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Zak_Kinchaku-Bukuro
https://jp.bloguru.com/zakkah
11月
6日,
2024年
《 雅羅・/・〝備忘録 24-50❖ ’24-311 ❖ 》
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ハナノキ(花の木)ムクロジ科(Sapindaceae) カエデ属
学名:Acer pycnanthum K.Koch
別名:ハナカエデ(花楓)
春先に、葉に先立って紅色の花が咲くため、ハナノキの名がある。
本州(長野、愛知、岐阜)に自生・分布する(神奈川県内に自生は無い)。
山地の湿地に見えるが、栽培され公園樹や街路樹としてはよく見る。
樹皮は淡灰褐色。若いうちは滑らかだが、縦の縞模様ができる。
大きくなると、浅く裂け、剥がれるようになる。
葉は対生し、葉身は倒卵形。基部から3主脈が出て、浅く3裂するする。
縁には不揃いの鋸歯がある。雌雄異株。3~4月、葉に先立って花が開く。
花は束生し、紅色。樹全体が赤く見える。
雌花だともみえる種子。カエデの仲間は、きれいに目を楽しませてくれる。
花の後、種子が早く形成するが、熟すのは遅い。秋には紅葉もする。
カエデ科 は現在のAPG分類ではムクロジ科に含められた。
トウカエデは幹の樹皮が短冊状に剥がれ、葉が浅く3裂し、全縁。
ウリカエデは幹に黒い縦縞があり、菱形の割目が入る。
葉裏の脈腋の薄膜はなく、赤褐色の毛がある。
ホソエカエデは幹がウリハダガエデによく似ている。
葉裏の脈には薄膜がつくが、赤褐色の短毛はない。
小花柄が1㎝以上あり、細い。
《 この時期、紅葉として賑をみせる〝花楓〟》
** 神奈川県植物誌 **
《12.ハナノキ節 Sect. Rubra Pax》
*アメリカハナノキ Acer rubrum L.
別名ベニカエデ.雌雄異株の落葉高木.
葉は卵形~楕円形で 3 浅裂するものが混じる.
葉下面粉白色,鋸歯は日本のハナノキに比しやや低平.
花芽から多数の花を垂下.果梗は 2~5cm.
分離翼果は開度 40~55 度の狭角に開く.
アメリカ東部原産で公園木や街路樹として賞用.
本州中部(長野県,岐阜県,愛知県)に自生のあるハナノキ
(ハナカエデ)A. pycnanthum K.Koch は大変よく似た種,
アメリカ産と識別は難しい.日本のものを変種にする説がある.
* *
紅葉の季節になったが、懐かしくも思い出す紅葉。
長野県・木崎湖の景観。
※ 画像は、総て借り物。※
「令和陸年(皇紀2684年)11月06日」
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11月
5日,
2024年
《 雅羅・/・〝備忘録 24-49❖ ’24-310 ❖ 》
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センブリ(千振)リンドウ科(Gentianaceae)センブリ属
学名:Swertia japonica (Schult.) Makino
センブリは日本各地に自生・分布している越年草。
各地の山野に自生しているが、生活様式の変化に伴い
山林、草原が管理されなくなった結果、数を減らした。
都道府県レベルで絶滅危惧種に瀕している所もある。
センブリは春に発芽し、翌年の秋に開花する野草。
又、2年間で大きく育たなかったものはその次の秋に開花する。
開花後、種子を残して枯れ落ちる。
センブリは初め円形ないしは倒披針形の根生葉で過ごす。
2年目の夏に茎をのばして線形の葉を出し、
先端付近に密に花を付ける。開花期は一般に8~11月半ば。
花冠は白色で紫色の筋がある。花冠は深く5裂し、
基部には緑色円形の蜜腺溝が2個あり蜜腺溝の周囲には細毛が生える。
一つ一つの花は直径2cm程度で小さいが、多数咲き華やか。
センブリは「千回振り出しても(煎じても)苦い」に由来する。
それほどに苦みが強く、そして苦味に残留性のある植物として有名。
開花期の全草を採集、乾燥して薬用とされる。
ドクダミやゲンノショウコ同様、苦味健胃薬、整腸薬として用いられる。
センブリは山野草として栽培されている様だが、発芽しにくい植物。
茎は4稜形、根元から分枝し、紫色を帯びることが多い。
葉は対生、無柄。葉身は長さ1.5~3㎝の広線形で全縁。
