記事検索

神戸:ファルコンの散歩メモ

https://jp.bloguru.com/falcon
  • ハッシュタグ「#読書」の検索結果1834件

今年の読書(63)『眺めのいい部屋売ります』ジル・ジメント(小学館文庫)

スレッド
今年の読書(63)『眺めのいい...
ニューヨークのイースト・ヴィレッジに立つ築106年のアパートには、エレベーターがありません。画家の<アレックス>78歳と元国語教師の妻<ルース>77歳は、45年間、5階の眺めのいい部屋に住んでいました。

子供が無く、ミニチュア・ダックスフントの愛犬<ドロシー>12歳と穏やかな日々を送っていましたが、足腰が弱ってきた彼らは、エレベーター付きのアパートに変わる計画を立て、自宅を売却することに決心します。

明日がオープンハウスというとき、<ドロシー>に椎間板の異常が見つかり急きょ入院手術、またテロリストと思われる人物が、アパートに近いミッドタウン・トンネルでタンクローリー事故を起こし逃亡するという事件が発生します。

物語は終末の金曜日に始まり、<ドロシー>の病気を気にしながらも。自分たちの新しいアパートも探さなければならず、月曜日までの三日間の出来事が描かれています。
老夫婦の洒脱な会話を中心に、合わせて<ドロシー>の目線で語られ、人と動物の織りなすゆるぎない信頼関係に、犬好きとしてはほっと心安らぐ一冊でした。
#本 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(62)『八ヶ岳・やまびこ不動産へようこそ』長田一志(祥伝社文庫)

スレッド
今年の読書(62)『八ヶ岳・や...
本書はプロローグと五つの連作短篇から構成されていますが、不動産を扱っている物語だけに、「第一章」との表示の代わりに「物件Ⅰ」といった言葉が使われています。

日本では同じ住宅としても、建築家は「作品」と呼び、ハウスメーカーはいい「商品」と呼び、不動産業者はいい「物件」と呼び分ける慣習があり、おかしな表現だと思うのですが社会的に認知されているところに、日本の住空間の貧しさを感じてしまいます。

本書の主人公<真鍋智也>は36歳、東京出身ですが仕事を辞め、妻と娘には逃げられ、八ヶ岳が見える町を訪れるのですが、貧血で倒れたところを<やまびこ不動産>の社長の奥さんで専務の<望月真知子>に助けられ、そのまま就職してしまいます。

なぜか彼には、「死にたい」という相手の願望を感じ取る力があり、そのことがそれぞれの物件案内を通し、悲喜こもごもの家族や友人との心の絆のとして描かれ、心地よい人生の再生物語が味わえる一冊でした。
#本 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(61)『無限記憶AXIS』ロバート・C・ウィルソン(創元SF文庫)

スレッド
今年の読書(61)『無限記憶A...
「SF」の分野も大好きで、大御所の<アーサー・C・クラーク>や<アイザック・アシモフ>・<ロバート・A・ハインライン>などはよく読みました。多くの本を処分してきましたが、今手元に残し、数年に一度読み直す単行本が、<ダン・シモンズ>の壮大な物語<ハイペリオン>シリーズ4部作です。

40億年におよぶ地球の相対的時間封鎖を解くと同時に、謎の「仮定体」は、地球と結ぶ巨大なアーチを出現させ、その先は未知の惑星「新世界」とつながっていました。
人類がこのアーチを使い自在に行き来をするようになって30年過ぎたある日、失踪した父親を探すために<リーサ>は夫と共に「新世界」にやってきます。

かたや火星人類の寿命延長措置を受けた「第四期」(幼年期・青年期・成人期をこえた)人たちのもとで、不思議な力を持つ12歳の少年が育てられていましたが、「新世界」に不思議な<灰>が振り注ぎ、「新世界」は一万年からの眠りから目覚めます。

前作『時間封鎖(上・下)』を読んでいないと、少し分かりづらい個所もありますが、「仮定体」として<不完全な自己犠牲および自己集合能力を持つ準有機体>との疑問はそのままで、続編に引き継がれていくようです。
#SF #本 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(60)『藝人春秋』水道橋博士(文春文庫)

スレッド
今年の読書(60)『藝人春秋』...
単行本の刊行は、2012年12月ですので、若干昔のエピソードになりますが、それはそれでその後の芸能生活の流れがよく理解でき、楽しめました。

