岳上の崋Ⅱ(高山植物)= 7月上旬


ヤツガタケキスミレ(八ヶ岳黄菫) スミレ科(Violaceae)
学名:Viola crassa subsp.borealis var.yatsugatakeana
 

7月上旬の八ヶ岳・赤岳から硫黄岳の稜線は、花々が開花し始める。
中でも横岳稜線や硫黄岳山荘周辺の砂礫地に八ヶ岳黃菫が開花する。
ウルップソウやコマクサ等も稜線上で岳人を癒してくれる。
ヤツガタケキスミレ(八ヶ岳黄菫)は、スミレ科スミレ属の多年草。
八ヶ岳の高山帯にのみ自生する日本固有の貴重・希少な高山植物。
スミレ科(Violaceae)スミレ属(Viola)で八ヶ岳特産種(固有種)。
位置づけ的には、高山に自生する「タカネスミレ(高嶺菫)」の亜種とされる。
特徴として、鮮やかな黄色い花。花の形は、上弁と側弁が重なり合うように咲き、
下側にある唇弁は幅が広く先端が平らか、やや凹んだハート型をしている。
葉の質感、葉に厚みがあり表面は光沢ない鈍い緑色。
葉の両面、特に葉脈の上にルーペ等で確認できる程の微毛が生えている。
葉の付け根にある托葉には、必ずギザギザとした鋸歯が見られる。
高山で見られる他の黄色いスミレとの違いは;
基本種であるタカネスミレに非常によく似ているが、4点で区別される。
1.ヤツガタケキスミレの葉には光沢がない(タカネスミレには光沢がある)。
2.花柱(雌しべ)の上部に突起毛がない。
3.茎につく苞葉(ほうよう)が、柄の下方に付く。
4.地下茎から匍枝(ランナー)を出さない。
山腹や山麓に多いキバナノコマノツメとも間違えやすいが、
ヤツガタケキスミレは稜線の砂礫地に出ると突然現れる。
又、花を観るとキバナノコマノツメは花弁が離れてつき、唇弁の先が尖っているが、
ヤツガタケキスミレは花弁が重なり、唇弁の先が平ら〜凹んでいる。
葉は、をキバナノコマノツメの葉は薄くて鮮緑色、やや湿った場所を好む。

以前、ブログに書いた事。

ヤツガタケキスミレは、タカネスミレ亜種の一つ。
タカネスミレはキバナノコマノツメが高山 の砂礫地などに進出した種と言われる。
ヤツガダケキスミレは、地下茎で横に広がる性質を持たず群生せず、まばら。
又、山上でも比較的早く咲く。クモマスミレよりも早く6月下旬から咲き始める。
ヤツガタケキスミレの特徴は、葉に光沢がない。次に黄色い花の唇弁が先が丸い。
花柄は長さ3 ~7cmで先に長さ1-1.2cm。花弁は倒卵形。側弁基部は無毛。
距は短く黄緑色、葉が円形で無光沢。托 葉には、鋸歯がある。
黄色で唇弁に赤紫の筋があり、タカネスミレと比べると細長い。花径2㎝前後。
上弁や側弁は後方に反り返る。萼片は緑色で赤紫のザラザラ。
隔離型のタカネスミレの仲間だが、八ヶ岳でしか確認されていない。
又、タカネスミレとの違いは、葉に光沢がなく、そして微毛がある。
酷似している花にキバナノコマノツメ (黄花の駒の爪)がある。
黄色で唇弁に赤紫の筋があり、タカネスミレと比べると細長い。
酷似しているキバナノコマノツメ (黄花の駒の爪)は、
1700m以上の高山帯に多く湿り気ある岩場の隙間や、草地に生育している。
草丈5~15㎝くらい。黄色。下弁には赤紫色の脈が数本入る。
直径1.5~2㎝前後。上弁、側弁が反り返る。萼片は、淡緑色。
高山帯でしかみられない黄色いスミレでスミレと名前が入はいらない唯一のスミレ。
葉の先が少し凹んでいるものも多い。
「ヤツガタケキスミレ」と「キバナノコマノツメ」の見分けはどうするか、
まず咲く場所が違う。ヤツガタケキスミレが咲くのは稜線の砂礫地だけ。
キバナノコマノツメのように湿った草地のようなところには生えない。
台座ノ頭の横あたりにコマクサの咲く礫地がある。
ヤツガタケキスミレの自生地もほぼ同じ。
またヤツガタケキスミレは地下茎で横に伸びるという性質を持たず、
従って「群生」しない。あちらこちらにポツリポツリと咲くだけ。
その咲き方もコマクサにそっくりと言ってよい。。
花弁は、ヤツガタケキスミレは四つの花弁が反り返り重なる様にくっついている。
キバナノコマノツメも反り返っているが反りが甘く、花弁はわりと離ればなれだ。
そして前の方に一つだけ伸びる花弁。キバナノコマノツメは先がちょっと尖り気味。
対してヤツガタケキスミレのそれは巾広で丸く、シャモジのような形をしている。
先は尖るどころか反対にへこんでハート型になっているものも多い。
更には葉の色艶。ヤツガタケキスミレは、葉に細かい産毛が生え艶はまるでない。
その毛のせいで葉の色は遠目にかなり白っぽく見える。
キバナノコマノツメの葉は緑濃くてつやつやだ。そして、咲く時期が異なる。
キバナノコマノツメは、6月が花盛り。
対してヤツガタケキスミレは、コマクサと同じ7月に開花。
ヤツガタケキスミレは八ヶ岳にのみ自生する固有種、生育場所も狭い範囲。
コマクサと一緒に硫黄岳周辺で見れる姿は、実に瀟洒だ。
#ヤツガタケキスミレ