淡紫色を帯び、上部で分枝した枝先や上部の葉腋に花を数個つける。
小花柄は長さ0.5~1.5㎝。花冠は5裂、稀に4裂、裂片は長さ10~15㎜、幅2~4㎜。
表面が白色で紫色の条線があり裏面は紫色を帯びる。
蕾の時は紫色に見える。
花冠の基部に緑いろの蜜腺が2個ずつあり、蜜腺の縁に長毛がある。
萼は5深裂し、萼片は長さ4.5~8.5㎜、幅0.5~1㎜の線形、鋭頭。
果時にも残る。雄蕊は花冠裂片と同数。花糸は長さ約5㎜、線形。
子房は紡錘形、雌蕊は短い。蒴果は長さ12~16㎜、幅1.5~2㎜の紡錘形。
熟すと乾き、先が3~4㎜ほど2裂開する。
種子は長さ0.5~0.7㎜、卵状の不定形、暗褐色、表面に微細な凸凹がある。
イヌセンブリは湿地に生え、苦味がなく、花冠基部の毛が多い。
ムラサキセンブリは花が一回り大きく淡紫色、蜜腺が明瞭には見えない。
※ 以上の画像は、総て借り物 ※
《 この時期、山岳地で見た野草〝千振〟》
** 神奈川県植物誌 **
(3)センブリ Swertia japonica (Schult.) Makino
全草苦味があり,健胃剤として有名.
茎は高さ 5~20cm で,よく分枝し紫色を帯びる.
葉は細く,縁がやや裏側に反る.花は 9~11 月.
花冠は長さ約 1cm.白色で紫色の筋がある.
三浦半島で見られる海岸型は葉が厚い.
北海道西南部,本州,四国,九州;朝鮮,中国に分布する.
山地から海岸にいたる日当たりのよい草地や路傍に生える.
県内では丹沢,箱根,小仏山地に多く,
丘陵地でも稀に見られるが減少傾向にある.
八重咲品をヤエセンブリ form.albiflora Tuyama といい,
『横植誌 68』に記録がある.
標本:ヤエセンブリ 横浜市鶴見区三ツ池 1946.11.1 出口長男 KPM-NA0080325.
* *
千回振り出し(煮出し)てもまだ苦みが出てくるとされる。
どくだみ、げんのしょうこ、と日本三大薬草と称されている。
丹沢や箱根で幾度となく見かけた野草。足元に可愛く見せた。
かつては、山地で普通に見れたが今や神奈川県内では絶滅寸前に由。
「令和陸年(皇紀2684年)11月05日」
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11月
4日,
2024年
《 雅羅・/・〝備忘録 24-48〟❖ ’24-309 ❖ 》
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シラタマホシグサ(白玉星草)ホシクサ科(Eriocaulaceae)ホシクサ属
学名:Eriocaulon nudicuspe Maxim.
静岡、愛知、岐阜、三重県に自生、東海地方の湿地花を代表する花の1つ。
しかし、今や低湿地植物として、減少している高さ20~40cmの1年草。
葉は長さ14~20㎝、幅1~3㎜での線形で先は針状に尖る。
花茎は明瞭な4肋があり、細長く直立できるようにねじれている。
8~10月、 茎頂に直径6~8mmの白色の球形頭花を1個つける。
雄花と雌花が混生する。
雄花は萼も苞状であり、萼や苞の上部に白色の太い短毛が密生する。
花弁3個、白色の短毛が上部にある。雄蕊6個、葯は黒色。
雌花は基部に長毛があり、萼や苞の上部に短毛が密生する。
子房は3室で、3個の種子が出来る。柱頭も3分岐。
《 楽しげな野草〝白玉星草〟》
※ 以上3画像は、総て借り物 ※
全国には、地域にのみ生育している野草が色々いる。
現代社会では、園芸種としてそんな希少種も身近で見れる。
我が両親は、全国に旅し100種もの自生種を収集していた。
現地に訪れ、許可を得て自宅の温室等で観察していた。
後に、記録と生きた草本を専門家に総て委ねた。
今にして見れば、賢明な処置だったと思う。
十数種も自生地が絶滅してしまったものがあった。
時折、そんな植物に会いに行くのが楽しみである。
〝白玉星草〟も我が家に到来した草本の一つであった。
「令和陸年(皇紀2684年)11月04日」
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11月
3日,
2024年
《 雅羅・/・〝備忘録 24-47〟❖ ’24-308 ❖ 》
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キクタニギク(菊渓菊)キク科(Asteraceae) キク属
学名:Chrysanthemum seticuspe f. boreale
