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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(133)『ミレニアム1』スティーグ・ラーソン(ハヤカワ文庫)

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今年の読書(133)『ミレニア...
経済月刊誌『ミレニアム』の発行責任者<ミカエル>は、友人から聞いた情報を基に大物実業家<ハンス>の違法行為を記事にしますが、相手側の偽情報で名誉棄損で禁固刑を言い渡されてしまいす。

『ミレアム』を辞したあと、大企業の前会長<ヘンリック>から、37年前に起こった姪の<ハリエット>の失踪事件を調査してほしいとの依頼があり、<ハンス>に打撃を与える情報と交換と言う条件に引かれ、殺人事件かとおもえる難事件に乗り出していきます。

副題に「ドラゴン・タトゥーの女」とありますが、<ミカエル>の事件を手伝う助手として、背中にドラゴンの入れ墨を入れた女性調査官<リスベット>が、個性的ないい脇役として登場してきます。

<ヘンリック>一族の過去にまつわる家族の複雑な人間関係流を中心に、複雑な謎が絡み合い、ミステリーの醍醐味が味わえる出来ばえでした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(132)『ダークゾーン』貴志祐介(祥伝社文庫)

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今年の読書(132)『ダークゾ...
『黒い家』では人間の欲望や狂気を描いたホラー小説、『青の炎』では青春ミステリー、『硝子のハンマー』では探偵<榎本>を主人公にと、幅広いジャンルで執筆している著者です。

最近作のこの『ダークゾーン』は、将棋やバーチャルゲームを好む人には受ける内容だとおもいますが、正直ミステリーとして読み終えるには疲れました。

将棋のプロとなるべく奨励会で頑張っている<塚田>は、突然「赤軍」の王として未知なる異空間で蒼然たる殺戮の七番勝負の世界に紛れ込みます。
相手の「青軍」は、奨励会のライバル<奥本>です。
かっての恋人<井口理沙>との関係を、バーチャルな壮絶な戦いの中で、過去の出来事として交互に語られ、最後にたどり着く世界は・・・・。

以前にネットゲームにのめり込む若者を主題にした 『ネトゲ廃人』 を紹介しましたが、まさにバーチャルのゲーム感覚がお好きな方向きの一冊です。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(131)『ハガーマガーを守れ』ロバート・B・パーカー(早川文庫)

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今年の読書(131)『ハガーマ...
私立探偵<スペンサー>を主人公とするシリーズで、全39作中の27作目にあたります。
大好きな作家の一人ですが、2010年1月に亡くなっており、あわてなくても順次読んでいけるなと構えています。

南部ジョージア州の馬主<ウォルター>が、最近自分の持ち馬が銃撃されるという事件が続き、名馬「ハガーマガー」も狙われているということで、犯人を探しだす仕事の依頼が来ます。

<スペンサー>依頼する以前から、厩舎の警備にガードマンが雇われていますが、<ウォルター>の三人娘を中心とする家族関係に不穏な匂いをかぎ取りながら、地元の保安官代理の<ベッカー>や酒場の用心棒<サップ>の協力を得て、真相に近付いていきます。

いつもながら、会話を中心とした軽快な文章は面白く楽しめましたが、相棒の<ホーク>が登場しないのが少し残念でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(130)『いいんだか悪いんだか』林真理子(文春文庫)

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今年の読書(130)『いいんだ...
『週刊文春』にて、2009年1月から12月に掲載されたエッセイがまとめて一冊になっています。

時系列的には4年前の出来事ですが、「建築とイケメン」というタイトルが目にとまり、読んでみる気になりました。(シカゴ訪問の際に感じた、街並みの印象が少し書かれていただけでした)

「ああ~、そういえばこんな出来事もあったよなぁ~」という気楽な気分で、読み終えました。

週刊エッセイということで、一つ一つの文章も短く、洒脱な文体は肩を張ることなく楽しめました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(129)『京都禊ぎ神殺人物語』秋月達郎(新潮文庫)

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今年の読書(129)『京都禊ぎ...
副題に<民俗学者 竹之内晴彦の事件簿>とあるように、民俗学者の<竹之内>が、下宿先の料理旅館の息子であり捜査一課の刑事の<小比類巻ゆたか>との兼ね合いで、京都を舞台として物語は進んでいきます。

上賀茂神社の境内で、素肌に豪華な振袖をまとった若い女性の絞殺死体が発見され、手には二つに折れた破魔矢を持たされていました。
その後下賀茂神社、蚕ノ社の三柱鳥居と同じように素肌に振袖だけの死体が発見されていきます。

着せられていた振袖は、いずれも着物の染色家<八剣正親>の作品で、殺された女性たちはいずれも彼の愛人という立場でした。

上賀茂神社を中心とした歴史的記述や、人身交婚伝説に託された民俗学的な話題を縦糸に、染色家という芸術の世界を横糸に、猟奇的殺人事件が解明されていきます。
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今年の読書(128)『初陣:隠蔽捜査3.5』今野敏(新潮文庫)