岳上の崋(高山植物)= 6月

 
高校・大学生時代、6月上旬に南八ヶ岳登山をしていた。
大学1・2年の夏休みは、自然公園指導員(監視)として。
赤岳~南横岳~硫黄岳周辺は、高山植物の宝庫である。
大学生以後も保護・観察の観点で観察登山をしてきた。

ツクモグサ蕾状態;  
ツクモグサ(九十九草)科(Ranunculaceae)
学名: Pulsatilla nipponica
 
ツクモグサ・開花

稜線上でひっそりと咲いている。眼下に見えるは、清里・野辺山高原。
 
《  南八ヶ岳・横岳周辺の花  》
ツクモグサ(九十九草);
6月の代表的な高山植物、ツクモグサ。本州では八ヶ岳と白馬岳に自生。
八ヶ岳では、横岳周辺の西斜面に集中して 自生している日本固有種。
八ヶ岳と白馬岳、北海道の数山にしか自生していない希少な植物。
八ヶ岳の稜線付近では、6月上旬から咲き始め7月頃まで花を見せる。
近年、開花が早くなっていて、今年は5月下旬~6月上旬に観られた由。
自生地は、北海道の利尻山、ポロヌプリ山、ニセイカウシュッペ山、
ニペソツ山、芦別岳、ピパイロ岳、
 東北の山々には存在せず、八ヶ岳・後立山連峰にのみ観られる、不思議だ。
又、ツクモグサは梅雨時に咲くが、雨や曇りだと花は開かない。
草丈15cm。花の直径約3cm
ニンジンのように細かく裂けた掌状の葉があり、
葉は3枚輪生、花弁状の萼の外側には軟毛が密生している。
花茎の先端に1個、上向 きに2.5~3cmの淡黄色の6弁花(花弁状の萼片)。
オキナグサより花は大きく花茎も葉も咲き初めは長毛 に覆われるが、
やがて無毛になる。
漢字名の「九十九草」、
この花を八ケ岳で発見した山草愛好家の城数馬(じょう・かずま)が、
敬愛した父の名「九十九」を付けたと言われている。
城 数馬は1864(元治元)年に久留米藩士の家に生まれた。
帝国大学法科大学仏法学科を卒業し弁護士として活躍した人物。
山・野草の愛好家で日本山岳会の創設(1905年)にも参加した岳人。
東京大学理学系研究科附属植物園日光分園
(通称、日光植物園)の開設 にも参加している。
八ヶ岳では、ツクモグサを始めウルップソウ、ミヤマツメクサ、
クモマナズナ等の新種を発見。
多くの植物愛好家が”花の山”八ヶ岳を登るき っかけをもたらした。
 
八ヶ岳では、まだ沢筋に雪が残っている時期に稜線でひっそりと咲く。
だが、麓から稜線(自生地)までは短時間で到達できる。
利便性で心ない登山者や写真撮影者が増えた。
九十九草の開花頃は、多くの高山植物はまだ発芽していない。
高山植物は繊細、一寸踏むだけで成長直前の新芽には大きなダメージ。
登山道においても植物を踏まないように慎重であって欲しい。
#ツクモグサ

《 '26 紫陽花感慨 》

玄関に生けてみたヤマアジサイ(... 玄関に生けてみたヤマアジサイ(26/6/11).
(山紫陽花系、なでしこ咲き・半手毬咲き・額咲き 26/6/5)
自生(野生)紫陽花の観察を始めて数十年をもった。
昨年・今年と自生地を訪れられなかったのは心残りだが。
 
自宅近くの自生紫陽花は、額紫陽花が殆ど。山紫陽花は未確認。
山紫陽花は、丹沢山地の大山から西丹沢で自生を確認している。
我が家の小庭には、額紫陽花2株と山紫陽花が数種類、地植え。
総て伊豆半島の東伊豆・南伊豆の自生木から枝分植したものだ。
伊豆下田で採取した額紫陽花は、花輪・葉共にバカでかい!!
山紫陽花は、数カ所からの枝分植で色・花輪共々変化が見られる。
今年、知人に差し上げようと選定した折?な枝ぶりを見つけた。

( 見づらいが、3輪生.  26/6/11 )
山紫陽花は、基本的に対生葉(十字対生、詳細は下記図参照)。
だが、眼の前の枝は3対生(3輪生)。同じ幹、別枝は十字対生!
偶発的な変異枝か否か等々、周りを探してみると3枝に見られた。
それらは、一株から派生した枝の分枝である。
一枝は、互生??じゃないか(下画像、左枝は互生・右3輪生  26/6/11)

個体群の中で、成長点の突然変異か一時的な生理障害か??
ひとつの節から3枚の葉とか互生とか、その様は駄々っ子の様で面白い。
このような変異を持つ個体は稀で、見つけた人には幸運がくる由。



資料によると、アジサイ属のノリウツギは、
葉が「対生又は3輪生」と余り珍しくもないようだ。
眼の前のは、ヤマアジサイ系の樹であることは確か。
この枝葉の出方は一時的な奇形(個体変異)なのか。
マーキングを施し、来年に備えた。楽しみである。
来年も3輪生が見られるか、否か!?!心わくわく。
 