本書には、芸能界を生き抜く(ライブドアの<堀江貴文>もいます)大御所と呼ばれる人たちを著者の目線から切り崩し、彼らの実態を浮かび上がらせています。

<そのまんま東(東国原英夫)>から始まり、<石倉三郎>・<古舘伊知郎>・<テリー伊藤>・<北野武>・故<ポール牧>たちとのあからさまな日常が描かれ、著者との交友録として面白く読み終えれました。

最後の「あとがき」で、芸能界一の読書家と言われた故<児玉清>さんが登場、奇しくも明日5月16日(2011年)が命日だと知り、これまた不思議な縁に驚いています。
#文庫本 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(59)『巨悪利権』濱嘉之(文春文庫)

スレッド
今年の読書(59)『巨悪利権』...
第1作目の 『完全黙秘』 で始まった<警視庁公安部・青山望>シリーズとして、第5作目の 『濁流資金』 に次ぎ、本書が第6作目です。

大分県湯布院温泉で、岡広組二次団体三代目博福会顧問の<相良陽一>が変死体で発見され、使用されたのが毒矢に塗られた「トリカブト」だと判明します。

「トリカブト」のDNE検査の結果、<青山>は京都の仏像盗難事件で殺された住職の事件との絡みを掴み、岡広組との関連を捜査する過程で、京都の清水組を中心とする宗教団体や病院経営、中国からの爆買ツアーを隠れ蓑にマネーロンダリングや薬物の密輸の核心に迫っていきます。

福岡と京都のヤクザ組織の対立と同様に、中国マフィアと上海マフィアという中国共産党の代理戦争の構図を描き、宿敵の<神宮寺武人>を逮捕する場面で本書は終わります。

同期4人のカルテットの一人である<青山>のみがまだ独身であり、前作から話題に上っている同期<藤中克範>の妻<節子>の従妹である<武末文子>とのお見合い話がようやく実現され、今後の<青山>の動向も気になるシリーズです。
#本 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(58)『濁流資金』濱嘉之(文春文庫)

スレッド
今年の読書(58)『濁流資金』...
<警視庁公安部・青山望>シリーズとして、『機密漏洩』 に次ぎ、5作目が本書です。
仮想通貨の取引をしている「京都ゴックス」の社長<武田良一>が銃殺される事件を発端に事件は始まります。

前作の事件で功績のあった<青山望>を含むノンキャリアの同期カルテット4人は、それぞれ重要な部署に配置換えされ、<青山>は公安部公安総務課に復帰、警察内の情報を一望できる部署で持ち前の能力を発揮していきます。

「京都ゴックス」の捜査にからみ、政財界のホープたち11人が次々と不審死で亡くなる事件が気になる<青山>は、仮想通貨を利用してマネーロンダリングする組織の存在を確信、やがては元暴走族グループの<神宮寺武人>や元広岡組の引退した経済ヤクザ<清水保>に焦点を当てていきます。

警視庁と各県警、捜査部門と公安、キャリアとノンキャリアといった対比も面白く、今後の中国マフィア絡みの展開が楽しみなシリーズです。
#本 #読書

ワオ!と言っているユーザー

神戸ご当地(448)映画『植物図鑑』公開記念キャンペーン

スレッド
神戸ご当地(448)映画『植物...
今朝方の『讀賣新聞』の朝刊三面にて、<有川浩>の 『空飛ぶ広報室』 の広告と合わせて、『植物図鑑』 が、6月4日(土)に松竹配給映画として公開されるのを知りました。

原作『植物図鑑』(角川書店)の表・裏表紙の見返りには、野草たちがカラー写真で掲載されていますので、<有川浩>ファンとして、また花好きとして手にした一冊でした。

どういうつながりがあるのか、このたび『植物図鑑』の映画公開を記念して、神戸市交通局と「そごう神戸店・西神店」が<エコショッピング>キャンペーンを、5月10日(火)から5月29日(日)の期間にて実施されます。

キャンペーンは、市営地下鉄各駅や北神急行電鉄谷上駅窓口でスタンプを押したキャンペーンチラシの裏面に、期間中にそごう店で購入した(2160円)以上のレシートを貼って応募ボックスへ投函すると、抽選で30組60人に本作の映画チケットや「原作本・非販売ポストカードセット」がプレゼントされます。
#映画 #本 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(57)『星々たち』桜木柴乃(実業之日本社)

