1月
15日,
2025年
《泉の森〝グミ属 の実〟 ❖ ’25-3 ❖》
植物好きにとっては、興味津々な場所である。
スミレ属の群落があったり、カントウタンポポの群落、
更には、アザミ属の交雑種??と思しき草本もいる。楽しい場所だ。
そんな中に、グミ属 の低木と思える樹・実をみつけた。
種子・芽吹き・開花・実、と経過觀察が楽しみだ。
**神奈川県植物誌**
A146 グミ科 ELAEAGNACEAE
(小暮孝雄,『神植誌 01』:高橋秀男,図:『神植誌 88』)
北アメリカ,ヨーロッパ,アジア,マレーシアの温帯から熱帯にかけて
3 属約 70 種が分布する.うちグミ属は約60 種で,ヨーロッパ南部,
北アメリカに知られ,東アジアにもっとも多く,日本に 16 種が知られる.
1.グミ属 Elaeagnus L.
常緑または落葉の低木,ときに小高木,蔓状に伸びるものもある.
枝,葉,花,果実に銀白色または褐色の鱗状毛や星状毛があり,
枝はしばしば刺に終る.葉は単葉で全縁,互生し,托葉はない.
花は葉腋に束生または 1 個ずつつき,4 数性,放射相称である.
花弁はなく,萼が筒状(萼筒)で子房の上端にくびれがあるもの,
またはないものがあり,先端は 4 つの裂片に分かれる.
雄しべは 4 個が萼筒につき,萼裂片と互生し,花糸は短い.
子房は上位.花柱は 1 本.果実は偽果,
核果(石果)様で多肉質の萼筒(グミの赤い部分)に包まれ,
液果のように見える.
果皮は薄皮質でなかに堅い種皮に包まれた 1 個の種子がある.
種子は紡錘形で外種皮は木質化して硬く,8 本の縦に走る溝をもっている.
マメ科 Fabaceae の種類と同様に,空気中の窒素を固定する根粒木で,
治山や緑化に,海浜や公園に植栽される.果実のグミは赤く熟し,食用になる.
県内には落葉性のグミが 4 種自生し,常緑性のグミが2 種自生し,1 種逸出する.
* * *
県誌の資料を見ていて、 “森のはらっぱ”のその樹がどの種か???
丁寧かつ慎重に觀察し続けたい。
【令和漆年(皇紀2685年)1月15日、記】
1月
10日,
2025年
《泉の森〝ウバユリ種子〟 ❖ ’25-2 ❖》

在来種(日本固有種) 本州(関東地方以西の太平洋岸)、四国、九州に自生分布。
ウバユリの和名、逸話;少女の世話をする姥に例え、
少女が美しく花の咲くころには葉(歯)が無くなる、として付けられた名。

そんな中で存在感を魅せているのが姥百合の実。
果実(蒴果)は楕円形で長さ4~5cm。種子を多数入れ熟すと3裂開する。
種子は扁平で膜があり周囲に広い翼がつく(鈍3角状)。
翼を含めて長さ11~13㎜の大きさに成る。

芽吹きから開花するまで7~8年もかかる。また、栄養繁殖する植物でもある由。
栄養繁殖とは、根や茎、葉などの栄養機関から次の世代の植物が繁殖する。
ウバユリは、茎がうろこ状に変化したものを根の位置に持つ(鱗茎)。
鱗茎から新しい鱗茎が生えてくる。
一回繁殖のウバユリは、開花後に鱗茎ごと枯れてしまうが、
栄養繁殖とともに有性生殖もされるため、種がつくられる。
種の数は多く一つの実に500個前後入っていると言われる。
薄い種で、風が吹くとぱあっと飛んでいく。
冬場、茎を切り振り回すと花びらが散るような風情を持つ。
発芽から何年もかけ花を咲かせ開花後には茎ごと枯れてしまう。
だが、多くの種により次の年にまた近くのどこかで芽を出す。
継承・生存の知恵だが、この様な仕組みに驚くばかりだ。
1月
7日,
2025年
《襍・/・魂〝伊豆の樹 〟 ❖ ’25-2 ❖》

