白色の清楚な花弁の「ナニワイバラ」の枝に、黒い突起状のある「毛虫」を見つけました。
胸脚が退化して1対しかありませんので、俗に言う「尺取虫」です。
チョウ目シャクガ科の幼虫だと特定できますが、それ以降の成虫名までの同定ができません。
日本においては、シャクガ科として約800種ほどが既知種として知られていますが、すべての確認作業は無理です。
「ナニワイバラ」特有の枝の棘が痛くないのかと心配しながら、特徴ある背面の模様を眺めておりました。
後記 : チョウ目(鱗翅目)シャクガ科エダシャク亜科の「シロトビエダシャク」の幼虫でした。
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けっこう毛だらけの、典型的な「蛾」の幼虫(毛虫)の姿ですが、【マイマイガ】の幼虫です。
チョウ目(鱗翅目)ドクガ科マイマイガ属の「蛾」として、北アフリカ・ヨーロッパ・アジア・北アメリカ東部に多く分布し、地域により多数の亜種に分類され、日本産種も4~5亜種に細分化されています。
【マイマイガ(舞舞蛾)】の幼虫は、背面に目立つ二列の点が並び、個体差もありますが、頭部(写真左)側の5対が青色、それ以降の6対は赤色で、最終的には60ミリ前後の体長に成ります。
<性的二形>が顕著で、 オスの翅の色は茶褐色 でメスは白色をしています。
ヒトリヨガリ科の 「クワゴマダラヒトリ」 もタワシのように剛毛の(毛虫)ですが、毛の長さでは、この【マイマイガ】の方が断然勝っています。
飛んでいるときは、大きな蜂だと一瞬ひるみましたが、「ナンテン」の葉の裏側に止まりよく見ると、体長自体は25ミリ程度で、長い触角と長い脚で大きな蜂だと感じたようです。
ハチ目(膜翅目)ヒナバチ科の昆虫で、甲虫や他の蜂や蝶の幼虫に卵を産みつける寄生蜂の仲間です。
日本には約400属、1400種以上が分類されています。
同じ寄生蜂としては、 「ヒメコンボウヤセバチ」 や 「ジガバチ」 などがいますが、どれも幼虫(芋虫・毛虫)を押さえつけるために、長い腹部が特徴的です。
腹部は丸味をおびた棍棒状になはらず、縦に扁平な形状をしています。
体長7ミリほどの<フキバッタ(蕗飛蝗)>の若齢幼虫が、庭にある 「ラミウム」 の葉の上におりました。
体長が小さく、近付きますとピョコンと跳ねて逃げますので、撮影には手こずらされます。
バッタ目(直翅目)バッタ科フキバッタ亜科の昆虫で、世界で120属約900種ほどが分類されています。
日本には13種ほどの<フキバッタ>が知られていますが、翅が退化してありませんので行動範囲が狭く分布域が限られ、ほとんどの種が日本固有種です。
外見が「イナゴ」に似ていますが、翅がなく飛べないモノの多くは「フキバッタ」類とみて間違いがありません。
「ツチイナゴ」 の成虫の眼には、涙のように下に黒筋が入りますが、 <フキバッタ> は眼の後ろ側に水平に黒帯が入りますので、この部分だけみても、「イナゴ」との区別が出来ます。
久し振りに、我が部屋の網戸に昆虫が止まりました。
甲虫目(鞘翅目)カブトムシ亜科コメツキムシ科の【アカアシクロコメツキ】で、体長12ミリほどの小さな「コメツキムシ」です。名称通り、黒い体色に赤色の脚が特徴的です。
「コメツキムシ」というのは、コメツキムシ科に属する昆虫の総称で、「コメツキムシ」という名称の種はありません。
「コメツキムシ」は普段、草や低木の上などに生息していますが、網戸まで飛翔してくれました。
天敵に見つかりますと、足をすくめて<偽死行為(死んだふり)>をし、仰向けにすると自ら跳ねて元に戻る能力を有しています。
「コメツキムシ」は、世界中では約1万種、日本では約600種が確認されている大所帯ですが、いまのところ 「フタモンウバタマコメツキ」 ・ 「アカヒゲヒラタコメツキ」 についでやっと3種目です。
昨日紹介した 「チャバネフユエダシャク」 と同様に、チョウ目シャクガ科エダシャク亜科の【チャエダシャク】の幼虫です。
