Happy Halloween from PSPINC San Diego
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内倉憲一(うちくらけんいち)
PSPINC の提供するインターネット関連サービスでお使いになってみたいサービスや代理店として活動してサービスがありましたら私までご連絡ください。
近年、世界中でランサムウェア(身代金要求型ウイルス)による被害が相次いでいます。米国でも日本でも、その影響は業種や企業規模を問わず広がっており、「自分の会社は大丈夫」とは言えない時代になっています。
たとえば、2024年夏に発生したアメリカの大手航空会社のチェックインシステム障害では、ランサムウェア感染によって予約・搭乗手続きができなくなり、全米で数千便のフライトがキャンセル・遅延する事態となりました。空港では長蛇の列ができ、顧客対応や補償処理に多大なコストと時間がかかりました。
同じ頃、日本でもアサヒ飲料の工場システムがランサムウェア攻撃を受け、飲料の生産と出荷が停止しました。生産管理サーバーが暗号化され、取引先や物流業者にも影響が波及し、経済的損失だけでなく信頼の低下にもつながりました。
その他にも、米国の医療機関がシステム停止により患者情報へのアクセスが不可能になったケース、製造業のライン制御システムが乗っ取られ数日間稼働不能になった事件など、枚挙にいとまがありません。共通して言えるのは、「被害を完全に防ぐことはできない」という現実です。
セキュリティ対策は、自然災害への備えと同じです。地震や火災のように、「絶対に起こらない」とは言えません。だからこそ、発生を前提に備えることが何より重要です。バックアップの確保、システム更新の徹底、従業員への教育、緊急時の対応マニュアル作成――これらの「準備と訓練」によって、被害を最小限に抑えることができます。
ただし、お金をかければ安心という考え方は間違いです。
高価なセキュリティ製品を導入しても、運用や教育が伴わなければ効果は限定的です。また、「こうした問題は大企業だけの話」と思っている人も多いですが、それも誤りです。中小企業こそ、被害を受けたときに復旧が難しく、経営に直接打撃を与える可能性が高いのです。
お金をかけなくても、工夫次第でできることはたくさんあります。たとえば、重要なデータを定期的に外部ストレージやクラウドにバックアップするだけでも、被害を大きく減らすことができます。クラウドを活用すれば、ハードウェアの購入費も抑えられ、運用コストも軽くなります。これは1万人の会社でも、わずか5人の会社でも同じことです。重要なのは規模ではなく、危機意識と準備の有無です。
問題は必ず発生します。重要なのは、その時にどう対応するかです。危機感を持つだけでなく、現実として「起こるもの」と理解し、対策を続けること。それが経営者の責任であり、会社を守る最大の投資となります。