天狗という名が付く和名通り、鼻(パルピ)が長い特徴を持つ【テングチョウ(天狗蝶)】です。
チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科テングチョウ亜科の本種として、日本には一種しかなく、また亜種は三種ありますが、北海道亜種は絶滅しているようです。
この【テングチョウ】はわりと長命で、成虫のまま越冬する種です。
翅の表側は、緋色の紋や白い紋が見られますが、翅の裏側は枯れた葉に似せた色合いで、冬場の擬態色だと考えられます。
この特徴ある天狗のような鼻(パルピ)も、枯れ枝に似せた擬態かもしれません。
わりと湿気を好む性質のようで、低めの低空飛行を繰り返しながら着地を繰り返し、水たまりなどで給水している姿をよく見かけ、暑い夏場には休眠、また秋に活動を始めます。
白御影石の石垣に、【マイマイガ】が止まっているのを見つけました。
白御影の石目模様と、妙に【マイマイガ(舞舞蛾)】の翅模様が合い、保護色ではありませんが溶け込んだ感じで一体感がありました。
日本を含めて、北半球の温帯のほとんどに広く分布していますが、北アメリカは、カイコガの品種改良として人為的に持ち込まれた種が、繁殖してしまいました。
成虫は<性的二形>が顕著で、オスは茶褐色の翅を持ち、雌は白色の翅に茶褐色の斑が入ります。
オスの成虫は活動的で、日中は雑木林などの中を活発に飛び回り、和名の【舞舞蛾】の由来となっています。
メスは木の幹などに止まってじっとしており、ほとんど飛ぶことはありません。
交尾後に産卵を済ませますと成虫は死に、木の枝や幹などに産みつけられた卵は越冬をして、孵化を待ちます。
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とてもきれいな橙色の【アカシジミ(赤小灰蝶)】は、チョウ目(鱗翅目)シジミチョウ科ミドリシジミ亜科に分類されています。
前翅長は20ミリ前後、翅の橙色は雌雄ともに同色で、翅裏には白帯で縁どられた黄褐色の帯が縦に入ります。
後翅にある一対の<尾状突起>は黒色で細長く、先端は白色をしています。
卵で越冬し、成虫は年1回の羽化、5~6月頃に活動を始め、日中はクリなどの花で静かに吸密行為をなどをしていますが、夕方頃から活発に活動を始めます。
幼虫はブナ科などのコナラ・クヌギ・カシワなどの新芽を食し、成虫もこれらの樹木が茂る雑木林を生活圏として、離れることはありません。
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イタドリの葉の上で、日向ぼっこをしている【ヤブキリ】を見つけました。
6月のこの時期ですし、体長も40ミリを超えていますので、終齢幼虫だとおもいます。
バッタ目キリギリス科キリギリス亜科の昆虫で、「藪に棲む」ところから【ヤブキリ(藪螽斯)】と命名されています。
「キリギリス」とよく似ていますが、頭頂より翅の先端にかけて背面を貫くように褐色の筋が入りますので、すぐに見分けられ、脚の棘も大きくて目立ちます。
写真は<メス>ですが、産卵管は長めで「キリギリス」と異なり真っ直ぐに伸びています。
小さなシジミチョウの「ヤマトシジミ」と「ルリシジミ」などは、翅の黒点の位置ひとつの違いで名称が変わります。
「蜂」や「アブ」なども、腹部の黄色い縞模様の太さや形で、やはり名称が変わりますので、同定するのに気を使います。
その点この【セマダラコガネムシ(背斑黄金虫)】は、個体の色や斑模様の変異が見受けられても、触角のアンテナのように3本に広がる形を見れば同定できますので助かります。
コウチュウ目(鞘翅目)コガネムシ科スジコガネムシ亜科に分類されており、コガネムシ科は20の亜科に分かれています。
今期二度目の登場になる【セマダラコガネ】ですが、前回は頭部と胸部が 「灰褐色」 でしたが今回は「緑色」をしています。
