×
メールを送る
default error
default success
Eメールの送信に失敗しました。
下記のフォームを記入し、送信をクリックしてください。全て必須項目です。
Eメール*
件名*
メッセージ*
このURL をRSS リーダーに追加してください。
記事検索
Zak_Kinchaku-Bukuro
https://jp.bloguru.com/zakkah
10月
2日,
2024年
《 雅羅・/・襍〝備忘録24-37〟❖ ’24-276 ❖ 》
コメント(0)
|
コメントを書く
|
固定リンク
イワギボウシ(岩偽宝珠)クサスギカズラ科 (Asparagaceae)
学名:Hosta longipes (Franch. & Sav.) Matsum.;
Funkia longipes Franch. & Sav., Enum. Pl. Jap.
クサスギカズラ科は、別名キジカクシ科.
キジカクシ科は旧分類のユリ科から分割された。
イワギボウシ(岩偽宝珠); 多年草。
岩偽宝珠は山地の湿った岩場や渓谷の岸壁や樹木の幹や枝に着生する草本。
根元に纏まってつく葉は幅の広い卵形で厚く、表面に光沢がある。
長い葉柄に紫黒色の細かい斑点、葉の下面脈上は全く滑らか。
苞は比較的小さく、花茎伸長時の初期から苞の間に蕾が見えたり、
苞が開花時にしおれるのは特徴的姿だが、各地には変種が色々とある。
花弁内側の脈は着色しないか着色しても濃くはならない。
雄蕊は、花弁より突き出す。
花筒の透明線は広筒部のほぼ全体から細筒部にまで及ぶ。
サイコクイワギボウシ(Hosta longipes var. caduca)が四国西部と九州に、
イズイワギボウシ(H. longipes var. latifolia)が伊豆半島と伊豆諸島に、
ヒメイワギボウ(H. longipes var. gracillima)が四国東部と近畿地方南部に、
オヒガンギボウシ(H. longipes var. aequinoctiiantha)が西日本に分布している。
イワギボウシ(岩擬宝珠)は、日本固有種。
葉柄に広く紫色の斑点がある。葉の下面脈上は全く滑らか。
苞が比較的小さく、花茎伸長時の初期から苞の間に蕾が見え、やや薄質。
花被内側の脈は着色しないか着色しても著しく濃くはならない。
雄蕊は花被より突き出す。
花筒の透明線は広筒部のほぼ全体から細筒部にまで及ぶ。
《 私的未見の秋花〝岩偽宝珠〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖ 》
**神奈川県植物誌**
イワギボウシ Hosta longipes (Franch. & Sav.) Matsum.;
Funkia longipes Franch. & Sav., Enum. Pl. Jap. 2(2):
529 (1878)の基準産地は箱根山(Savatier n.1297bis)
高さ 20~30cm.葉は花茎より少し短い.
葉身は広卵形,下面は平滑である.
脈は片側で 5~8 個.葉柄は暗紫色の細点を密布し紫色を帯びて見える.
苞は白色から淡紫色で長さ 7~12mm.花は 8~9 月,淡紫色.
本州,四国,九州に分布する日本固有の植物.
県内では小仏山地,丹沢,箱根などに分布するほか,
三浦半島,相模原台地にも見られる.
川岸の岩場や樹幹に着生する.
葉柄の緑色の 1 型をアオジクイワギボウシ
form. viridipes F.Maek. in J.Fac. Sci. Imp. Univ. Tokyo, sect. 3, Bot. 5:
388 (1940) といい箱根駒ヶ岳が基準産地.
標本:アオジクイワギボウシ 1983.6.4 林辰雄 KPM-NA1069728.
(2)コバギボウシ Hosta sieboldii (Paxton) J.W.Ingram; H. albomarginata Ohwi form. lancifolia Ohwi; Hemerocallis
japonica Thunb. in Murray, Syst. Veg. ed. 14: 339 (1784) の基準産地の 1 つが箱根(Fakoniae)
高さ 40~50cm.葉身は狭卵形または楕円形,卵状楕円形など葉形や大きさに変化が多く,
鋭頭または鋭尖頭で,基部はしだいに狭くなって翼となって葉柄に流れ,
脈は片側で 3~6 個ある.
苞は緑色,狭卵形,鋭尖頭.花は淡紫色,長さ 4~5cm.花期は 7~8 月.
北海道,本州,四国,九州;サハリン,千島,ウスリーに分布する.に分布する.
県内では各地にやや普通で,草原や疎林内に生える.
葉身が特に狭いコギボウシ var. intermedia (Makino) F.Maek.; H.clavata F.Maek.
の型の標本も南足柄市矢倉岳や相模湖町小仏などに見られるが,
両者に決定的な分類形質は見られず,本稿では同一種として扱った.
(3)オオバギボウシ Hosta sieboldiana (Lodd.) Engl.; H. montana F.Maek.
高さ 50~120cm.葉身は広卵形または狭卵形,基部は心形または切形,
下面は多少とも突起状毛がある.脈は片側で 9~12 個.
苞は咲き始めの花茎が伸びるときには開出して星形をなし,
開花時には花茎と直角に開出し,広卵状披針形または卵形,
白色または淡緑色で長さ 2.5~3cm.花は 7~9 月,白色または淡紫色.
花筒は長さ 4~6cm.北海道,本州(中部以北)に分布する日本固有の植物.