** 筑波大学 生物学ウェブサイトの葉序解説. より**

葉序(Phyllotaxis)
陸上植物の葉は一定の規則性をもって茎に対して配列しており、
この配列様式のことを葉序という。
互生葉序 茎の節に1個の葉がつくことを互生といい、
その葉序を互生葉序という。
対生葉序 茎の1節に2個の葉がつくことを対生といい、
その葉序を対生葉序という。 
輪生葉序 茎の1節に2個以上の葉がつくことを輪生といい、
その葉序を輪生葉序という。
2個の場合にはふつう対生葉序とよぶ。
ふつう陸上植物は分類群によって一定の葉序をもっていることが多い。
例えばナデシコ科やシソ科は対生葉序を示す。
しかし同一個体内でも異なる葉序を示すこともあり、
例えば普通葉が互生する植物でも双子葉植物では子葉はふつう対生する。
互生葉序  互生する葉は多くの場合、茎の周りにらせん状につくので、
螺生といい、その葉序を螺生葉序という。
また葉の着点をつないだ線のうち茎と平行なものを直列線とよび、
直列線が2本のものは2列互生、3本のものは3列互生、
4本のものは4裂互生....のようによぶ。
葉の着点を発生順につないだものを基礎螺旋という。
同一直列線上にある最寄りの2葉間において、
基礎螺旋上の葉数をa、螺旋の回転数をbとすると、
葉序は b / (a + 1) で表される。
また隣接する2葉間の投影確度を開度という。
例えばイネ科のように2列互生の葉序は 1 / 2、開度は180度である。
互生葉序は一般的に1/n、1/(n+1)、2/(2n+1)、3/(3n+2) ....
のような級数(フィボナビッチ級数)で表すことができる。
対生葉序
対生葉序の中で最もふつうに見られるものでは
直列線が等間隔に4本あり、十字対生とよばれる。
ナデシコ科やリンドウ科、ゴマノハグサ科、シソ科、アカネ科、
スイカズラ科など多くの植物でみられる。
キンシバイ (オトギリソウ科) では直列線が2本あり、
2列対生とよばれる。
コニシキソウ (トウダイグサ科) では
直列線は4本だが不等間隔であり、複2列対生とよばれる。
またカヤ (イチイ科) などのように
直列線が6本以上の場合は複系2列対生 という。
 
輪生葉序
輪生葉序において、
1節に2個の葉がつくものは対生葉序として扱われる。
また1節に3個の葉がつくものを3輪生、4個つくものを4輪生、
5個つくものを5輪生とよぶ。
ふつう葉が輪生している場合、
下の節の葉のつく位置の中間に上の節の葉がつくので、
直列線は各節につく葉の数の倍になる。
輪生葉序はスギナ (トクサ科)、イチリンソウ (キンポウゲ科)、
ミツバツツジ (ツツジ科)、ツリガネニンジン (キキョウ科)、
ヨツバヒヨドリ (キク科)、クルマユリ (ユリ科) などに見られる。
ヒトリシズカ (センリョウ科) のように対生する上下の葉の節間が
短縮して一見輪生のようになったものを偽輪生という。
またヤエムグラ (アカネ科) のように本来は対生であるが
葉間托葉が発達して輪生のように見えるものも偽輪生という。
これに対してウメガサソウ (ツツジ科) のように
互生葉序の節間が短縮して輪生のように見えるものは
単に輪生状という。
 
束生
シュートの先端において、
節間が短縮した複数の節から葉が出ている様子を束生という。
束生する葉の全体は葉束とよばれる。
束生する葉の葉序は互生、対生、輪生のいずれもあり得る。
多くのシダ類やイチョウ (イチョウ科)、
アケビ (アケビ科)などでは互生する葉が束生する。
 
葉の空間配置
葉は光合成の主要な場であり、沢山の光を受けることが望ましい 
(強すぎる光は光傷害を導くことがあるが)。
多数の葉に効率よく光が当たるように、植物は葉を配置している。
そのパターンは多様であるが、以下のように大別することができる。 
背腹型   茎が横か斜めに伸び、葉は互いに離れてつく。
茎と葉身はほぼ一つの平面を作る。
木本ではネズミモチ (モクセイ科) やヘラノキ(シナノキ科)、
草本ではオオイヌノフグリ (オオバコ科)等があり、陰生植物に多い。 
直立型   茎は上に伸び、葉は先端付近にかたまってつく。
葉身は茎の先端を取り巻くように列ぶ。
茎と葉身が作る面は直交する。
木本ではトベラ (トベラ科) やヒイラギモクセイ (モクセイ科)等、
草本では、セイタカアワダチソウ (キク科) などがあるが、
ほかにタンポポ属 (キク科) やヒシ (ヒシ科) のように
茎がほとんど直立しないで
葉が地表面や水面に放射状に広がるものもある。陽生植物に多い。
イネ科型    
細い葉身の葉が、短い茎の基部に束生して直立する。
葉と葉の重なり合いは大きいが、葉身が細いので、
葉全体に光があたる。イネ科やカヤツリグサ科に一般的。   
 
 
#ヤマアジサイ系紫陽花

《一枝から根付き増えた紫陽花(Ⅱ) ❖’26/5/31 ❖》

ヤマアジサイ系・・・里紫陽花!... ヤマアジサイ系・・・里紫陽花!?!

自宅庭に育っている紫陽花達。
半手毬咲き。 半手毬咲き。
半手毬・額咲きのコラボ!!... 半手毬・額咲きのコラボ!!
各花輪・・微妙に違って。。。!... 各花輪・・微妙に違って。。。!
白の額咲き。 白の額咲き。
なでしこ的ヤマアジサイ。... なでしこ的ヤマアジサイ。
左側は、ガクアジサイ的。右側ヤ... 左側は、ガクアジサイ的。右側ヤマアジサイ的。葉形・葉色・質感が違う。
色合いが微妙に。。。大きさも色... 色合いが微妙に。。。大きさも色々!!
開花に従って色が濃くなる。... 開花に従って色が濃くなる。
早朝故か、神秘的な色合い!!... 早朝故か、神秘的な色合い!!
 