果実、其の姿と熱海市伊豆山神社に多く見えた事等で名づけられた。
暖地の照葉樹林下のやや湿った所に生える雌雄異株の常緑低木。
幹は紫褐色、皮目がある。若枝は緑色。
葉は互生、長楕円形で縁に不明瞭な波状鋸歯があり先が尖る。
表面は光沢があり主脈が葉裏に盛り上がる。葉裏に小さな腺点がある。
葉柄は長さ1~1.5㎝。雌雄別株。
葉脇に小さな黄白色の花を5~10個かたまってつける。
花冠は長さ約5㎜の筒状で、先が浅く5裂する。雄蕊5個。雌蕊べ1個。

表面に手毬の様な褐色の腺条があり頂部は少し凹み緑色の花柱が残る。
種子は多数入っており、黒色で稜があり長さ0.5mm。
直径約5㎜の液果で白色に熟す。種子は長さ0.5~1㎜、黒色、角のある不定形。
センリョウ似だが、イズセンリョウ(伊豆千両)とは分類的には関りはない。
センリョウが赤い実、イズセンリョウは白い実をつける。
冬場に結実した果実は、乳白色に熟す。
シカの忌避植物として知られ、奈良公園でもイズセンリョウが見られた。
所が近年、奈良公園では異変が見られるという。
イズセンリョウを食べる鹿が出現した由。その後は、、、如何に!?!
** 神奈川県植物誌 **

(篠原康之,『神植誌 01』:村上司郎,図:篠原康之)
常緑性の低木,高木,稀につる性の木本および多年草あるいは越年草.
葉は単葉で,互生,対生または輸生する.
花は両性ときに単性で 5 数性,まれに 6 数性.
果実は核果,液果または蒴果で,種子は 1 個または多数の小さな種子ができる.
サクラソウ科は APG 体系により,
従来のサクラソウ科にヤブコウジ科 Myrsinaceae が統合された.
全世界に分布し,熱帯から北半球の温帯に多く 60~80 属 2,300~2,600 種が知られる.
日本には 10 属 54 種,県内には 6 属18 種が知られる.
A.木本.主に林内あるいは林縁に生育.果実は液果か核果
B.花冠は鐘形で浅裂する.子房は半下位.種子は多数で稜角がある 1.イズセンリョウ属
B.花冠は皿状で深裂する.子房は上位.種子は 1 個で球形
1.イズセンリョウ属 Maesa Forssk.
常緑の低木または高木.葉は互生,有柄で全縁,またはまばらに鋸歯がある.
花は 5 数性,花冠裂片は瓦重ね状.
雄しべは花筒につき,葯は縦裂.
雌しべの花柱は細長い円柱形,柱頭は全縁または 3~5 裂.
主として熱帯地方に約150 種があり,日本に 2 種 , 県内には 1 種がある.
(1)イズセンリョウ Maesa japonica (Thunb.) Moritzi & Zoll.
ややつる性の高さ lm ほどの小低木.雌雄異株.若枝に皮目がある.
葉は楕円形~長楕円形,長さ 5~17cm,鋭頭でまばらに鋸歯のあるものが多い.
4~5 月,葉腋に総状花序をつける.花冠は黄白色,小苞片や萼裂片ともに腺条がある.
果実は球形の液果で乳白色,径 5~6mm,多数の紫褐色の腺条がある.
本州(関東地方以西),四国,九州,琉球;東アジアの暖帯~亜熱帯にかけて分布.
主として照葉樹林内に生育する.県内では照葉樹林内に点々と見られ,
県西地域の湯河原,箱根,小田原,南足柄,
県央の城山,相模原,愛川,伊勢原,平塚,大磯,三浦半島などに生育しているが,
地域によっては減少している.
葉が線状長楕円形のものをナガバイズセンリョウ form. elongata (Mez)Makino といい,
『神植誌 58』に記録がある.
*
年末年始、門飾りに使った千両の実と伊豆千両の実、紅白で・・門前を飾っていた。
最近は、簡略で飾らなくなった。復活させなければ。。。!
イズセンリョウが・・?消えてる。親父の仲間の所に存在してるのがわかった!!
【令和漆年(皇紀2685年)1月7日、記】