短い多数の歩脚を持つ、ヤスデ網に属する節足動物の総称として【ヤスデ(馬陸)】と呼ばれています。
「ムカデ(百足)」に似ていますが、生殖口の位置や発生の様式、体節あたりの歩脚の数など、様々な点で異なります。
「ムカデ」は肉食性で小動物などをエサにしていますが、【ヤスデ】は落ち葉や腐葉土などの腐食食性で、毒ある顎を持っていません。
写真は、ヒメヤスデ科フジヤスデ属の仲間で、属として国内では24種が確認されていますが、和名まで分かりません。
フジヤスデ属の特徴として、尾端が尖っています。
「リューガフジヤスデ」は(52節)、「タカノフジヤスデ」は(50節)ありますが、写真の【ヤスデ】は(55節)です。
本来は夜行性で、冬場に活動する珍しい「フジヤスデ属の一種」です。
名称の通り黒い体色をしていますので、白い壁にとまっていますと、すぐに目につきました【クロスズメバチ】です。
ハチ目(膜翅目)スズメバチ科クロスズメバチ属の昆虫で、スズメバチ蜂といえば、黄色い縞模様を思い浮かべますが、この蜂は胸部・腹部とも白色の縞模様が入ります。
スズメバチとしては小さな部類で、女王蜂で15ミリ、写真の働き蜂で10~12ミリ、オスで12~14ミリ程度の体長で、攻撃性は低いです。
越冬した女王蜂は3月下旬ごろから活動を開始しますが、活動時期は極めて長く12月頃まで続きます。
働き蜂は6月から羽化し、オスと新女王蜂は10~12月に羽化します。
基本的に巣は地中に作られ、珍味として「蜂の子」といわれているのが、この【クロスズメバチ】の幼虫や蛹です。
11月に入り気温も下がってきましたので、今年はもう昆虫さんとも出会えないかなと思っておりましたが、昨日は前翅のとれたかわいそうな 「ルリテントウダマシ」 と遭遇いたしました。
今朝がたは、「チョウセンアサガオ」の大きな葉の上に、「サトクダマキモドキ」を見つけました。
よく見ますと、こちらも左の触角がありません。
一本の触覚だけで、バランスのとれた行動が出来るものなのかは分かりませんが、これまたかわいそうな姿に心が痛みます。
花を見つけますと、とにかく近寄り眺めてしまいます。
「ノジギク」の開けかけた蕾に、「おやっ」と目が止まりました。
体長5ミリに満たない、【ルリテントウダマシ】でした。
甲虫目テントウムシダマシ科の昆虫ですが、なんと「甲虫」目と呼ばれる所以の堅い前翅が、右半分ありません。
どうやら、後翅も正常な状態ではなく、特徴あるいかつい前胸背もずれているようです。
どのような出来事を経験してきたのかは想像もできませんが、何とも痛ましい姿です。
無事にこの姿で越冬できるのか、心配で胸が痛みます。
神戸は昨日は雨模様、明日もお天気がよろしくないようです。
わずかの晴れ間を楽しむかのように、【ヤマトシジミ(大和小灰蝶)】が、「ラベンダー」の花で吸い蜜行為をしておりました。
晩夏から秋口にかけて、裏翅の色が薄茶色の【ヤマトシジミ】を見かけることが多くなり、やはりこれは「春型」と「秋型」の色合いがあるのだと確信しました。
人間なら頭に血がのぼるような体勢なのですが、花の中心部に上手くたどり着くには、多少の困難も関係なさそうです。
温暖化の影響でしょうか、今年二度咲きしています「フウセントウワタ」ですが、おかげさまで【ナナホシテントウ】の 「若齢幼虫」 や 「終齢幼虫」 を観察することが出来ました。
明日から神戸は雨模様ですが、秋晴れの爽やかな日差しの中、同じ「フウセントウワタ」の実の上で、成虫の【ナナホシテントウ】を見つけました。
「フウセントウワタ」の実も、さすがに夏場の盛りとは違い大きさも小さく、2~3センチばかりの小粒で、テントウムシさんも危なげにへばりついていました。
今年最後のテントウムシさんのアップになるかもしれず、無事に越冬していただきたいものです。
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昨日にアップしました 【ジョロウグモ(女郎蜘蛛)】 の巣に、オスがおりました。
画面の上の方にいるのが、オスです。
性的に個体の大きさが随分と違いますので、これが同じ蜘蛛の<メスとオス>とは信じがたいですが、同じ巣にへばりついていますのでかろうじてオスだと分かります。
派手やかなメスの色合いとは違い、単純に茶褐色な体色です。
正面から交尾行為に臨みますと、メスに食べられてしまいますので、脱皮後や食事中を狙い、雌の後方当たりでじっと待っています。
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前回アップしました同じメスの 【ジョロウグモ】 さんですが、食欲旺盛らしく、二週間も経たないあいだに、随分とメタボな体型になっていました。
同じ網の中にはオスが交尾を狙ってじっとしているのですが、段違いに体の大きさが違いますので、本当に同じ【ジョロウグモ(女郎蜘蛛)】なのかと、訝ってしまいます。
産卵に向けての栄養も十分のようで、腹部の斑模様もはちきれんばかりに伸び切っていますし、頭部もなんだか小さく見えるほどのメタボな状況です。
お昼寝中でしょうか、「イノコズチ」の葉の上でじっとしている【カナブン(金蚊)】を見つけました。
コウチュウ目(鞘翅目)コガネムシ科ハナムグリ亜科に属する昆虫で、やや大型の「ハナムグリ」の一種です。
一般的にはコガネムシ科全般、特に堅い前翅が金属光沢を持つものを「カナブン」と呼んでいるようです。
頭は四角く、背中が 「アオドウガネ」 のように丸くはなく、平らな形状をしており、全身に緑色や銅色の金属光沢があります。
体型は、 「シロテンハナムグリ」 などとよく似ていますが、彼らとは違い越冬能力はなく、成虫の活動期間は例外なくひと夏で終わります。
11月に入り余命も少ないでしょうが、無事にこの【カナブン】さんは、子孫を残せたのかと気になるところです。
ヒラリヒラリとお疲れの飛び方をしている「蝶」か「蛾」が、木の枝にとまりました。
鼻先の長い<パルピ(下唇髭)>が見て取れ、すぐにタテハチョウ科の 【テングチョウ(天狗蝶)】 だと分かりました。
飛び方がおかしかったのは、前翅も後翅も端部がちぎれてありません。
後翅が短いだけに、前翅の黄色い紋様や白い斑紋が日差しに透けて見えています。
自然の中で生き抜くには、幾多の困難が付きまとうものだと思いますが、裏翅の鱗粉の剥がれ落ちた 「ウラギンシジミ」 や、<尾状突起>のとれた 「ナミアゲハ」 たちを見ていると改めて考えさせられます。
【テングチョウ】は成虫のまま越冬し、早春からまた活動を始めます。
無事にこの冬を乗り切ってほしいと、願わずにはおられません。
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