別名:アワコガネギク(粟黄金菊)
※ 以上の画像は借り物 ※
キクタニギク(菊渓菊);日本固有種、多年草
岩手県以南の東北地方南部、関東・中部地方・近畿地方、九州北部に分布する。
山地の谷間のやや乾いた崖に生える。根茎を長く伸ばさない。
茎は叢生し、高さ1〜1.5mで、多く分枝する。
葉は有柄で、葉身は長さ5〜7cm、幅4〜6cm、やや薄く、羽状に深裂する。
裂片の先はとがり、基部は切形またはやや心形。
頭花は黄色で、やや散房状に多数つき、径1.5cm、花が終わると点頭する。
総苞は長さ4mm、総苞片は3〜4列で覆瓦状、外片は線形または狭長楕円形。
そう果は長さ1mm。
1990年代以降、法面緑化に使われたヨモギの種子に交じって侵入した外来種
キクタニギクが、分布域以外の地域でも発見されている。
国外では朝鮮半島・中国に分布する。
別名アワコガネギク(粟黄金菊)花期は10〜11月。(日本の野生植物)
《 キク科の野草は判らない花〝菊渓菊〟》
** 神奈川県植物誌 **
(3)キクタニギク
Chrysanthemum seticuspe (Maxim.) Hand.-Mazz.; C. boreale Makino; Dendranthema boreale (Makino) Y.Ling ex Kitam.
別名アワコガネギク.本州,九州(北部);朝鮮,中国(東北部)に分布.
県内では林縁や肥沃な土手などに生えるが少ない.
最近緑化牧草に混じって生える国内帰化のものが報告されており,
韓国産の緑化牧草種子に由来するという
(植村 1998 近畿植物同好会会報 (73): 5-10).
学名上の母種は皇居に現存する稀少な園芸品種のカモメギクform. seticuspe で,
野生種のキクタニギクが form. boreale (Makino) H.Ohashi & Yonek. となる.
キクタニギクの学名は従来 C. boreale とされていたが,
カモメギクの基礎異名の Pyrethrum seticuspe Maxim.
が種ランクでは優先するため,表記学名が正名とされた.
* *
キク科の野草は、沢山あって判別に苦労する。
それでも思いを馳せて楽しく散策したい。
「令和陸年(皇紀2684年)11月03日」
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11月
2日,
2024年
《 雅羅・/・〝備忘録 24-46〟❖ ’24-307 ❖ 》
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リュウノウギク(竜脳菊)キク科(Asteraceae)
学名:Chrysanthemum makinoi Matsum. et Nakai
リュウノウギク(竜脳菊);キク属・日本固有種、多年草
本州(福島県・新潟県以西)、四国、九州に自生分布。
神奈川県内では、全域に見られ山野の林縁に生える。
茎が細いため花の頃に立ち上がることは少なく、
崖から垂れ下がるように咲くことが多い。
葉は互生し、カエデ類の葉のように浅く3裂する。
表裏に毛があり表面は緑色、裏面は毛が密生し白っぽい。
花は秋の遅く、ノコンギクなどの終わりの頃に咲く。
蕾は、花が開くまでは目立たない。
茎の先端に1~3個の白い頭状花を咲かせる。
舌状花は丸みを帯び、園芸種の菊の花に近い。
花はかすかに青味を帯び、茎にも毛が密生している。
果実の成熟も遅く年を越しても頭状に種子を付けている。
種子に冠毛は無いので風散布にはならない。
茎、葉に竜脳のような香りの揮発油が含まれ、
葉を手でもむと良い香りがする。
キクほど臭いは強くない。
* *
珍しい未見の竜脳菊が掲載されていた。上記HPより転載させて頂いた。
URL:
https://jousyuu2.sakura.ne.jp/tsutsuzakiryuunougiku.html
ツツザキリュウノウギク(仮称)
キク科キク属
Chrysanthemum makinoi (学名はリュウノウギク)
山地の岩場やガレ場などに稀に生える高さ40~80cmの多年草。
葉は卵形~広卵形で3中裂、裏面は丁字状毛を密生し、灰白色。
頭花は直径3~5cm、 舌状花は白色だが、後に淡紅色を帯びる。
栃木のある岩場には基本種に混じって、筒咲きが多数生育していた。
文献に記載は無く、ツツザキリュウノウギク(筒咲き竜脳菊)や
シモツケリュウノウギク(下野竜脳菊)を提唱したい!