ヤマアジサイ(山紫陽花)   アジサイ科(Hydrangeaceae)
学名:Hydrangea serrata (Thunb.) Ser. var. serrata
synonym Hydrangea serrata var. serrata
別名:コガク(小額)
《〝額紫陽花と同じ様な形態〟山紫陽花系  》
日本原産のアジサイの1種“ヤマアジサイ”;
ガクアジサイと外見は似ているが、
装飾花量が少なく枝や葉も細く全体的に華奢。
山地や丘陵地の沢の近く等に自生している落葉低木。日本在来種。
ヤマアジサイの姿は、慎ましやかで素朴な雰囲気がある。
葉も花も質素。神奈川県内では丹沢や箱根、三浦丘陵地帯に自生。
野生種か園芸種で植栽されたものかの識別は困難を極める。
が、自宅等に枝移植してみると開花過程の変化があって楽しめる。
本州に分布するのをヤマアジサイ(Hydrangea serrata )と表し、
四国・九州に分布するものをサワアジサイ(Hydrangea acuminata)と識別。
この2種に識別される前はサワアジサイはヤマアジサイの別名であった。
自生ヤマアジサイは、多種多様な形状があり特定種名を断言できない。
ヤマアジサイは、額紫陽花似だが、全体に小さく葉質が薄く柔らかい。
 
** 伊豆半島に自生している里紫陽花 **
(伊豆高原在住、アジサイ研究家  平澤  哲 氏解説より抜粋拝借)
伊豆半島のガクアジサイを調べる中で、海岸線より数百メートル山側に入った
集落の周囲や河川沿いに青から白色の花を咲かせる
アジサイがあることがわかってきた。
約30年前に伊東市宇佐美の山で青色の花のアジサイを、20年以上前にも、
同市鎌田の松川沿い(河口より約2km上流)で白花のアジサイを2株見ており、
不思議に思いながらも近づけない場所なので確認をあきらめたことがある。
最初に近くで見た場所は、伊東市街地の西北側の山だった。
道沿いに点々とアジサイが咲いており、
海岸と異なり白花が多いことが不思議だった。
葉はガクアジサイより光沢が少なく小型である事が特徴であった。
同年に伊東市八幡野でも同様のアジサイの自生が確認できたことで、
広範囲にわたって自生していることがわかってきた。
その後はガクアジサイを調べていたのでこのアジサイの存在を忘れていたが、
2002年に東伊豆町で再びこのアジサイに出会った時に、
最初の出会いとは違う衝撃を受けた。
一つの川沿いで、ガクアジサイからヤマアジサイ同様の花まで、
様々な変異の株が同居していたのである。
この時から、伊豆半島での交雑種の存在を意識するようになり、
注意してみるようにもなった。
どこで見てもこのアジサイは人間が管理をしている集落内や道路・田畑の周囲と
海岸に分布しており、自然の中でなく人と共に生きなければならない。
したがって、この未知のアジサイを里山に分布することから
「サトアジサイ(里あじさい)」と命名することを提案する。
そして、本文ではこのアジサイを仮の名称「サトアジサイ」と記すことにする。
(中略)
伊豆半島では海岸にガクアジサイ、
山間部にアマギアマチャが住み分けて自生しており、
函南原生林や淡島を除いてヤマアジサイは存在しないと考えられてきた。
近くの箱根や富士山にたくさん分布しているのにそう思われたのは、
伊豆ではアマギアマチャの存在があまりにも大きかったからかもしれない。
また、集落周辺で咲くアジサイは
すべて海岸のガクアジサイだと考えられていたのだろう。
しかし、熱海市から南伊豆町にかけて、
両者の中間地点にあたる川沿いや集落周辺に自生するアジサイは、
ガクともヤマとも異なる変異の大きなアジサイ群であることがわかってきた。
東伊豆町の大川では、海岸線より400メートルを超えるとサトアジサイが現れ、
最も奥の畑周辺、2260メートルまで見られる。
1500メートル位の場所で小葉であるが照り・厚みがあり、
ガクアジサイ同様の花色をもつ株がいくつも自生していた。
大川より南側の白田では、
海岸線より 200メートル付近でガクアジサイとサトアジサイが混在し、
600メートル付近から2900メートルまではサトアジサイだけ見られ、
3600メートルを過ぎるとアマギアマチャだけが自生していた。
土屋隆一氏(下田市在住、日本アジサイ協会会員)に同行した調査の際に、
下田市南部から南伊豆町においてはサトアジサイが海岸近くより見られ、
ガクアジサイとサトアジサイの見分けがつかない場所があることもわかった。
下田市南部・南伊豆町は海岸より数10mからこのアジサイが分布している。
南伊豆町のある海岸では海岸線より約 130メートルの傾斜地の中で、
ガクアジサイとヤマアジサイに酷似した株が
すぐ近くに見られるほど両者に距離がない場所もあった( 2008年)。
このように、東伊豆では海岸にガクアジサイ、
山側にサトアジサイと住み分けが見られる一方、
南伊豆では海岸にまでこのアジサイが進出している。
熱海市では海から立ち上がる岸壁が高い場合に、
その上の道沿いにサトアジサイが見られる。
南伊豆から西伊豆に向かう道路沿いにもアジサイが見られるので、
西伊豆までは自生しているであろう。
まだ、山側の調査が進んでいないため、
自生する範囲をはっきり示すことができないが人の手が加えられた田畑まで、
そして稀に山に深く入った高いところを通る道路沿いと考えている。
最近の調査で交雑種の分布が静岡県函南町・神奈川県湯河原町、
同県箱根町に及ぶことがわかってきた。
これらは細葉系のヤマアジサイ(ホソバコガク)と混植していることから、
ガクアジサイとヤマアジサイとの自然交雑種と考えられる。
しかし、外観だけ見てもアマギアマチャとホソバコガクの境界線がわからず、
今後の課題となるだろう。
また、神奈川県においては鎌倉周辺から
三浦半島にかけて交雑種が自生する可能性がある。
(中略)
最近は園芸種が庭に植えられているので、
サトアジサイのすぐ近くに実生で繁殖したアジサイを見ても
それが自然交雑種であるかの判断が難しくなっている。
固定された種でないので、地域による差が大きく、
同じ地域内でも株ごとの変異が大きい。
外観は葉・茎・花共に海岸に近いほどガクアジサイに近く、
離れるにつれてヤマアジサイに近づくことが一般的である。
しかし、海岸線ではガクアジサイと、山側でヤマアジサイと
見分けの困難な個体も見られる。
花の色はガクアジサイと同じ淡い紅紫色・淡い青紫色から白色まで、
山側に入るほど白花が多くなってくる。
一般的には、青花に点々と白花の株が混ざっている。
例外として、南伊豆の海岸近くでは、
サトアジサイは城ヶ崎海岸のガクアジサイより大型になり、
装飾花が直径9cmを越すものも見られる。
東伊豆では小型になることが普通なので、
もともと南伊豆のガクアジサイがおおきかったのであろうか。
狭い範囲で見られる特徴だが、
下田市より南側で複雑な濃淡の筋が入る花や
ガク片の両側が樋状に上がる花がでてくる。
下田市のある場所では白い筋の入る絞り花が多く、
2、3枚のガク片が合わさった連弁咲きも多く見られる。
最近は園芸種が庭に植えられているので、
サトアジサイのすぐ近くに実生で繁殖したアジサイを見ても
それが自然交雑種であるかの判断が難しくなっている。
サトアジサイはガクアジサイの特異型でなく、
アマギアマチャを含むヤマアジサイが関わった交雑種と考えている。
1、葉・茎・花共にヤマアジサイ型の株が見られる。
2、葉の大きさ・厚さ・光沢の有無・形は個体ごとに異なり、
ガクアジサイからアマギアマチャの範囲内で見られる。
葉の表裏両面の主脈と側脈に短毛を持つものや葉柄に色が入るものが見られる。
主脈と側脈が深く窪んだ葉が見られる。
3、花序及び装飾花はガクアジサイより大型からアマギアマチャの大きさまで、
幅広い範囲で見られる。
花色は淡紅紫色から白色(装飾花、両性花共に)まであり、
山側に入るほど白花が多くなる。
ベニガクの装飾花のように白から紅色に変化する個体がある。
4、幹の高さ・太さは両者同様から中間の範囲。幹に色が入る株も見られる。
5、個々の自生地内での変異が大きい。
6、ガクアジサイを種子親としたヤマアジサイとの交配が可能である。

