12月
30日,
2024年
《 雅羅・/・襍感〝移植樹〟❖ ’24-365 ❖ 》
本州〜九州の丘陵の雑木林から山地の林内に生える。
樹皮は灰褐色。小さな楕円形の褐色の皮目がある。
若い枝は細く、褐色の伏毛がある。葉は互生。枝先に集まってつく。
葉身は、長楕円形または倒卵状長楕円形。
先は鋭くとがり、基部は広いくさび形。
ふちには先端が芒になる小さな鋸歯がある。質は薄い。
側脈は20〜28対、ほぼ平行に並び、裏面に突出する。
表面は脈上を除いて無毛。裏面は全体に淡褐色の毛が生え、脈上には密生する。
葉柄は、褐色の斜上する毛が密生し、上面に溝がある。
冬芽は裸芽。褐色の伏毛におおわれる。頂芽は細長く長さ1cmほど。
側芽は小さい。葉痕は縦長の半円形。維管束痕は小さく、8個ほどが半円形に並ぶ。
12月
28日,
2024年
《 雅羅・/・〝庭の小実〟❖ ’24-363 ❖ 》

マンリョウ(万両)と同様に縁起がよい庭木として親しまれ、
山中の林内で栽培されている。常緑小低木、高さ50~150cm。
東海地方、紀伊半島、四国、九州及び沖縄に分布する常緑小低木。
葉は対生、楕円形または卵状披針形、革質で縁に鋭鋸歯があり先が尖る。
葉柄の基部は茎を抱く。茎頂に小さな黄緑色の花を穂状に多数つける。
花には花弁、萼がない。雄蕊は1個、円柱形。葯は2個、側部につく。
半葯は葯隔より短い。果実は核果、球形、赤色、まれに黄色。
核は1個入り、球形。花期は6~7月。果期は8~12月。
お金にちなんだ縁起の良い名前から、正月飾りに使われることもある。
「令和陸年(皇紀2684年)12月28日」
12月
27日,
2024年
《 雅羅・/・〝園芸種植物〟❖ ’24-362 ❖ 》

“ポインセチア”は、トウダイクサ属の園芸品種で外来種の低木。
和名は猩々木というが、クリスマス頃に売られるのでクリスマスフラワー。
苞が真っ赤にになるのが特徴だが、最近では、苞も色とりどりある。
茎は、多く分枝し、茎は無毛。葉は互生。托葉は小さく、膜質、脱落性。
葉身は卵状楕円形~長楕円形~披針形、浅く分裂し、下面は有毛。
上面は短毛があるか又は無毛、基部は漸尖し、先は尖鋭形又は鋭形。
杯状花序は密集してつき、片側だけの合成花序、葉状の苞が基部につく。
苞は狭い楕円形で全縁、ときに、さざ波状に分裂し、深紅色。
総苞はつぼ形で薄緑色。裂片は5個、引き裂かれ、三角形、無毛。
腺体は普通1個、まれに2個、黄色、平らに圧搾され、2唇がある。
雄花は多数、普通、総苞から突き出す。苞は線形、軟毛がある。
雌花は子房が無毛、柄があり総苞から突き出し、平滑。
花柱は中間より下で合着、柱頭は深く2裂。蒴果は3裂の球形、平滑で無毛。
種子は卵形、灰色又は薄灰色、ほぼ平滑、カルンクルは無い。
花期と果期は10~4月。
*
12月
26日,
2024年
《 雅羅・/・〝垣根の樹花〟❖ ’24-361 ❖ 》

他方、自宅周辺の植物は的を射た様に咲いている。
意図して植栽したのか、年数を重ねると、紅・白と、、、。
枝が伸び混在している。“寒椿”だ。
今年も、楚々と咲いている。開花時期としてみると??
一寸、開花がおそいきがする。侘助はまだまだ、小さな蕾。
“寒椿”は、枝が横方向に伸びるので 背丈が高くならない。
山茶花と区別が中々つきにくい。花弁の数は多く14枚以上。
花弁は、余りしわしわにならず雌蕊は上部で三つに裂ける。
常緑小高木で、サザンカと椿の交雑種とも言われれている。
八重咲きあるいは半八重咲きになる品種群の総称でもある由。
雌蕊を囲む雄蕊はサザンカよりも少ないが太い。
淡い黄色をした葯は大型で形が乱れやすい。
カンツバキの花が落ちる様子はサザンカと同じ。
花弁がバラバラに落ちる様は、どことなく侘しい。
「令和陸年(皇紀2684年)12月26日」
12月
25日,
2024年
《 雅羅・/・襍感〝X'mas〟❖ ’24-360 ❖ 》
12月
24日,
2024年
《 雅羅・/・〝2024/12/24〟❖ ’24-359 ❖ 》
12月
21日,
2024年
《 雅羅・/・〝旅先で観た実〟❖ ’24-356 ❖ 》
学名:Pseudocydonia sinensis (Thouin) C.K.Schneid.
Chaenomeles sinensis (Thouin) Koehne.
別名:カラナシ、キボケ。
カリン(花梨、榠樝);カリン属 落葉低木~小高木。
カリンは香りは良いが生食は不適で果実を焼酎漬とか蜂蜜に漬けたりする。
果実を採ってから放置し、追熟して香りが強くなってから漬け込むのが良い。
普通、街路樹には観ないが公園等で見ることがある。
小枝は紫赤色、円柱形、刺はなく初め軟毛があるが無毛になり淡色の皮目がある。
蕾は紫褐色、無毛、先は鈍い。
葉は互生し、葉身は倒卵状楕円形。基部は丸く、縁には細かい鋸歯がある。
表面は無毛で光沢がある。裏面は葉脈に沿って軟毛がある。
雌雄同株、両性花。4~5月に、短枝の先に、淡紅色の花がひとつずつ咲く。
10月には黄色く熟しナシ状果で芳香があり黄色~暗黄色で狭惰円形の木質。
果実は、硬く酸味が強いが、鎮咳の薬用にもなる。
成熟した果実を湯通しをした後輪切りにして乾燥させ使用する。
*
先の公園で観たカリンは、其の場の雰囲気にぴったりだった。
12月
20日,
2024年
《 雅羅・/・〝泉の森の樹〟❖ ’24-355 ❖ 》