※ 以上、総ての画像は、借り物 ※
《 身近で確認できていない花〝竜脳菊〟》
** 神奈川県植物誌 **
2)リュウノウギク
Chrysanthemum makinoi Matsum. & Nakai; Dendranthema japonicum (Makino) Kitam.
多年草.舌状花は始め白色であるが,次第に紅色を帯びる.
本州,四国,九州に分布.
シイ・カシ帯~ブナ帯の乾いたススキ草原や岩場などに生える.
ヤグルマリュウノウギク
form. frondosum Honda in Bot. Mag. Tokyo, 44: 668(1930) の基準産地は箱根(1928 K.Hisauchi).
チョクザキリュウノウギク var. tuberosum Honda in Bot. Mag. Tokyo, 45:
139 (1931) の基準産地は横浜(1924 K.Hisauchi)
*
茎や葉の香りが竜脳樹から採る香料「竜脳」に似ていることからついた名。
キクは栽培菊が中国から伝来し、漢音をほぼそのまま通用したもの。
あるいは、香りが久しいことから久久(クク)としそれの変化ともされる。
*
竜脳菊、神奈川県内では広域でちらほら見かける普通種といわれているが、
自宅近くの里緑地では、未だ見つけていない(探し方が、悪い)。
又、”乾いた草原や岩場などに生える”とあるが、林縁部の湿った岩崖で見ている。
葉を揉んでみると、昔・昭和時代に使われた防虫剤(樟脳)に似ている。
「重陽の節供」
旧暦の9月9日は重陽の節供。陰陽道で陽の数(奇数)の重なる日。
往古から年中行事(節供)として祝ってきた。
1月(人日)、3月(上巳)、5月(端午)、7月(七夕)。
最大の数が重なる日を9月(重陽)の節供とした。
江戸時代には五節供として公式の祝日とされていた。
重陽の節供は、作物の豊作を感謝する秋の収穫祭、
別称「菊の節供」ともいわれる。
菊はその香気から不老長寿の薬草と考えられていた。
新暦の9月では菊には早いこと等で五節供としては廃れた。
インドでは、法華の秘術(長生きの術)は、菊花酒を指した。
日本でも平安時代には長寿を祈り宮中で観菊の宴が催された。
日本酒の名に菊の字が多いのは、シルクロード繋がりか。
花が美しいキク種はノジギクを始めとして西日本に多い。
東日本では、リュウノウギクが代表格と言われる。
「令和陸年(皇紀2684年)11月02日」
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11月
1日,
2024年
《 雅羅・/・〝備忘録 24-45〟❖ ’24-306 ❖ 》
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イトラッキョウ(糸辣韮)ヒガンバナ科(Amaryllidaceae)
学名:Allium virgunculae var. virgunculae
※ 未見の希少・貴重な菊花を知った。羨望のまなこ!! ※
イトラッキョウ(糸辣韮);ネギ属
西南日本の植物雑記IV.より転載 :
九州南部から南西諸島のヤマラッキョウ群の分類
堀田 満;故人、鹿児島大学名誉教授(鹿児島大学理学部地球環境科学科)
九州南部に分布する「ヤマラッキョウ」とされていたものは,
葉が中実で雌しべの基部の蜜腺に帽子状の覆い構造が発達しないことで
ヤマラッキョウから区別できるので,
ナンゴクヤマラッキョウAllium austrokiushuenseとして新種記載した。
初島住彦によってヤクシマヤマラッキョウと呼ばれていたものは
イトラッキョウに所属することが確かめられたので,
新しくヤクシマイトラッキョウAllium virgunculae var. yakushimenseとした。
また,アマミラッキョウA. amamianumは夕マムラサキA. pseudojaponicumと
同種で,しばしばヤマラッキョウと混同されてきたこのタマムラサキは