県内では全域にもっとも普通で,草原,疎林の下,岩場などに生える.
(4)キヨスミギボウシ Hosta kiyosumiensis F.Maek.
オオバギボウシのように葉下面脈上には突起状の凹凸がある.
苞は開花時に開出せず,ボート形に凹み,緑白色で質厚く,長さ約 1.5cm.
花期は早く,6 ~ 7 月である.
本州(関東地方南部,東海地方,近畿地方)に分布する日本固有の植物.
県内ではきわめて稀.本来は,林床に生える植物だが,
『神植誌 01』の調査で箱根湯本の早川の渓岸で採集された(1993.7.7 中村和義 KPM-NA1105346).
それ以後は採集されておらず『神 RDB06』では絶滅危惧ⅠA 類とされた.
*
来年は、観に出掛けたい。資料作りをしておこう。
※ 以上、総ての画像は借り物 ※
「令和陸年(皇紀2684年)10月02日、記」
#ブログ
ワオ!と言っているユーザー
10月
1日,
2024年
《 雅羅・/・襍〝備忘録24-36〟❖ ’24-275 ❖ 》
コメント(0)
|
コメントを書く
|
固定リンク
ムラサキミミカキグサ(紫耳掻草)タヌキモ科(Lentibulariaceae)
学名:Utricularia uliginosa Vahl
北海道・本州・四国・九州屋久島まで自生地がある花。
湿地に生える、多年草の小さな食虫植物。
細い地下茎の所々に捕虫嚢をつける。
葉は水深により沈水葉と気水葉の2形。
気水葉は長さ3~8㎜のへら形~倒披針形。
深い水深の沈水葉は、線形で大きい。
花茎の上部に直径3~4㎜の花を1~4個つける。
花冠は淡青色~紫紫色で長さ約3mmで濃色の条線がある。
明らかな花柄があり、距は下向きで先はやや前に曲がる。
花は淡青色~紫紫色、濃色の条線がある。
上唇弁が下唇弁よりやや小さく上唇弁と下唇弁が上に向く。
距は長さ2~3㎜、下方へ突き出て先はやや前に曲がる。
萼は広卵形、花とほぼ同色でやや濃色。
果実(蒴果)は、長さ約3.5mm。
萼が大きくなり、耳掻きのような形になる。
環境省の絶滅危惧第 II 類の貴重種。
黄色い花を付けるミミカキグサ。
一回り大きくより鮮明な色の花をつける花、
ホザキノミミカキグサと隣り合わせ混生している。
《 私的未見の秋花〝紫耳掻草〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖ 》
※ 以上3枚画像は、借り物です ※
**神奈川県植物誌**
ムラサキミミカキグサ Utricularia uliginosa Vahl; U. yakusimensis Masam.
1 年草.地上葉は長さ 3~6mm.花は 8~9 月.花茎は高さ 5~15cm.
花序は総状で,1~5 花をつける.花は淡紫色,長さ約 3mm,有柄.
蒴果は耳掻きの形に似ている.
北海道,本州,四国,九州;東アジア,インドに分布する.
湿地の泥上に生える.県内では箱根仙石原にのみある.
かつては藤沢市鵠沼周辺にもあったが,
現在は本種が生育するような環境があったことを想像することさえできない.
久内(1932 植研 8: 73)によると鵠沼・片瀬には砂質の湿原や池があり,
ミミカキグサ,ムラサキミミカキグサ,ホザキノミミカキグサ,イヌセンブリ,
ゴマクサ,ヒメタデ,ヤナギヌカボなどの稀産種が生育していたが,
当時すでに絶滅していたことを記している.
『神植目 33』は片瀬・鵠沼,『神植誌 58』は箱根・鵠沼(絶滅)を記録している.
『神 RDB06』では絶滅危惧ⅠA 類,『国 RDB15』では準絶滅危惧とされた.
標本:箱根仙石原 1994.9.8 北川淑子 KPM-NA0119195.
(2)ホザキノミミカキグサ Utricularia caerulea L.; U. racemosa Wall. ex Walp.
1 年草.花序は穂状で,小花柄はほとんどない.花は淡紫色で長さ約 2mm.
北海道,本州,四国,九州;アジア,オーストラリア,マダガスカルに分布.
かつて藤沢市鵠沼にあったが 1932 年にはすでに絶滅したとされる(久内 1932
植研 8: 73).
しかし,下記の標本があり,もうしばらく生き残っていた可能性がある.
『神植目 33』は片瀬・鵠沼,『神植誌 58』には鵠沼(絶滅)とある.
『神 RDB06』では絶滅とされた.
標本:藤沢市鵠沼 1942.7 宮代周輔 YCB112265.
