「第26回東京フィルメックス」が、2025年11月21日から11月30日まで東京・有楽町朝日ホール、ヒューマントラストシネマ有楽町で開催されます。
このたび、<シン・ジーレイ(辛芷蕾)>が第82回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で最優秀女優賞に輝いた中国映画『太陽は我らの上に』(『原題:日掛中天』)がオープニング作品として上映されます。またクロージング作品は<フオ・モン(霍猛)>が第75回ベルリン国際映画祭コンペティション部門で銀熊賞(監督賞)を獲得した中国映画『大地に生きる』(『原題:生息之地』)に決定しています。
アジアの新進作家を中心に世界から選りすぐった作品を紹介する「東京フィルメックス」です。『人山人海』などで知られる<ツァイ・シャンジュン(蔡尚君)>の長編4作目となる『太陽は我らの上に』は秘めた過去を抱える男女の葛藤をスリリングに描いた物語です。劇中では、かつて恋人同士だった「メイユン」と「バオシュウ」が、長い別離を経て、病院で偶然の再会を果たします。「バオシュウ」は「メイユン」の犯した罪を被って入獄するも、「メイユン」がわずか1年ほどで新しい人生を歩み始めた過去がありました。現在、「メイユン」には既婚者の恋人がおり、子供を妊娠したばかり。しかし、刑務所を出た「バオシュウ」が末期がんだと知り、彼女は自らのアパートに迎え入れ、治療に専念させようとします。
『長江 愛の詩』やドラマ『慶余年~麒麟児、現る~』などで知られる<シン・ジーレイ>が「メイユン」を演じ、『シャドウプレイ』の<チャン・ソンウェン(張頌文)>が「バオシュウ」役で出演。<ウィリアム・フォン(馮紹峰)>もキャストに名を連ねています。
クロージング作品の『大地に生きる』は10歳の少年の目を通して、激動期の中国の知られざる一面を映した物語です。1991年、両親が兄姉を連れて南部の都市・深圳に出稼ぎに行くことになったため、3人きょうだいの末っ子「チュアン」は、家族と離れ、別の村の親戚に預けられます。大家族のなかで元の苗字のまま生活し、村に完全な帰属意識を持つことができずにいる「チュアン」でした。それでも曾祖母やおばの愛情に包まれながら日々を過ごすことになります。
またこのたび、本映画祭のプレイベント「香港ニューウェーブの先駆者たち:M+ Restored セレクション」が、11月14日から18日までヒューマントラストシネマ有楽町で開催されます。香港の現代ビジュアルカルチャー美術館「M+(エム・プラス)」が修復した3本の香港映画が上映されます。
ラインナップには<トン・シューシュン / セシリア・トン(唐書璇)>が、恋情と貞淑を重んじる道徳規範の間で引き裂かれる寡婦を描いた『董夫人 レストア版』、<ピーター・ユン(翁維銓)>が警察・情報提供者・麻薬密売人の複雑な関係性や攻防をつづった犯罪ドラマ『ザ・システム レストア版』、<パトリック・タム(譚家明)>が監督を務め、<ブリジット・リン(林青霞)>がヒロインを演じたサイコスリラー『愛殺 レストア版』です。
プレイベントのチケットは11月6日12時、東京フィルメックスのチケットは11月7日12時にそれぞれ発売されます。有楽町朝日ホールはLivePocket、ヒューマントラストシネマ有楽町は劇場公式サイトおよび劇場窓口でチケットを取り扱います。従来のU-25割をさらに拡充させ、29歳以下なら割引価格で購入可能。前売券の料金はプログラムによって異なりますので、詳細は映画祭公式サイトで確認をしてください。