体長8ミリほどの大きさですが、3本に分かれた触角は、かわいくて印象的です。
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体長15~18ミリ程度の小型のアシナガバチですが、攻撃を加えない限り刺されることはありません。
【キボシアシナガバチ(黄星脚長蜂)】は、ハチ目(膜翅目)ズズメバチ科スズメバチ亜科に分類されている「蜂」で、腹部前方に2対の黄色の斑紋があります。
この斑紋から「キボシ」との名称がつけられたわけではなく、巣の六角形の蛹部屋の蓋が、鮮やかな黄色をしているのが「キボシ」の由来です。
黒色と茶色の地味な体色をしており、雑木林や緑地周辺に高さ1メートル前後の位置に巣を作っています。
幼虫は、成虫が運んできた芋虫等の肉団子を食べ、成虫は雑食性です。
学名は「Polistes nipponensis」となっていますので、日本固有種なのかもしれません。
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一見「カミキリムシ」に似た体型ですが、カミキリムシ科ではなく、コウチュウ目(鞘翅目)ジョウカイボン科の昆虫です。
「カミキリムシ」は草木だけを食べますが、この種は小さな昆虫が主食です。
【キンイロジョウカイ(黄色淨海)】は体長20ミリほどで、胸部左右のの黄色と脚半分の黄色が特徴的で、上翅は黒紫色、もしくは紺色に茶褐色が混じった色で光沢があります。
生息地はハンノキ林をともなう環境などの湿地帯を好み、春先の短期間に発生する以外、日本固有種なのに生態的な特性は解明されていません。
絶滅危惧種の指定を出している県も多くあるようで、わたしも初めて身近に観察ができました。
肉食性で強そうなイメージが、平清盛を思わせるのか、その法名である<淨海>が名前の由来とされています。
先月28日に梅雨入り宣言がありましたが、雨は降ることもなく、今朝がたようやく雨が降りました。
小一時間ほどで降りやみ、散歩に出かけた後、また昼から雨模様の神戸です。
6月なかばの梅雨の時期には珍しく、<チョウ目の幼虫>と出会いました。
体長60ミリほどの「毛虫」で、体色も茶褐色一色ですので同定できるかと調べたのですが、成虫の名前まではたどり着けませんでした。
この時期にまだ幼虫ですから、越冬して春先に羽化する種ではないかなと考えたりもしていますが、無事に蛹になってくれることを期待したいです。
ヒラヒラと大きく空を舞う【モンキアゲハ(紋黄揚羽)】は、「オオゴマダラ」や「ナガサキアゲハ」と並び、日本最大級の蝶で、開張寸法は110~140ミリになります。
チョウ目(鱗翅目)アゲハチョウ科アゲハチョウ亜科に分類され、関東以北で見かけることは少ない蝶ですが、ゼラニュームの花に吸蜜行為をしている所に出会いました。
2枚目の写真はホバリング中ですが、前翅を立てた瞬間で、後翅の紋様がきれいに見て取れました。
翅は幅広く、後ろ翅には<尾状突起>があり、色は全体的に黒色ですが、和名通り後翅には大きな黄白色の斑があり、遠目にも【モンキアゲハ】とすぐに見分けがつきます。
この黄白色の斑のまわりには小さな三日月状の赤い斑紋が並び、メスはオスに比べてこの赤紋が大きく入ります。
以前に紹介しました 【マイマイガ(舞舞蛾)】の<蛹> 、 無事に羽化したようで殻が割れていました。
蛹の状態の成長過程はまだまだ研究する余地がある分野で、少しでも外部からの刺激がありますと、羽化まで至りません。
外敵からの捕食も無事に交わしたようで、蛹の抜け殻を見てほっとしました。
この先無事に伴侶を見つけ、初期は毒針を持つ嫌われものの 「毛虫」 さんですが、頑張って子孫を残し、自然環境の循環体系を崩すことがないように、期待したいものです。
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