遺伝学の進歩に大きく貢献した昆虫として、生物・科学分野では非常に有名な【ショウジョウバエ(猩猩蠅)】です。
現在でも、発生生物学のモデル生物としての研究が続けられています。
ハエ目(双翅目)ショウジョバエ科ショウジョバエ属に属する「蠅」の総称で、17亜科に分類され、日本には7亜科が生息しています。
多くの種は体長3ミリ前後(網戸のひとマスが1.5ミリ)と小さいですが、「蠅」独特の擦り手(足?)動作は確認できます。
熟した果実類や樹液、およびそこに発生する天然酵母などを餌としており、病原菌を媒体することはありません。
和名は代表的な種が赤い眼を持ち、酒に好んで集まることから、酒好きで顔の赤い中国の妖怪「猩猩」に因んで名づけられています。
体長としては20ミリ程度ですが、体に比べて脚の長い【スジボソハシリグモ】です。
クモ目キシダグモ科に分類されるハシリグモで、その名の通り素早く走れるようにしっかりとした歩脚を持ち、地上を歩きまわり獲物を探す徘徊性の蜘蛛です。
キシダグモ科の名前は、蜘蛛の研究の先駆者<岸田久吉>に献じて付けられた名称です。
全体に縦長で長く伸びた脚を持ち、さらにそれを四方に伸ばしている姿が特徴的です。
頭胸部・腹部共に素直な形で、いずれも縦長で楕円形に近く、上に盛りあがることもありません。
歩脚は度の脚もよく発達しており、特に短い脚もなく、脚の配置は前向き2本後ろ向き2本の前行性ですが、第三脚がやや横を向いています。
オスが獲物を獲り、これに糸を巻いて塊にしたモノをメスに口移しのようにして求愛行為をする、いわゆる<婚姻給餌>を行います。
後ろ脚のフ節と後ろ脚脛節が、白色の模様を持ち残りの部分は黒色の縞模様ですので、すぐに【アメリカミズアブ】だと分かります。
ハエ目(双翅目)ミズアブ科アメリカミズアブ亜科の昆虫で、第二次世界大戦以後に日本に侵入してきたアメリカ原産の帰化昆虫で,英名では「Black Soldier Fly」(黒い兵士の蠅)です。
体長は15ミリ程度、黒色でやや細長いアブです。翅で隠れて見えていませんが、腹部上部には、1対の白~黄白色の紋があります。
生ゴミや人畜の糞、腐葉土等の有機物が豊富にあるところに発生しますので、衛生的に好まれる昆虫ではありません。
釣り好きの方なら、乾燥させた「蛹」を釣り餌として使われたことがあるのではないでしょうか。
山道を歩いておりましたら、変な飛び方をする昆虫と遭遇、褐色型の【トノサマバッタ(殿様飛蝗)】でした。
バッタ目(直翅目)バッタ科トノサマバッタ亜科に分類される昆虫で、別名「ダイミョウバッタ(大名飛蝗)」と呼ばれています。
体長35~65ミリと大型のバッタで、メスの方がオスよりも大きな体型をしています。
姿に違和感を持ちじっくり見てみますと、なんと右側の後ろ脚が付け根からありません。
天敵に攻撃されたのでしょうか、何ともいたましい旅路の果ての姿で、変な飛び方をした原因が分かりました。
本来はススキなどのイネ科を食草としていますが、昆虫も食べる雑食性もあり、また脱皮中で動けない同じ仲間の同種個体を襲うこともありますので、被害に合いながら逃れてきた姿なのかもしれません。
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コンクリートの壁にいましたが、保護色のような体色ですので、分かりづらい状況でした。
チョウ目(鱗翅目)ドクガ科の【カシワマイマイ】の幼虫です。
体長60ミリほどありますが、何と言っても頭部(左側)の両側と尾端に長い毛束が飛びだした形状が特徴的です。
頭部は茶褐色で前面には太い「ハ」の字状の黒褐色紋が入り、また背中にはコブが2列に並んでいます。
「マイマイガ」 の幼虫もそうですが、ドクガ科の幼虫は腹部第6・7各節背面中央に小突起(背腺)があります。
幼虫は5月頃に孵化、名称通り7月頃までカシワをはじめクヌギ・コナラ・クリ・サクラ等を食草として、8月頃に蛹になります。
