内倉憲一 ニュースレター Vol. 407 本を出版することを学ぶ―実際にやってみて理解できたこと
本を出版することを学ぶ―実際にやってみて理解できたこと
今回、私は『88 Japanese Wisdom, For Business, Leadership, and Life』という本を出版しました。これまでSNSやブログで紹介してきた日本の言葉の中から、自分の仕事や人生に響いた88の言葉を選び、英語でまとめたものです。
SNSの投稿は、時間が経つと流れてしまいます。それなら、いつでも手に取って読み返せる形に残したい。そんな思いが、この本をつくるきっかけになりました。皆様に何かを教えるというより、私自身が大切にしてきた言葉を共有したいと思ったのです。
本の出版は、私にとって初めての経験でした。原稿の編集からページのレイアウト、表紙づくり、ISBNの取得、紙の本と電子書籍の準備、販売の登録まで、自分で取り組みました。
最初は、原稿ができれば出版まであと少しだと思っていました。しかし、実際にはそこからも多くの作業がありました。文章として読めることと、本として読みやすいことは違います。文字の大きさ、余白、改ページなど、画面で見ているときには気づかなかったことが、紙の校正刷りを手にすると見えてきました。
紙の本と電子書籍にも、それぞれ準備が必要でした。同じ内容でも、読まれる形が変われば、見せ方も変わります。手順を調べて理解したつもりでも、実際に操作すると迷うことがありました。
公開についても同じです。一度は出版できたと思って案内したものの、検索で見つからず、案内を撤回しました。その後、確認と学習を重ね、改めて公開をお知らせすることができました。自分の中で作業が終わったことと、読者が本を見つけて購入できることは、別の段階だったのです。
今回、強く感じたのは、「知っている」と「できる」の間には距離があるということです。説明を読めば手順はわかります。しかし、自分でやってみると、説明だけでは気づかなかった疑問が出てきます。その疑問を一つずつ解決して、ようやく自分の理解になります。
私は40年近くソフトウェアの仕事をしてきました。それでも、初めての分野では初心者です。わからないことを調べ、試し、間違えたら直す。その繰り返しを通じて、新しいことを学ぶ面白さを改めて感じました。
本が売れることは、もちろん嬉しいことです。同時に、自分で一冊を完成させ、読者に届けるところまで経験できたことにも、大きな価値を感じています。
もし皆様にも、以前からやってみたいと思っていることがあれば、小さく始めてみてはいかがでしょうか。すべてを理解してから始めるのは難しいものです。始めることで、何を学ぶ必要があるのかが見えてくることもあります。
本を購入してくださった皆様、そして日頃から私の投稿を読んでくださっている皆様、ありがとうございます。この本が、時々開いて何かを考えるきっかけになれば嬉しく思います。
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