学名:Citrus natsudaidai Hayata
Citrus aurantium 'Natsudaidai'
別名:ナツカン(夏柑)、ナツダイダイ(夏橙)

山口県は、関東人からすると遠い場所って感じる県。
未だ訪れたことのない場所がある。
萩の人々を救った、ナツミカン原樹。
山口県長門市に大日比と言うところがあり、
ここはナツミカン(夏蜜柑)の発祥の地に由。
江戸時代、海岸に流れ着いた柑橘類の種を植えた人があった。
今の夏蜜柑樹で、この柑橘類は幕末の萩の名物となった。
維新後に萩の重要な産物となっていった。
廃藩置県で禄を失った萩の武士たちの窮状を救った。
夏蜜柑発祥の樹は「大日比ナツミカン原樹」と呼ばれ現存している。

江戸期、安政年間(1772~1780年)の出来事である。
山口県長門市のこの海岸には南の方から対馬暖流が流れ込み、
柑橘類も生育できる温暖な気候の地域。
長い間、其の当時の原木が民家の庭に現存することが凄い。
夏蜜柑は、今の時代、極普通に栽培もされている。
吉田松陰も庭に植えていた由。
萩の名物として「萩橙(はぎだいだい)」とも呼ばれたとある。
ナツミカン原樹は昭和2年(1927年)に国の史跡及び天然記念物に指定され、
石柱や掲示版が建てられ、大切に管理されている。
だが、樹齢200年を越すナツミカン原樹は、老化が激しい。
ナツミカン(夏蜜柑)の花は真っ白な五弁の清楚な花。

夏蜜柑に対する県の思い入れも大したものだ。
道路のガードレールの色を夏蜜柑の橙色にした。
昭和38年の山口国体の際に、国道、県道のガードレールを橙色に塗り替えた。
ナツミカン(夏蜜柑)は萩藩・明治維新以来、萩の人々の象徴的存在。
夏蜜柑原樹の隣の土地には次世代の夏蜜柑原樹が育っている。
掲示板に「長門ナツミカン物語」とある。
「私は隣の原樹と全く同じDNAを持つナツミカンです。
原樹に万が一のことがあってはいけないとの思いから私がそだてられたのです。
ある日、当時の橋本県知事から「山口県萩柑きつ試験場」に、
大日比ナツミカン原樹が弱っているので守ってほしいとの電話がありました。
その後、昭和56年に山口県萩柑きつ試験場の方によって
隣の原樹の枝の一部が切り取られ、
試験場内の一角に植えられ今日まで大切に育てられて来ました。
平成20年3月末で試験場が閉鎖されたのを機に、
生まれ故郷の長門市大日比に帰ってきました。」
* * *
我々、植物愛好者は、以上のような貴重な植物と同様に、
日々見て接している植物にも丁寧に接したい。
自然・植物は、我々に色々と暗示を見せる。
雑草と呼び足蹴にしてる植物も生きている、といたわりたい。
雑の旧字体は「襍」と書く。
衣を集める、である。字体に感慨をもつ。
「令和陸年(皇紀2684年)12月20日」
12月
19日,
2024年
《 雅羅・/・〝泉の森の樹〟❖ ’24-354 ❖ 》
フサザクラ(総桜、房桜)フサザクラ科(Eupteleaceae)フサザクラ属
学名:Euptelea polyandra Sieb. et Zucc.
別名: タニグワ、サワグワ、ヤマグワ、
ナナカマド、ナナカマス、メメスギ
フサザクラ(総桜、房桜);フサザクラ属
3月中旬には満開を迎えるようで桜の開花より少し早い。
科・属を知ると、じつに珍しい、単独種。楓の花に近い様に映る。
萼や花弁が無く沢山の雄蕊と幾つかの雌蕊が垂れ下がる。
花は暗い赤色で、果実もカエデの翼果に似ている。
自生分布は、北海道を除く日本各地と、報告がある。
山の谷間で見ることが多い由。
落葉樹で、西日本の谷筋や山間の路傍、崩落地などに多い。
日本国内では、同科に属するのは本種のみで「一属一種」の木。
フサザクラの開花は3月下旬~4月。葉に先立って咲く。
葉は円形あるいは楕円形で先端が極端に突出する。
縁のギザギザが不規則であることが特徴。
*
泉の森内でフサザクラを確認していない(私)。
森を調査している方に教えていただいた。
探索力の凄さ、眼識の鋭さ・・・而して教示。
調査者の “かがみ” 。感謝しかない。
単に見て回っているだけって!!反省した。
老人ボケ防止に気合を入れたい。
来春には、花がつく事を希したい。楽しみ。
「令和陸年(皇紀2684年)12月19日」
12月
18日,
2024年
《 雅羅・/・〝備忘録 24-70〟❖ ’24-353 ❖ 》