以上、文面は 平澤氏のー城ヶ崎自生アジサイ保存園ー資料より拝借。
〝あじさいコレクション<伊豆高原花の公園>〟
http://www.jogasaki.org/hydrangea/j-park.html
平澤氏のHPより抜粋転載させて頂いた。
#ヤマアジサイ系紫陽花

《一枝から根付き増えた紫陽花(Ⅰ) ❖’26/5/30 ❖》

左側・ガクアジサイ、右側・ヤマ... 左側・ガクアジサイ、右側・ヤマアジサイ系
ガクアジサイ花輪、大きいのは直... ガクアジサイ花輪、大きいのは直径25cmにも成る。
バラ目(Rosales)アジサ... バラ目(Rosales)アジサイ科(Hydrangaceae)アジサイ属(Hydrangea)

ガクアジサイ(額紫陽花);別名:ハマアジサイ
学名;Hydrangea macrophylla
(Thunb. ex Murray) Ser. form. normalis (E. H. Wion) H.Hara

別名:ハマアジサイ   
《〝額紫陽花=萼紫陽花〟 》
 
枝植栽・地植えした紫陽花、剪定を極力しない状態で樹丈2m以上になった。
伊豆下田に自生している場所ほどに大きな輪ではないが、迫力はある。
ガクアジサイ、品種名が付いていない種を〝里紫陽花〟と呼ぶ。
珍しい形・色ではないが、このガクアジサイには野生的強さが見える。
神奈川県内の自生ガクアジサイ、探すのに苦労する。
かつては、千葉南東部、神奈川東部等太平洋岸に自生が見られた。
時の流れ、環境の変異で自生地が極端に減っている。残念だが。
日本原産のアジサイ:
アジサイ科アジサイ属は約30種あり、日本原産のものは12種ある。
ガクアジサイ;
関東・中部地方の海岸地域に自生するため、ハマアジサイという別名もある。
中央につぶつぶの小さな花を集合させ、周囲を装飾花が取り囲んでいる。
装飾花の色は白と青が多いが、淡いピンクもある。
ガクアジサイはホンアジサイの原種とされ、西洋アジサイ等の栽培種の始祖。
小さな花の様に見える個々を装飾花と言い、花弁に見える部分は学術的には萼。
開花中には色がよく変化することでシチヘンゲ(七変化)ともよばれる。
海辺に近い草地や林縁・海に面した岸壁に生える、落葉低木。
日本固有種。海辺に多いことからハマアジサイ(浜紫陽花)の別名がある。
神奈川県内では、三浦半島や真鶴半島などに分布あり。江の島にも自生がある。
アジサイの仲間は変異が多く、自生の野生種か園芸種かは素人では識別困難。
海に面した岩崖(がんがい)等、人の手が入れない場所にあれば野生種。
野生種の解説書等を参考にすると、
葉は、大きく幅広で丸っこく、厚みがあり葉先はあまり尾状に長くは伸びない。
表面はほぼ無毛で光沢(照り)があり、濃い緑色である。
ガクアジサイ花構造;一般には花弁に見える部分は厳密には萼が発達したもの。
中性花・・装飾花の中心に見える蕊群は、機能が退化して実はできない。
両性花・・装飾花に囲まれた大量の粒々の部分。
にょきにょき伸びているのが雄蕊、その付け根に小さく雌蕊がある。
剪定せず放っておくと小さな実ができる。
 