*
古いメモを整理していると、浅学の自分には強く関心を持つ花々。
新たに資料作りを夢見る。
「令和陸年(皇紀2684年)10月01日、記」
#ブログ
ワオ!と言っているユーザー
9月
30日,
2024年
《雅羅・/・襍〝備忘録24-35〟❖ ’24-274 ❖》
コメント(0)
|
コメントを書く
|
固定リンク
ハンカイシオガマ(樊會塩竃) ゴマノハグサ科(Pontederiaceae)
学名: Pedicularis gloriosa Bisset et S.Moore
別名:ハンカイアザミ
初秋の山道、林縁で目立つ花。草丈は30~90cm。
花は長く伸びた茎の先に穂状につく。
山地の木陰や林縁に生える多年草。
葉は対生し大きな根出葉が下部にまとまってつく。
葉身は卵形又は広卵形で羽状に全裂(羽状複葉)し、
裂片は不規則に深く裂けて尖った鋸歯がある。
葉身は10~30cmで15cm位の柄がある。
花は長く伸びた茎頂に付く。
枝先の葉腋から分枝した枝に複数付き、
花冠長さ2.5-3cm。
上唇は舟形で下面に毛があり下唇は先端が3裂。
萼は5裂。
*
ハンカイシオガマはフォッサマグナ要素の植物で、
富士山周辺にだけ分布し、
神奈川県では 丹沢、箱根のブナ帯に分布する。
シオガマギク属の中でも特に背が高く、
花は長く伸びた茎の先に穂状につく。
火山活動が盛んだった頃、火山灰に埋もれないよう、
花柄を長く伸ばして実を結んだと考えられる。
大型の羽状複葉は下部に集まり、
小葉が更に羽状に切れ込む。
縁が丸い鋸歯でふくよかな風合いを醸し出している。
また半寄生植物と聞くが、数が少なく希少種である。
※ ※
フォッサマグナ要素とは;
植物の分布状態は気候や土壌、
地質学的歴史などにより決まってくる。
フォッサマグナ(糸魚川~静岡構造線の東側の地溝帯)の
南半分の地域に限られた分布をする
植物群のことをフォッサマグナ要素と呼ぶ。
フォッサマグナ要素の植物は、
新生代第四期(約300万年前~現代)の激しい気候変動と
火山活動という環境で分化した種類とされている。
フォッサマグナ要素には以下のものがある。
イワシャジン、ハンカイシオガマ、フジアザミ等。
寄生植物;
通常植物は葉緑素を持ち、太陽光のエネルギーを使って
水と空気中の二酸化炭素から炭水化物を作り出す(光合成)。
この能力から植物は「生産者」と呼ばれ他の生物と区別される。
ちなみに動物は「消費者」と呼ばれる。
しかし中には葉緑素を持たず、
他の植物(宿主)から養分を得ることにより生活する植物がある。
これらの植物を寄生植物と呼んでいる。
自分でも葉緑素を使って光合成を行うが、
不足する養分を宿主から補うものもあり半寄生植物と呼ばれる。
寄生植物、半寄生植物ともに根を他の植物体の中に進入させ
養分(炭水化物など)を吸収する。
寄生植物、半寄生植物には以下のようなものがある。
【寄生植物】:ギンリョウソウ、ツチアケビ
ナンバンギセル、ヤマウツボ
【半寄生植物】:イチヤクソウ、ウメガサソウ、キンラン、
ギンラン、コシオガマ、ササバギンラン、サイハイラン、
ハンカイシオガマ、ヤドリギ
《 山間の秋花〝樊會塩竃〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖ 》
**神奈川県植物誌**
(2)ハンカイシオガマ Pedicularis gloriosa Bisset & S.Moore in J. Bot. 15:
295 (1877) の基準産地は大山(Bisset)多年草.
花茎は斜上して高さ 30~90cm,
大型の葉が基部に集まり,羽状に分裂する.
長い花茎を出し,分枝する
枝の先に短い花穂をつくり密に花をつける.
本州(東海地方~関東地方)に分布.
ブナ帯の林縁に生える.
県内では丹沢のブナ帯にはやや普通であるが,箱根には少ない.
丹沢山地の蛭ヶ岳周辺、表尾根・行者ヶ岳周辺で観られた花。
今も元気に咲いているだろうか。
「令和陸年(皇紀2684年)9月30日、記」
#ブログ
ワオ!と言っているユーザー
9月
29日,
2024年
《雅羅・/・襍〝備忘録24-34〟❖ ’24-273 ❖》
コメント(0)
|
コメントを書く
|
固定リンク
セキヤノアキチョウジ(関屋の秋丁字)シソ科(Lamiaceae)
学名:Isodon effusus (Maxim.) H.Hara
葉は対生、長さ5~15㎝の長楕円形で先が長く尖り短い葉柄がある。
茎頂の総状花序に多数の花を片側に向けてつける。
花は長さ約20㎜、幅5~6㎜の唇形、花柄は長さ10~25㎜で無毛。
萼は小さく5個の萼歯が尖る。果実は4分果。分果は長さ1.5~2㎜。
似かよった花々との見分け方;
*セキヤノアキチョウジ:花色は青紫、葉が長細く、
長い花序にたくさんの花が並ぶ。
*ヤマハッカ:花色は青紫、葉は広卵形で先が尖り、
上の花びらには縞模様がある
*イヌヤマハッカ:花色は紫、葉は広卵形で先が尖り、
上の花びらには縞模様がない
*カメバヒキオコシ:花色は紫、葉が亀の形に似る
*ヒキオコシ:花色がわずかに紫がかった白、
葉は広卵形で先が尖る
アキチョウジより花が長く、葉が細長い。
関屋とは関所の建物こと。
関所で名高い箱根に多い事で付いた名前。
またチョウジは、花の形が丁の字に見えることから
《 山間地の秋花〝関屋の秋丁字〟 ❖ 9月 ❖ 》
*神奈川県植物誌**
(3)セキヤノアキチョウジ
Isodon effusus (Maxim.) H.Hara; Plectranthus longitubus Miq. var. effusus Maxim. in Bull. Acad.