学名:Kandelia obovata
別名:リュウキュウコウガイ(琉球笄)。
和名の由来は、オヒルギ(雄ヒルギ)に対するメヒルギ(雌ヒルギ)の意味で、
本種の胎生種子が親植物上で発芽した幼根の太さが、
オヒルギよりも細く女性的であることに由来する。
マングローブ林ではやや陸側に生育するヒルギ科の常緑木本であり、
薩摩半島以南に分布している。
盆栽のように樹形が美しく整い耐寒性に優れているのが特徴で、
沖縄本島や奄美大島では板状をした大きな根を張る巨木も生育している。
この樹も是非にも見に行きたい!!
「令和陸年(皇紀2684年)12月18日」
12月
17日,
2024年
《 雅羅・/・〝備忘録 24-69〟❖ ’24-352 ❖ 》

学名:Rhizophora stylosa Griff.
別名:オオバヒルギ(大葉蛭木、大葉漂木)、シロバナヒルギ(白花蛭木、白花漂木)。
マングローブの代表的樹木のヤエヤマヒルギ。
タコ足に伸びる根が特徴的。
日本では分布範囲が、沖縄本島がヤエヤマヒルギの北限。
本島内でもごく限られた所に生育している由。
植栽によって、現在では本島内でも見られるようになった。
のいくつかのエリアで見ることができます。東村慶佐次川が自生としては北限です。
樹高は、高木に入り日本では最大で10mくらいになる。

木が倒れないように柱で支えているような所から支柱根(しちゅうこん)。
タコの足のように面白い形で伸び、かなり複雑に生えている。
根という柱で立っているより、伸びた根が地面を掴み引いている。
ひっぱり根という役割のほうが正しいとも言われる。
根は呼吸根で、地上に露出した根で呼吸(ガス交換)を行っている。
このような気根を特に呼吸根と呼ぶ由。
ヤエヤマヒルギの根には葉緑素が含まれていて、光合成をしている由。
生きるための知恵が見れる、とメモがある。凄いって感じる。
開花時期は春から夏、4つの萼片で花弁は白色。
是非にも見に行きたい!!
「令和陸年(皇紀2684年)12月17日」
12月
15日,
2024年
《 雅羅・/・〝備忘録 24-67〟❖ ’24-350 ❖ 》
12月
14日,
2024年
《 雅羅・/・〝冬の樹〟❖ ’24-349 ❖ 》

コクサギ(小臭木);コクサギ属
コクサギは、落葉低木で山地の湿った林内や谷間などに生育している。
在来種で北海道(西南部)、本州、四国、九州に自生分布がみられる。
名前の由来は臭気があり、クサギ(臭木)よりも小型であることから。
ただし、クサギはシソ科の低木であるため分類上の関連はない。
神奈川県内では全域に分布。沢沿いの樹林内に普通に見られる。
幹は灰褐色。縦の縞模様と、横長の皮目が目立つ。
葉序が独特、互生だが2対づつ左右に付く樣をコクサギ型葉序と呼ぶ。
同様な葉序としては、サルスベリがある。
葉身は倒卵形で全体に腺点があって、表面は光沢あり、縁は全縁。
小臭木の葉は、カラスアゲハ、の食葉として知られる。
雌雄異株で4月に黄緑色の花が咲く。
前年枝の葉腋から、雌花は単生、雄花は総状花序が出る。
花弁、萼片、子房はそれぞれ4個ある。雄蕊は退化している。
雄花は雄蕊が4本付く。果実は2~4分果になる。一つづつは腎形。
果皮は木質で、熟すと2裂し、その反動で黒い種子をはじき出す。
種子をはじき出した後。またもとの形に戻り、しばらく残っている。
冬芽は芽鱗が4列にならび、断面は4角形。
芽鱗は緑色~濃紅紫色で、縁は灰白色のため、綺麗な模様になる。
枝や芽を傷を付けると、特有の臭気がある。
冬芽は葉痕に沿って付く為、葉序と同様に、片側2個づつの互生。