成虫は、茶褐色・灰褐色のまだら模様の翅に、黒褐色の筋が入っています。
シャクガ科の幼虫の「尺取り虫」らしく、ちょうどU字型に体を持ちあげて移動しておりました。
当初は、5本ばかりの白色の筋がありますが、大きくなるにつれて消えてゆき、最後は2本だけが残ります。
幼虫は4~5月頃に見られ、成虫は初冬の11月頃に孵化して落葉樹などの林で見かけることになりますが、樹木の色合いによく似ていますの、見つけるのは大変です。
「チャバネフユエダシャク」は<性的二型>でメスは翅を持ちませんが、この【チャエダシャク】は、オスの触角が櫛状であるのに対して、メスは糸状の違いで見分けられます。
洋服の織柄のようにきれいな模様をしています、【チャバネフユエダシャク】の幼虫です。
チョウ目シャクガ科エダシャク亜科に属する「蛾」ですが、ヤナギ科・ブナ科・マンサク科・バラ科など、食層も40種を超える多食性であるため、北海道から九州・沖縄まで分布しており、山地にも平地にも産する普通種で、俗にいう「尺取り虫」です。
成虫のオスは名称通り茶色の翅を持ちますが、メスは翅がない<性的二型>で、白と黒のまだら模様を持っています。
成虫は、山地では11月頃、平地では12~1月頃の寒い時期に孵化するシャクガ科のため、「フユエダシャク」の名がついています。
多くの昆虫が冬眠などで活動をしていないときに、メスは翅がありませんので樹の上などの高い所に登り、フェロモンを発散してオスを誘き寄せます。寒い時期が、【チャバネフユエダシャク】の恋の季節です。
体長6ミリほどの大きさですが、緑色の葉の上にいますと朝日に当たり、よく目立ちます。
脚の棘状の毛がたくさん生えていますので、見ればすぐに【ササグモ(笹蜘蛛)】だと分かります。
ササグモ科ササグモ属に分類されている「蜘蛛」で、ササグモ科としてはキノボリササグモ属やクロフササグモ属など9属ありますが、日本にはササグモ属しかおりません。
網を張る<造網性>の蜘蛛ではなく、<徘徊性>で敏捷に動いて餌を確保しますので、農業など害虫の天敵として効果が高く、実際に蠅を駆除させた実績があります。
なんとか真正面から写して、 蜘蛛独特の「眼」の配列 (普通は単眼8個)を撮影したいと考えているのですが、近付くと敏感に感じ逃げてしまいますのでなかなかチャンスに恵まれません。
<チョウ目>の「蝶」や「蛾」の幼虫(毛虫・芋虫)は、成長するにつれて体型や体色や模様も変わるのが多く、昆虫学者でも判別するのは難しい世界です。
暖かくなり活発に幼虫が動き出すシーズンですので、今年は幼虫をできるだけ観察してみようかなと計画しています。
写真の幼虫、どちらも背筋に白い筋が入る特徴があり、灰色の体色と腹横に黄色の模様がありますので、すぐに成虫は同定できるだろうと考えていたのですが、分かりませんでした。
どちらも良く似た幼虫(クリックしますと、大きくなります)なのですが、上側の方が、背中に白い斑点模様が顕著に表れており若干下側の幼虫とは模様が違います。
これが成長過程での体表の変化なのか、個体差なのか、オスとメスの違いなのか、近似の種別の違いなのか、眺めていても素人では結論が出ない悩ましい世界です。
ナニワイバラの花に、頭を突っ込むように雄しべの花粉を食事中の<ハナバチ>を見つけました。
ハチ目(膜翅目)ミツバチ上科の「蜂」で、体長5~15ミリ程度の大きさですが、写真の「蜂」は体長10ミリほどですが、だいたい10ミリ以下の小型種が多く見られます。
体は黒色が一般的で、時に黄色や赤色の斑紋を有しています。
全体に短毛があり、特に腹部各節の白帯模様は顕著な特徴です。
残念ながら代表的な<ハナバチ>の種類は多く、これだという同定ができませんでしたが、後日のために記録として残しておきます。
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