普段良く見かける【ナナホシテントウ】は、体長が6ミリ程度ですが、今回は9ミリ程度と立派な大きさでした。
好物のアブラムシを食べているときは、 上から観察しましても触角 ぐらいしか見えませんが、珍しくお顔全体が撮影できました。
頭部は表面に点刻があり、複眼の近くに極淡黄色の斑紋があります。
前胸の前端はえぐりこまれたような形状で、その内側は端直になっています。
左右の前に極淡黄色の大きな斑紋がり、これが見た目にはまるで眼のように見えています。
写真を撮り終るのを待ち構えてくれていたのか、このあとはせわしく動き回り、葉の裏側に隠れてしまいました。
体長2.5ミリほどの昆虫が、左手に止まりました。
甲虫目カツオブシムシ科マダラカツオブシムシ属に分類されている、【マダラカツオブシムシ】です。
カツオブシムシ科の幼虫は、たくさんの細毛に覆われて、絹や毛織物などの繊維を餌としている害虫です。成虫はキク科などの花の蜜を、餌としています。
多くの昆虫は、成虫後餌を十分に摂取してから交尾を行いますが、このカツオブシムシ科の昆虫は、成虫になるとすぐに交尾を行い産卵するという行動をとります。
名前通りカツオムシなどが好物のようですが、干からびた動物のタンパクだけを食べ骨は食べないという食性を生かして、脊椎動物の骨格標本作りに利用されています。
カツオブシムシ科としては、日本では約20種ほどが分布しており、 「ヒメマルカツオブシムシ」 以来2種目なりました。
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空き地のヨモギも、この時期グングンと大きく成長しています。密集しているヨモギの葉の上に、仲良く日向ぼっこをしている二匹の【ヤブキリ(藪螽斯)】の幼虫を見つけました。
【ヤブキリ】は、バッタ目キリギリス科キリギリス亜科に分類されていますが、「藪に棲むキリギリス」の意味の名がついています。
夜間の行動が主ですので、バッタと違い長い触角が特徴的です。
お互いに触角の触れ合わない距離を、仲良く保っているのには、感心してしまいます。
成虫の 【ヤブキリ】 は、体長45~55ミリで、頭頂から翅の先まで背面を貫くように褐色の筋が入ります。
幼虫たちはまだ12~3ミリ程度の体長ですが、背中に褐色の筋が一本あるのが分かると思いますが、「キリギリス」の幼虫には筋が二本入ります。
4月頃に(一部は二度越冬して)孵化、2ヶ月ほどで成虫になり、秋口には次世代に引き継ぎです。
「芋虫」・「毛虫」は、チョウ目(鱗翅目)の幼虫で、「蝶」と「蛾」を含みます。
日本国内には、「蝶」として約260種、「蛾」としては約5000種が分類されており、特徴ある姿の「幼虫」ですが、5260分の一を探すのは無理でした
撮影する機会が少ない「脚」が写っていますので、これについてコメントしたいとおもいます。
写真左側が頭部側です。
<胸脚(黒い脚)>が3対6本あり、これが成虫にある本来の脚の部分に当たります。
第3~6腹節にあるのが、<中央部第1~4腹脚>で、「蝶」・「蛾」の幼虫の基本です。
最後に<尾脚>があり、これらが基本的な幼虫の脚の構成です。
第1~3腹脚が退化して、第4腹脚だけなのが、<シャクガ科>の幼虫で、通常 「尺取り虫」 と呼ばれています。
以前にも、 【コアオハナムグリ(小青花潜)】 は紹介していますが、「花潜」と和名がつくだけに、花の中心部に顔を潜らせて蜜や花粉を食べていますので、体全体を写す機会はなかなかありません。
今回は、十分に満腹したのか、雄しべの横で休憩中のようでした。
甲虫目(鞘翅目)コガネムシ科ハナムグリ亜科の昆虫で、都会でも割と見かける部類に入ります。
緑色の体に白点をちりばめた紋様が入り、 体長25ミリはある 「シロテンハナムグリ」 と比べて体長11~16ミリと小さなハナムグリです。
体には、ビロード状の産毛がたくさん生えていますので、頭を突っ込みお腹を満たしていますと、花粉でまみれた状態にならざるを得ません。