Imp. Sci. St.Petersb. 20(3): 451 (1875) の基準産地は箱根
多年草.茎は高さ 70~100cm.葉柄は長さ 0.5~2cm.
葉身は長楕円形または披針形,長さ 5~15cm,幅 2~5cm,
先端は鋭く尖り,上面には軟毛が生える.花は 9~11 月.
花柄は無毛で柄は長く開出するため花序の幅が広い.
花冠は青紫色.萼裂片は細長い.
本州中部の太平洋側(栃木県~愛知県)に分布する.
県内では丹沢,箱根,小仏山地に分布するが,
多摩丘陵の川崎市高津区蟹ヶ谷
(1998.10.10 武井尚 KPM-NA0114331)でも採集されている.
シイ・カシ帯~ブナ帯までの丘陵~山地の樹林内や林縁に生える.
花名は、昔の箱根の関所、番小屋近くで多く見かけた事、
それ故で、冠にセキヤをつけたアキチョウジの意に由。
アキチョウジは西国に分布し、
神奈川県内に自生があるのは、この箱根に多い。
丹沢や箱根にも自生してるが、その他平地では栽培種のみ。
「令和陸年(皇紀2684年)9月29日、記」
#ブログ
ワオ!と言っているユーザー
9月
28日,
2024年
《雅羅・/・襍〝備忘録24-33〟❖ ’24-272 ❖》
コメント(0)
|
コメントを書く
|
固定リンク
タヌキマメ(狸豆) キク科(Fabaceae)
学名:Crotalaria sessiliflora L.
タヌキマメ・・・・なるほど!
一度聞いたら忘れない植物の1つ。
まるっこい苞がタヌキの姿と言うか、
毛深い容姿が、狸を連想できる。
元々は、栽培種だったが野性化した。
荒れ地などで見かけることがある。
本州から沖縄まで分布する一年生草本。
夏から秋に、結構美しい花を咲かせる。
茎はふつう枝を出さずに直立し高さ20-70cm。
上向きの伏毛があり、全体に褐色の長毛が多い。
葉はマメ科では珍しく単状複葉(1小葉)。
無柄で互生し、長さ4-10cm、幅0.3-1cm、
線形~狭長卵形で鋭頭。
表面は脈上以外は無毛で裏面は褐色の伏毛が密生。
托葉は長さ約4mmの線形。
茎頂に長さ5~10mmの総状花序を出し、
青紫色で長さ約1cmの蝶形花を2-10個につけ、
茎頂の総状花序に花が多数つく。
旗弁は幅7~10㎜の円形。
下から上にほぼ1個ずつ順次咲き、結実していく。
花は午後に開き、夕方にしぼむ。
翼弁と竜骨弁はほぼ同長。雄蕊は単体10個。
子房は無毛。苞は長さ5-8mmの線形。
萼は褐色の長毛が密生してよく目立ち、
上下2深裂して、上裂片は2裂、下裂片は3裂。
豆果は長さ1~1.5㎝の長楕円形、種子が10~15個入る。
豆果は長さ1~1.5cmの長楕円形で萼に被われ無毛.
熟すと2片に裂開して種子を飛ばす。種子は腎形で4~30個。
《 里地の秋花〝狸豆〟 ❖ 9月 ❖ 》
*神奈川県植物誌**
(1)タヌキマメ Crotalaria sessiliflora L.
1 年草.茎は直立して 6~70cm に達し,葉は線形で 1 小葉.
7~9 月に開花し,茎の先に青紫色の花を総状につける.
萼は花後に伸びて,豆果をおおう.
豆果は長さ 12mm 前後で,熟して裂開する.
本州,四国,九州,琉球;朝鮮,中国,
東南アジアに分布する.草地や路傍に生える.
県内では横浜市青葉区と栄区の 2 例のみであるが,
ともに失われており,『神 RDB06』では絶滅とされた.
今回,大磯で確認された.
標本:横浜市青葉区あざみ野 3 丁目 1985.9.7 北川淑子 KPM-NA1047435;
横浜市栄区中野町 1998.9.13 山下敏夫YCB422040;
大磯町高麗山 2010.11.7 鈴木照夫 YCB432629.
* * *
花名は、大きく膨らんだ萼が淡褐色の長毛に被われている。
そんな様子を狸の体または尻尾、睾丸に見立てたと云われる。
又、花を正面から見た姿がタヌキの顔を連想させるからとも。
眺めていると面白くも可笑しい連想出てくる花である。
「令和陸年(皇紀2684年)9月28日、記」
#ブログ
ワオ!と言っているユーザー
9月
27日,
2024年
《雅羅・/・襍〝備忘録24-32〟❖ ’24-271 ❖》
コメント(0)
|
コメントを書く
|
固定リンク
ノダケ(野竹) セリ科( Apiaceae/Unbelliferae)
学名:Angelica decursiva (Miq.) Franch. et Savat.
