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神戸:ファルコンの散歩メモ

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  • ハッシュタグ「#読書」の検索結果1769件

今年の読書(165)『怪談』柳広司(講談社文庫)

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『怪談』といえば、神戸にもゆかりのある <小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)> をおもいだします。

本書も本歌取りではありませんが、納められた6篇の物語も、『耳なし芳一』や『雪おんな』・『ろくろ首』などのタイトルが付けられていて、妖怪や怪奇現象を伴う作品で楽しめます。

特に夢と現実の交錯で恐怖を引き出す『むじな』や、その道の「プロ」としての外科医と刑事の尋問の綾が面白い『ろくろ首』、人間の心の弱さを主体に描かれた『鏡と鐘』など、秀逸な味わいで楽しめた一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(164)『生きているかい?』南木佳士(文春文庫)

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今年の読書(164)『生きてい...
著者の(文春文庫)発行のエッセイ集としては、『こぶしの上のダルマ』 『からだのままに』 『トラや』 と発行順に続けて読んできていましたが、その後の3巻を飛ばして本書を手にしました。

本書は一年間を通して新聞に掲載されたエッセイが52編、著者が内科医として勤務している長野県佐久間市近辺の四季を背景に、綴られています。

著者自身が「うつ病」の経験者として自分と「わたし」を見極めながら、生活の中から人間の生き様を見つめる目線は、日常に宿る大切なものをやさしく描いています。

文中の、<青春時代に戻りたい、などと平気で口にできるひとは信じない。若くてみっともななかった時代を忘れてしまえる能力のあるひととは酒を呑めない>など、さりげない一言に共感を覚えながら読み終えました。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(163)『唐傘小風の幽霊事件帖』高橋由太(幻冬舎時代文庫)

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今年の読書(163)『唐傘小風...
著者の著書は、江戸の町を舞台に妖怪(あやかし)や物の怪(もののけ)・幽霊が多く登場、<大江戸あやかし犯科帳>シリーズの 『雷獣びりびり』 や、<もののけ本所深川事件帖>シリーズとして 『オサキと江戸の歌姫』 などを読んできています。

これも<唐傘小風の幽霊事件帖>シリーズの第一作目で、肩に小さなカラスの<八咫烏>を乗せた無愛想な<小風(こかぜ)>という巫女姿の少女の幽霊と、貧乏寺子屋のひ弱な師匠<信吉>と織りなすドタバタ劇が、気軽に楽しめる一冊でした。

まだシリーズ第一作目と言うことで全貌は見えませんが、<小風>から馬鹿師匠と呼ばれる<信吉>が継いだ寺子屋を取り仕切っていた祖母<卯女(うめ)>の存在が気になりながら読み終えましたので、機会があれば第二作目へと読み継ぎたいと考えています。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(162)『家族トランプ』明野照葉(実業之日本社文庫)

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今年の読書(162)『家族トラ...
主人公<風見窓子>は33歳、出世欲もなく後輩の寿退社をうらやむことなく一人娘として実家で暮らしていますが、同居する両親から「干支三回り宣言」をされ、2年以内に(私たちの目にかなった男と)結婚をするようにとの宣告を受けてしまいます。

SNSの世界で知り合った<桂二>と食事に出向いた際、会社の営業統括本部副部長をしている47歳の独身<有磯潮美>と若い男性が食事をしている場面に遭遇、「鬼女」や「荒磯」と呼ばれているやり手が楽しそうな顔を見せているのに驚かされます。

後日その<潮美>からなぜか声を掛けられ、彼女の実家がある下町三ノ輪にある大衆食堂『磯家』に訪れることになり、<潮美>の家族たちとの交流を通して<窓子>の日常生活が突然変化していきます。

晩婚化が進む時代、更年期に悩む47歳の<潮美>と結婚を迫られている33歳<窓子>の交流を通して、家族とは結婚とは何か?を考えさせられる一冊でした。
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今年の読書(161)『ポリス猫DCの事件簿』若竹七海(光文社文庫)

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今年の読書(161)『ポリス猫...
神奈川県葉崎市の海岸先にある通称「猫島」には、30人ほどの住民と100匹以上の猫がのんびりと暮らしています。

海水浴客がおおくなる夏場だけぷれはぶの臨時派出所ができ、巡査の<七瀬晃>が詰めていますが、相棒は丸顔で目つきに悪いドラ猫<DC(Detective Cat)>です。

個性的な島民と問題のある観光客が引き起こす騒動で、<七瀬>はてんてこ舞いの毎日ですが、<DC>のさりげない行動に手助けされ事件を解決していきます。

四季を通じた9話が連作短篇として納められていますが、未解決の殺人事件などがあり、気になりながら読み進めていますと、ちゃんと結末が用意されており、<DC>の生い立ちも最後にわかるほのぼのとしたミステリー作品が楽しめました。
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今年の読書(160)『ハチはなぜ大量死したのか』ローワン・ジェイコブセン

