『ジウ Ⅱ』誉田哲也(中公文庫)
1月
31日
一方<門倉美咲>巡査は、<沙耶華>の誘拐犯として拘留している<竹内>の取り調べを<東弘樹>警部補と組み取り調べを続けていますが、<新世界秩序>の思想を語る<竹内>に手こずりながらも、新たな情報を引き出すのですが、翌日彼は拘置所内で自殺をしてしまいます。
<伊崎>の行動と<門倉>の捜査を描きながら、突然「私」という人物が語る章が挟み込まれ、読み手になんだろうと疑問を投げかけるのですが、この「私」が<ジウ>の育ての親だとわかり、また闇の世界のフィクサーとして存在する人物でした。
首謀者<ジウ>の捜査中に、信用金庫に強盗・立てこもり事件が発生、犯人は<竹内>を<ジウ>に紹介した元自衛官の<西尾>だと判明しますが、SAT隊員が強行突入した際に爆破が起こり、隊員は全滅してしまいます。
エピローグでは、新しいSATの制圧一班の新隊長として<伊崎>が復帰、任命されるところで『ジウ Ⅱ』は終わりますが、「私」の伏線を知らされている読者には、この<伊崎>の移動自体が、不気味な前触れとして次作に引き継がれていきます。