別名: ゼンコ(前胡)
ノダケは東北以南の湿った草原に生育する。
草丈1mを超える大型の多年草。
秋に暗赤紫色の花序をつける。
暗赤紫色花序は、白花が多いセリ科では特異。
ノダケは林縁や湿原の周辺などの湿った草地、
小川のほとりなどに生育することが多い。
香りが強く、民間薬にも利用されている。
花には、昆虫が飛来し、蟻もよく来訪する。
蜜の分泌も盛んなのか。
茎は暗紫色を帯び、縦脈がある。
葉は3出羽状複葉、小葉基部は翼状で小葉に柄はない。
小葉は長楕円形~長卵形、縁に粗い鋸歯がある。
複散形花序に暗紫色(まれに淡緑色)の花をつける。
花序の柄はほぼ同長で花序が丸くなる。
花序の基部には葉の退化した袋状の葉柄がつき、
蕾のときは帽子をかぶったように見える。
小総苞片は濃紫色、全縁。
果実はやや厚い翼がつき、長さ4~6㎜の扁平な広楕円形。
花弁の白いものはシロバナノダケという。
イワニンジンはノダケより鋸歯がするどく、
ノダケモドキはイワニンジンの1品種である。
シシウド属を詳細に判別するには小総苞片を観察する。
ノダケの小総苞片は紫色、全縁。
イワニンジンの小総苞片は短毛が密生する。
アシタバの小総苞片は全縁又は繊維状に切れ込む。
シシウドは小総苞片が無い。
《 高原の秋花〝野竹〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖ 》
**神奈川県植物誌**
(5)ノダケ Angelica decursiva (Miq.) Franch. & Sav.
ほぼすべての小葉の基部は翼状に流れ,小葉柄はない.
葉の縁はやや透明感のある白(標本では),
花序の直下には葉身の退化した緑色袋状の葉柄がつく.
大散形花序の柄は10数本でほぼ同長(長さ3~5cm),
稜があり,針状毛がある.
多くは花弁,小総苞,小花柄とも濃紫色.
果実は長さ4~6mm,幅3~5mm,
側隆条はやや厚い翼となる.花期は9~10月.
本州(関東地方以西),四国,九州;朝鮮,
中国,東シベリアに分布.
県内では沖積地を除く樹林内や林縁に普通.
花弁の白い品種をシロバナノダケ
form. albiflora (Maxim.) Nakaiといい,
秦野市と二宮町で採集され,
出口(1953 帷子川流域の植物)に横浜市の記録がある.
(6)イワニンジン
Angelica hakonensis Maxim. in Mel. Biol. 9:
257 (1873) の基準産地は箱根
*
茎や節が竹のように見え、
更に葉の根元のサヤが竹の子の皮のように見える!!
別名のゼンコ(前胡)は漢方の生薬名である由。
古くから薬草として用いられていた。
野草は、観賞用だけではない。
紫を帯びた褐色の花、微笑ましい。
「令和陸年(皇紀2684年)9月27日、記」
#ブログ
ワオ!と言っているユーザー
9月
26日,
2024年
《雅羅・/・襍〝備忘録24-31〟❖ ’24-270 ❖》
コメント(0)
|
コメントを書く
|
固定リンク
サワヒヨドリ(沢鵯) キク科(Asteraceae/Compositae)
学名:Eupatorium lindleyanum DC. var. lindleyanum
サワヒヨドリは日本全国、東南アジアに分布。
山間の湿原周辺とかやや湿った草原などに自生。
草茎は直立し、草丈50cm前後になる。
茎の上部の葉は、2枚が対生する事が多いが、
生育の良い個体では1カ所から3枚づつ出て
あわせて6枚の対生とか輪生のように見える。
葉は、長さ6~12㎝、幅1~2㎝の狭長楕円形。
鈍頭、葉の縁に不揃いな低い鋸歯があり、ほぼ無柄。
葉脈は、明瞭で3行脈。葉の両面に曲がった毛が散生。
葉裏には、腺点が密生する。
花は8月から10月にかけて咲く。花色も色々。
淡い紅紫色・色濃いものからぼ白色のものまである。
頭花は5個の小花からなり、密な散房花序となる。
総苞は長さ約5㎜。総苞片は2列。だが変異が多い。
茎などに開出した長毛があるケブカサワヒヨドリ。
毛が多く、葉脈が5行脈であるのは海岸型のハマサワヒヨドリ。
葉の裏の腺点が無いものはホシナシサワヒヨドリ。
葉が3全裂し、6個の輪生様なミツバサワヒヨドリ。
また、ヒヨドリバナとの交雑種は、実に多い。
交雑種はミツバヒヨドリバナと云われている。
ヒヨドリバナに近いもの(ヒヨドリバナのようで3行脈がある。)、
サワヒヨドリに近いもの(サワヒヨドリのようで葉柄が明瞭。)、
ヒヨドリバナに比べて全体に小型で花の色が暗紅紫色を帯びる、
葉形が小型で鋸歯が鈍い点などで区別できるが、
鋸歯が明瞭なものや葉の先端がヒヨドリバナのように尖っている、
中間型も多く、交雑種とされている。
ヒヨドリバナは草丈が高く、ススキ草原に適応した種。
近寄り花を観ると、繊細な踊り姿に見える。
サワヒヨドリは湿原の周辺などに見え草丈は、余り高くならない。
強い日照の下、生育する姿に適応性を観る。
《 高原の秋花〝沢鵯〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖ 》
**神奈川県植物誌**
(1a)サワヒヨドリ Eupatorium lindleyanum DC. var. lindleyanum
高さ 40~80cm.茎は直立し,上部にちじれた毛が多い.