A241 ミカン科 RUTACEAE
(武智憲治,図:勝山輝男)
木本が主だが草本もある.
葉面全体または鋸歯の凹部に油点を持ちミカン科特有の香りがあるものが多い.
子房は上位.果実には液果,核果,蒴果と多様である.
世界の熱帯から温帯にかけて 160 属約 2,000 種が知られ,
日本には 11 属約 23 種が自生している.
県内には 5 属 9 種が自生し,2 属 2 種が逸出している.
A.木本
B.葉は単葉
C.果実はミカン状の液果でない
D.落葉低木.花序は側生.果実は蒴果
2.コクサギ属 Orixa Thunb.
東アジアに 1 種のみがある.
(1)コクサギ Orixa japonica Thunb.
落葉低木.刺はない.葉は単葉で,ふつう 2 回ずつ同じ方向につく互生で,
コクサギ型葉序と呼ばれる.
葉は倒卵形で長さ 5~12cm 幅 3~7cm,全縁または低鋸歯縁,
透かして見ると葉面全体に油点がある.雌雄異株.花期は 4~5 月.
花序は前年の枝につき,雄花は総状花序で,雌花は単生する.
花弁,雄しべ,心皮ともに 4 個.果実は蒴果,4 分果に分かれ,
黒褐色の光沢がある種子が 1 個ずつある.
本州,四国,九州;朝鮮半島,中国に分布.
県内では林内の沢に沿ったところに生え,県内全域で普通に見られる.
葉の上面脈上に毛が多く,
下面に細毛が密生してビロード状のものをビロードコクサギ
form. velutina Hayashi in Bull. Govt. For. Exp. Stat. (125): 73 (1960) といい,
その基準産地は山北町世附.
《 私的感心本〝小臭木〟》
コクサギの実は二重の果皮をもっており、実が熟して乾燥すると
内側の果皮(内果皮)に包まれた種子がバネの作用で遠くに弾け飛ぶ。
其の樣は、二段式ロケットの様で数メートルもの距離を飛ばす。
落ちた種子は見かけるが、種子が弾き飛ぶ瞬間を目撃したことはない。
「令和陸年(皇紀2684年)12月14日」
12月
13日,
2024年
《 雅羅・/・〝備忘録 24-66〟❖ ’24-348 ❖ 》

学名:Senecio scandens Buch. -Hamil. ex D. Don
別名:ユキミギク(雪見菊);
Makino in B. M. T. 6: (55) (1892), sub nom. S. hibernus Makino, n. nud.
12月
12日,
2024年
《 雅羅・/・〝海岸地の樹花〟❖ ’24-347 ❖ 》

ハマヒサカキは、ツバキ科 からサカキ科に分離された。
本州(千葉県と愛知県以西)、四国、九州及び沖縄に分布。
「浜に生えるヒサカキ」という意味でハマヒサカキと名付いた。
日陰にも強く、暖い海岸沿いを好んで育つようだ。
常緑低木で樹皮は灰褐色、樹皮が浅く縦裂する。
葉は互生、長さ2~4cm・幅1~1.5cmの倒卵形。光沢あって厚い。
縁は裏側へやや巻き浅い鋸歯で先が円く先端が微凹頭。
葉は裏表とも無毛でツルツルしているが、
小枝にはヒサカキにない黄褐色の短毛が密生する。
葉の下脇に直径約5㎜の小花を束生する。
ハマヒサカキの開花は晩秋から初冬で、
翌年の2月頃まで断続的に咲くこともある。
花弁は5枚で白色。雌花は雄花より小さい。
雌雄異株で雄株には雄花が、雌株には雌花が咲く。
雄花は花弁が白く黄色い雄蕊が10~15個あり、雌蕊は退化している。
雌花の花弁は紫を帯びた白色。
先端が三つに裂けた雌蕊が1本、雄蕊は退化している。
雌花の後にはヒサカキと同じような球形の果実ができる。
直径5mmほどの扁球形液果、始めは緑色で10月頃に黒く熟す。
実生や挿し木で容易に繁殖する。
葉が大きい順にサカキ→ヒサカキ→ハマヒサカキ。
葉が小さくなるに従って葉の密度が高まる。
特にヒサカキとハマヒサカキは混同しやすいが、
見分けのポイントは葉先と小枝。
ハマヒサカキは葉の先端が丸いが、小枝に短毛がある。
* * *
子供時代、横須賀で暮らしていた。
垣根にしていたハマヒサカキ、
暮れから正月に花・実をつけて来客を迎えた。
親達は、自然の生け花のように思っていたのだろう。
「令和陸年(皇紀2684年)12月12日」
12月
11日,
2024年
《 雅羅・/・襍感〝南国の樹花〟❖ ’24-346 ❖ 》