「あかねさす ひるはこちたし あぢさゐの 花のよひらに あひみてしがな」
作者不明、平安時代『古今和歌六帖(こきんわかろくじょう)』にあるように、
アジサイの花は四枚の装飾花が目を引くため「よひら」と呼ばれることもある。
「四片(片は花びら意)」あるいは「四葩(葩は花)」と表す。
 
次年の花付きを考え7月上旬までには剪定作業を済ませる。
切らずに置くと、古びた色、渋い色合いになりおつなものだ。

** 神奈川県植物誌 **

ガクアジサイ Hydrangea macrophylla (Thunb.) 
Ser. form. normalis (Wilson) H.Hara; Hortensia macrophylla (Thunb.)
H.Ohba & S.Akiyama form. normalis (Wilson) H.Ohba & S.Akiyama
葉は濃緑色で質厚く,上面光沢があり,ほとんど無毛.3 角状の鋸歯がある.
花序は散房状で周縁に装飾花がある.
本州(房総,三浦,伊豆の各半島.伊豆七島.和歌山県神島),
四国(足摺岬)に分布.県内では三浦半島,江ノ島,
小田原,真鶴半島などの海岸に見られ,岩場,草地,樹林内に生える.
アジサイ form. macrophylla; form. otaksa (Siebold.& Zucc.) Wilson は
庭に植栽されるガクアジサイの改良品で,
両性花もすべて装飾花となったもので.ときに逸出している.
花の白いシロアジサイ form. alboglobosa (Makino) Sugim. もこの一品 .
 
 
#ガクアジサイ

《'26/6 小庭の野草 》

コモチマンネングサ(子持ち万年草) ベンケイソウ科 (Cra... コモチマンネングサ(子持ち万年草) ベンケイソウ科 (Crassulaceae)
学名:Sedum bulbiferum Makino
《'26/6 小庭の野草 》
小庭の野草、第3弾.
コモチマンネングサ(子持ち万年草);
子持ち万年草は、在来種の越年草。
茎の下部は地を這い横にねて斜上し、高さ7〜20cm、多汁質で軟弱。
葉は下部で対生し上部は互生、葉は長さ1㎝程の扁平なへら形で多肉質。
葉の裏側に1脈があり、表面基部が凹み葉先縁に微細な突起がある。
葉腋に円形で多肉な2対の葉が肉芽(珠芽・むかご)をつくってふえる。
萼片は緑色、長楕円状さじ形鈍頭で大小不同。
花は直径10㎜前後の黄色の5弁花。花弁は長さ4㎜程度(披針形で鋭頭)。
雄蕊は10個で花弁よりやや短い。葯の表面は濃黄色。萼片は花弁より短い。
心皮は5個、斜上し結実しない。花期は5〜6月。種子はふつうできない。
よく見られるツルマンネングサは茎が這い、葉がへら形で、3個輪生する。
 
** 神奈川県植物誌 **

コモチマンネングサ Sedum bulbiferum Makino
茎は下部では横にはい,上方は立ち上がり,高さ 8~20cm,下部の葉は対生し,
上部の葉は互生,互生した葉の腋にむかごをつける.
茎葉は長さ 15~20mm,幅 3~5mm,偏平,上面は中央に 1 脈があり,
脈に沿って凹み,上半部の縁辺は透明な微細な突起がある.
花は 5~6 月,黄色.
花弁は長さ 5mm,雄しべは長さ 4mm,葯は黄赤褐色である.
本州,四国,九州,琉球;朝鮮,中国に分布.
県内全域に普通で,田や畑の畦,野原,道ばたなどに生える.
#コモチマンネングサ

《 自生種と園芸種とのコラボ!!》

早いもので、もう6月、1年の半分だ。
雑然と過ごしていてなしたものは何?
庭の花々をみていて、雑草なんて呼ぶべきでない。
小庭の花も色々と姿を見せているが、
この時期といえば紫陽花。
少し前に菜の花と千鳥草を頂き地植えした。
菜の花が終わり、暫くすると千鳥草が花を見せる。
後ろのヤマアジサイも蕾状態に。楚々と、いい雰囲気。
さて、今年は如何なる姿を見せてくれるのか・・・。