葉は対生,ときに 3 輪生で,披針形,長さ 6~12cm,幅1~2cm,
鈍頭でやや無柄,下面に腺点があり,両面に縮れた毛が多く,
縁にはふぞろいな低い鋸歯がある.
総苞は長さ 4~5mm で小花は 5 個.総苞片は 2 列.痩果は長さ 2.5mm.
北海道,本州,四国,九州;朝鮮,中国,アムール,
ウスリー,フィリッピンに分布.湿った明るい草原にはえる.
ススキ群綱の標微種.
本変種内に次のような品種が区別されているが,
これらが意味のある区別なのか今後の研究課題である.
a.葉の下面に腺点がある
b.葉は分裂しない
c.開出した長毛はない
サワヒヨドリ form. lindleyanum
c.茎などに開出した白い長毛がある
ケブカサワヒヨドリ form. villosissimum Honda, nom. nud.
b.葉は 3 全裂する
ミツバサワヒヨドリ form. trisectifolium (Makino) Hiyama
a.葉の下面に腺点がない
ホシナシサワヒヨドリ form. eglandulosum (Kitam.) Murata & H.Koyama
葉形をしっかりと覚えないと判別できない。
*
身近な所では、未だ見つけていない草本。
非公開な場所に自生しているかもしれない!?!
「令和陸年(皇紀2684年)9月26日、記」
#ブログ
ワオ!と言っているユーザー
9月
25日,
2024年
《雅羅・/・襍〝備忘録24-30〟❖ ’24-269 ❖》
コメント(0)
|
コメントを書く
|
固定リンク
タカクマヒキオコシ(高隈引起し) シソ科 (Lamiaceae /Labiatae)
学名:Rabdosia shikokiana (Makino) H.Hara var. intermedia (Kudo) H.Hara
タカクマヒキオコシ(高隈引起し);多年草
山地の林内、林縁、在来種(日本固有種)本州(福島県以西の太平洋)、四国、九州で自生。
低地~山地の木陰や林縁などに生える茎高40~80cmの多年草。
葉は長さ5~13cmの広披針形~長卵形で先は尖り鋸歯がある。
9~10月、上部に総状花序を出し、淡青紫色の小さな花を多数つける。
イヌヤマハッカと酷似しているが、葉裏の中脈は無毛。
花柄や萼に微細な腺毛があり、萼歯の先端が細長くなる。
イヌヤマハッカは箱根二子山(標高1,091m)の山頂付近が基準産地。
ブナ帯の林内、林縁に生え太平洋岸では標高1000m付近以上に分布する。
葉の主脈上には微細な白毛がありイヌヤマハッカに見えるが、
花柄の微細な毛が腺毛であることでタカクマヒキオコシと識別する。
葉表の脈には開出毛があり、採取して時間が経つと曲がる。
葉裏の中脈上には微細な屈毛がある。
屈毛はルーペではほとんどわからず、無毛に見える。
毛の量は変化があり、非常に少ないものもある。
花柄や萼に長さ0.03~0.08㎜の腺毛が密生し、花冠にも腺毛がある。
萼歯の先端は細長い。花冠は最も長いものが9.5㎜である。
茎は4稜形、下向きの毛がある。葉は対生し、葉柄は長さ0.5~3㎝。
葉身は長さ3~10㎝、幅1~3㎝、披針形~広披針形、時に長卵形~卵形。
先は尖り基部は楔形、翼状になり葉柄へと続く。
葉表は無毛~有毛があり、葉裏の中脈は無毛、腺点は不明瞭。
花は茎頂の総状花序に多数つく。
花柄や小花柄には微細な腺毛が密生。苞は長楕円形~広披針形。
萼は微細な腺毛があり、2唇形、萼歯の先端が細長い。
上側の3裂する萼歯の方が下側の萼歯より短い。
花冠は長さ8~10㎜、腺毛があり、青紫色、上唇は浅く4裂し、
班紋はなく、下唇の縁が内巻きになって舟形に突き出す。
雄蕊、雌蕊とも花冠より短くて突き出ない。果実は4分果。
イヌヤマハッカ(Isodon umbrosus)は、
花色は紫、葉は広卵形で先が尖り、上の花びらには縞模様がない。
ヤマハッカは低地の普通種、葉の幅が広く基部は急に細くなり花冠に濃紫色の班点がある。
コウシンヤマハッカはイヌハッカの変種、
カメバヒキオコシのように葉の先が3裂せず、
カメバヒキオコシと同じように葉幅が広く、4㎝以上ある。
《 高原の秋花〝高隈引起し〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖ 》
**神奈川県植物誌**
(4)タカクマヒキオコシ Isodon shikokianus (Makino) H.Hara var. intermedius (Kudô) Murata
多年草.茎は高さ 50~80cm.葉柄は長さ 0.5~3cm,葉身は披針形または広披針形,長さ 3~10cm,幅 1~3cm,
下面の中肋は無毛.花は 8~10 月.花冠は長さ 8~10mm で青紫色.
花柄や萼筒部基部付近に微細な腺毛がある.
本州(福島県以西の太平洋側),四国,九州に分布する.
県内では箱根仙石原の湿った樹林内や林縁に生える.
基準変種のミヤマヒキオコシ var. shikokianus は四国の山地に分布する.『神 RDB06』では絶滅危惧Ⅱ類にされた.