及びトカラ列島に分布する常緑小高木。花期:11~12月頃、
葉腋に集まってつき、果実は2cmほど、やや球形で黒く熟す。
花の少ないこの季節、屋久島の森ではサザンカに交じり、
ヒロハノミミズバイが咲き始める由。
花ひとつを見るとハイノキに酷似している。
ヒロハノミミズバイは、柄が無く枝にくっつくように花が咲く。
同属の木花は、よく似ているが、春・冬に咲くのもあり面白い。
徳島県、高知県、宮崎県、鹿児島県、トカラ列島にしか自生がない。
ツチトリモチが寄生している。名由来は、果実がミミズの頭に似るから。
*
南の地方には、独特の花々が生育している。
開花季節の事もあって、中々出会えない。
いちどは、実際に眼にしたいものだ。
「令和陸年(皇紀2684年)12月11日」
12月
10日,
2024年
《 雅羅・/・襍〝草花其の後Ⅲ〟❖ ’24-345 ❖ 》
学名:Ageratina altissima. ;Eupatorium rugosum E. urticaefolium
別名:ボタンザキフジバカマ、ウラジロアザミ、シロバナフジバカマ
箱根の強羅植物園で栽培されていたものが1916年頃から逸出した。
白花のフジバカマに似るが、葉裂で見分けられる。
フジバカマの葉は3裂、マルバフジバカマは丸くはないが一枚。
花の色は白く、花冠が5つに分かれた多数の筒状花からなる。
葉には柄があり、縁には鋭いぎざぎざ(鋸歯)がある。 葉の先は尖る。
花の後にできる実はそう果。
(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子の様に見える)。
林縁などに生え、地下に太くて長い根茎があり、
横走し群落を形成、各頭花の筒状花は白色で10~25個。
同属のフジバカマ、ヒヨドリバナ等の筒状花は5個。
筒状花の先端(花冠)は5裂し2本に割れた白い糸状の雌蕊
(花柱)を花冠の外に長く伸ばす。舌状花はない。
12月
9日,
2024年
《 雅羅・/・襍感〝定点観察草本〟❖ ’24-344 ❖ 》
マヤラン(摩耶蘭) ラン科(Orchidaceae)
学名:Cymbidium macrorhizon (C.nipponicum)
泉の森でつぶさに而してじっくりと観察している“マヤラン”。
マヤラン(摩耶蘭)を泉の森で初めて見てから30年余。
初見(親の案内)した後、10数年もの間ご無沙汰。
再訪した時、初見時より少し増えていたと記憶している。
*
マヤランの名は、最初の発見地である神戸市の摩耶山にちなむ。
常緑広葉樹林下に生える多年生の地生ランで、花茎高10-30cm。
シュンラン属だが、緑葉も根ももたない菌従属栄養植物。
だが花期後、花茎や果皮に葉緑素が増えて光合成を行う。
環境省レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類(VU)。
不思議なことに、身近な里緑地に自生・出現している。
泉の森に見えるマヤランは、7月頃に開花。
そして一度地上部が枯れ、9月に再び花茎を伸ばし開花する。
根茎は白色、多肉で長く地中で繰り返し分枝し鱗片がある。
根茎の先端から花茎を直立し、2-6個の花をまばらにつけ、
花茎下部に長さ1-1.5cmで基部が短い鞘が見られる。
膜質の鱗片葉が数個あるが、普通では葉はない。
花は乳白の地に紅紫色の模様が入る。
苞は膜質で長さ0.5-1cmの広披針形で鋭くとがり、
萼片は長さ2cm、幅3-4mmの倒披針形でとがる。
側花弁は萼片より少し短い狭長楕円形。
唇弁は長さ約1.5cmの長楕円形で蕊柱の基部につく。
僅かに3裂し中央裂片は3角形で外に巻き縁は細波状で先は尖る。
距は発達せず蕊柱は約1cmで半円錐状、先端に2室の葯がある。
果実は長楕円形の蒴果。
摩耶蘭概要を思い出し、今年の摩耶蘭の生育状態に変化を見た。
7月に咲いた後、10月下旬に2回目の開花を確認した。
それが、12月に入っても咲き続けている1茎が居る(12/8)。
気温の高低等々を思うが、驚きを以て観察している。
泉の森、数か所の生育地其々でしっかりと生育しているが、
群生している場所では、北東方面に広がりをみせていた。
今年は、更に外側に1茎(新茎?)を'24/12/8に確認した。
ここ泉の森は、摩耶蘭にとって良好な生育環境なのかもしれない。
害敵の小昆虫は知られているが、それを捕食する昆虫。
自然界の摂理、食物連鎖・循環がしっかり行われてる環境。
而して人的被害も少ない。それが泉の森の環境だ。
摩耶蘭の開花個体の発生期間は2~3年程度で、
3年は毎年、開花・結実するが、
開花期間が終わるとその個体は消えてしまう。
かような生活周期・生活史があると専門家の言がある。
してみると、消えてしまった環境、増え続けている土壌、
それらの土壌環境・生育茎の場所移動が、サイクルと理解できる。
更には、人の補助・環境整備も必要、と慎重に対処しないといけない。
肝に命じ、心して微力だが・・・植物と向き合いたい。