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今年の読書(160)『ハチはな...
2007年の春までに、北半球から四分の一の<ミツバチ>が忽然と消えてしまいました。
本書はアメリカで2008年9月に出版された全訳に加え、2009年8月に日本に来日した著者が、当時の農林水産大臣<石破茂>への取材が、書き下ろしとして追加されています。

CCD(蜂群崩壊症候群)と呼ばれる大きな括りで著者は養蜂家や検査所を精力的に取材、<ミツバチ>たちに何が起こっているのかの現状を分析すると共に、<ミツバチ>の生い立ちから現状まで、幅広い目線で分析・報告されています。

生産性を高めるために農場にまかれる農薬の恐ろしさをわかりやすく、そしてそれに対抗するために<ミツバチ>に施される抗生物質の影響等、経済優先社会の怖さを改めて感じながらも、昆虫と植物の連帯関係も良くわかる解説書として、面白く読み終えれました。
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今年の読書(159)『みつばの郵便屋さん』小野寺史宜(ポプラ文庫)

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今年の読書(159)『みつばの...
蜜葉市の郵便局に勤める25歳の<平本秋宏>は、バイクで郵便物を届ける仕事をしています。
ひとつ違いの兄<春行>は、タレントとして活躍していますが、双子と間違えられるほど顔がよく似ていてますが、性格が落ち着いていますので兄の方だと間違われます。

本書には郵便物にまつわる8篇が連作短篇として組まれ、<秋宏>の目線を通して、日常的に起こる郵便物にまつわる出来事を中心に、住民とほのぼのとした人間関係が味わえる一冊です。

現在はメール全盛時代、82円で確実に届く郵便の素晴らしさを、改めて見なおすべきだと感じながら読み終えました。
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今年の読書(158)『汐汲坂のカフェ・ルナール』折口良乃(メディアワークス文庫)

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喫茶店を舞台に安楽椅子探偵的に謎を解くのは、<岡崎琢磨>のバリスタ<切間美星>を主人公とした、『珈琲店タレーランの事件簿』 がありますが、本書も設定はよく似ています。

横浜元町にほど近い汐汲坂の途中にある喫茶店「カフェ・ルナール」は、24歳の美人店長<望月葛葉>のこだわりの紅茶が飲める店ですが、訪れる客の悩みを訊き、その謎を解くこととして有名でした。

横浜の大学に通うため、伯父<芦屋甚五郎>の紅茶専門店「薫」でアルバイトする<菱川春明>は、<甚五郎>と娘<蜜>も<葛葉>が知り合いだということで、自分の悩みを打ち明けに「カフェ・ルナール」に出向いていきます。

「ルナール」とはフランス語で「狐」と言う意味ですが、嘘か真か自ら「狐」と名乗る<葛葉>に<春明>は魅かれていきます。

なぜか店から出ることのない<葛葉>ですが、聞き及ぶ情報だけで謎を解く連作短篇が4篇納められていて、ウイットの効いたエピローグが印象的でした。
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今年の読書(157)『月は怒らない』垣根涼介(集英社文庫)

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今年の読書(157)『月は怒ら...
市役所の戸籍係に勤める<三谷恭子>は26歳、子供の頃の原体験により金にも物にも固執しない性格で、相手に対しても何も期待しない生活を送っています。

そんな彼女に、戸籍の売買を生業としているヤクザっぽい34歳の<梶原彰>、21歳の大学生<小倉弘樹>、市役所前の交番に詰めている33歳の<和田警部補>と三人の男が心惹かれ、やがて四角関係が露見、平穏な生活に乱れが生じてきます。

一人になりたいときに公園に出向く彼女は、昔の記憶は確かなのですが新しい記憶は一週間持たない「短期記憶障害」の老人と知り合い、元教授らしき彼から「人の生き方」を学んでいくのでした。

読み始めは<恭子>の生き方に疑問を感じていましたが、元教授の会話を通して「人の生き方」という難題に真っ向から取り込んでいく姿と、ヤクザっぽい<梶原>が「生き方」を変えていく場面は感動ものでした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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今年の読書(156)『書店員の恋』梅田みか(日経文芸文庫)

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本好きとしては、古書店や書店に関するタイトルは気になるところで、恋愛物はあまり読みませんが気になり手にしてみました。

主人公は群馬県から上京、「シティライフブックス渋谷店」に勤める26歳の<今井翔子>、彼女は3年前から、将来は自分のレストランを持ちたいという夢を追いながらファミレスで働いている<水田大輔>と付き合っていますが、休日がなかなか重ならず、すれ違いが続いています。

渋谷店の店長が替わり、2階のチーフに抜擢された<翔子>は、自ら企画した<ケータイ小説>コーナーの売り上げが上がり、ベストセラー作家の一人<青木譲治>と知り合うことになります。本職が歯科医でもある<青木>は、<翔子>に対して積極的にアプローチを仕掛けてきます。

<翔子>の周辺の年頃の女性の恋愛観を散りばめ、書店という舞台をうまく使いながら、夢を追う<大輔>と、セレブな<青木>との間で揺れ動く<翔子>の心の成長を描いた一冊でした。
#エッセイ #コラム #本 #詩 #読書

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