父親を事故死に見せかけて殺した大学生の<種田静馬>は、以前に訪れた山奥の栖刈村で自殺を図ろうと出向くのですが、そこで少女の首切り事件と遭遇してしまいます。

同じ温泉宿に泊まっていたのは、名探偵の誉れ高い<御陵(みささぎ)みかげ>の娘で、母と同じ探偵を目指す修業中の隻眼の少女とその父親でした。

殺された少女<春菜>は、千年以上昔、村に現れる龍を退治したとされる<スガル>の直系で、琴折家の三つ子のひとりの長女でした。

女系家族を中心とした琴折家を舞台として<スガル>伝説が絡み合わうなか、<みかげ>は<静馬>を助手として捜査に乗り出すのですが、二女・三女と<スガル>を継がなければいけない子供たちが殺され、また<みかげ>の父親も事件に巻き込まれ殺されてしまいます。

物語は18年の時を経て二部構成を取り、推理小説ファンなら「こうなるのだろうと」と予測をしている通りの展開になります。「なんだやはり・・・」となるのですが、二転三転のおもわぬどんでん返しが待ち受けています。
日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞した構成力、なるほど思わせる500ページでした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(13)『働かないアリに意義がある』長谷川英祐(MF新書)

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今年の読書(13)『働かないア...
文字制限のため略称で(MF)と書きましたが、(メディアファクトリー新書)のことです。

進化生物学者として、<アリ>の世界にその社会性や巣の意義、遺伝的な問題を分かり易く表しており、昆虫好きの方以外にも人間社会と比べるテキストとして面白く読める一冊だとおもいます。

観察対象の<アリ>だけでも、「ハキリアリ」・「キイロヒメアリ」・「シワクシケアリ」・「クビレハリアイ」等何種類にもわたり、単なる<アリ>というひとくくり出来ない世界が楽しめました。

それぞれの種による<女王アリ>や<ワーカー(働きアリ)>、<兵隊アリ>たちの特性が面白く、「なるほど」と驚きながら読み終えました。
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今年の読書(12)『列石の暗号』サム・クリスター(新潮文庫)

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今年の読書(12)『列石の暗号...
物語は、5000年前から続く<聖なる神々>を崇めるカルト集団が、生け贄を捧げる儀式の場面から始まります。

主人公<ギデオン>は、疎遠になっている拳銃自殺をした天文学者の父<ナサニエル>の故郷に戻ってきますが、遺書を読み、偶然に隠し部屋にある暗号で書かれた日記を発見、カルト集団の陰謀にひとり立ち向かいます。

「ストーンヘンジ」の巨大石群を舞台に、カルト集団の陰謀と、<ナサニエル>の自殺事件や、アメリカ副大統領の娘の誘拐事件を絡め、女性敏腕刑事<ミーガン・ベーカー>の捜査と私生活が交差しながら物語は進んでいきます。

<ギデオン>に関する思わぬ出生の秘密も絡まり、息もつかせぬ展開で、最後まで一気に読み進めました。
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今年の読書(11)『羽生善治と現代』梅田望夫(中公文庫)

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今年の読書(11)『羽生善治と...
乱読していますといろんな面で、どこでどうつながるのか分からない面白さがあります。
著者は1994年からシリコンバレーにて、IT関連のコンサルタント会社を経営しており、以前に 『ウェブ進化論』 を読んだことがあるのですが、将棋が好きだとは知りませんでした。

この一冊は著者が書かれた既刊単行本2冊を再編集し、新たなる追加の章を設けて構成されています。

将棋界の歴代記録を塗る替え続ける<羽生善治>に焦点を当てながら、IT業界の立場として、「人間がコンピューターに破れる日がくるとき、果たして棋士という職業がなりたつのか」という問題定義を掲げながら、将棋も野球やサッカーと同様に<見て楽しむ>ことも考えなければいけないと語られています。

自ら各タイトル戦のリアルタイムで観戦記事の情報発信をされながら、広く日本の文化としての将棋が普及する願いが、よく読みとれました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(10)『凍花(いてばな)』斉木香津(双葉文庫)

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今年の読書(10)『凍花(いて...
三姉妹の長女<百合>(27歳)が、二女の<梨花>(25歳)を殺害した場面から物語は始まります。

才色兼備で仕事も順調にこなしてきた<百合>に一体何が起こったのか、三女の<柚香>(21歳)は、自首後に動機を語ることもなく口を閉ざしたままの姉の真実を探そうと動き出します。

<百合>が綴っていたブログの存在を知り、読者や<百合>の過去を知る人物たちの話しから、自分の知っている<百合>とはかけ離れた姉の人物像が浮かび上がりますが、偶然に見つけた姉の日記を通し、改めて<百合>の長女としての苦悩が分かってきます。

ミステリーの範疇なのでしょうが、登場人物達の緻密な構成と人間の内部に踏み込んだ心理描写、微妙な心の動きが表現された作品で、今後の作品が気になる作家として読み終えました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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