米地方選挙、共和党完敗
11月
9日
米共和党は、4日に投開票されましたニューヨーク市長選など地方選で全敗でした。高騰する生活費への不満が募り、<トランプ政権>への批判として表面化した形になっています。中間選挙を来年に控え、政権や党内には動揺が広がっているようです。
地方選は、ニューヨーク市長選で住宅や食品、育児のコストを引き下げると訴えた民主党の急進左派<ゾーラン・マムダニ>氏が勝利。南部バージニア、東部ニュージャージー両州知事選でも生活費対策を掲げた民主党候補が当選しました。三つの選挙と同時に実施された副知事選や司法長官選なども軒並み制する完勝でした。
背景には、家計を圧迫するインフレへの根強い懸念があります。<トランプ米大統領>は敗因を「(人気者の)私(の名前)が投票用紙になかった」ためとうそぶき、株価の高さを引き合いに「経済の奇跡をもたらしている」と強調しますが、<バンス副大統領>は自身のX(旧ツイッター)で「まともな生活を無理なく送れるよう努力する」と投稿。危機感を隠していません。足元の共和党内では、政権の看板政策である高関税措置を抑制し、生活費対策に重点を置くべきだとの声が上がっているといいます。
実際、CNNテレビの出口調査によりますと、重要課題として最も多く挙がったのは、市長選で「生活費」(55%)。2知事選でも「経済」「税」となり、政権が重視する「移民対策」「犯罪」への関心は必ずしも高くないことが示されています。
昨年の大統領選でインフレ対策への期待から<トランプ>氏を支持し、勝利の原動力となった中南米系有権者の投票行動にも影響が及んでいます。いずれの選挙も投票先は民主党が共和党を上回り、中南米系住民の割合が高いニュージャージー州では約7割を獲得。もともと民主党の地盤ではありますが、大統領選時に州全体で約6ポイントだった共和党との得票率の差は約13ポイントに開いています。










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