形態的にも,染色体数でも異なる明確な種であることを明らかにした。
《 この季節に対面したい野草〝糸辣韮〟》
色々なブログを参考にして、感慨を;
両親の植物メモを見ていて気になる植物名を目にした。
メモの日付が、11月1日なので今日付けのブログ記事にした。
九州の山野草の中で最後まで観に行けなかった野草。
“イトラッキョウ・オトメラッキョウ”僕自身全く知らなかった花。
晩秋、山野草の花は少なくなる。そんな中で極めて限定的に咲く花。
九州、平戸島に咲くイトラッキョウは一見の価値ある、と知った。
草原の岩上に咲く。花茎は高さ8~22cmで、
根生葉は長さ10~20cmのごく細い円筒形である。
花茎の先に紅紫色の花を散形状に2~12個つける。
白花品種はオトメラッキョウと呼ばれている。
雄しべは花被片より少し長く、花の中の子房は緑色である。
日本固有種で、長崎県の平戸島のみに分布する。
ヤマラッキョウに比べ花は小さく、
花の付き具合も疎らで弱々しさも感じられ、
守ってあげたいという気持ちにさせる可愛らしい花である。
薄い赤紫色の花は、その可愛らしさを一層引き立たせ、
さらに白色のオトメラッキョウは、清楚で、純粋な印象を受ける。
急斜面の岩場に、晩秋の寒風の中、強風に耐えている健気な姿が印象的。
海に面した斜面ということもあるのかいつも風が強いイメージがあり、
小さく可愛い姿を写真に収めるのには結構苦労する。
白花品種はオトメラッキョウと呼ばれ、
イトラッキョウより、清楚で、純粋な印象を受ける。
*
かようなブログ記事を拝すると、是が非でも会いに行きたい。
「令和陸年(皇紀2684年)11月01日」
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10月
31日,
2024年
《 雅羅・/・〝里緑地の花 '10-12〟❖ ’24-305 ❖ 》
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サラシナショウマ(晒菜升麻)キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Cimicifuga simplex Wormsk.
蕾状態の茎。
サラシナショウマ(晒菜升麻);サラシナショウマ属
北海道、本州、四国、九州、各地の山地の木陰や草原に生える。
地下茎は、黒色を帯び横に伸びる。
茎は単一で直立し高さ1mに達し、上部は分枝する。
茎の下部は、無毛で頂端に白色の細毛を密生させる。
葉は互生、基部に近い茎葉は2~3出複葉。
長さ30㎝以下の長柄で、葉柄基部は膜質となって茎を抱く。
小葉の葉身は卵状三角形、長さ30㎝以下、頂小葉は披針形~菱形。
普通、3裂し縁は不揃いの鋸歯縁。側小葉は、無柄で頂小葉より小さい。
葉裏は脈上に僅かに毛があり葉表は無毛。上部の茎葉は小さく1~2出複葉。
茎頂および分岐した茎の先に長い穂状花序をつける。
花柄は5〜10mmで短毛。雄花と両性花とが混生する。
苞は先細、小花柄より短く小花柄は長さ5~10㎜前後。
萼片は、4~5枚、舟形で蕾を包み花弁状、背に短毛がある。
花弁は白色3〜5mm。先は2浅裂し雄蕊に混ざって先端が曲がる。
雄蕊は多数、長さ5〜6mm、花糸は無毛で先が少し広がる。
萼片・花弁ともに花が咲くと落ちてしまう。
花糸は白色、狭い線形で長さ5㎜位で無毛。葯は楕円形、長さ約1㎜。
雄蕊が伸びると多数の長い雄蕊が、ブラシ状のように見える。
雄蕊の数は変化あり、心皮は2~8個、灰色~白色の毛で有柄。
花の散った後、果柄に数個の楕円形袋果がつく。花柱は、先が少し曲がる。
熟すと口が割れて種子がこぼれる。種子は数個入っている。
楕円形で長さ約3.5㎜位。周囲に鱗片状の翼がある。
《 里緑地で新た開花していた〝晒菜升麻〟》
** 神奈川県植物誌 **
7.サラシナショウマ属 Cimicifuga L. ex Wernisch.
多年草.根茎は発達する.