チドリソウ (千鳥草)キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Consolida ajacis (L.) Schur
別名:ヒエンソウ (飛燕草)
このチドリソウは、園芸種。原産は、北アメリカなど。
到来物が逸出し、野生化もしているようだ。
かつてはデルフィニウム属に分類されていた。
現在では花の形態や常に1年生であることから
別属のチドリソウ属に分類された。1年草。
高さ45~100㎝。葉は短い葉柄があり、
葉身は2回羽状全裂又は掌状分裂する。
根生葉は掌状に3~4裂し、裂片が長円形。
茎葉は最終裂片が14~21個、線状、幅2㎜以下。
総状花序で花序の分枝は少なく、花は3~21個つく。
直径3㎝前後で、 花色は青色、紫色、白色等で多彩。
花柄は長さ5~16㎜。咢片は側咢片が長さ8~15㎜。
距は長さ12~18㎜。雌蕊は1個。雄蕊は多数。
後ろのヤマアジサイは、自生種から枝移植したもの。
蕾状態のヤマアジサイ、自生地で観た時の姿は!!
やんちゃ坊主って感じた。
ヤマアジサイ(山紫陽花)   アジサイ科(Hydrangeaceae)
学名:Hydrangea serrata (Thunb.) Ser. var. serrata
ヤマアジサイ、白っぽい萼片の色とは限らない。
そんな事を思っていたら緑色萼片のがいる、って知った。
 
ヤマアジサイ「鹿野の華(かののはな)」、
山口県周南市(旧鹿野町)周辺で発見・採集された野生の自生種。
それを親種として変化させた園芸植物として流通しているらしい。
正確には「地域個体群から選抜・登録された園芸品種」。
ライムグリーンの花びらが特徴的なヤマアジサイの品種。
「鹿野の華(かののはな)」。
咲き始めは緑色、徐々に赤紫色へ変化し、最後は濃い青色へと。
中心に両性花が多く残る半テマリ咲き。
学名:Hydrangea serrata (Thunb.) Ser. var. serrata 'Kanonohana'
ーー鹿野の華は、鎌倉の六国見山森林公園で見れる由ーー
(この情報、花師匠から聞いた。画像も師匠より拝借)
 
昨年もブログに記したが、紫陽花の「葉化病」。
最近は余り聞かないが、10年以上前には市販されていた緑紫陽花。
 
「紫陽花の先祖帰り??」等と称して販売されていた。
萼片を含めてすべてが緑色、これは、「葉化病」と言われている。
昆虫媒介性の植物病原菌「ファイトプラズマ」に感染している株。
庭に地植えすると庭の他の紫陽花に感染・枯れ死する恐れもある由。
そんな紫陽花が市販されていたが、だが感染しない紫陽花品種もある。
ヤマアジサイがそれ、又、紫陽花の色変化で緑色になる種がある。
それが鹿野の華や土佐緑風(トサリョクフウ)、津江緑(ツエミドリ)。
これらの品種は、咲き進むにつれて青や赤などの色彩が混ざり、
グラデーションの美しい変化を楽しめるのが大きな魅力。
また、額紫陽花でも緑色花弁萼の大島緑花(オオシマリョッカ)がある。
#チドリソウ #紫陽花

《 襍録〝春に想う小花〟❖ ’26/5/31 ❖ 》


東伊豆の中山湿原・芝原湿原や箱根仙石原湿原に自生している朱鷺草。
5月~6月に掛けて咲くが、神奈川県内では箱根仙石原湿原のみに自生。
若い頃、尾瀬の大江湿原では6月下旬に出会ったと記憶している。
小さな花だが、近寄って観ると実に瀟洒で、當に蘭科の植物と映る。
今年は、諸事情で自宅を留守にする事が出来ずに缶詰状態。
過去の記録で時節の花を思い起こし気分転換している。

以前のブログコピィーだが、開花時期の変化を実感する。

トキソウ(朱鷺草) ラン科(Orchidaceae)
学名:Pogonia japonica Reichb. fil.
 
和名由来は、薄い紅色の花色が鳥の朱鷺(トキ)の羽根色に似ている事から。
根茎は長さ10~20㎜、幅約2㎜。
葉は根生し長さ3.5~10㎝、幅0.7~1.7㎝の惰円形。
苞は葉の上に1個つき長さ15~25(40)㎜、幅3~7㎜の狭楕円形~線状披針形。
花は、茎頂に横向きに単生し、子房と小花柄は長さ10~18㎜。
萼片は長さ15~22㎜、幅2.5~3.5㎜の楕円状狭倒披針形。
側弁は花弁に似て、長さ14~22㎜、幅3.5~5㎜。
唇弁は長さ14~20㎜、幅3~4㎜、3裂する。側裂片は長さ約0.8㎜、三角状。
中央裂片は、2~3列の房状突起があり縁は繊維状の切れ込みがある。
 
《〝山の花・箱根・湿生花園〟2024/05/30  》

トキソウは、純白の花を咲かせるサギソウと並び知名度の高い湿生のラン。
サギソウが盛夏、お盆の頃に開花するのに対して、
本種は春に草が伸び始めた湿地の中に淡いピンク色の花を咲かせる。
更には土砂流入等、攪乱された植生遷移の初期段階で生育する。
トキソウ名は、花の色が特別天然記念物の鳥のトキ(朱鷺)の翼の下の色、
いわゆる「とき色」をしていることに由来する由。
トキソウは、環境省のレッドリストでは準絶滅危惧とされている。
湿地の植生が安定すると増えてくる。
植物園の存在が有用であることが見て分かった。
 

