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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(12)『列石の暗号』サム・クリスター(新潮文庫)

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今年の読書(12)『列石の暗号...
物語は、5000年前から続く<聖なる神々>を崇めるカルト集団が、生け贄を捧げる儀式の場面から始まります。

主人公<ギデオン>は、疎遠になっている拳銃自殺をした天文学者の父<ナサニエル>の故郷に戻ってきますが、遺書を読み、偶然に隠し部屋にある暗号で書かれた日記を発見、カルト集団の陰謀にひとり立ち向かいます。

「ストーンヘンジ」の巨大石群を舞台に、カルト集団の陰謀と、<ナサニエル>の自殺事件や、アメリカ副大統領の娘の誘拐事件を絡め、女性敏腕刑事<ミーガン・ベーカー>の捜査と私生活が交差しながら物語は進んでいきます。

<ギデオン>に関する思わぬ出生の秘密も絡まり、息もつかせぬ展開で、最後まで一気に読み進めました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(11)『羽生善治と現代』梅田望夫(中公文庫)

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今年の読書(11)『羽生善治と...
乱読していますといろんな面で、どこでどうつながるのか分からない面白さがあります。
著者は1994年からシリコンバレーにて、IT関連のコンサルタント会社を経営しており、以前に 『ウェブ進化論』 を読んだことがあるのですが、将棋が好きだとは知りませんでした。

この一冊は著者が書かれた既刊単行本2冊を再編集し、新たなる追加の章を設けて構成されています。

将棋界の歴代記録を塗る替え続ける<羽生善治>に焦点を当てながら、IT業界の立場として、「人間がコンピューターに破れる日がくるとき、果たして棋士という職業がなりたつのか」という問題定義を掲げながら、将棋も野球やサッカーと同様に<見て楽しむ>ことも考えなければいけないと語られています。

自ら各タイトル戦のリアルタイムで観戦記事の情報発信をされながら、広く日本の文化としての将棋が普及する願いが、よく読みとれました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(10)『凍花(いてばな)』斉木香津(双葉文庫)

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今年の読書(10)『凍花(いて...
三姉妹の長女<百合>(27歳)が、二女の<梨花>(25歳)を殺害した場面から物語は始まります。

才色兼備で仕事も順調にこなしてきた<百合>に一体何が起こったのか、三女の<柚香>(21歳)は、自首後に動機を語ることもなく口を閉ざしたままの姉の真実を探そうと動き出します。

<百合>が綴っていたブログの存在を知り、読者や<百合>の過去を知る人物たちの話しから、自分の知っている<百合>とはかけ離れた姉の人物像が浮かび上がりますが、偶然に見つけた姉の日記を通し、改めて<百合>の長女としての苦悩が分かってきます。

ミステリーの範疇なのでしょうが、登場人物達の緻密な構成と人間の内部に踏み込んだ心理描写、微妙な心の動きが表現された作品で、今後の作品が気になる作家として読み終えました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(9)『日光代参:新・古着屋総兵衛3』佐伯泰英(新潮文庫)

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今年の読書(9)『日光代参:新...
徳川家康の命を受け表向きは古着を扱う大黒屋として、裏の顔はいざという時に武力を持って隠れ旗本として将軍家に代々使えてきた鷺沢一族の連絡役「影様」が、何やら不審な動きを見せる前作 『百年の呪い』 でした。

将軍家と鳶沢一族の連絡役としての「影様」こと御側衆<本郷康秀>が、将軍家斉の代参として、日光東照宮に出向くことになり、第10代目古着屋総兵衛勝臣は<本郷康秀>の極秘の代参を訝り、部下の<百蔵>・<天松>を伴って一行を追いかけます。

本来「影様」として鳶沢一族と一心同体の「影様」ですが、裏側で鳶沢一族と交易面で敵対する薩摩島津藩と共謀、大黒屋を乗っ取る陰謀が分かり<勝臣>は、一族を守るために、<本郷康秀>の野望を打ち砕きます。

これと並行して、大黒屋の貿易船「大黒丸」、<勝臣>が母国の交趾(ベトナム)から一族で乗船してきた「イマサカ号」の修理も終わり、いよよ外洋の交易に出向こうとするところで第三巻は終わります。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(8)『百年の呪い:新・古着屋総兵衛2』佐伯泰英(新潮文庫)

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<新・古着屋総兵衛>シリーズとして、前作 『血に非ず』 で無事に第10代総兵衛を継いだ<勝臣>でしたが、異国の地ということもあるのか頭痛を感じる日々が続いていました。

第9代目も若死にしたということもあり、<勝臣>は、ベトナムから同行させていた今坂一族の卜師<梅香林>に視てもらうと、大黒屋の敷地を囲むように「闇四陣」の呪いを掛けられたことが判明します。

またこの「闇四陣」は、鳶沢一族が住む鳶沢村にも掛けられており、<柳沢吉保>が綱吉の亡くなった93年前の宝永6(1709)年に、100年目にして鳶沢一族を滅ぼさんがために仕組まれた呪いでした。

総兵衛たちは、無事にこの「闇四陣」の陰陽師<賀茂日睡>を仕留めますが、相方の風水師<李黒>が、なぜか鳶沢一族と一心同体の「影様」である<本郷康秀>とつながることを突き止めたところで、第二巻目は終わります。
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今年の読書(7)『血に非ず』佐伯泰英(新潮文庫)