根生葉は大型で長柄あり 3 出複葉.花序は頂生して総状または穂状,
萼片は花弁状で4~5 枚,花弁は 1~8 枚でふつう下部に蜜腺がある.
萼片や花弁は早落し,多数の雄しべが萼片や花弁より長く,
白く目立つ.果実は袋果.
北半球の暖帯以北に約 15 種ある.
日本には 3 種があり,いずれも県内に産する.
ルイヨウショウマ属 Actaea に含める見解もあるが,
Cimicifuga が側系統群である確実な証拠が見出せないため,
ここでは従来通りまとめた.
A.花には花柄がある.葉下面脈上の毛は屈毛 ..................................................................................(1)サラシナショウマ
A.花はほとんど無柄,葉下面脈上の毛は縮れて開出
B.葉は 1~2 回 3 出複生し,上面脈上有毛 ............................................................................................(2)イヌショウマ
B.葉は 1 回 3 出複生し,上面脈上無毛 ..............................................................................................(3)オオバショウマ
泉の森の晒菜升麻は、散策路縁で誰でも見れる所に咲いている。
今回、新たに別場所に開花していると聞き、訪ねてみた。
神奈川県内では、シイ・カシ帯の丘陵からブナ帯まで林内に生え、
県央の沖積層を除きほぼ全域に自生・分布する、と資料にある。
ここ泉の森は、沖積層、洪積層が混在している場所に映る(私見)。
地質学での地質年代は検証されているが、泉の森の植生環境は分析を見ない。
散策していると、不可思議な植物と出会えて楽しい。
今回見た晒菜升麻は、中々見つけられない場所。
散策路下、崖の下で草木に隠れ余程注意深く探さないと。
よくぞ見つけたものだと感心する。
而して見えやすく周りをつぼ刈りしてあるではないか!!
こんな気遣いをしてくださる植物調査をされてるご婦人達。
里山緑地の調査、保存・保全の姿を見た思いだった。
自然(植物)とは、まず見つけることに始まる。
里山緑地にして然りだ。感謝感謝の思いで花と対話した。
サラシナショウマは、山菜としても美味である。
若葉を茹でて水にさらし山菜として食したものだ。
食料不足だった子供の頃、野草で食卓は潤っていた。
又、升麻(ショウマ)って、漢方的に生薬でもある。
解熱、解毒、扁桃腺、口内の腫れ等に効く。
10~11月に根を掘り、洗って日干しにする。
「令和陸年(皇紀2684年)10月31日」
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10月
30日,
2024年
《 雅羅・/・襍感〝晩秋=初冬〟❖ ’24-304 ❖ 》
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ツタウルシ(蔦漆) ウルシ科(Anacardiaceae)ウルシ属
学名:Toxicodendron orientale Greene
ツタウルシ;つる性落葉木。
北海道〜九州の山地の落葉樹林内に生える。
つるから気根を出して、ほかの樹木の幹をはい登り、
日の当たる樹冠部で枝を広げる。秋には紅葉する。
樹皮は黒褐色。
若枝には褐色の毛が密生するが、
のちに無毛になり、小さい皮目が無数にできる。
本年枝は直径2〜5mm。葉は互生。3出複葉。
小葉は卵形または楕円形で、先は短くとがり、
基部はくさび形または円形。
側脈は7〜9対。頂小葉は長さ5〜15cm、幅3〜9cm、
側小葉は長さ5〜12cm、幅3.5〜7cm。
表面は無毛、裏面は側脈の基部に褐色の毛が密生する。
成木の葉は全縁だが、幼木の葉には粗い鋸歯がある。雌雄別株。
葉腋から総状花序をのばし、黄緑色の小さな花を多数つける。
花序は長さ3〜5cm。
花弁は5個、長さ約3mmの長楕円形で、雄花も雌花も反り返る。
雄花の雄しべは5個。
雌花には退化した雄しべが5個と雌しべが1個ある。
花柱は3裂する。果実は核果。
直径5〜6mmの扁球形で縦の筋があり、
表面には短い刺毛が散生する。
8〜9月に黄褐色に熟す。
のちに外果皮は剥がれ、白いロウ質の中果皮が露出する。
核は黄褐色で扁球形。花期は5〜6月。
冬芽は裸芽で褐色の毛が密生する。頂芽は長さ4〜8mm。
側芽は球形〜卵形で長さ1〜3mm。
葉痕はハート形〜腎臓形でやや隆起する。
維管束痕は7個。(樹に咲く花)
《 身近の紅葉に愛でたい樹〝ツタウルシ〟》
** 神奈川県植物誌 **
1.ウルシ属 Toxicodendron Mill.