**神奈川県植物誌 **

(1)トキソウ Pogonia japonica Rchb.f.
夏緑性.根茎は細長くのび,所々に株ができる.茎は高さ 15~30cm.
葉は線状楕円形で先は尖り平たくやや厚く,基部は茎を抱き斜上する.
花期は 6~7 月.花は淡紅色.苞は葉状で線状披針形,子房より長い.
萼片は長楕円状披針形.側花弁は狭長楕円形で髄柱に沿って前方に伸びる.
唇弁は倒披針形,
中ほどで 3 裂し中裂片の縁辺と内面に肉質の突起が密生している.
蒴果は長楕円形.北海道,本州,四国,九州に分布する.
日当たりの良い酸性湿原に生える.
県内では箱根仙石原の湿原にのみ分布し,生育数は極めて少ない.
『神 RDB06』では絶滅危惧ⅠA 類とされた.
(2)ヤマトキソウ Pogonia minor (Makino) Makino
トキソウよりも乾燥した草原に 1~2 本を単位に生える.夏緑性.
トキソウによく似ているがやや小型で根茎もあまり発達しない.
茎は高さ 10~20cm.葉は倒披針形で斜上する.花期は 5~7 月.
花は白に近い淡紅色.苞は披針形.萼片と側花弁は狭倒披針形.
唇弁は長楕円形で 3 裂し,中裂片の縁辺と内面に肉質の突起が密生し,
また赤紫色が強い.蒴果は長楕円形.
北海道,本州,四国,九州;朝鮮,台湾に分布する.
県内では箱根,湯河原の山地の草原に生えるが稀.
定期的に草刈りが行われる場所でないとササ等が密生してしまい消滅する.
『神 RDB06』では絶滅危惧ⅠB 類とされた.
 
 
 
 
#ドクダミ #紫陽花

庭の十薬花!!

ドクダミ(毒矯み、毒痛み) ド... ドクダミ(毒矯み、毒痛み) ドクダミ科(Saururaceae)
学名:Houttuynia cordata
別名:ジュウヤク(蕺薬・十薬)、シブキ、ベンドウ、ジャコクサ、
インノヘ、イマカライモ、ワクドグサ、シビトグサ
3年前に日陰で環境的に悪い所に... 3年前に日陰で環境的に悪い所に山額紫陽花を枝植栽した。
枝分かれして今年は、花を付けた。環境が悪いのか背が低い。
おかげでドクダミとコラボしている。これ又、妙。
数年前のドクダミだが、花穂が高... 数年前のドクダミだが、花穂が高いのを見つけた。今年は無かった。
何処にでも観れ特段珍しくもないドクダミだが、今年も沢山花を見せた。
紫陽花の根本周りに、辺り一面に楚々と花を見せ始めている。
一般的には雑草扱い、好まれる花ではないかもしれない。
白い十字に黄色い点!!濃い緑の葉、群落すると画になリ魅せる。
暫く前のサギゴケ(白色)同様に辺り一面を埋め尽くして圧巻。
園芸種を植栽するのも良いが、自然発生したドクダミも乙なものだ。
毒矯みは、乾燥させると臭いは消え、ドクダミ茶になる。
心形で鋭尖頭の葉。茎頂に近い葉脇に花をつけ穂状の花序をつける。
花弁の様に見えるのは苞葉(ホウヨウ)、又は総苞(ソウホウ)片と言う。
本当の花は、苞葉の中心に筒状の花穂に咲く小さな淡黄色の突起部分。
黄色い花は、 無花被花(むかひか)と呼ばれ、花弁や萼が無い。
淡黄色の突起に雄蕊と雌蕊がある。細部を観ていると時を忘れる。
この花を見ると梅雨まじかか!!と思うが・・気温は、真夏並みだ。
 
 
#ドクダミ #紫陽花

ブログルを始めて・・年!?!

鎌倉市広町で魅せる桜の巨木(山... 鎌倉市広町で魅せる桜の巨木(山桜と大島桜の雑種)2005/5頃.
bloguruを始めてかなりの年月を重ねた。記載回数は少ないが・・・。
初めての書き込みは、鎌倉の広町に鎮座する桜の木についてだった。
久しく訪れていないが、今はどの様に成っているだろう。
当時を思い出しながらコピペ的に再感慨してみた。

鎌倉には、3大緑地と呼ばれている緑地がある。
その一つが「広町」で、七里ヶ浜から腰越の裏山地帯になる。
かつては七里ヶ浜海岸一帯も雑木林であった。
1960年代初頭の頃、隠密剣士と云うテレビドラマがあり、
そのロケ地が今の七里ヶ浜住宅地から広町に掛けてであった。
その頃は、周辺を含めて100ヘクタール以上もあった里山緑地でした。
七里ヶ浜の宅地開発があったのは、1960年代後半だった。
後ろの鎌倉山住宅地は昭和初期に開発された歴史ある別荘地。
広町は、以上の住宅地の奥座敷と云った感じの緑地である。
広町も開発の危機にあった、が何とか保全され今に至っている。
約45ヘクタールの緑地は、自然生態系を維持している貴重な環境。
緑地の中に伝説の桜、10本以上の幹をくねらす巨樹で圧倒される。
樹高16m・樹齢約200年以上と云われている。
この桜の巨木、地元の人々は稚児桜と呼ぶ。
地元での言い伝えによると、
「昔、五つの頭をもつ龍が、
津村(現腰越地区)の長者の子ども十六人を飲み込んだ。
後に丘の上に咲いたサクラを、
人々は子どもの塚になぞらえ稚児桜と名づけた」と聞く。
かつては、観光客等訪れない場所だったが、今は??
近くに鎌倉山桜並木があるが、閑静な住宅地でもある周辺。
喧騒ある旧鎌倉市街を離れ植物探訪も良いのではないかと思う。
こんな感慨を持つが、今の鎌倉は、観光客でいっぱいだ。
江ノ電を廃止するか否かと騒いでいた事が懐かしい。
#広町緑地 #桜