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今年の読書(7)『血に非ず』佐伯泰英(新潮文庫)

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徳川家康との密約を受け、表向きは古着屋の鑑札をもらい受け、事があるときには隠れ旗本<鳶沢家>としての任務を受けた初代古着屋総兵衛から約200年を経過した享和2(1802)年を舞台に、物語は進みます。

初代古着屋総兵衛に始まり、中興の祖6代目<勝頼>の活躍を経て、7代目<勝成>、8代目<勝雄>との流れは、すでに<古着屋総兵衛>シリーズとして全11巻にて刊行されており、これは<新・古着屋総兵衛>シリーズとしての刊行です。

9代目<勝典>が36歳の若さで労咳のために瀕死の床の中、一族の長老たちの前で「血に非ず」という言葉を残して亡くなります。
そんな折、6代目が大黒丸をもって海外に出向いた際、難破して立ち寄った交趾(ベトナム)にての落胤である<今坂勝臣>が、江戸富沢町の大黒屋に現れます。

第10代目総兵衛と名乗りを上げたとき、その世に「影様」から100年ぶりに呼び出し状が届き、この先怪しげな雲行きが漂う第1巻目の幕開けでした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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