今年は「蛾」の幼虫の当たり年のようでよく見かけ、呑み仲間の植木の職人さんも、「今年は毛虫が多い」とぼやかれていましたので、よからぬ異変の前触れでなければいいと按じています。
体長5ミリ程度でしょうか、淡い黄色の翅を持つ小さな【ハンノヒメヨコバイ】です。
カメムシ目ヨコバイ科ヒメヨコバイ亜科の昆虫で、「ヨコバイ(横這)」はセミ類に近い一群で、セミを微小にした姿をしています。
全世界に約20、000種、日本でも約550種が確認されています。
和名の「横這」は、横にずれながら移動する動作から名づけられていま
この種に限らず、昆虫名に「ハンノアオカミキリ」や「ハンノヒメコガネ」と「ハンノ」の名が付いていますが、「ハンノキ」などに関係するのか別の意味があるのかが分かりません。
日常的に「ハエ」と呼び習わしていますが、厳密にいえば、ハエ目(双翅目)に属する昆虫のうち、ハエ亜目(短角亜目)環縫短角群ハエ下目に属する種を指し、日本では60科約3000種が分類されています。
白い壁だけに、黒色の「ハエ」が目につきました。
形状からヤドリバエ(寄生蠅)科だと同定でき、毛が生えている状況から<ハリバエ>の一種だとまでは分類できるのですが、種の確定までは無理でした。
腹部の鋭い毛や、複眼の間にまで毛が生えており、 正に「針」というイメージが伝わります。
「ヤドリバエ(寄生蠅)科」の幼虫は、その名の通り他の昆虫などに捕食寄生して大きくなります。
「ノイエバエ」 のように、衛生面で嫌われる「ハエ」も多いですが、 「ミドリバエ」 のようにきれいな体色の「ハエ」達もいますので、これまた面白い観察ができる「ハエ」の世界です。
童謡『赤とんぼ』の中に出てくる三木露風の歌詞ではありませんが、竿の先ならぬ棒の先にとまっている【シオヤトンボ(塩屋蜻蛉)】です。
トンボのなかでは春一番に活動を開始する【シオヤトンボ】は、夏ごろまでよく目にするのですが、写真を撮るのは一苦労です。
トンボ目トンボ科シオカラトンボ属の昆虫として、「シオカラトンボ」の仲間です。
オスは成熟しますと青白い粉で腹部が覆われ、メスは黄色いままの体色です。
体長は、 「アキアカネ(赤とんぼ)」 とほぼ同じで体長40~50ミリ前後の大きさです。
「シオカラトンボ」 も腹部は青白い粉で覆われていますが、腹部の約3分の1の先端が黒く成っていますので、見分けはすぐにつきます。
今日の神戸の天気予報は曇りでしたが、時折小雨が降るどんよりとしたお天気でした。
「カタツムリ」のように殻を持たない「ナメクジ」は、太陽と乾燥が天敵です。
日没から明け方にかけてが活動時間で、昼間は石の下や湿った枯葉の中でじっとしています。
雨の陽気に誘われたのか、【チャコウラナメクジ(茶甲羅蛞蝓)】がお散歩していました。
ヨーロッパ原産種ですが、第二次世界大戦後に侵入してきた外来種です。
いまや日本にもともといた灰色の「ナメクジ」を追い払い、一般的な「ナメクジ」として<日本の侵略的外来種ワースト100>に選定されています。
和名通り5~6センチある体長全面は茶褐色で、体の前方背面が甲羅状になり、体表には褐色の筋が入っています。
「カタツムリ」と同様に「ナメクジ」は、寄生虫(広東住血線虫)の中間宿主にあたり、素手で触らないことが肝要です。
昆虫好きの方なら、「エダシャク」との名称で、幼虫は「尺取り虫」だとすぐに分かると思います。
幼虫は、バラ科を食草として「ノイバラ」などに枝と擬態した細長い体形で、バラと同じような焦げ茶色のトゲ状の突起を背中に持っています。
チョウ目シャクガ科エダシャク亜科の「蛾」として、本州から九州に分布しており、梅雨時期の6~7月頃に出現してきます。
開張は20ミリ程度の小さな「蛾」としてきれいな黄色の翅をしており、茶(赤)褐色の横線が一本入り、前翅の三分の一程度の外縁も茶(赤)褐色です。
風を受けてタイルの壁に踏ん張っていましたので、運良く翅を閉じた姿で、翅裏と腹部が撮影できました。
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