スレッド
今年の読書(57)『星々たち』...
本書には連作短篇として9篇が収められていますが、幕開けは18歳のときに娘<千春>を生んだ<咲子>が登場、奔放な性格で母親に<咲子>の養育をまかせっきりに、スナックに勤務しているところから物語は始まり、この時<千春>は13歳でした。

第2篇目から<千春>が登場、16歳で隣家の大学生に妊娠させられ、その母親に連れられ子供を堕胎、18歳のときにはススキノの「ろまん座」で<杉原麗>としてストリップ嬢になり、22歳では食品会社の配達員をしていたことにより41歳の<木村晴彦>と結婚しますが、長く続きません。
やがて二度目の結婚で娘<やや子>を産みますが、その生活も波状していきます。

読み手としてはこれは同じ<千春>なのかと訝りながらも、反面母親の人生をも代弁しているのに気づかされていきます。

<咲子>から<千春>、そして<やや子>と北海道を舞台として女三代が歩む人生の哀歌を繋げながら、研ぎ澄ました筆致で昭和から平成の時間軸を背景に見事に浮き彫りしてゆく手法は、直木賞を受賞した 『ホテルローヤル』 と同様に読み応えがありました。
#本 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(56)『説教師』カミラ・レックバリ(集英社文庫)

スレッド
今年の読書(56)『説教師』カ...
<エリカ&パトリック事件簿>シリーズとして、前作 『氷姫』 に次ぐ第2作目が本書です。

親の遺産整理に生まれ故郷のフィエルバッカに戻った35歳の伝記作家の<エリカ>は、前作でかっての親友<アレクス>の殺人現場に遭遇、幼馴染の刑事<パトリック>と捜査に関わり、事件を解決します。

本書で<エリカ>は<パトリック>と生活を始め9か月の妊婦になっていますが、「クスグスクリュタン(国王の洞窟)」と呼ばれる場所で、若い女性の全裸死体が発見され、その下には古い白骨化した2体の骨が発見されました。
検視の結果、白骨化したのは23年前に行方不明になった女性二人だととわかり、俄然捜査は複雑さを増していきます。

<メルバ>署長は、捜査の指揮を<パトリック>に任せ、なぜか珍しく小言も少ないなか、17歳の少女がまた行方不明になる事件が起こります。
カリスマ説教師の一族を巡る複雑な人間関係を主軸として、本書でも<エリカ>の妹<アンナ>の家族問題が絡んできます。

本書で<エリカ>は、大きなお腹と夏の暑さが相まって、仕事らしい仕事もできない状態で、苦労しながらの孤軍奮闘の<パトリック>の敏腕な捜査が楽しめる構成で、618ページを面白く読み終えれました。
#本 #読書

ワオ!と言っているユーザー

今年の読書(55)『氷姫』カミラ・レックバリ(集英社文庫)

スレッド
今年の読書(55)『氷姫』カミ...
副題に<エリカ&パトリック事件簿>とあり、本国のスウェーデンでは人気のシリーズのようで、同じスウェーデン作家<スティーグ・ラーソン>の 『ミレニアム』 シリーズ (1)(2)(3)に次いで読んでみました。

女性の伝記作家である35歳の<エリカ>は両親が亡くなり、ストックホルムから生まれ故郷のフィエルバッカの実家に、遺品整理を兼ねて帰郷してきます。
帰郷早々、23年前に突然姿を消した親友<アレクス>が、自宅の浴槽で手首を切り死んでいるのを発見、彼女の両親から新聞に追悼文を書いてほしいと頼まれ、事件にかかわっていきます。

<アレクス>の夫や共同画廊経営者と接していく過程で、幼馴染の<パトリック>が地元の警察署に勤務していることが分かり、好奇心旺盛な作家として彼と私生活を絡めながら事件の捜査に乗り出していきます。

<エリカ>の妹の<アンア>は、夫から暴力を受けているにも関わらず両親の家を売り出すことを要求してきますし、昔のボーイフレンド<ダーン>は、殺された<アレクス>と不倫関係にあるのがわかるなど、小さな漁師町を舞台として複雑な人間関係が絡み合う重厚な構成に仕上がっています。

鼻持ちならない<メルバリ>署長とは対照的に、同僚の女性事務員<アンニカ>の高い資料作成能力に助けてもらいながら、<パトリック>の地道な捜査は思わぬ結末にたどり着きますが、本国の人気がよくわかるミステリーでした。
#本 #読書

ワオ!と言っているユーザー

  • ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
    ログイン
  • まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
    新規ユーザー登録へ
ハッピー
悲しい
びっくり