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- 今年の読書(10)『凍花(いてばな)』斉木香津(双葉文庫)
三姉妹の長女<百合>(27歳)が、二女の<梨花>(25歳)を殺害した場面から物語は始まります。
才色兼備で仕事も順調にこなしてきた<百合>に一体何が起こったのか、三女の<柚香>(21歳)は、自首後に動機を語ることもなく口を閉ざしたままの姉の真実を探そうと動き出します。
<百合>が綴っていたブログの存在を知り、読者や<百合>の過去を知る人物たちの話しから、自分の知っている<百合>とはかけ離れた姉の人物像が浮かび上がりますが、偶然に見つけた姉の日記を通し、改めて<百合>の長女としての苦悩が分かってきます。
ミステリーの範疇なのでしょうが、登場人物達の緻密な構成と人間の内部に踏み込んだ心理描写、微妙な心の動きが表現された作品で、今後の作品が気になる作家として読み終えました。
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