落葉高木または低木,ときにつる性の木本.
葉は互生し,奇数羽状または 3 出複葉.
花は雌雄異株または雌雄雑居性.
葉腋に円錐花序を出す.萼,花弁,雄しべは 4~6 個.
子房は上位 1 室,花柱 3,核果はやや偏平.
本属は一般に秋に紅葉する.温帯~熱帯に 22 種がある.
日本に 5 種があり,この内 1 種はウルシで栽培され逸出している.
A.葉は 3 出複葉.
気根により他物にからまって上昇するつる植物(藤本)............................................(1)ツタウルシ
(1)ツタウルシ Toxicodendron orientale Greene; Rhus ambigua Lavallée ex Dippel
つる性木本.気根が出て他の樹木にはい上がる.
葉は 3 小葉からなり,羽状脈をもち,卵形~楕円形で長さ 5~15cm,
全縁(幼葉には粗鋸歯がある).葉の下面の中部の脈腋に褐毛がある.
雌雄異株.北海道,本州,四国,九州;サハリン,千島に分布.
山地~丘陵に生える.
幼木の葉はブドウ科のツタ Parthenocissus tricuspidata (Siebold& Zucc.) Planch. に似るが,
ツタは 3 出脈で葉の下面脈腋に毛叢がなく,
枝の変化したつるの先端の吸盤で上昇する.
*
近間の里緑地では見かけない。否、探しきれていない。
茅野市北山・軽井沢・丹沢等で見た。
紅葉見物に遠出できないときは、鎌倉で出会っていた。
鎌倉での紅葉散策の第一弾だった。
鎌倉を離れて、暫く見ていない。
「令和陸年(皇紀2684年)10月30日」
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シロダモ クスノキ科(Lauraceae) シロダモ属
学名:Neolitsea sericea (Blume) Koidz.
別名:シロタブ、タマガラ、オキノミノキ
上画像、シロダモ雌株。赤い実と奥・黄色い雌花。
↑雄株と雄花↑
シロダモ; (常緑小高木)
宮城・山形県〜沖縄の暖地の山野の比較的湿潤なところに生える。
樹高10〜15mになる。樹皮は緑色を帯びた暗褐色。
まるい小さな皮目が多く新枝には黄褐色の毛が密生する。
葉は互生。枝の先に集まってつく。
葉身は長さ8〜18cm、幅4〜8cmの長楕円形~卵状長楕円形で全縁。
3脈が目立つ。若葉は垂れ下がり、両面とも黄褐色の絹毛に覆われる。
成葉になると表面は無毛。裏面はロウ質におおわれて灰白色。
多少絹毛が残る。葉柄は長さ2〜3cm。雌雄別株。
葉のわきに黄褐色の小さな花が集まってつく。総苞片は広楕円形。
花被片は4個。雄花の雄蕊6個。葯は4室、内面に2室、左右に2室。
雄花にも雌蕊があるが結実しない。
雌花には雌蕊1個と仮雄しべが6個ある。花被片は4個あり、平開する。
葯のない棒状の仮雄しべと黄色い腺体がある。
果実は液果、長さ1.5cm前後の楕円形。翌年の10〜11月に赤く熟す。
種子は球形。花期は10〜11月。
冬芽の葉芽は長楕円形で先端は尖る。花芽は球形で無柄。(樹に咲く花)
クスノキ科の特徴に葯には弁がある。
果実が黄色く熟すものをキミノシロダモという。
独特な若葉。
《 身近で確認できる樹〝シロダモ〟》
** 神奈川県植物誌 **
6.シロダモ属 Neolitsea (Benth. & Hook.f.) Merr.
常緑高木または低木.雌雄異株.
花序は散形,花芽は数個の総苞片に包まれる.
アジア,オーストラリアの熱帯および亜熱帯に約 85 種が知られる.
日本に 3 種が分布し,県内には 2 種がある.
A.葉は長楕円形で長さ 8~18cm,下面は著しい白色.花は秋に咲き黄色.