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今年の読書(128)『初陣:隠...
前作の 『疑心:隠蔽捜査3』 に続くシリーズ4冊目です。

このシリーズは、東京大学法学部卒のキャリア<竜崎伸也>が主人公です。
エリートコースを歩んでいましたが、息子の不祥事の影響で、大森署の所長に降格人事を受けながら、持ち前の原理原則を貫きながら、警察官としての職務に励んでいます。

今回は「3.5」のナンバーリングですが、主人公の<竜崎>の幼馴染である同期のキャリア<伊丹俊太郎>を主人公に据え、福島県警の本部長から警視庁の部長に就いた流れが、8編の短篇としてまとめられています。

『疑心』で登場した<畠山美奈子>の裏話がタイトル『試練』の短篇に登場、また大森署のはみだし刑事<戸高>の話題も登場したりと、シリーズを読む読者をニタリとさせてくれる内容になっています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(127)『警視庁極秘捜査班』南英男(光文社文庫)

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今年の読書(127)『警視庁極...
日本の警察機構の中は上意下達の世界ですから、個性あるはみ出し刑事は厄介者扱いになります。

そんな厄介者でありながら、実力がありそれぞれ個性のある4人の刑事が、非公式に捜査第一課別室極秘捜査班を任されます。
主任として<剣持>、メンバーには詐欺や汚職の取り締まりをしてきた<雨宮梨乃>、スリ担当だった<徳丸>、暴力団に精通した<城戸>達です。

代々木公園で女性の全裸死体が発見されますが、11年前に発生した強姦事件と手口が同じで、被害者に残された体液も一致するのですが、容疑者には完全なアリバイがあります。
捜査一課の事件捜査とは別行動を取り、組織の命令系統に縛られない極秘捜査班が、刑事の矜持を保ちながら真犯人に迫っていきます。

警視庁の中にこのような部所はありえないとおもいますが、それぞれ個性ある4人の動き方に共感を持ちながら、読み終えました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(126)『ネトゲ廃人』芦﨑治(新潮文庫)

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今年の読書(126)『ネトゲ廃...
なんとも奇妙なタイトルに目が止まりました。
『ネトゲ廃人』とは、「パソコンのオンラインゲーム=ネットゲーム」の中毒者を指す言葉で用いられています。

現実の学業や会社勤めを捨て、部屋に引きこもり現実の社会から逃避してしまった人たちとのインタビューを通じて、ネット社会の一面に踏み込んだ一冊でした。

いまや小学生も参加している仮想社会のネットゲームですが、時間とお金の消費に対する感覚が麻痺している反面、人間関係が構築できない人にとってはありがた逃げ場になっている現実に、改めて驚かされます。

睡眠を取らずにネットゲームに夢中になり、死亡する若者も出ている韓国の現状と取り組みも紹介されており、考えさせられる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(125)『疑心:隠蔽捜査3』今野敏(新潮文庫)

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今年の読書(125)『疑心:隠...
<隠蔽捜査2>の 『果断』 に続く、シリーズ3作目です。

主人公<竜先伸也>は47歳、1作目で息子の不祥事でキャリアとしての道を閉ざされながらも警察を辞めることなく、大森署の署長として左遷された立場で陣頭指揮をとります。
2作目ではたてこもり犯人を、自ら現場に出向き、事件を解決しています。

今回は、アメリカ大統領が訪日するということで、羽田空港を含む第二方面警備本部の本部長として抜擢されますが、階級を飛び越えた本部長の地位は、他の官僚たちの策略だと感じながらも、自分の仕事をこなしていく姿が描かれています。

本部長の秘書として本庁から派遣されてきた<畠山美奈子>に対して、<竜崎>は恋心を抱いてしまい、本部長の責務にありながら、悶々とした気持ちを整理することができません。

警察小説だから事件だけの内容だけではなく、男として家庭を持つ夫として、警察官もごく普通の人間であることを、真正面から切り込んでいる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(124)『偽りの血』笹本稜平(幻冬舎文庫)

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今年の読書(124)『偽りの血...
2007年に刊行された『許さざる者』を、文庫化に当たり改題したのが本書です。
著者お得意の山岳小説と、刑事モノとしてのミステリーを合わせた骨太の作品でした。

アウトドアー関連のルポライター<深沢>の所に、6年前に自殺した兄の件で、自殺する三日前に結婚した<朱美>の依頼で弁護士<楠田>が現れ、他殺かもしれないと打ち明けられます。

弟として、兄が自殺するような性格ではないと考えていただけに、調べてゆくと不仲の父を受取人として多額の保険金が支払われた事実をつかみます。

<楠田>と協力しながら、6年前の真相を突き止めるべく<深座>は突き進んでいきますが、劇的な結末まで息もつかさぬ流れで楽しませてくれる一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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