A061 ラン科 ORCHIDACEAE
(科の解説と属への検索表:久江信雄,『神植誌 01』:秋山守・佐宗 盈)
地生,着生,岩生,菌従属栄養性の多年草.
茎は単軸性(単茎性)または仮軸性(複茎性)で長い茎があるか,
根茎または肥大した偽球茎がある.
葉は多くは偏平で,基部に筒状の鞘があり,
ときに鱗片状に退化する.
花は左右相称,苞があり,穂状・総状花序,
稀に単生するものもある.
萼片と花弁は各 3 枚が基本であるが,
側萼片が合着している種もある.
萼片 3 枚はほぼ同形.
側花弁 2 枚は同形であるが,中央の 1 枚は唇弁と呼び,
形,大きさ,色彩が顕著で,その基部にときに距がある.
多くは雄しべと雌しべが合着してずい柱を形成し,
先端の上面に葯,下面に柱頭がある.
一般に柱頭の一部は変形して小嘴体をつくる.
葯は通常 2 室,葯の中には蝋質性または粉質性の花粉の集合体
である花粉塊が 2~8 個あり,基部は普通粘着体に着いている.
果実は多くは蒴果で 3 裂し,種子はきわめて微細である.
全世界に広く分布し,世界に約 860 属 26,000 種,
日本に約 86 属 320 種が知られている.
県内には 43 属 93 種の記録があり,42 属 86 種が現存する.
・ ・
37.シュンラン属 Cymbidium Sw.
(中島稔,『神植誌 01』:秋山守・佐宗盈,図:秋山守)
地上生または着生.
根茎の地上部は通常偽球茎となり,根は一般に太いひも状で四方にのびる.
葉は線形~狭長楕円形で左右に叢生し,
一部は緑葉がなく菌従属栄養性が進化している.
また,緑葉がある種でも共生菌への依存度が高い事が判明している.
花茎は偽球茎基部から生じ,基部または上部に少数の鱗片葉をつける.
花はやや大きく 1 個または数個を総状につけ,苞は短い.
萼片と側花弁は離生し,開出または斜開する.
唇弁はずい柱基部につき 3 裂し,側裂片は幅広くずい柱を抱き,
中裂片は分裂せず基部から中央部まで 2 隆起線がある.
ずい柱は長く半円錐状.花粉塊は 2 個.
東アジア,マレーシア,インド,オーストラリアに約 55 種
が知られ,日本には 10 種が分布し,県内には 4 種が自生する.
A.緑葉があり,根は太くて長い
B.葉は線形で柄がない.花は花茎に 1 個つける
(1)シュンラン
B.葉は狭長楕円形で柄がある.花は花茎に数個つける
(2)ナギラン
A.緑葉と根がない
B.花色は紫色を帯びる
(3)マヤラン
B.花色は乳白色(4)サガミラン
(4)サガミラン Cymbidium nipponicum (Franch. & Sav.) Rolfe;
Bletia nipponica Franch. & Sav.
マヤランに比べて花茎と鞘状葉が緑色,苞が 3 角形,
長さ 4.5~6mm と短く,花も小型などの相違いがある
(柳川ほか 1981 神自資 (2): 47-54).関東地方に分布.
日本固有種.マヤランと同じような生育環境に生える.
『神RDB06』では絶滅危惧Ⅱ類とされた.
『神植誌 01』では,マヤランの白花品として
C. macrorhizon form. aberrans (Finet)Hid.Takah. & Ohba としたが,
その後の分子系統解析の結果独立種となった.
また,本種には複数の学名が存在したが,
古い時代に発表されていた基準標本が確認され,
表記学名となった.
なお,C. macrorhizon form. aberrans の基礎異名
Yoania aberrans Finet もサガミランではなく,
マヤランであることが明らかになっている
(Inoue FJ Ⅳ b: 304).
* * *
共生菌との暮らしを見せる不思議な植物。
人間の所作・生活を遥かに超えた高みに見える植物たち。
眼を楽しませてくれる彼等に返礼の如くに共生したい。
マヤランに関する詳細紹介を以前、ブログルに記した。
参考に。
「令和陸年(皇紀2684年)12月9日」
12月
7日,
2024年
《 雅羅・/・襍感〝泉の森・黄葉〟 ’24-342 》
今年の晩秋~初冬、里緑地も黄葉にかがやいている。
今年は、黄葉が早かった。その上、見ごたえがあった。
泉の森には、ドングリ拾いや、昆虫観察??の若者が多く居た。
「令和陸年(皇紀2684年)12月07日」
12月
6日,
2024年
《 雅羅・/・襍〝草花其の後Ⅱ〟❖ ’24-341 ❖ 》
そんな草花が残念なことに茎が立ったまま開花寸前に苅り取られてしまった。
群落地ではないが、下草刈りする場所は慎重に検討を願うばかりだ。
イチヤクソウの根茎は、しっかりと太い、来年も茎を立てるだろう。
他方、群生地の端等のイチヤクソウは、蒴果が見えている茎もある。
扁球の姿なのだが、遠目にいまだ立っているものもいた。
細い茎、落ち葉でたおれてしまった。今少し見たかった。
そんな中で12月に入ったのに若い茎で新たに花をつけている。
場所は、かなり離れた所に茎はたっていた。
その若い2茎を見ると、自然交雑しているのでは??とも思えた。
来年も継続観察してみよう。メモメモ。
補足;薊の不思議**!!
12月
5日,
2024年
《 雅羅・/・〝草花其の後Ⅰ〟❖ ’24-340 ❖ 》
ムサシアブミの実には、毒性がある。
触れるだけでもかぶれる可能性があり見るだけにしたい。
《 泉の森・森のはらっぱ〝武蔵鐙の実〟》
泉の森の12月、下草刈りや坪刈りも終わった風。
綺麗になった森の林床、落ち葉が彩りを添えている。
地表辺りで菌類や微生物が活動し、養分豊富な土になる。
それとは別に人手の加わらない雑木林の縁にも植物が見える。
この時期は種々の実が見られ、そんな中で迫力あり際立つ実。
サトイモ科のムサシアブミの実は、堂々として凄い。
花期の姿(仏炎苞に包まれた肉穂花序)にも驚くが、、!
仏炎苞が枯れ始め、小葉がバカでかくなるのも驚く。
葉は、大きく長さは、30cm以上にもなる。
森のはらっぱで見る葉は、輝きて異様にも映ったが、
その後の実も見た者を圧倒するほどに迫力があった。
*
泉の森は、金網で囲まれた水道局管理地、
その外側・外周部分が散策路。
水道局管理地内は、殆ど人手が入らない“自然状態”。
それ故に、時として超希少植物が見つかったりする。
他方、大和市の財団管理公園(泉の森)も、
一般人が散策できる場所は限られている。
したがって一般人が見れる花もかぎられてしまう。
それでも素人眼に300種位の草本を見てきた。
実際、泉の森には7~800種位の植物がいると思われる。
財団のボランティア組織の一つに“植物調査班”があり、
日々、森内を探索・観察し保全整備をされている。
自然植物も、生き物だ。変異・増減がある。
それらをつぶさに観察、而して保全作業を行う。
その尽力には、畏敬の念を持つ。
散策者に、より良く鑑賞できるように移植さえもされている。
森林公園だが、ボランティアあっての公園だろう。
生物共同体的均衡、なんて表現がかつてあった。
自然を楽しんでいるのだが、生態系は、維持したい。
共存するには、人も植物に手を貸さないと・・・。
綺麗な花を見ている散策者として感ずるは!!
楽しんで探索し保全されてるボランティア諸氏。
植物好きからすると、ボランティア協議会と云う名称が^^)。
英語でのvolunteerは、〝自生植物〟を指す意味もある。
〝自生植物〟協議会・・・!?! 的を射てる。
「令和陸年(皇紀2684年)12月05日」
12月
4日,
2024年
《 雅羅・/・〝備忘録 24-65〟❖ ’24-339 ❖ 》
12月
3日,
2024年
《 雅羅・/・襍感〝泉の森〟❖ ’24-338 ❖ 》
早いもので、12月に入ってしまった。
予定・計画していた事々は、半分も出来ていない。
又、来年などとのんびりしておれない。少々あせる所。
古い呼称に、12月を厳月(げんげつ)とも呼んでいた。
諸々、その通りって痛感する。
1日1花をBloguruに記してみようと思ったものの苦戦している。
親たちの観察記録に追いつけない。場所等は分かっているのに知見が伴わない。
身近な里緑地ですら満足に観察出来ていない(知見不足・行動不足)。
地元、泉の森には植物を専門に観察調査されて居られる人々がいる。
中にお三方、女性が居られるがその博識には驚きを禁じ得ない。
地域特性の植生(潜在植生と人為植生)を記録したい。
私的に、故両親の記録を基に色々お教え頂き我が孫達に記録を残そう。
そんな思いを持って散策を始めている(来年に向けての準備)。
一般的には、つぶさに植物を探し観察しないと自然はわかり得ない。
博識者に教えを得て記録資料を完成させたい。
*
12月
2日,
2024年
《 雅羅・/・〝備忘録 24-64〟❖ ’24-337 ❖ 》