果実は赤く熟す ..................(1)シロダモ
(1)シロダモ Neolitsea sericea (Blume) Koidz. var. sericea
常緑低木.冬芽はふく瓦状の鱗片に包まれる.
葉は互生,枝の上部ではときに偽輪生になり,葉柄の長さ 2~3cm,
3 行脈があり,下面は著しい白色,若葉は両面に黄金色の絹状毛がある.
花期は 10 月.散形花序は葉腋から枝中間の落葉痕につく.
果実は液果で翌年の秋に赤色に熟し,雌株では花と果実が同時に見られる.
本州,四国,九州,琉球;朝鮮半島(南部)に分布.
県内ではシイ・カシ帯のほぼ全域で見られる.
*
シロダモ(白梻)の思い出。
花期の11月頃、冬山の準備・トレーニングに夢中になっていた若い頃。
横須賀線・東逗子駅から鷹取山によく通った。
今でこそしっかりと緑地公園かしている鷹取山周辺だが、
まだまだ素朴な緑地・・地元民の遊び緑地だった。
そんな地への入口にある神武寺(逗子市)。
そこは、今でも自然豊かな緑地である。
その神武寺にシロダモが居り、花と実を魅せて居た。
花柱痕(かちゅうこん)がそれほど大きくないシロダモ。
実が赤く熟したはずなのに続いて花が咲く不思議。
花が咲くまで赤い実が傷まず残っているは稀と聞いた。
「令和陸年(皇紀2684年)10月29日」
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ツルソバ(蔓蕎麦)タデ科(Polygonaceae)
学名:Persicaria chinensis (L.) H.Gross
別名:ウシノヒタイ
ツルソバ(蔓蕎麦);
本州(房総半島南部以西の太平洋側)・四国・九州・沖縄に自生している。
暖地の海岸に多くみられ、群落もある。
茎は中空、下向きの小刺があり分枝が多く地を這うように広がる。
節から根を出し、上部は直立し高さ 30 - 100 cm。
葉は、互生。先が尖った卵形〜楕円形で短い葉柄がある。
両面に星状毛と刺毛があり,縁毛は密生する。
托葉鞘は長さ 5 - 8 mmの短い筒形で,
上部が葉状に広がるものと縁毛だけの2種ある。
11月頃に、茎頂や葉腋に総状花序を作り芳香がある花を咲かせる。
白色または淡紅色の花弁に見える部分は萼。
花被は長さ 4 - 7 mmで先端が5裂し花柄には赤色の線毛がある。
花後に花被片は肥厚し液質になり、青味がかった黒色に熟す。
果実は黒色の痩果で、肉質になった花被片に包まれる。
名は、ツル性で花がソバに似ることから。
実をサラダに添え、新芽はあえ物や天ぷらにして食す。
《 身近で確認できていない植物〝蔓蕎麦〟》
** 神奈川県植物誌 **
(16)ツルソバ Persicaria chinensis (L.) H.Gross
多年草.全体無毛で茎は地をはい長さ 2m ほどになる.
葉は卵形~卵状楕円形で長さ 4~10cm,幅 3~6cm,
先は鋭尖形,基部は切り形.
托葉鞘は長さ 10~15mm で,上部は斜め切り形.
10~15 花が集まって詰まった総状花序となる.
花期 6~11 月.花は直径 7mm ほどで花被は 5 裂,花柱は 3 裂し,雄しべは 8 個で花被より短い.
花後,花被は多汁となって果実を包む.
果実は長さ約 2.5mm,3 稜形で黒色,光沢はない.
本州(関東地方南部以西),四国,九州に分布.暖地の海岸に群生する.
『神植誌 88』では,県内の記録は逸出とされていたが,
これは伊豆から採ってきたものが鶴見高校周辺で逸出したもの.
その後,『神植誌 01』では真鶴岬をはじめ 8 ヶ所から記録され,
今回の調査でも分布を拡大している.
*
ツルソバは以前、東伊豆で見たが、余り印象に残っていない。
神奈川県内でも自生してるようだ。来年は探してみたい。
親のメモ(花日記)を整理しながらここで記しているのだが、
詳細な自生場所が書かれておらず、自生場所を探すのが大変だ。
「令和陸年(皇紀2684年)10月28日」
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