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今年の読書(7)『血に非ず』佐...
徳川家康との密約を受け、表向きは古着屋の鑑札をもらい受け、事があるときには隠れ旗本<鳶沢家>としての任務を受けた初代古着屋総兵衛から約200年を経過した享和2(1802)年を舞台に、物語は進みます。

初代古着屋総兵衛に始まり、中興の祖6代目<勝頼>の活躍を経て、7代目<勝成>、8代目<勝雄>との流れは、すでに<古着屋総兵衛>シリーズとして全11巻にて刊行されており、これは<新・古着屋総兵衛>シリーズとしての刊行です。

9代目<勝典>が36歳の若さで労咳のために瀕死の床の中、一族の長老たちの前で「血に非ず」という言葉を残して亡くなります。
そんな折、6代目が大黒丸をもって海外に出向いた際、難破して立ち寄った交趾(ベトナム)にての落胤である<今坂勝臣>が、江戸富沢町の大黒屋に現れます。

第10代目総兵衛と名乗りを上げたとき、その世に「影様」から100年ぶりに呼び出し状が届き、この先怪しげな雲行きが漂う第1巻目の幕開けでした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(6)『死角』マイクル・コナリー(講談社文庫)

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ロサンジェルス市警の殺人課刑事<ハリー・ボッシュ>を主人公に据えたシリーズで、14冊目にあたります。
1992年からのシリーズですので、はや20年を超えて書かれており、当初は「扶桑社文庫」からの刊行で、7話ぐらいまでは続けて読んでいました。

久し振りに読みますと、当時若かりし<ボッシュ>も56歳になり、一度警察を辞めて私立探偵になりましたが、再度ロス市警に戻った背景で事件が進みます。

放射能物質「セシウム」が、妻が監禁されたことにより持ちだした医者が射殺死体で発見され、テロリストの関与が浮かび上がります。 FBIの戦術諜報課のメンバーが主導権を握ろうとする中、<ボッシュ>はあくまでも殺人事件として捜査を進めていきます。
「セシウム」の早期回収だけを目論むFBIと対立しながら、<ボッシュ>独特の捜査が、緊迫する時間の流れの中で展開していきます。

前作『エコ・パーク』がらみの部分もあり、シリーズとして読んでいないハンデを感じましたが、ロス市警復帰後の初事件として<ボッシュ>の手並みが十分楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(5)『愛おしい骨』キャロル・オコンネル(創元推理文庫)

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今年の読書(5)『愛おしい骨』...
ミステリー史上もっともクールなヒロインとして、ニューヨーク市警巡査部長<キャシー・マロリー>シリーズ(9冊)で有名な<キャロル・オコンネル>ですが、これはノン・シリーズとして2冊目になります。

カリフォルニア州の北西部の広大な森林に隣接する小さな町コヴェントリーが舞台です。
主人公の<オーレン>は、17歳の時に2歳年下の写真好きの弟<ジョシュア>を、森の中で見失います。住民総出の救出作業も無駄に終わり、<オーレン>は街を去り、軍隊に入りましたが、母親代わりの育ててくれた家政婦<ハンナ>の手紙により、20年ぶりに父の住む故郷の街に戻ってきます。

<ハンナ>からの手紙で、弟らしき「骨」が自宅の玄関先に置かれ続けることを知り、軍隊では刑事として活躍していた<オーレン>の捜査が始まります。

登場する人物たち誰でもが犯人として考えられる状況描写にともない、登場人物たちの人間性が細かく描写されているのは、さすが著者の技量です。
いつもながら、作品全体に散りばめられた伏線の見事さに驚かされる構成の510ページという長編ですが、一気に最後まで読まざるをえない一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(4)『鬼』高橋克彦(日経文芸文庫)

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今年の読書(4)『鬼』高橋克彦...
本書は、タイトルにあるように「鬼」を主題にした短篇が5話まとめられています。

貞観8(866)年の<応天門の変>から永祚元(989)年の123年間の時代を背景に、「陰陽寮」に所属する陰陽師たちの物語です。

登場する陰陽師たちは、<滋岡川人>・<弓削是雄>・<加茂忠行>・<加茂保憲>、そして<安倍清明>です。

悪霊・怪異などのあやかしの物語ですが、平安時代の都を舞台に、出世欲に取り付かれた政事の裏側をも描いており、”いつの世でも人は鬼より怖い” ・ ”げに、人の心はおそろしきものよ”との文言は、いい得て妙でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(3)『見当たり捜査25時』姉小路祐(徳間文庫)

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今年の読書(3)『見当たり捜査...
指名手配者の顔写真を記憶に刻み、繁華街やパチンコ店などで犯人を発見する任務を「見当たり捜査」と呼び、大阪府警捜査共助課通天閣分室を舞台として物語は進みます。

主人公は<逃げ得はゆるさない>を信念に捜査に励んでいる<浦石大輔>と女性警察官で市民啓蒙の部所に配属されている<姫子>の、<浦石>夫婦です。

熱海にある老舗ホテルを巡る殺人事件が起こり、犯人が大阪に逃亡したという警視庁の捜査依頼で、「見当たり班」は見事に被疑者を逮捕するのですが、被疑者には一卵性双生児の兄弟がおり、捜査はおもわぬ方向に進んでいきます。

法廷小説を読み慣れて刑法に通じている読者には、途中から「これはこうなるな」と結末が読めてしまう展開になるのですが、関西弁の会話とコンビの<浦石>夫婦の活躍が楽しめましたので、「よし」として読み終えました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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