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ヒラヒラと舞う蝶の姿を見つけ、どこかにとまらないかとしばし足を止めていました。
願いが通じたのか、手の届く場所に休憩してくれましたので、ありがたく写真を撮らせていただきました。
チョウ目(鱗翅目)シロチョウ科モンシロチョウ属に分類されており、 「モンシロチョウ」 が帰化植物と一緒に日本に侵入した経緯とは異なり、【スジグロシロチョウ(筋黒白蝶)】・「ヤマトスジグロシロチョウ」・「エゾスジグロシロチョウ」の3種は日本在来種です。
オスとメス、春型と夏型で、翅の模様が異なりますので、同定するのに悩んでしまい、「エゾ(蝦夷)」ではないのは分かりますが、あえて「ヤマト」の名称は外しました。
うちわ型の「モンシロチョウ」の翅の形に比べて、横長の翅のプロポーションを持ち、こちらの方が大きくて貫禄がある蝶です。
空中でホバリングしながら、器用に角度を変えて飛翔する【ホソヒラタアブ】です。
ハエ目(双翅目)ハエ亜科ホソヒラタアブ属のハナアブの仲間で、体長約11ミリ程度です。
飛翔する10ミリ前後のアブを瞬時に同定するのは種類も多く難しいのですが、この【ホソヒラタアブ】は腹部の各節に黒帯が入る特徴で見分けがつきます。
大きな複眼を持っていますが、前回紹介した【ホソヒラタアブ】は左右の複眼がつながる <オス> でしたが、今回は中心部で分かれていますので、<メス>で、目の形状が違います。
成虫は花の蜜を餌としていますが、幼虫はアブラムシを餌としていますので 「テントウムシ」 と同様に、植物にとってはいい仲間かもしれません。
「ヤハズエンドウ(カラスエンドウ)」 の若い実を、試しに食べてみようかなと観察しておりましたら、【シロスジトモエ(白筋巴)】の幼虫と遭遇いたしました。
カリン糖を細くしたような体型と色合いです。
チョウ目(鱗翅目)ヤガ科シタバガ亜科に分類されている「蛾」で、成虫は濃褐色の地に鮮やかな1本の白い帯が入り、前翅左右に大きな巴状の<眼状紋>が一個ずつ入り、和名の由来です。
幼虫の本来の食草は、「サルトリイバラ」や「シオデ」なのですが、「ヤハズエンドウ」で見つけるとは思いませんでした。
まだまだ蛹になる前の幼虫ですので、元気に動き回っているのかもしれません。
ご近所の団地の法面は、年に何回か下草の処理が行われ、「ニセアカシア」の伐採 もあります。
冬場には土の面が裸のままでしたが、ようやく「ヨモギ」なども大きく育ち始めました。
今は 「マツバウンラン」 と 「コバンソウ」 が一面を覆うように咲き誇り、「マツバウンラン」の蜜を求めて【モンシロチョウ】がヒラヒラと舞っていました。
石垣を登るわけにもいかず、遠目からの撮影になりましたが、なんとか姿を捉えることができました。
みずみずしい緑色の「コバンソウ」の合間を縫うように【モンシロチョウ】の白い体色が舞う様は、春らしいひとコマです。
白色の 「ナニワイバラ」 の花がきれいに咲いているのを眺めていましたら、黒い点に目がとまりました。
白色の花弁ですから目につきましたが、葉の上だと分からないほど小さく、体長3ミリほどの【ヒゲナガホソクチゾウムシ】です。雄しべの花粉とくらべますと、小ささがよく分かるとおもいます。
コウチュウ目ホソクチゾウムシ科ホソクチゾウムシ亜科ホソクチゾウムシ属に分類されています。
「ゾウムシ」は、長い口吻を象の鼻にたとえられたユーモラスな昆虫で、10科に分類され、日本では「ヒゲナガゾウムシ科」・「オトシブミ科」・「ゾウムシ科」など8科が確認されており、キクイムシ科を除くと1000種ほどが知られています。
1000種には程遠く、 「クヌギシギゾウムシ」 ・ 「クワゾウムシ」 に次ぐ3種目のアップです。
小さくても、産卵のときに植物組織に穴を掘るための長い鼻が見て取れ、なんとか同定できました。
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