小型の一年生あるいは二年生の寄生植物で、10月下旬 - 11月中旬頃、
高さ3 - 11cmの植物体(花茎)を地上に出す。
全体が黄色で、花穂はやや細長い。
鱗片葉は10枚前後で、白色 - 黄色で葉緑素を持たず、小型。
地下茎は塊状で、皮目がない。花茎はこの根茎の頂端から3 - 10個出る。
雌雄同株で、一つの花穂(花の集合体)に雄花と雌花がつく。
花穂は長卵形で先端が細く尖り、黄白色。
雌花が花穂の表面全体に密生し、
それよりも大きい雄花はその間にまばらに散生している。
雄花は三枚の花びらがあって、はっきり分かる大きさをしている。
したがって、外見上は塊の上に花が散らばったような姿になる。
葉緑素を持たないため発芽した種子のうち、
寄主の根に付着したものだけが成長する事ができる。
海岸付近の低地林内で、トベラやシャリンバイ、ネズミモチ、ハマヒサカキ、
リュウキュウクロウメモドキ等に寄生する。
和名の由来は、1911年(明治41年)に鹿児島県揖宿郡喜入町(現鹿児島市)で
採取された標本により、記載されたことによる(最初の発見地は喜入小学校の裏庭)。
なお、鹿児島市吉野町磯の生育地は国の天然記念物に指定されている。
-- 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』--
《 私的・・幻の草本〝喜入土鳥黐〟》