(5a)イヌヤマハッカ Isodon umbrosus (Maxim.) H.Hara var. umbrosus; Plectranthus inflexus (Thunb.) Vahl ex Benth. var.
umbrosus Maxim. in Bull. Acad. Imp. Sci. St.Petersb. 20(3): 453 (1875) の基準産地は箱根。
多年草.茎は高さ 60~80cm.葉柄は長さ 0.5~2cm.葉身は長楕円形または披針形,長さ 3~10cm,幅 1~3cm.
上面に軟毛が生え,葉面中肋に曲がった毛が生える.花は 9~10 月.
花柄に開出する毛が密生し,萼筒には微細な短毛とまれに腺毛がある.
花冠は長さ 8~9mm で青紫色.
本州(関東地方西南部~中部地方東南部)に分布する.
県内では箱根,丹沢,小仏山地に分布し,ブナ帯の樹林内や林縁に生える.
白花品はシロバナノイヌヤマハッカform. albiflorus Tuyama in J. Jpn. Bot. 27(11): 340 (1952) といい,
箱根二子山山頂付近が基準産地である.秦野市や山北町で採集されている.
淡紅色品はウスイロイヌヤマハッカ form. lilacinus Asai in J. Jpn. Bot. 42: 201 (1967) といい,
箱根神山付近が基準産地.
葉の形等、よくよく観察しないと。慎重にじっくりと観察あるのみ。
「令和陸年(皇紀2684年)9月25日、記」
#ブログ
ワオ!と言っているユーザー
9月
24日,
2024年
《雅羅・/・襍〝備忘録24-29〟❖ ’24-268 ❖》
コメント(0)
|
コメントを書く
|
固定リンク
ツクバトリカブト(筑波鳥兜) キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Aconitum japonicum Thunb. subsp. maritimum
(Tamura et Namba) Kadota var. maritimum
(A. momosei, A. rectissimum, A. tsukubense)
ツクバトリカブト(筑波鳥兜);
東北地方~関東地方の太平洋側、長野県に自生地がある。
鳥兜の名は、花の形が舞楽用鳳凰の頭を形どった冠に似ており、
筑波山で発見されたのでツクバの名を冠した。
トリカブト類は言わずと知れた全草が猛毒な植物。
特に塊根の毒性が強く、古くは毒矢の材料として利用された。
一方では薬用としても用いられてきた。
変異が大きく、また交雑しやすいので分類が難しい。
関東地方の低地~丘陵地では主に本種が見られる。
北限は青森県南部。
塊根は円錐形~紡錘状円錐形。
栄養繁殖体(子根)を残すが母根は1年で枯れて消失する。
そのことで、擬似1年草といわれている。
茎は草原では直立、林縁では斜上または先端部が曲がり高さ0.6-1.5mになる。
茎は下部を除いて屈毛がある。
葉は互生、中部の茎葉はやや厚く、長さ幅とも9-20cmで3全~深裂。
側裂片はさらに2中裂するがしばしば2深裂する。
それ故、初めから5裂しているように見えるものもある。
各裂片には浅裂状の粗い鋸歯があり、
鋸歯は長楕円状卵形で鋭頭またはやや鈍頭。
両面と葉柄に屈毛がある。
花序は散房状で花柄に屈毛があり、花は上から咲いていく。
花は青紫色、長さ3-4cmで外面に屈毛がある。
萼片は5個あって花弁状。頂萼片は僧帽形で嘴はやや短い。
2個の側萼片はほぼ円形~倒卵形、2個の下萼片は楕円形~長楕円形。
花弁は2個で頂萼片の内側に隠れ、身部の中程で長い柄につきイの字形になる。
柄の付着点より先は距となって蜜を出す。距は短く太い。
雄蕊は開出毛があって多数。雌蕊は5-4個で無毛。
果実は袋果で花柱は果時にも残る。
種子は多数で鱗片状の横ひだがある。花期:8-10月
《 里緑地(里山)の秋花〝筑波鳥兜〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖ 》
**神奈川県植物誌**
(3b)ツクバトリカブト Aconitum japonicum Thunb. subsp. maritimum (Tamura & Namba) Kadota
茎は直立または斜上する.葉は輪郭が 5 角形,3 全裂~3 深裂し,
左右裂片の欠刻が深いため葉身が 5 裂したかのように見えるものもある.
葉形の変異の幅は広いが,ヤマトリカブトと比較すると,
鋸歯は粗く,鋸歯先端の突出が顕著な傾向にある.
花柄には全面に粗面屈毛が生える.
花冠のかぶとは僧帽形,嘴が長い.
雌しべは無毛,稀に粗面屈毛が背軸側にまばらに生える.
雄しべはふつう粗面開出毛が密生するが,ときに無毛となる.
本州(関東地方~中部地方)に分布.
県内では主として東部の海寄りの丘陵地に分布する.
神奈川県が分布の南限にあたる.