葉緑素が全くない。全体が黄色、または淡い黄褐色、とまるで茸のようだ。
*
天然紀念物調査報告(植物之部)第一輯 九六頁 参照
天然紀念物解説 二五〇頁
きいれつちとりもち Balanophora tobiracola Mak.
ハとべらノ根ニ寄生スル珍奇ナル種類ニシテ
本自生地ハ鹿児島市ノ東方磯ノ海岸山林中ニアリ
*
〝喜入土鳥黐〟面白い名前の多年草。希少・保護保全しなくては・・。
希少・貴重な植物は、身近にも生育している。
今で言う自然保護の原点は、天然紀念物保護法に基づく。
史蹟名勝天然紀念物保存法は、大正8年に出来た法律。
史蹟名勝部分は、ここでは省略して植物に関して。
「天然紀念物(天然記念物)」の語を最初に用いたのは、
東京帝大の植物学教授三好学 理学博士。
ドイツ留学で知り得た「文化記念物」
(クルトゥール・デンクマールKulturdenkmal)
と「自然記念物」(ナトゥーア・デンクマールNaturdenkmal)の2分類。
後者の概念で「天然紀念物保存法」とされたようだ。
第二次世界大戦後に云われ始めたのが自然保護という表現。
この表現もドイツから入ってきた、ナトゥアーシュッツNaturschutz。
自然との関わり合い。まずは植物探索からだ。
そして植物を愛でる。探し見つけ、大切に共存したいものだ。
人は、雑草と嫌う植物にも存在異議がある事を肝にめいじたい。
「令和陸年(皇紀2684年)12月02日」
12月
1日,
2024年
《 雅羅・/・〝備忘録 24-63〟❖ ’24-336 ❖ 》

《離弁花類で被子植物に属する寄生植物の科。》
学名:Mitrastemon yamamotoi Makino
別名:タイワンヤッコソウ、ヒシガタヤッコソウ

四国(徳島県・高知県),九州(宮崎県・鹿児島県),屋久島,種子島.
ヤッコソウ(奴草);
被子植物に属する寄生植物。葉緑素を持たない全寄生植物。
森林のシイノキなどの根に寄生、徳島県が自生分布の北限。
種子を作る植物は緑色の葉を持っていて光合成をして
必要な養分を自分で作るのが普通であるが、
ヤッコソウは、10cmにも満たず、全体が白く緑色の葉を持っていない。
自分では養分を作ることができず、別の植物にくっ付いて養分をもらっている。
そうした植物を寄生植物という。
ヤッコソウはその寄生植物のひとつで、シイノキ属の植物の根に寄生する。
秋に 「奴 」に似た白い花を付ける事でこの名がある。
国や県の天然記念物に指定されている。
ヤッコソウには帽子と呼ばれる箇所(雄蕊が筒状になったもの)があり、
帽子の側面には花粉が詰まった葯が帯(葯帯)の様になっている。
花は初めは雄蕊の帽子を被っているが、徐々に被り部分が落ち雌蕊が顔を出す。
花には、蜜が豊富に出て花下側にある鱗片葉の付け根に蜜が溜まる構造。
その蜜を求めてやってきた小動物や虫が、花に頭を突っ込む。
すると頭が、雄蕊の帽子に触れ花粉が小動物や虫の体に付着。
そして別の花に移って同様に蜜を吸うという行動・・・。
その行動が、むき出しになった雌蕊に体が触れて受粉する。

子孫を残すための花にエネルギーを集中することができる。
そこで、花粉を運んでもらうために効率の良い形になっていて、
普通の植物とは大いに異なった形をしている。
《 私的・・幻の草本〝奴草〟》

スダジイやツブラジイの根に寄生する。
クリーム色の鱗片状に退化した姿、まさしくやっこさんだ。
“雄性期”
雄蕊の花糸・葯が着し雄蕊全体が帽子状になり雌蕊の柱頭と子房を上から覆い、
粘液状の花粉が黄色がかったリング状の葯から分泌される。
“雌性期”
花粉が出なくなった雄蕊はすっぽり抜け落ち柱頭が露出して受粉を待つ。
蜜は燐片葉の上部つけねに大量に分泌されており、
蜜を摂食した昆虫や鳥類(メジロ)は花粉を運ぶ。
受粉が完了した個体は柱頭が黒褐色に変色し合着した花被片に保護される。
子房内部には多数の微小な種子がつくられる。
熟すると液果状になり、そのまま冬越しをする。
*
解説するとは、大変だ。専門的植物用語を平たく説明頂くとよく理解できる。
「令和陸年(皇紀2684年)12月01日」