*
里山緑地や山間林縁の明るい草地に生える多年草で日本固有種。
トリカブトと言うのはトリカブト属の総称。
名の由来の鳥兜とは、
神社祭礼にあるサルタヒコノミコト(猿田彦命)が被っている頭巾。
又、全草猛毒と言えば、食中毒。
植物での食中毒、危険度ではイヌサフラン(コルチカム)が一番。
スイセン(水仙)も毒性が強い。
横須賀市追浜の鷹取山は、ツクバトリカブトの観察場所。
思い出すと親たちとニリンソウを食材として摘みに行った。
そんなおりトリカブトの若葉との見分け方を教わった。
ニリンソウは白い花を付ける。白い花を確認して摘む、と。
「令和陸年(皇紀2684年)9月24日、記」
#ブログ
ワオ!と言っているユーザー
9月
23日,
2024年
《雅羅・/・襍〝備忘録24-28〟❖ ’24-267 ❖》
コメント(0)
|
コメントを書く
|
固定リンク
フクオウソウ(福王草) キク科(Asteraceae)
学名:Nabalus acerifolius Maxim.
本州~九州に自生。山地の薄暗い林内に生える。
和名は三重県の福王山で発見された事に由来。
茎や萼、全体に腺毛がある。葉は互生、翼があり長い柄につく。
葉は長さ幅とも6~10㎝、掌状に3~7裂し、基部は心形。
細長い花序の花柄の先にまばらに頭花を下向きにつける。
頭花は長さ約2㎝、幅1~1.5㎝、9~13個の舌状花が集まる。
舌状花は紫白色、灰色の縦線模様がある。
総苞は長さ約10㎜の細い筒形。痩果は無毛。
冠毛は鈍い白色~褐色を帯びる。
晩夏の頃から初秋に、山地の林下で時々出会う花。
花が目を引くので根元にある葉に目が行かないが、
大きく切れ込んだ形、葉も中々にみごたえがある。
花弁の倍近い長く伸びた雄蕊は特徴的である。
《 里緑地(里山)の秋花〝福王草〟 ❖ 9月~10月上旬 ❖ 》
**神奈川県植物誌**
24.フクオウソウ属 Nabalus Cass.
(支倉千賀子,『神植誌 01』:浜口哲一,図:浜口哲一)
多年草.葉は柄があって互生し,しばしば柄に翼をもつ.
直立した茎の先に円錐形の花序をつけ,
横向きか下向きに多数の頭花をつける.
痩果はやや偏平な円柱形で,先は狭まらず切形に終わる.
染色体基本数 x=8.東アジアと北アメリカに約 15 種,
日本には 2 種が分布し,ともに県内に産する.
従来はフクオウソウ属 Prenanthes L. とされてきたが,
近年の分子系統学的な研究により複数の属に分離され,
日本産の 2 種はフクオウソウ属 Nabalus とされた.
A.葉は茎の下部に集まってつき,掌状に 5~7 裂する.頭花は紫白色
(1)フクオウソウ
A.葉は花時には茎の中上部につき,切れ込みのある 3 角形.
頭花は淡黄色.
(2)オオニガナ
(1)フクオウソウ Nabalus acerifolius Maxim.; Prenanthes acerifolia (Maxim.) Matsum.
多年草.下部につく大型の葉には翼のある柄があり,走出枝を出す.
茎や総苞には,ふつう開出する腺毛が生える.
8~9 月に径 1.5cm の頭花を多数,円錐花序につけ,頭花はやや下垂する.
痩果は円柱形で長さ約 5mm.本州,四国,九州に分布する.
山地の林内に生える.
県内では丹沢,箱根,小仏山地のおもにブナ帯に分布し,普通に見られ
る.
諏訪編(1983 座間市の植物 : 87)に座間村産の標本写真(1934.8.24 金井茂)が掲載されており,
平地の記録としては特記すべきものであろう.
茎と総苞に腺毛を欠くものはフクオウニガナ P. acerifolia form. nipponica (Franch. & Sav.)
Matsum. & Koidz. といい.その基礎異名の N. nipponicus Franch. & Sav., Enum. Pl. Jap., 2(2):
420 (1878) の基準産地の 1 つは箱根街道沿い.
県内ではこの型は稀で『神植誌 88』以降の調査では採集されていない.葉が分裂しないものはマル
バフクオウソウ P. acerifolia form. heterophylla Matsum. & Koidz. というが,
本調査では記録されなかった.
(2)オオニガナ Nabalus tanakae Franch. & Sav. ex Y.Tanaka & Ono;
Prenanthes tanakae (Franch. & Sav. ex Y.T
* * *
東日本大震災の被災地を訪ねたおり、北茨木市郊外で出会った野草。
人知れず楚々と咲いていた姿に寂しさを感じたが、これが自然。
「令和陸年(皇紀2684年)9月23日、記」
#ブログ
ワオ!と言っているユーザー
×
ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
ログイン
まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
新規ユーザー登録へ
現在 7/227 ページ
<<
<
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
>
>>
最新記事
ホーム
RSS
ヘルプ
...
自己紹介
By
zakkah
:・:・:*:万象:*:凡声*:画録・・: ・: :・:・:*:緑・海気浴・/・襍にbloguru・・: ・: :・:・:*襍崋*巾着袋*:・: ・:
53
メールを送る
ブログル仲間
坂本祐央子(さかもとゆみこ)
shiropoko
KUMA
ターキーさん
SETSUKO
riku1947
ペガサス
椎
mokomoko
錦糸町の天使
wahootaste
カレンダー
53
53
12
2024
<
2024.12
>
日
月
火
水
木
金
土
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
最新コメント
ハッシュタグ
ブログ
植物
花
その他
自然
園芸
歴史
環境
経済
政治
<
ヒストリー
2024.12
2024.11
2024.10
2024.9
2024.8
<
ハッピー
悲しい
びっくり